追撃コラム&取材メモ

マスコミにない情報を独自取材して書いています。タレント性の強い政治家などに関連したものが多いです。初期の記事は田中康夫長野県知事に関したものが主です。

保育園落ちた人@hoikuenochitaはそれほど強くはないがネトウヨの臭いがする

■保育園落ちた日本死ね!!!
http://anond.hatelabo.jp/20160215171759
このブログの中には
<日本死ね!!!ねーのかよ。ねーじゃねーか。クソ。やつなんかいねーよ。ならねーだろ>
このような乱暴な言葉がいくつも出てくる。皆さん、普段こんな言葉をしょっちゅう使ってますか?変換も自然におこなわれているので使い慣れてるのだろう。
 
ブログには「日本」が5回出てくるが、「安倍」でも「政府」でも置き換えられる。むしろその方が自然だし筆者の思いに合致している。だが、そうとはせず「日本」が何度も出てくるのは「日本」という言葉を意識して使い慣れている証拠。だが、「安倍」や「政府」は批判したくないようだ。
 
「日本」を多用するのはネトウヨの特徴でもある。ネット上で「日本が好き」とかわけのわからない使われ方をしているのをよく見かける。安倍政権の批判は最小限にして、保育園だけをつくれよ―と主張していることになる。
「落ちた人」@hoikuenochitaツイッターでフォローしている(ここクリック)最初の方に、右系の橋下徹や乙武洋匡はいるがリベラル系はいない。
 
「落ちた人」は利己的で視野が狭い。保育園が足りないのは政治的問題で、そこへのアプローチなしに解決するのは難しい。なのに政治には関心ないと書いている。だが投票には触れてないので、その点の確認を私がツイッター上で送信すると無視している。投票にも行ってないのに不満だけ言うな―という批判を避けたいのだろう。
これまで投票にも行ってませんでしたが、これからは行くようにします―というのは簡単だし共感も得やすいはずだが、政治や、ましてや投票や選挙にかかわることを極度に避けている。昨今の「政治的問題でも政治的主張を込めると批判されるので避ける」という風潮を敏感に感じ取って先取りしているかのよう。 

普通これだけ騒ぎが大きくなり、実際子供を抱えた母親たちが国会に行ったりすれば「落ちた人」本人も出てきてもよさそうなものだが、なぜしないのだろう?本人が出てきた方が、プラス効果は大きい。
東京在住なのに出てこないのは、人前に出てくると引かれるような人なのかな?と疑われる可能性があるわけだが、それでも隠れている。プラス効果を上回るマイナスがあるのだろうか。
 
山尾しおり議員@ShioriYamaoも軽率で、本人に会わないで、そのブログを国会で、反対を受けたなか持ち出すのは問題。今後、逆のことを自民党に限らず他党がやったらどうなの?最低限、本人に直接会うのは必須では?
同様のことはマスコミにもいえ、本人に会わないでネットのやり取りだけで書いているらしい記事を何本も見た。形式にこだわるマスコミらしくないやり方で、セオリー違反でもある。方針を変えたならそう読者に説明すべきだ。

1月12日午前の衆院予算委員会で、民主党の緒方林太郎議員が拉致問題で、蓮池透さんが書いた本『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を元に安倍首相に質問したのだが、
安倍首相に「本の内容には問題がある。書いた本人に確認もせず」とやり返されて、そのあとに蓮池さんに電話するというお粗末もあった。
昨今、世間一般に人見知りが多くなっているが、それが国会議員やマスコミ記者にまで及んでいるのは大問題。

猪瀬氏の選挙の意外な実態

●政策に自信ありの正体
●5千万円と大きなカバン

◆地元都議が聴衆動員
これは2012年12月14日、武蔵小山駅前商店街で行われた東京都知事選での猪瀬直樹候補の街頭演説の模様だ。選挙カーの上には猪瀬氏、勝間和代氏、石原宏高氏が。ほかに森田健作千葉県知事、俳優の宍戸錠氏らが応援演説に立った。
勝間森田健作宍戸錠
 




 
聴衆は年配者が目立つ。地元の都議や区議もこの前にあいさつに立っている。ということは、この聴衆の中には地元の議員らによって動員された人もいるのだろう。選挙カーが来る数十分前から待っていた聴衆が何人もいた。
聴衆
 



