ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)
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二回読みましたが、名作で非常に勉強になる本です。

以前に読んだムハマドユヌスさんの本と同様に、世界の貧困問題をビジネス(自立支援)で解決していくことを提唱する内容で、前半は理論の解説、後半は貧困層を対象とした

・金融サービス
・医療サービス
・義足の製造
・失明の撲滅
・インターネット情報サービス
・行政サービス

などのケーススタディが書かれています。

本文ももちろんタメになりますが、付録のCD(ビデオ)も素晴らしい。

本の内容がよりよくイメージできるので何度も繰り返し見てしまいます。(書評で、日本語字幕が出ないと書いていた人がいましたが、字幕はでます)

なぜこの本やCDが面白いかというと、将来に対して明るい希望が持てるからです。

現在は世界的な経済危機の時代で、誰もが将来に不安を感じています。

不安とは、簡単に言うと「仕事がなくなる、生活が出来なくなる」という不安です。

ところが、いつの時代にも

「困っている人の問題を解決してあげる仕事」

というのは永遠になくなることが無い。

世界的経済危機の時代において我々が考えるべきことは、これまで先進国が培ってきた高い技術力を、「企業価値(株価)を高めるため」ではなく「困っている人を助けるため」に使っていく方法を考えることだと思います。

もちろん、この本に書かれているような世界の貧困問題を解決することも重要ですが、私は近い将来、日本においても、今以上に失業率が高くなり、多くの人々が企業に雇用されるのではなく、自分でビジネスを始めて自立していかざるを得ない時代が来ると思います。

日本の経済は、いずれ持ち直すとは思いますが、もう今までのような輸出依存の製造業に大量の日本人を終身雇用するなどという時代は戻ってこないと思うからです。

で、多くの人が生きていくタメに商売を始めるような時代には、この本に書かれているような「自立支援」のビジネスが非常に重要になるのではないか?

もちろん自立することは簡単なことではありませんが、多くの人がチャレンジする時代がやってくると思うと、将来に対して、わずかな希望がわいてきます。

377ページに

「私たちは、医師の能力を最大限に引き出し、維持したいと考えています。そのためには彼らの仕事にもっと大きな意義を持たせることが有効かもしれません。」

ということが書かれており、これが印象的。

本文の意味とは少し違うのですが、あらゆる仕事に大きな意義を持たせることは重要なことです。

職業訓練、金融サービス、私たち税理士の担当する会計・税務サービスなどの仕事も、人々の「自立支援」、さらに「地域活性化」「日本経済再構築」、あるいは「世界の貧困層の自立支援」などという意義を持たせていけば素晴らしい仕事になり、社会に与える影響も大きくなります。

そういうことを考えさせられる名著ですぞ