私も旧知の元秘書の流した情報で間違い記事連発
あり得ない、秘書本人口座からの天引き
▼秘書問題の裏事情
民主党長野1区の篠原孝衆議院議員が、土日欠勤の秘書の給与を減額した─というニュースが9月末と10月下旬に流れたが、この裏事情を書きたい。
いかにも篠原議員が悪いかのようになっているが、まったく逆だ。事情をよく知らないマスコミが、元秘書の情報に重点を置いて書いてしまい、これに数社が引きずられているものだ。元秘書のひとりは私と旧知の間柄でもある。マスコミより私のほうがこの問題については詳しい。
時事通信などのように取材はしたものの、事情を理解して書いていない社もある。
土日休んだ秘書を減給 民主・篠原氏、労基法違反の疑い 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/1026/TKY200910250344.html
<土日祝日に地元秘書が休むと1日あたり2万円を減給していたことがわかった。>
たとえば朝日新聞記事は上のように書いているが、秘書の給与は本人の口座に直接振り込まれるので、本人の了解なしにこのようなことはできない。誰にでもわかるこの事実を朝日だけでなく多くのマスコミが間違って書いている。私は篠原議員に何度も確認しているが、このような事実はないと話している。
篠原議員は腹の虫が治まらないらしく、法的対処も検討している。マスコミにも元秘書にも怒り心頭だ。
こういう場合、マスコミの書き得がまかり通っているが、篠原議員はそれにも納得がいかない様子。きわどいことをやっている自民党議員は慣れっこだが、民主党議員は公明正大にやっているだけに憤懣は強い。マスコミはそのへんがまだ政権交代モードになっていない。自民党議員を叩く感覚でやっていると高い授業料を払うことになるかもしれない。
篠原議員は、いばることがない国会議員でしられている。スピーチでもこのようにひょうきんな事を言って笑いをとり、自分のブログでもネタのように書いている。
<代理でも、秘書でもありません。貫禄はありませんが、本人ですのでお間違えのない様お願いします。(会場→笑)>
http://www.shinohara21.com/blog/archives/2006/08/102000.html
篠原議員は、いくら言っても秘書が土日に休むので、警告的意味で減給の件を覚書きにしたものを秘書に渡したことはあるという。それをマスコミ記者たちは元秘書から見せられて記事を書いているというわけだ。篠原議員のところに来る記者は、皆この覚書き持ってくるという。篠原議員は本当に減給する気はなく、警告的に覚書きを書いたに過ぎない。政治家の秘書は土日が忙しく、ウィークデーはひまなので、そのときに休めばいいのに、聞き入れない秘書のほうに問題はあるのだ。
<4万円を減給されるなど07年中に12万5千円を減らされた。>
とも朝日記事は書いているが、篠原議員はこれについてもまったく心当たりがないと言っている。そもそもこの金額じたいが不可解でなんの金なのかわからないという。元秘書と話し合おうとしても連絡が取れない状態が続いているという。
<労働基準監督署によると、「労基法違反の可能性が高い」という。>
こうも書かれているが、篠原議員が社会保険労務士でもある同僚議員に聞いたところでは、労基法上の問題もなくマスコミはちゃんと調べているのかと訝っている。
情報をマスコミに流しているのは篠原議員の元秘書のT氏(63歳)とS氏(61歳)だが、私はこのうちS氏と2005年の初めごろからメールや電話でのやり取りがあった。T氏の名刺もストックの中にあったので、会ったことはあるのだろうが、こちらは記憶が定かでない。
S氏が篠原事務所に出入りするようになったのは2005年の4月ごろからで、最初は長野市松代地区の担当者という扱いだ。正式な秘書ではなく、手伝いをするスタッフということだった。それが同年8月に衆議院解散があり、選挙で人手がいるということで秘書になった。
S氏は篠原事務所に入る前から私とやり取りしていた。私とはかなり古い付き合いでもある。ただし、政治的な話題や動きがあるときに連絡を取り合うような関係なので、それほど親密というわけでもない。私からすれば何人かいる情報提供者であり、読者のひとりでもある。
だが、今回の秘書給与の件では私に連絡らしいものはなかった。これが腑に落ちない。普段は連絡をとっていなくても、何か問題があるときには頻繁に連絡することが多かったので、今回のようなケースではまっ先に私に連絡があっていいはずだ。だから、最初このニュースが流れたとき私はS氏は関係ないのだろうとさえ思っていた。秘書といっても何人もいる。もし、渦中の人であるなら私に何の連絡もないはずがないだろうと思ったのだ。
10月初旬に私はS氏と長野市長選などについて電話で話しているのだが、そのときS氏は秘書給与問題については、はぐらかすような話し振りだった。私が秘書給与問題について質問すると、あいまいにぼかしていた。S氏は知らない仲ではないので、こういう問題はかえって踏み込みにくい。向こうが話してきたら聞こう─というつもりだった。しかし、S氏は詳しい話を私にしなかった。なぜか?