 
白色のおそろいのジャンバーを着た運動員は物馴れた物腰。市民派の選挙でよく見かけるのとは異なった人種に思えた。
白いジャンバー こういうことから推察できるのだが、猪瀬氏の選挙は無党派とか市民派の選挙というより、従来型組織選挙の臭いが強い。
猪瀬氏ならこんな選挙をしなくても楽勝だったはず。どうもこのへんから違和感が漂っていた。

猪瀬氏のために動員をかけた地元の議員たちは、これで貸しを作ったつもりになったことだろう。借りはどこかで返さなければならない。そういう貸し借りが政治や行政を歪めてきた。裏では当然ながら金が絡む。組織選挙で見返りなしにこういうことをする人はいない。応援しますから、あとでよろしくね─という暗黙の了解がここにはある。

ここに集まったのはたかだか、百人前後だろう。演説のあと商店街の長いアーケードの中を猪瀬候補は40分以上ねり歩いた。しかし、猪瀬氏に握手を求めてくる人はまれで、猪瀬氏のほうから商店の中にまで入って手を伸ばして、やっとという状態だった。こんな状態で大丈夫なのだろうか?と心配になるほどだった。それがまさか、434万票もの大量得票になるとは思わなかった。猪瀬氏への大量の得票は猪瀬氏のこれまでの活動と知名度から湧き上ったもので、選挙運動で得られたものはごくわずかだろう。

街頭で選挙活動をやっても直に猪瀬氏と触れ合える人はたかが知れている。こんなことをいくらやっても434万票には届かない。猪瀬氏は無駄な努力をしていたように思える。

しかし、こんなことをするのにも金はかかる。選挙カーは必要だし事務所も借りなければならない。
無駄な努力をするために発生した金銭的不安のために、結局使わなかった5千万円を借りて、それが命取りになった。なんとも皮肉なことではないだろうか。

◆政策に自信ありというのだが
猪瀬氏は知事辞任を決意した後で、政策には自信があるが、政務がアマチュアだったと反省してみせた。
しかし、これに疑問がある。
猪瀬氏の言う、政策に自信があるというのは設計図を書くことだと思える。だが、設計図だけで建物が建つだろうか?
実際には、現場監督がいて、施工の際に発生する様々な問題を解決しながら建物はできていく。

猪瀬氏はファクト(事実)やエビデンス(証拠)などという言葉を織り込み、数字をもちいて説明するので、それを聞いた人は、この人ならできるだろうと思い込む。だが、いくらよく書けていても設計図だけでは実際に物はできない。

現場には日程や材料の調達など、現場でなければ発生すらわからない様々な問題がある。それらを現場が解決することだ─と部下を怒鳴り付けているだけでは物事は先に進まない。現場即応の対人接遇能力が必要だが、猪瀬氏にそれはない。褒めてやらねば人は動かず─という山本五十六の名言を猪瀬氏は知らないだろう
組織として物事を構築する経験と考えが猪瀬氏にはなく、個人商店主の発想と手法ではなかったか。


◆尻すぼみの天然ガス火力発電所
猪瀬知事は東京湾岸に100万キロワット級の天然ガス火力発電所の新規建設を華々しくぶち上げたが、この話はその後尻すぼみになっている。
詳しく検討したら無理だと事務方に言われて、そのままになっているとようだ。猪瀬氏が政策通というなら事務方を説得しなければならない。
政策を実行するのに、物理的、予算的、社会背景的に無理なことはあるが、役人の世界の常識で無理とされることもある。猪瀬知事が本当に政策に強いならそこを見極め、具体的にここをこうすればいいんだよ─と役人を説得すればいい。それをやってこそ政策に強いといえるのではないだろうか。
設計図を書くだけでは、パンフレットのようなことを言うだけでは政策に強いとは言えない。

◆ダムについての勘違い
2005年ごろ長野県では浅川ダム建設論議が賑やかだったが、猪瀬氏はあるときこれについて妙なことを言い出した。
当時、素人ダム評論家が跋扈していて、それらが口にする類のものだった。
河川に手を付けるときは洪水の恐れがあるので、下流からでなければならないのが鉄則なのだが、素人論議ではそこが抜け、問題となっている箇所だけを工事すればいい─というような話が一部にあった。

