古くて新しい世界に誇れる青森の郷土料理

後世に伝えたい、残したい、先人の知恵が集約された多種多様の食材と類まれな青森の食文化をご紹介いたします。 料理本や教科書に登場する事の無い古くて新しい青森の魅力ある料理の数々を ご覧下さいませ。

ミズと大角天炒め

041{ミズと大角天炒め。}
津軽の夏を代表する山菜のミズ。
山形・秋田・青森・岩手ではよく食べられている山菜と思われます。ほかの地域に無いのかは不明ですが、関東から西の方々は知らない食材のようです。
その独特のしゃきしゃきとした歯ざわりと上物になるとぬめりもあり夏の暑い時期には爽やかな味を提供してくれます。
ただ、皮を剥く作業が面倒で、これは現役を引退した方々にお任せするのがいいでしょう。我が家では自分の親父の仕事で、バイクで15~20分も走れば山がありミズがいくらでもあるので親父が自分で採りに行き、帰ってきては日がな一日テレビを見ながらミズの皮むきをしているものです。
そして大角天。これは青森だけなのかネーミングが青森だけなのか、簡単に言うと長方形の薄っぺらいさつま揚げ。青森のおでんには欠かせない具材ですが、家庭ではおでん種だけではなく、炒め物などにも活躍する優れものです。
ミズと糸こんにゃくの炒め物・ミズと大角天の炒め物、これらは津軽の夏の定番のおかずです。
出来立ての熱々を白いご飯とともに、晩酌のお酒の当てに、お弁当にもこんなのが入っていれば津軽らしいでしょう。

カレイとササギの煮つけ

画像-366{津軽海峡産天然真カレイと津軽平野産ササギ煮付け。」
ある統計を見ると青森県は一人当たりの魚介類の消費量がダントツで全国一らしいです。当然といえば当然で青森県という複雑な形の地形に海が入り組み日本海・太平洋・陸奥湾・津軽海峡と異なった四つの海を擁し、十三湖・小川原湖・十和田湖などの湖・河川が沢山あるわけですから、魚は豊富で多種多様なものが水揚げされ、鮮度がよく美味しいわけですから、毎日のように魚を食べるのはごく当たり前のことであります。
年中、平目・鯛・油目(鮎並)・ソイ・烏賊・ホタテなどなどが揚がり、 青森県人の海岸線付近の住人にとっては身近で高級魚といった感覚はありません。
そして、年中楽しませてくれる魚の中にカレイ類があります。物の本によると日本で水揚げされるカレイは50~60種ほどあるらしくそのうち青森県では30種ほどのカレイが揚がり、漁師さんはカレイが見分けれるようになったら一人前ということらしいです。
都市部の方々は平目を有り難がり、カレイのことはほとんど知らず、カレイにそれほど種類が豊富だということはあまり認知はされていないようです。 無いのだから知りようも無いかもしれませんが、青森で魚を毎日食べている人は平目よりカレイを好みます。値段の問題ではなく、カレイのほうがバラエティーに富、平目は食べ飽きるということが原因です。平目は味の幅が狭いということもあるでしょう。カレイは季節により何種類も食べ分けることが出来、しかも種類によっては調理法も変るので、味の幅が広く楽しめるものです。
冬は卵をたっぷり抱えた‘ババガレイ’を煮付け、2~4月は柳カレイ・水草がレイを干したり唐揚げにしたり、春は宗八カレイや目板カレイを干物にしたり、夏は真カレイ・石カレイを刺身や煮つけにしたりと色々な食べ方をするものです。一つ一つのカレイが個性・特徴がありそれぞれ美味しいものです。
夏場によくご飯のお供に津軽の郷土料理で食べるものに「カレイとササギの煮つけ。」があります。
出汁は使わず(魚自体に味があるので出汁はいらない)、酒と醤油と好みでお砂糖を少し入れカレイを煮ていき頃合を見てササギを入れ落し蓋をして一緒に煮付けます。出来たてもいいですが、少し味を染み込ませ、冷えたところを炊き立てのご飯のお供にするのも乙なものです。勿論酒の肴にもいいです。
そして、残った煮汁に切りつけたナスやお豆腐などを加え煮返し、カレイの出汁が染み込んだところを味わうのも二度楽しめ、台所を取り仕切る者にとっても手間も省け経済的でいいものであります。
この料理も近頃は見かける機会が少なくなってきたもので、魚介類の減少と家庭料理の衰退は歯止めが掛からないのが侘しい気もいたします。




