古くて新しい世界に誇れる青森の郷土料理

後世に伝えたい、残したい、先人の知恵が集約された多種多様の食材と類まれな青森の食文化をご紹介いたします。 料理本や教科書に登場する事の無い古くて新しい青森の魅力ある料理の数々を ご覧下さいませ。

初夏

青森の竹の子焼

IMG_0682{津軽半島産天然竹の子焼。}
青森で筍といえば画像のもの、学術的にはチシマザサの若竹のことをさします。根曲がり竹や姫竹などとも言われ、名産地では取れる産地の地名を付けて○○竹などとも呼ばれています。
関東・関西で筍といえば通常孟宗竹を指しますが、青森ではチシマザサが通常です。
気候的にチシマザサが適しているからでしょう。
掘りたて茹でたての孟宗竹の甘くトウモロコシの様な味わいとはまた別に、チシマザサは繊細な野趣溢れる味わいが持ち味です。
京都などの竹林農場などで収穫できる孟宗竹とは異なりチシマザサは全くの天然もので山中に行かなければ採れないものです。
その山から採取してきた竹の子を皮付きのまま焼き、皮を剥き甘味噌などを付けて食べる青森の初夏の味覚です。
一番の美味しさの要点は採れたてのものをすぐ焼くことです。
鮮度が味そのものといっていい食材ですから、採ってその日だけの食べ方といってもいいでしょうか?
個人的にはそうしていて、余った竹の子はすぐさま皮を剥き茹でて、明日明後日の味噌汁や炒め物用などに処理をしておきます。
焼き竹の子はどうしても灰汁があるので、何本も食べれるものではありませんが、その繊細な野趣溢れる味は自然のご馳走です。


天燃活締め平目刺し


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{津軽海峡下北産天然活締め平目。}
平目の漁獲量全国一位の青森県。
平目は県魚にもなっているほど身近な食材です。
平目は全国どこの海でも水揚げされるものと思いますが、
これも他の食材同様住んでいる地域によりまったく身質が
異なる食材になってしまい、同じ名前なれど水揚げされる
地域によって味わいは似て非なるものになります。
漁獲量が多いということはそれだけその地域にその生物が住む
環境が適しているということでありますから、青森県の海は
平目さんにとって住み心地抜群ということでありましょう。
全国的にも白身魚の王者と太鼓判つきの平目で、青森県産は
東京では一キロ一万円ほどの値が付くと聞いておりますので、
それだけの価値があるのでしょう。
同じ青森でも、日本海・陸奥湾・津軽海峡・太平洋と海の条件が
異なりますので、四者四様の味わいがあります。
その中でも津軽海峡産のものは見質がねっとりしっかりとしたもち肌で
他のものとはレベルがずば抜けて美味しいものです。
今年、いつも平目を頼んでいる魚屋さんに平目が入荷無く、
他の魚も目ぼしいものが無かったので、いつもと違う魚屋さんから
姿・状態を確認しただけで、何も聞かず平目を買い付け、
いつものように卸す作業にかかると、何となく包丁の入りが違うのに気付き、
「おかしいな~・・・。」と思う事が2~3回あったので、その魚屋さんに「どこ?」と聞いてみると、
ここ2~3回「津軽海峡産の平目が入荷無く、秋田沖の平目。」ということでした。
しっかりと確認しなかった自分が悪いとは言え、青森で天然活締めの平目が
魚屋の盤台にに上がっていれば、青森県産と疑うことも無く買い付けてしまうものです。
これはいい勉強になりました。姿形キロ数も変わらないのに、卸してみると、
津軽海峡はプリップリのもち肌で、秋田沖は水っぽくサクサクした身質でありました。
隣り合わせの県でも「こうも違うものなのか~・・・。」と青森で飯を食べていることに
毎度毎度幸福感を覚えます。
誰が決めたか、料理本や教科書では平目は寒のものと決まって登場しますが、
年がら年中白身魚を毎日のように目利きし買いつけ卸して食べている自分から見れば、
平目の美味しい時期は6月です。
画像の卸した平目をご覧いただければ分かるかもしれませんが、白皮の脂の乗り具合、
縁側の充実振り、姿の割りに実が厚く鼈甲色した平目にお目にかかる比率は6月前後が
最も多いものです。
どんな魚にも共通していることが、卵や白子が大きくなれば、身は痩せるもので、
時期にもよりますが総体的にオスよりメスが美味しいものです。
春前が産卵時期の平目は寒の頃より、産卵が終わって一息ついて、卵や白子に取られた
栄養を今度は身に蓄え始めます。そのいい頃合が6月前後ということです。
青森に生まれ育って、幼少の頃から当たり前のように食べてきた平目も、
板前家業をやっていると色々な角度から平目を食べ分け「青森の皆さんは豊かだな~。」と
感じるものです。

津軽割烹店主話もご覧ください。http://www.tk-mirai.com/
ヤフーブログ‘食の桃源郷 青森’もご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/tugarukappoumirai/24757642.html



























津軽半島産天然ワラビお浸し

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{極上の天然ワラビお浸し。山葵を添えて}
‘山にワラビ、海に河豚’と、かの北大路魯山人氏が示しているように、
山の中で一番うまいものはワラビ。海では河豚と言うわけですが、
そう言っても頷けなくも無いでしょうか?
山菜の美味しさはある程度いろいろなものを食べつくし、
人生面でもベテランにならなければ好まないものでしょう。
ワラビやゼンマイの美味しさ、山菜の葉物のおいしさはなかなか
ご理解いただくのは難しいものです。
好みがはっきり分かれるというか、食べ慣れた方と普段口にする機会の
無い方では山菜の美味しさは二極化いたします。
同じ山菜でもスーパーや市場に並んでいるものと、自ら山へ分け入り、
採れたてを下処理したものでは雲泥の差が生じるのも山菜であります。
画像のものは津軽半島の山中から朝取りしてきたものをすぐ灰汁抜きし、
八方出汁に漬け込み冷蔵で数時間冷やしたもの。
太さも大人の小指ほど、長さは大人の腰ほどもあるもので、それでも
採る時は先の穂は開かず柔らかなものをさらに選別し、採ってから
一時間以内に下処理・調理したものです。
全国にワラビはあれど、これ程の極上物にはなかなか出会えないと思われます。
山菜類もワインと同じくテロワールが色濃く反映するので、これ程の物は、
決まった場所にしか出てくれません。
味わいは歯ざわり良く、独特の強いヌメリは長芋以上。
甘味と香りは‘山にワラビ・・・’と言わしめてしかるべきかも知れません。
その様な天然物を口にしていると、売っているものは手が出ないもので、
津軽に生きる山菜採りの皆様方は幸せなものだと思います。

津軽割烹店主話もご覧下さい。http://www.tk-mirai.com/
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