それではだめですよ─ということを電話でいっても聞かない人なのでメールで詳しく説明したらそれ以後それについては言わなくなった。
猪瀬氏はこの話を知り合いのNHK記者から聞いたらしい。
発想力や突破力はある人だが、全能ではない。

◆5千万円と大きなカバン
猪瀬氏のカバンに、5千万円が本当に入るのか?と、議会で話題になり、札束の模型を無理やり押し込む映像が流されて、入らないのではないかと疑問をもたれたことがあった。

普通はそんなに大きなカバンを持ち歩く人はいないので、猪瀬氏が言っていることに疑いが持たれたのだろう。
しかし、猪瀬氏は普段から大きなカバンに荷物をいっぱい詰め込んで持ち歩いている人なのだ。
2005年9月に道路公団相手に猪瀬氏がバトルしているころに私が撮影した数枚の写真がここにあるが、その中に猪瀬氏の大きなカバンの写真も写っている。印象に残った大きなカバンなので撮影しておいたものだ。
猪瀬氏の日常活動を知っている人なら猪瀬氏がいつも大きなカバンを持ち歩いていることを知っているはずなので、5千万円をカバンに入れたという話もうなづけただろうが、東京都議会関係者、さらには記者たちもあまり知らなかったのだろう。疑惑が妙な形で膨らんでしまった。
猪瀬氏の説明もうまくなかった。人は、自分が日常的にやっていることは特に他人に説明する必要を感じないものだ。猪瀬氏は自分を客観視することがおろそかになっていた。
「僕は昔からずっと、こんな大きなカバンを持ち歩いているのです」と都議会の場で、その場にいる人たちにではなく、テレビを見ている人たちに伝えるべきだった。大事なのはあの場にいる人たちではなく、テレビの向こう側にいる人たちなのがわかっていなかった。

猪瀬氏の周りには猪瀬氏をサポートする人材がいなかったということでもある。猪瀬氏は以前「俺にはブレーンなんていないからね」とぽろっと言ったことがある。
都知事は一人ではできない。いなかったらつくるべきだったが、チーム猪瀬を構築する意思もテクニックも猪瀬氏にはなかった。

新右翼団体代表と徳洲会の徳田虎雄氏のところに大金の無心に行くなど、常識では考えられないミステークだ。こんなことをしてしまう猪瀬氏のセンスはおかしい。とめる者はいなかったのか?と思うが、いなかったんだろうな。そういうものをそばに置けなかった猪瀬氏の大いなるミスだろう。
こういうことは誰かに言われてどうこうすることでなく、本人のセンスの問題。猪瀬氏は選挙の実際を知らなくて、こんなことをやってしまったのだろう。選挙とカネの問題を皮膚感覚で感じ取っていればこういうことはしなかったはず。俺様ぐらいになれば、誰かが資金援助するのは当たり前ぐらいに思っていたのだろう。 
 
政策さえちゃんとやっていれば大丈夫という自信があったのだろうが、猪瀬氏のいう政策には疑問があるし、本人が自慢するほどのものではない。世間も猪瀬氏に高評価を与えすぎた。
それを別にしても一人で知事はできないことがわかっていなかった。知事に必要なのは政策だけではない。小店主の発想と手法から抜けられなかった。
猪瀬氏は堕ちるべくして堕ちた。

選挙は時代遅れ─政治家はコンペで選んだら?

猪瀬直樹都知事辞任に伴う、次の都知事を選ぶ選挙の候補者選びは、知名度優先で行われようとしているが、そんなことでいいのだろうか?
 
選挙のあり方を根本から考え直してみたらどうだろうか、という一文を以前にツイッターの長文投稿サービスTwitLongerに書いているのだが、
<選挙は時代遅れ。政治家はコンペで選んだら?>
今後の話の展開の都合上もあり、追撃コラムブログにアップしておきたい。
2011年11月にサクッと書いたものだが、現状を見ていると、ますますこの思いは強くなっている。今後加筆するかもしれないが、とりあえずブログにアップしておきたい。TwitLongerだと検索しても引っかかりにくいこともあるようなので。

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◆選挙は時代遅れ。政治家はコンペで選んだら?

政治家は選挙で選ばれるのがいいとされているが、近頃それに疑問を感じている。以下にザックリとメモ代わりに考えを記してみたい。

選挙で選ばれた政治家が選挙民の思った通りのことを当選後しているか?
選挙に民意が正しく反映されているか?

