ボッタクリ資本論―ゼニが来るヤツ逃げるヤツ (知恵の森文庫)

ナニワ金融道の青木雄二先生の本で、結構面白いのですが、

この本の41ページにマンガつきで、次のようなセリフが書かれています。

「「貸し渋り」「貸し渋り」 と騒いでいるけど だいたい銀行がなかったらやっていけないような企業は企業ではありませんわ 一膳メシ屋のオバはんなんか 銀行は関係おまへん オバはんのほうがよっぽどりっぱな企業家ですわ」

マンガは一膳メシ屋の風景で、壁に

「どなた様に限ぎらずお支払いは現金にてお願い致します 店主敬白」

と書かれています。

私はこのマンガを拡大コピーして事務所に貼っているのですが、非常に勉強になります。

このオバハンは地に足がついた経営をしていますね。

ところが、一般の経営者はなかなかそれが実践できません。

ある程度以上の規模(ある程度以上の借入金)を越えると人間の管理能力の限界を超えるのだと私は思います。

会計事務所に勤務していた頃、某大手電機メーカーの経理部にいた人が、同じ事務所に入ってきたのですが、彼は

「川本さん、僕は生まれて初めてBSとPLを見ました」

というようなことを言っておりました。

つまり、大企業では経理部といっても、膨大な会計データのごくごく一部しか担当しないので、全体を見ることはない。

税理士事務所で担当するような小さな企業の会計をやっているほうがよっぽど会計の勉強になるわけです。

今回、アメリカのリーマンが破綻し、AIGも危機に陥りましたが、

新聞記事やテレビのニュースでは「兆」単位の金額がバンバン出てきます。

「兆」とはどんな単位の数字なのか?

私は想像も出来ません。

全部1,000円札にして横に並べたら地球を何周できるのか?

100円玉にすると東京ドーム何杯分??

大企業のトップやCFOなどは、こういう単位のカネがしっかりとイメージできて、企業の業績を把握し、負債の管理をキッチリ出来ているのでしょうか?

出来てないですねー。

出来ていないことは今回の破綻事件で明らかになりました。

結局現代の大企業の財務管理は、人間の管理能力の限界を超えた規模になってしまっているのではないでしょうか?

経済が健全だった昔は出来ていたのか?

戦後の高度成長からバブル期にかけて、日本経済は順調に成長してきましたが、

アノ時代は財務管理の能力が優れていたわけではなくて、

ほっといても会社の業績が伸びて利益が出る、借入金はバンバン返済できるし、株主配当もドンドンできるという状況だったので、財務管理など必要が無かったと思うのです。

企業は規模を拡大することを目標にしているわけで、せっかく大きくなったものを無理に小さくすることが良いとも言い切れませんが、

少なくとも、日本国民の一人一人が一膳メシ屋のオバはんのマンガを事務所に貼り、

これを参考にしながら、少しでも堅実な経営を目指していくべきではないかと思います。