背景画像 津軽道から岩木山を望む 

ささぎ炒め


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{ささぎ炒め}
‘ささげ’とか‘ささぎ’と津軽では呼びます。学名はささげのようですが、津軽人の多くはささぎと呼びます。
津軽ではいつ頃から食べられるようになったのか、定かではありませんが、ものの本によると平安時代には既に日本にはあったようです。
平べったくて大きいのが特徴で、丸い形状のインゲンとは別な種類のようです。
この頃は青森でも丸いインゲンも見かけますが、自分が学校に通っている頃は平たいささぎしか見たことがありませんでした。
津軽の夏の家庭の食卓には欠かせない 食材です。
頻繁に登場する料理であります。
細切りにしたささぎと糸こんにゃくや細切り油揚げなどを合わせいためることが多いものです。たまに人参やそのほかの食材を合わせたささぎ炒めを目にすることもありますが、個人的にはあまり具材をごちゃ混ぜにしないほうが美味しいと思います。
シンプルな調理法でシンプルな味付けで十分美味しいものなので、家庭では重宝する料理であります。
夏場は沢山取れるのでお求め安いことも家庭の台所事情にやさしい食材です。
津軽の気候風土がささぎには適しているのだと思います。
沢山沢山取れるので沢山食べるものです。この様にささぎを主役にした料理を作る地域は全国的には少数派のようで、津軽人には当たり前でも他県の方々に出すと珍しがられることが多いものです。
旬真っ盛りのときは、鞘に熱を加えると甘味が出るので、油と塩だけ、油と醤油だけで調理することも多いものです。たまに砂糖をたっぷり利かせたささぎ炒めに出会うこともありますが、あまり進まないものです。
歯ざわりはキュッ、キュッと鳴くときもありそれがまた心地いいものです。


津軽割烹店主話もご覧ください。
楽天ブログ‘青森’もご覧ください。
ヤフーブログ‘食の桃源郷 青森’もご覧ください

ホタテの刺身

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{陸奥湾産帆立の刺身}
陸奥湾特産の帆立刺し。
真夏が旬の帆立ですが、ここ数年温暖化の影響で、
陸奥湾の海水温が上がってしまい、なかなか帆立には
厳しい環境になることが多くなったものです。
普段でも9割が加工用に回され、なかなか陸奥湾の帆立を
生で入手するのは一般の方々には難しいでしょう。
青森の方々は地元の飲食店で帆立を見れば陸奥湾産と
思い込んでしまっておりますが、多くは北海道や三陸のもの。
陸奥湾産を食べ慣れた人はすぐ湾内ものか外海ものかは
判るものですが、その様な方々も少数派でしょう。
我々青森のものにとっては帆立というものは身近な存在で、
一昔前までは「帆立は貰う物。」という意識があったものですが、
このところの生産減で、その様な雰囲気でもなくなってきたものです。
関東や関西の方々は帆立の貝殻すら知らないというか考えたことも無い。
と伺いますが、帆立以上に美味しい貝類というものはなかなか見かけるものでは
ありませんね。
血生臭い貝類は沢山ありますが、帆立のように上品で繊細で甘みがあって
味わい深い貝類が身近にあるというのは青森の方々は幸せなものです。
今でも、帆立を貰うことがありますので、貝付きの生きた帆立を
貝からはずし、さっと洗って、ビクッと動く貝柱を縦に切り、
活の状態で食べる美味しさは、唯一無二の味わいです。鮑より上々です。
帆立の刺身は間違っても横に切ってはいけません。
繊維が縦に入っているので、繊維に沿って切らなければ、歯ざわりの
美味しさが半減します。お寿司などは横に切って蔵掛けに握ったりしますが、
それでは帆立が可愛そうです。
12月にも少量ありますが、ほぼ夏の短期間だけの美味しさです。
ブリッブリの活の美味しさをぜひ青森でお召し上がりください。
青森の市場には帆立専門のお店があります。帆立しか売ってません。
その潔さと地域ならでわの商売の成り立ちもお楽しみください。

津軽割烹店主話もご覧ください。http://www.tk-mirai.com/
ヤフーブログ‘食の桃源郷 青森’のご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/tugarukappoumirai/24807298.html

ホッケの鮓

            IMG_3009
{ホッケの鮓}
フナ鮓などの熟れ鮓などと同じ類のものですが、
青森、特に津軽には魚介類を使った熟れ鮓類が沢山あります。
季節季節にその時期沢山の海産物、農産物が溢れるので、
それを単発で、もしくは合わせて色々な料理を津軽の先人たちは
考案してきたものです。
冷蔵庫の無い時代から何世代にも渡って培わされてきた料理ですので、
今なお残っている料理はもちろん味覚的にも優れていますし、
説得力があるものです。
ホッケ以外にハタハタ、鰊、鮭、鱒、鯵、鰯などなど色々な魚を鮓にしてしまいます。
ホッケの鮓は夏の味わいで、春先に大量に水揚げされたホッケを開いて干し、
ご飯、生姜、人参、唐辛子、塩、砂糖などの調味料を加え、樽に漬け
重石を載せ醗酵させたものです。
漬ける醗酵させる時間は春~夏の温度にもよりますが、少し酸味が立つくらいが
美味しいものでしょう。
一緒に漬け込んだご飯は解けたように粉々になり、それを払いとって
ホッケの身を食べます。
夏の暑い時期などにはこの酸味と発酵食品特有の旨みが美味しく、
ビールやお酒のつまみには最高です。
若い方々には敬遠されそうな郷土料理ですが、肉も魚も食べ飽きた
方々にはこういう美味しさがお勧めできると思います。
奥深く、しみじみと、そして酸っぱく、旨く、体の内側から湧き上がる美味しさが
この料理にはあるものです。
昔は庶民が僅かのお金で箱買い出来るほどホッケも獲れ、それを
保存させる事はもちろんの事、美味しく、長く楽しめる料理のこしらえる
先人たちの知恵と食に対する執着心に脱帽し膝まついてひれ伏して味わってしまうものでしょう。

津軽割烹店主話もご覧下さい。http://www.tk-mirai.com/
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