私はこう理解している。事情をよく知らない未熟な記者相手ならごまかせるが、突込みが鋭い私相手では話がしにくかったのではないかと。
10月下旬に私が打ったメールに対して、自分の正当性を主張するメールが返ってきたが、それ以降短いメール数通のやり取りがあっただけだ。
S氏は元々改革を望む民主党支持者であったはずだ。なぜこんなことをしたのか理解に苦しむ。これ以上騒ぎを大きくしないほうがいい─というのが現在までに私が出した最後のメールだ。
▼一年交替の公設秘書
マスコミ記事では公設秘書の内部告発のようになっているが、ここにひとつ問題がある。実は、公設秘書といってもそれは私設秘書と一年交替でなっていただけのものなのだ。
S氏は公設秘書になっていた時期もあるが、これは篠原事務所内の人員の待遇を均一化するための便法であり、温情的措置でもあった。簡単にいうと、給与のいい公設秘書に私設秘書が一年交替でなっていたのだ。マスコミ報道では公設秘書の給与が─と報じられているが、実態はそういうことだ。
公設秘書の肩書きは重い。マスコミも私設秘書ならともかく、公費から給与が出ている公設秘書の問題となると扱いが大きくなる。公設秘書の言うことなら─と発言の信憑性も高くなり今回の騒ぎを大きくする一因にもなった。
S氏は去年の秋ごろ篠原事務所を辞めているのだが、私はそれを今年の3月ごろまで知らなかった。別の用件で篠原事務所に電話した際それを知ったのだが、辞めた理由までは、立ち入ったことになると思ったのでその時は聞かなかった。
数週間後S氏に電話したとき、辞めたことに触れてみたが、明確な返事はなかった。個人的事情もあるだろうからと慮って深くは聞かなかった。このときS氏が、辞めた事情を私に話さなかったのも不可解だ。もし、自分に正義があると思っているなら憤激は口を突いて出るものだろう。
▼投票日に強行取材する朝日新聞
この問題は9月末にニュースになり、その後また10月下旬に複数のマスコミが取り上げている。これも奇異なことだ。
さらにおかしなことがある。10月25日は長野市長選挙の投開票日だったが、朝日新聞はこの日の夕方、市長選ではなく旧聞に属する秘書給与問題で篠原議員に取材をしている。なにも、投票日でなくてもいいはずだ。忙しくて十分な反論ができないタイミングを狙ったかのようなやり方で、朝日にしてはお行儀が悪いものだ。
この日の午後6時ごろ私は、長野市長選に関したことで篠原議員に話をしようと思って小林候補の事務所に電話した。ふつうなら選対本部長である篠原議員はそこに詰めているはずだが、篠原議員の事務所に行っていると聞いて、不思議に思った。篠原事務所に電話すると、事務員から「いまマスコミの取材を受けている最中」だと聞かされた。てっきり市長選の取材かと思ったのだが、それならなぜ、わざわざ篠原事務所なのかな?とも思った。
後で事情を知って意外に思った。なぜ朝日新聞が市長選の投票日に選対本部長にいやがらせのような取材を強行しなければならないのかわからない。別の日でもいいはずだ。まるで仕組まれたようでもあり、選挙妨害ぎりぎりの行為でもある。こういうことをしていると自由な選挙の妨げになるだけでなく、マスコミの自滅につながる。朝日新聞は軽率にすぎる。
▼下条みつ議員とは似て非なる
なお、同時期に民主党長野2区の下条みつ衆議院議員の秘書問題が新聞だけでなく、週刊誌ダネになっているが、これは似て非なる問題だ。こちらは報道されているとおりで、下条議員の方に問題がある。下条議員の秘書問題は以前からあることで、週刊新潮2009年2月5日号などで複数回にわたって書かれている。
自民党は篠原、下条両議員に対して衆院政治倫理審査会への出席を求めているが、一緒にするのもおかしなものだ。事情を知ってやっているのなら嫌がらせだし、知らないのだとしたら情報収集能力に問題がある。いずれにしろ、いまの自民党にこれを実現する力はなく、遠吠えに過ぎない。

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