などと考えると疑問が大きくなる。これはなぜかと考えると、選挙という制度で政治家が選ばれることに問題があるのではないかという、いまの民主主義の根幹にかかわる問題に行き当った。

こんなことを言うととんでもない奴だということになるかもしれないが、まあ聞いてほしい。

選挙で政治家を選ぶというのは、大昔の専制や独裁政治の時代には素晴らしいことだったかもしれないが、ある程度、時代が進んで、市民のレベルが上がり、社会も熟成すると、次の段階の政治家の選び方を考えてもいいのではないだろうか?

政治家選定委員会なるものを設置し、そこで政治家を品定めし、適任と思う人物をポストに就けるのだ。
ある種のコンペ、コンテストですね。
選定委員になる人は応募してもらい、ある程度のテストなどを受けてもらう。これはコンテストの審査員。
そうして選ばれた人が選んだ人物なら政治家としてのレベルも今よりは高くなるだろう。

政治家は立候補というより、各種コンペに参加する企業のようなイメージ。選定委員会に対して、自分がそのポストについたらこうする─といった提案を企画書のような感じで提出する。また選定委員会が開催する討論会などにも自動的に出席し、意見を述べる。拒否は許されない。
委員たちはそれを聞いて判断する。

大衆という実態がつかみにくい存在を相手にするから政治家の方も無責任なことを公約に持ち出す。ある程度、選挙民の顔が見えていればそれも少なくなるのではないか。


以上述べたような形にすれば、ハズレがない。
マスコミ受けする有名人が有利になる度合いも少なくなる。衆愚政治になる可能性はぐっと減るのではないか。

ある種の賢人政治のような形になるかもしれないが、希望して簡単なテストをクリアーすれば選定委員になるのを拒まないようにすればいいのではないか。

実態を考えれば、政治に失望したが実は政治のことを考えている人の方が投票しないことが多く、逆に無自覚だが、他人に言われるまま訳も分からず投票だけはするという人が多い。その結果おかしな政治家が多く誕生し、おかしな政治が行われている。

実のところ、投票に行かない人は半数にも上っているので、一部の人の投票で政治家が選ばれ、いびつな実態になっていることを考えれば、私が提案したことがそれほど現実から遊離しているとも思えない。

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猪瀬都知事、徳洲会5千万円借り入れ問題で辞意表明

●選挙の金銭感覚は数十年前のセンス
●長野県知事選出馬断念と通底するもの

辞意表明会見なのに、やけに声を張っていたのに、おやっ?と思った。これは負け戦ではなかったのか?辞めればホッとする理由でもつかんだのだろうか?
政治のアマチュアだったという言葉が何度もでてきたが、猪瀬氏にそんな意識があったというのも意外である。私には猪瀬氏の選挙や政治に対するセンスは旧体質と感じられた。都知事になってアマチュアらしく都政の根本を変えようとしたとは思えない。手堅く石原知事の残した古臭いものをなぞっていたように思えた。
東京五輪の滞りを辞職の理由に挙げていたが、それはアマの感覚だろうか。1年前までは五輪に対する都民の関心は低かった。
使いもしなかった、5千万円のために知事の座を失っただけでなく、作家の名声も大いにさげた。

◆市民派と思えない猪瀬選挙事務所
去年12月の都知事選の際、西新宿の猪瀬候補の選挙事務所に私は行ったが、市民派の選挙事務所の雰囲気はなく、組織選挙重視の従来型選挙事務所の印象を受けた。
市民派の選挙事務所によくいるラフな格好のボランティアの若者は目につかず、樟脳の臭いがするような時代ずれの背広をひっかけたおじさんたち数人が、ただっ広い事務所の一角でひそひそ話をしているだけで活気がなかった。
新宿の青梅街道に面した立派なビルで、家賃はさぞや高かろうな、とそのとき思ったが徳洲会マネーのことなどは知る由もない。
猪瀬事務所 (2) 
事務所の奥にトイレの表示が見えたので、行こうとしたら猪瀬事務所の女性スタッフが、
「どこに行くのですか?」と押しとどめ、勝手に歩き回るな─と言わんばかりで驚いた。普通の選挙事務所ではありえない閉鎖的な対応だ。事務所内の写真も撮ろうと思ったが、とてもそんなことを言い出せる雰囲気ではなく、カメラなど取り出せば叩き壊されそうな勢いだった。まるで秘密組織のアジトのようで、早々に退散せざるを得なかった。その女性は今は東京都の専門委員として都から月30万円ほどの俸給を受けている身だ。

