古くて新しい世界に誇れる青森の郷土料理

後世に伝えたい、残したい、先人の知恵が集約された多種多様の食材と類まれな青森の食文化をご紹介いたします。 料理本や教科書に登場する事の無い古くて新しい青森の魅力ある料理の数々を ご覧下さいませ。

本マス頭煮付け

IMG_1471{津軽海峡産本マス煮付け。}
和食の板前さん方々が集まった時「一番美味しい魚は何だ?」という話が出る時があります。
毎日のように魚に接し、仕入れをし、料理をして味見をしている料理人さん方々ですから、食べ慣れている、食べ過ぎて飽きているなど幾つか一般の方々とは感覚が違うところもあるでしょうか?
特に日本で一番多種多様に魚が取れる青森県、一人当たりの魚の消費量がダントツで一番の青森県人。
そこに住む板前さん方々ですから、データーとしての信頼度は高いと思います。
たいてい名前が上がる魚はというと、鰊・ホッケ・ハタハタ・赤ムツなどでしょうか?
マグロや平目が殆ど上がらないのが共通で、食べ飽きる魚は本職の方々は好まないようです。
鰊・ホッケ・ハタハタなど大衆魚と思われがちの魚のほうが、飽きないで食べれるという事、値段やブランドに左右されないで、味的にはそれらが優れているということを示していると思います。
そして筆頭に上がる魚が本マスです。桜の季節だけの食材という事で桜マスとも言われます。板前は桜マストは言いませんが・・・。
勿論天然物で、巷でサーモンと呼ばれているものとは全く別物です。ノルウェーとかチリとかで養殖されている脂ギトギトで薬臭く胸焼けするようなものとは異なるものです。
その天然の本マスの頭を煮付けたものが個人的には煮魚では王者と思われます。
一般の方々の中にはマスは身質がパサパサしたイメージをもたれている方々もいらっしゃるようですが、それは2キロ以下の小物のことで、マスは3キロ以上のものを食べなければ本質は理解できないでしょう。
自分はお店では例外を除いて(2キロクラスでも丸々した魚体もある)3キロ以上の本マスしか買い付けません。そのクラス以上のものが上がると朝一番に魚屋さんから「上がった。」と電話が来るものです。
その3キロ以上のマスの頭を少し甘辛く煮付けると「ちょっとほかの魚では無いな・・・。」という美味しさになります。
そんなに頻繁に食べれるものでもないですし、外食してもそうそう出会えるものでもないですし、家庭では無理かもしれませんから、多くの方々には評価対象になっていないものですが、美味しさは確実です。
春だけのご馳走ですから、御贔屓の和食屋さんがございましたらおねだりして経験してみる価値はあると思います。一見さんでは無理ですから、こんなときの為に足げに通う和食屋を持っておくことが娯楽と思われます。

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しめ鯖


画像-311 {津軽海峡産のマサバをしめ鯖に}
鯖と言えば回遊魚で日本全国で水揚げされていて大抵どこにでもある食材の一つではないかと思います。
あとはブランド化が進んでいるかどうかによって、名物になっていたり一般的に認識されているかどうかで、それほど珍しいものではないでしょう。
鯖をブランド化しているところは多々あれど、物の話によれば青森県の八戸沖で水揚げされる鯖が一番脂が乗って旨いということです。
当たり前といえば当たり前かもしれませんが、水温が低いほど餌も豊富で魚は脂肪を蓄えるし、 味も濃い目になるものです。
青森県は鯖の水揚げ量も全国でも上位の方らしく、自分のように青森市にいると日本海・太平洋・津軽海峡・陸奥湾と同じ県でありながら四つの海で水揚げされる鯖を食べ分けることが出来ます。
個人的には、秋から冬の八戸前沖鯖はあまりにも脂がありすぎ、刺身やしめ鯖で食べるのは遠慮したいもので、脂が多い鯖は味噌煮か塩焼きがくどくなく摘みになるものです。
一般的には秋から冬の脂が乗った鯖が珍重されますが、自分の好みでいくと春の爽やかなキメ細やか脂の鯖が美味しいものです。画像のものは津軽海峡産の春鯖を〆たものですが、バランスの取れた脂の乗りは津軽海峡の豊富な食事をした鯖らしい繊細で濃厚なのに切れがある味わいです。

