久しぶりに井上靖の「おろしや国酔夢譚」を読みました。

この本も何度読んでも面白い名作です。

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)
おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)
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ちなみに私が持っているのは徳間文庫版で、最初のところに緒方拳が主演した映画の写真が何枚か載っているものです。

私は1993年と1994年にロシアに行ったことがあるのですが、おそらくその前後にロシアに関心をもち、初めてこの本を読んだのだと思います。

なぜか久しぶりに読みたくなったので、本を開いたのですが、

「併し・・・」

という言葉が何度も出てきます。

例えば光太夫たちがアムチトカ島に漂着したとき、土民がこっちへ来いと呼ぶのですが、皆が尻込みしてしまう場面で、(47ページ)

「俺は船頭の役で船を棄てていくわけにはいかぬ。誰か行ってみることじゃ。家もあるに違いないから、様子を見届けてくべし」
併し、余りいい役ではなかったので、自分から進んで行ってみようというものはなかった。

と書かれているところがあります。

意味は前後の文章から推測できますが、恥ずかしながら、読み方がわからず、

たしか前に読んだときも辞書で調べたな・・と思いつつ、国語辞典で調べてみました。

併し(しかし)
前の話の内容を否定したり、その内容から予想されることと反対のことを述べたりすることをあらわす。
「だが」より少し改まった言い方。「然し」とも書く。(三省堂の国語辞典)


漢字は難しいなあ。

でも、(私にとっては)普段あまり使わない漢字が出てくることで、小説の風格を感じたりしますので、これもこの小説の魅力のひとつかも知れません。