選挙のやり方は、今どき自民党でも気の利いたものならやらない保守的なスタイルだった。猪瀬氏の頭の中では昔風の選挙がこびりついていて、それが無意識のうちに自分の選挙で形作られてしまったのだなと思った。猪瀬氏は選挙についてあまりに知識がなく、何十年も昔のままで止まっている。

◆猪瀬氏が長野県知事選を断念した理由
私は2006年の長野県知事選に、猪瀬氏を担ぎ出そうという市民派や議会の人たちの意を受け、その当時猪瀬氏と頻繁にやり取りし、猪瀬氏の考え方などをかなりつかんでいた。
5千万円についても、なんで?と思う反面、なんとなくわかる気もする。選挙には金がかかるもので、それは誰かが出してくれるもの─といった意識を、長野県知事選出馬のやり取りの中で私はうっすら感じていた。
それは何十年も前の古典的なもので、今どきのセンスではなかった。今は保守系の候補でもそういう面では身ぎれいで、こっちが拍子抜けするほどだ。猪瀬氏はそのへんのことが体感できていなかった。
作家として個々の問題は取材していても、今の選挙や政治家の実態は知識としてあったかもしれないが、体感はできていなかったのだろう。猪瀬氏の選挙と金のセンスは何十年も昔でとまっているようだ。

猪瀬氏が長野県知事選に出るような姿勢を見せながら、結局出なかったのは、自民党から市民派まで万全の支持体制ができなかったから─なのだが、人はこれを意外に思うだろう。
選挙は一か八か、落ちてもいいから自分の信念を問いたい─という熱い思いはその時の猪瀬氏にはなかった。いや、都知事選にだってどうだか?

田中康夫氏や橋下徹氏、東国原英夫氏にしても先のことなどわからないが、とにかく何とかしたいという思いが優先し、そこに有権者は意気に感じて一票を投じ、それが集まって思わぬ結果となるものだが、猪瀬氏はクールすぎる計算が先に立っていた。都知事選に出たのも石原知事の後継という、これ以上ない万全の体制があったからだろう。
それがまさかこんなに早く、こんな形で頓挫するとは思ってもみなかった。
433万票もの大量得票をしておきながら、丁度一年目にして辞意表明せざるを得ない状況に追い込まれるなど誰が予測しただろう。

◆5千万円
徳洲会から5千万円を借りた経緯について質問され、
「親切な人だなと思った」と猪瀬知事は答えているが、
「徳田虎雄氏とは同じ改革を目指す一匹狼として相通ずるものがあるのでー」と答えたほうが説得力があるのだが、己を客観視する視点がもうなかった。あるいは自身を改革者とは認識していなかったのだろうか?
自分のことは自分ではわからないものなので、この点について私は助言すべく、猪瀬氏の携帯電話にCメールを送ったのだが、生かされなかった。

以前は深夜に電話しても、気軽に出てきて、
「もう、寝ようと思っていたところだが、奥秋だから出たんだよ、ほかのやつだったら出ない」
などと言いながら、グダグダ愚痴めいた話もしていたのだが、この騒ぎになってから何度か電話したがいつも留守電状態。猪瀬氏からかかってくることもなかった。

徳田虎雄氏は難病で会話もままならない。金の話をするときには密談が常識だが、徳田氏相手ではそれができない。そんなところへのこのこ行って大金の話をするのは政治のプロとかアマとかいう以前の話だ。なんでそんなところへ行って、そんな話をしたのか疑問だ。よっぽど仲介した新右翼の代表氏を信頼していたのだろうか?
今回こんな形でバレたからいいようなものの、バレなければ猪瀬都知事は右翼に弱みを握られたまま、都政に影響があったかもしれないのだが、そこのところはなぜか問題にされないのは不思議だ。

徳田氏を訪問した際、東電病院の売却の話が出たことが辞意表明の大きな理由のようになっているが、面妖なことだ。
問題は、猪瀬氏が金をもらって職務権限を行使して便宜を図ったか─である。会話もままならない徳田氏との言葉の端に東電病院のことが出たところで汚職事件の構成要件となる「請託」とはだいぶ距離がある。検察が立証して裁判で有罪の根拠となるだろうか。
それに、猪瀬氏が都知事選に出馬したのは石原知事が突如辞職したからで、巷間言われている通りだとすると、猪瀬氏は予知能力でもあって先のことがわかっていなければならないのだが、いかに突破力のある猪瀬氏とてそんな超能力は持ち合わせていないだろう。