背景画像青森市八甲田山睡蓮沼

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トゲクリカニ

                                                
画像-281{青森市産トゲクリカニ。}
青森県の津軽地方沿岸部では花見時期になるとこのトゲクリカニを持って花見に出掛けるのが風物詩の一つです。繊細で濃厚な味わいは他のカニ類では味わえない奥深さ美味しさがあります。身と卵、味噌と甲羅の内側にへばり付いた脂肪と四つの味が楽しめます。昔は幾らでも採れたもので、庶民でもこの蟹を花見に持参できた時代がありましたが、ここ10年ほどで水揚げ量は減り、花見時期には値段も高騰し、庶民の味という感じではなくなってきました 。取れる場所によって身の入り具合に大きな差があり、身入りが少ない蟹は味噌汁の出汁にしてしまう事が多いものです。
太宰治さんが「津軽」という小説にもこの蟹を登場させ美味しさを文章で表しています。個人的にはカニ類の横綱ですが、痩せるのが早く、流通に不向きな為、美味しさを味わうには青森に来るしかないということがあまり認知されない要因になっているでしょう。
蟹好きの方々にはぜひ青森にお越しいただいて味わっていただきたい一品であります。


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チュッチュ刺し

画像-093           


















{カワハギ刺し}
馬面剥ぎとも呼ばれるカワハギですが、青森では「チュッチュ。」と呼ばれています。
活の状態で、海水から挙げると「チュッチュ。チュッチュ。」と鳴く事から、
その様なネーミングになりました。が、先日陸奥湾の海岸線北部の方から
伺ったところ「バグチ(博打)。」とも呼ぶそうで、皮を剥ぐ(博打をすると着包み
はがされてしまう)という事から、その地域ではその様に呼ぶそうです。
博打打ちが多い津軽ならでわのお話だなと感じます。 
青森では途中姿を見せなくなる時期もありますが、秋から春まで水揚げされるもので、
この時期5月頃でも、この様な肝が付いていて水にさらして水切りして
山葵醤油でいただくと乙なものです。
血が走っているとか虫が付いているという具合の肝のほうが多く、中を見ないで
この様に綺麗な肝を選ぶ目利きは、 経験と勘所が必要です。
活締めして、さらに肝は水にさらして血抜きを丹念にすると、生臭みは
まったく無く、プリッとした上品な白身と程よい脂肪分の肝は美味しいものです。
太公望のいらっしゃるご家庭ならお刺身でも食べるでしょうが、一般家庭ではあまり
お刺身で食べるという機会は少ない魚です。
沢山取れる割には、加工品に回ったりして、鮮度の落ちやすく、売っていても
塩焼きか煮付け、フライなどの料理が多いものです。
活物の状態のいいものをお刺身で食べれれば、白身魚の中でも上位の味わいのものであります。

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青森県産天然シャコ

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{陸奥湾産シャコ。}
春の味覚陸奥湾産シャコ。
津軽の皆さんは‘ガサエビ’と呼びます。
朝に水揚げして活きのいいものは箱の中でガサガサしているので
その呼び名が付いたのでしょう。
花見頃から顔を見せ始め、一昔前までは津軽の花見には
庶民もこのガサエビとトゲクリ蟹を持ってお花見をしたものです。
花見時分の風物詩で、一般庶民でもお手ごろ価格で買い求め、
花見のつまみにしたものです。
ここ数年温暖化の影響と春先の海水温の低下から、
今までのようには時期を合わせて出てくることも少なく、
量も圧倒的に減少して、庶民の味から遠ざかっていっております。
天然の海産資源全般に言えることですが、10年前とはまったく
様子が変わってしまい、青森では天然物が当たり前に食されてきましたが、
資源は枯渇してきて、物によっては値段も1.5倍~2倍の値が付くのは当たり前になってしまい、
10年前までの感覚では海産物を口にすることは出来なくなってきました。
シャコも高価なものになってしまい手軽に食べれなくなってきているのは残念ですね。
時期になると毎朝魚屋さんに「ガサエビある?」と聞くと、飲食店用に奥に隠してあり、
その箱に何十匹もガサガサ動き回る中から一匹ずつ実入りを確かめ買い求めるのですが、
この作業がなかなか手間仕事で、凶暴なシャコを相手に選別をするのですから、
たまにはエルボーや鎌攻撃を食らうこともあり、青あざが出来たり流血することも度々あります。
暗い中に放って置くと、カマキリのように立ち上がり目を光らせ鎌をシャキンシャキンと鳴らしながら
威嚇をして今にも掛かってきそうな獰猛な生き物ですが、八方出汁で煮付けると
これほど味の出る食材もなかなか無いもので、旨味はかなり強いものです。
陸奥湾で取れるガサエビの大きさは大人の手のひらサイズくらいで、
関東関西の方々は「そんなに大きいの!」と驚かれますが、逆に津軽衆の自分は
関東関西の方々が言う10cmほどの小さいサイズのシャコを見たことが無いので、
「そんなに小さければ剥いてしまえばほとんど身は無いでしょう?」と寂しくなります。
ガサエビを煮上げた出汁はとても美味しいので、昼飯で豆腐を煮たりうどんを入れたりして
数回楽しめるので、なかなか重宝な食材です。
今年は五月の中頃から顔を見せております。

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