◆百条委は人民裁判か
百条委はめったにないことなので世間もマスコミも興奮しすぎている。私は田中康夫・長野県知事、中川暢三・兵庫県加西市長の取材の過程で両氏が百条委にかけられた様を見ている。私にとってはデジャヴである。
百条委員会で告発されたとしても検察が受理するまでにはいくつものハードルがある。

百条委は議会に設けられる調査のための特別委員会なだけで裁判ではないのだが、マスコミの報じ方はまるで人民裁判のようだ。そこに引っ張り出されるものは極悪人で、最初から有罪が決まっているような扱いだ。
だが、田中知事の場合は百条委のあと、告発はされたが検察は受理しなかった。
百条委は、議会側が首長に対して不満があって、その懲罰のために持ち出されるケースが多い。議会と対立する首長をなんとか懲らしめたいのだが、かくたる証拠もないときに利用される。
もし、首長が法に触れるようなことをしていたら百条委の前に捜査当局が動くはずで、それができないときに政治的意味合いで設置される。
首長と議会の対立は近頃しばしば見られることで、民意のねじれなどといわれ混乱のもとになっている。

百条委に引っ張り出されることは首長にとって嬉しいことではないが、対抗手段もある。自身が辞職して選挙に打って出ることもできるし、議会を解散し民意を問うこともできる。実際、田中知事は辞職後選挙に打って出て、大量得票し長野県議会は大きな非難を浴びた。
もっとも、田中知事はこれに増長し、奇妙なことを連発し非難を浴び、かえって知事生命を縮める結果になってはいるが。

猪瀬知事も百条委を恐れることなく、議会側と一か八かのガチンコ勝負をする手もあったのだが、猪瀬氏は見かけによらずこのガチンコをする度胸がない。勝てる見込みがないと乗り出さない人なのだ。

◆保険に入っていないバイク
猪瀬氏は道路公団改革では名を挙げたが、都政では改革には興味が薄かった。これについては長くなるので、次回の追撃コラムで書きたいと思う。
ひとつ例を挙げれば、定数4の副知事ポストに都庁幹部職員を3人も就けている。副知事とはいえ都庁職員が猪瀬知事に逆らえるはずもなく、イエスマンばかりを身近に置き、耳に痛いアドバイスをしてくれるものを近くに置く気がなかった。
自分は石原知事に民間から登用されたのに、自身は民間登用に消極的だった。まるで、自分以外のものが目立つのを避けているようでもあった。都知事の権力は都民のために有効に使われるべきだが、猪瀬知事は就任して1年たっても副知事ポストを無駄に空けている。私は民間から女性を登用すべきでは?と進言したがいれられることはなかった。

今回猪瀬知事が窮地に至ったとき、誰も弁護する者がいなかった。そういう人物を育ててこなかった猪瀬氏の大いなる失敗だ。
猪瀬氏は保険に入らずに突っ走っている身軽なバイクのようなものだった。トラブルがなければ無駄な出費を払わなくて済むが、一旦事故が起これば大きな痛手をこうむるのがわかっていなかった。政治のアマチュアという以前の仕事への対処のしかた、生き方の問題だろう。著作ではずいぶん立派なことも書いているが、自身の実践には生かされていないようだ。

◆意外な素顔
猪瀬氏は、一般には学生運動の闘士というイメージを持っている人も多いだろう。私も最初はそう思っていて、そんな質問も猪瀬氏にしてみたのだが、
「まわりのやつがいつの間にかいなくなっちゃって、それでしょうがなく俺が代表みたいになったんだよ」
と言っていたのを聞いて意外と思ったものだ。

猪瀬氏の腕にはロレックスの腕時計があり、西麻布の猪瀬事務所の駐車スペースにはベンツのSLKがあった。イメージとの違いを感じもした。
ベンツを見て、
「おぉ、すごい、これ猪瀬さんの?」
と聞くと、言い訳がましく
「これ、小さいから都内を乗り回すときいいんだよ」
みたいなとことを言っていたが、私はなにも非難がましいことを言ったわけでもないのに、そういう言い訳みたいなことをいう猪瀬氏に好感さえもったものだ。
ちなみにベンツSLKは2座席のオープンにもなるスポーツクーペで、車体は確かに小ぶりではある。

世間的には、威張るなどこわもてイメージだが、それは相手が自分の思っていることをなかなか理解してくれないときに出るようだ。
猪瀬氏は単刀直入、無駄なことは大嫌いな性格のようだ。その点、私とは波長が合い、誰かを怒鳴っている場面に遭遇したことは何度かあるが、私が不愉快になった場面はない。

猪瀬氏の能力を惜しむが、今のままの性格で行政のトップの仕事は難しい。地位は人を作るというが、猪瀬氏は地位を得ても自分の流儀を変えられなかった。


*猪瀬氏や都政に関して一回では書ききれないので、今後数回にわたって書く予定です。

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長野市長選 本命なき混迷

権力のたらい回し復活か

▼鷲沢市長が引退表明を延ばしたワケ
任期満了に伴う長野市長選は10月20日告示、27日投開票で行われるが、本命なき混迷の様相。
これまで進退を表明していなかった鷲沢正一市長(72)は7日になってようやく辞意を漏らした。近日中に正式に引退を表明する見込み。

鷲沢氏が態度を明らかにしなかった本心は、次の市長に自分がこれまでやってきた市政や事業を引き継いでもらいたいからと思われる。少なくとも、自分の市政を否定され、再開発の計画をひっくり返されるような人にはなってもらいたくない─との思いがあっただろう。

市長選を間近にひかえ、次々といろんな人が立候補の意欲を表明したり、出馬宣言をしている。鷲沢氏はそれを高みから眺め、作戦を練っていたのだろう。今の時代、フィクサーのように市政をコントロールすることはできないが、流れを眺めて、どのタイミングで何をすれば自分の意が生かせるか─ぐらいのことは3期12年も市長の座にあればわかるだろう。

関係者の間でも鷲沢氏はいったいどうするつもりだろう?という声は高まっていた。
9月5日に開催された長野市議会9月定例会初日に何らかの意思表示がされるものと思われていたが、ここでも「もう少し熟慮したい」とはぐらかした。
これに普段は温厚でなる信濃毎日新聞が社説で
「鷲沢長野市長 何を熟慮中なのですか」
http://is.gd/dfh9lC
と皮肉たっぷりな見出しをつけた。社説中で、進退を明らかにしない理由を3つあげ、
<▽負けるのは嫌なので様子見―といったところか。>
などと本人の胸の内を勝手に推測し、社説でまで書くのはお上品な信毎社説には珍しいこと。それだけ信毎社説もいらいらしていたということだろう。

9月11日に長野市議会で一般質問があり、そこで進退に関した質問が出るはずで、鷲沢市長はそこで言うつもりだったかもしれないが、信毎社説で皮肉られたものだから、前倒しになった─のではないかと思われる。


鷲沢市長は前回市長選で次点と651票差。反鷲沢票が割れたのでかろうじて当選できたが、反鷲沢票を合計すれば3万票以上も負けていた。市民の信任を得ていたとは到底言えない。選挙のマジックで市長の座にあったに過ぎない。

前回2009年10月長野市長選投票結果 投票率 48.82% 
当選 鷲沢正一 58,379  
    高野登   57,728 
    小林計正 31,184

この結果から、鷲沢市長の4選出馬の可能性は少ないし、出たとしても鷲沢市長弱しと見て、いろんな人が意欲を表明している。

今回の長野市長選は本命がなく、そのために混迷状態だ。混迷の元凶は鷲沢市長が進退を明らかにしなかったこと。遅くまで引っ張ったおかげで引退表明しても混迷度合いはかわらない。鷲沢市長の罪は重い。


▼乱立する候補者たち
鷲沢市長の去就をみて態度を明らかにしようとしていた候補予定者たちや政治勢力も少なからぬ影響を受けた。

元県参事の河合博氏(64)は一番早く今年1月に立候補を表明。その後、不動産会社社長橋本将之氏(33)が。元長野県議の高島陽子氏(45)も9月5日に出馬表明している。
ほかに、民間調査研究機関主席研究員若狭清史氏(33)が市民団体「NAGANO未来工房」から出馬を打診されている。
市議の小泉一真氏(47)も7日JR長野駅前で街頭演説し、無所属での立候補を表明している。
このほかに元日本青年会議所会頭でエムウェーブ社長の土屋龍一郎氏(51)や文科省元大臣官房審議官で筑波大学教授兼学長特別補佐の徳永保氏(60)などの名が取りざたされている。
本命とみられる人はいない。

▼驚くような候補者も
元長野県議の高島陽子氏は、田中康夫知事時代に会見場によく来て田中知事に何度も質問しているのを私はそばで聞く機会が何度もあった。
その質問内容は簡単にいうと、なんでそんな質問するのかな?というものが多く、高島氏が質問を始めると舌打ちをしてメモ帳を閉じてしまう記者がいるような雰囲気だった。
長野県の知事会見のページにそのやり取りが載っているのだが、今は県のホームページが
http://www.pref.nagano.lg.jp/
リニューアル中で見ることができない。データは保存してあるので数週間後ぐらいにはアップされて見られるようになるという。

高島氏は一応元県議でもあり子育て中のおかあさんのイメージで、悪くはないのだが、政治家としての行動には疑問が多い。
2011年ごろに長野市で住民投票条例制定を求める住民の運動があったのだが、その時にはその活動に加わらなかった。それなのに今回の市長選で、ある市民グループに支援依頼に行き、「あのときなぜ活動に加わらなかったのですか?」と問われてまともに返事もできなかったという。当然その市民グループからは支援の約束はしてもらえなかった。そもそもなんでそんなところに行ったのか?という話だが、高島氏には他人と違う感覚があるようだ。

また、9月5日に連合長野に行き、市長選の支援要請をしているのだが、連合長野内部には高島氏と面談することすら避けたほうがいいという意見があった。だが、どういうわけかニュースで面談している場面が流されている。こういう場面が流されるといかにも連合と仲が良く、支援されているようなイメージを持つ人がいるかもしれない。連合長野だって断りにくい。表面上、自分を売り込むのがうまい人といっていい。

長野市長選に元県議の高島陽子さんが正式に立候補を表明
 SBCニュース(05日20時37分)
この後半部分に注目。

小泉一真氏については以下の追撃コラム過去記事を読んでいただきたい。
長野市議に初当選した元長野県職員が知事のつぶやき乱用

▼混迷の責任は民主党にも
現職の鷲沢市長は前回選挙で実質負けているようなものなので、出ないか、出ても苦戦が予想された。なので、当選ラインはぐっと下がっている─と読む候補が多く、それが乱立の大きな原因になっている。

前回鷲沢氏を当選させた戦犯は民主党だ。
前回市長選で民主党が担いだ元県職員の小林計正氏は、最初は市長選と同時に行われる市議補選に出馬予定だった。それを急遽市長候補に仕立てたのだ。勝てる可能性は最初から低かった。

これについて詳しくは以下の追撃コラム過去号で。
長野市長選・キングメーカー気取りの北沢防衛相

勝てる見込みのない候補をメンツで擁立し、反鷲沢票を分断し、鷲沢氏の当選をアシストしたようなもの。

民主党は前回選挙の敗因を分析し、今回の選挙に早くから備えるべきだったがそれをまったくせず、前回と同じように直前になって慌て、いまだに有力な候補者を擁立できないでいる。
民主党長野県連を実際仕切っているのは北沢俊美参議院議員だ。北沢氏は元は自民党でセンスも古く体質は自民党的だ。北沢氏が頑張っている間は民主党も長野県政も脱皮できないだろう。

▼急浮上の加藤氏
長野商工会議所会頭の加藤久雄氏(70)の名が急浮上しているが、そもそも鷲沢氏の後援会長で、年齢も鷲沢氏より2歳若いだけの70歳。清新さはない。長野市の支配層の中での権力のたらい回しのようだ。田中康夫知事が批判した構図が復活したかのよう。
 
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▼ロッキード事件などの取材経験豊富な元記者による、かったるい話ヌキの独自情報発信ブログ。田中康夫関連ではマスコミを出し抜く情報で評判。改革偽装派の田中知事を引きずり降ろした陰の立役者、などと噂されている─らしい(笑)
田中康夫参議院当選後は、国政ネタから社会時評、マスコミ批判は好評。石原都知事、そのまんま東知事などタレント色の強い面白政治家も対象。

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