この記事はすでに掲載した「受信料拒否の論理」(04/9/28)と「1/4縮小論」(05/2/12)を併せてひとつに纏め再録したものです。
NHKは肥大化しすぎている。テレビが地上波2波、衛星が3波、ラジオがFM、短波、それにAMが国内2波プラス海外向けに21カ国語の放送を行っている。世界でもこんなメディアはない。なにもNHKひとりがそんなに頑張る必要はない。他のメディアにもまかせればいいのだ。
昔と違ってBSだのCSだのいろいろな放送形態もある。地上波テレビは数年後になくなる。ネットでテレビが見られる時代ももうすぐだ。少なくとも今のように巨大なNHKはもういらない。大きすぎる弊害の方が多い。放送と関係ない会社もNHKは沢山抱えている。今の1/4ぐらいになった方が広い目でみていいのではないか。こじんまりと地道にやっていけばいい。
受信料も1/4に値下げだ。テレビは全体の視聴率が下がっている、つまり見ていないのだから受信料も下げるべきだ。視聴者の方は昔に比べて「情報料金」を多く払っている。昔はNHKに電電公社の電話代ぐらいだったが、今はネットの利用料に携帯電話、テレビも衛星は有料だ。払う窓口が多くなっている。そんな中で、NHKが昔どおりに受信料を取ろうというのも考えてみれば図々しい話だ。テレビ業界は華やかで一見先端のように見えるが、実はもう斜陽産業だ。
テレビはデジタルになると課金が容易になる。払わなければスクランブルをかけて見られないようにすることができる。WOWOWなどがすでにやっている。今のようにタダ見はできないかわりに、払う者はシビアになる。つまらなければ見ずに契約そのものをしなくなる。そうなるとNHKは大変だ。集金しなくていい代わりに、契約者がガクンと減ることが予想される。
いまは税金みたいに、なんとなく「払わなければいけないもの」と思って払っている人が多いが、それが見なければ「払わなくてもいい」となれば大手を振って払わない人が大勢出てくることが予想される。いま不払いが増えているのも「払わなくてもいい」ということを知ってしまった人たちが増えたからなのかもしれない。だからデジタルになってもNHKは課金システムを導入しないのでは?という観測もある。テレビのデジタル化はNHKにとって諸刃の剣なのだ。
NHKの間違いは、NHKしか見られなかった時代の感覚と体制でいつまでもいることだ。視聴者はNHK以外に見るものは沢山あるのに、NHKはいつまでもお山の大将で自分が一番偉いと思っている。
NHKは制度疲労を起こしている。自浄作用は期待できない。海老沢会長の辞任、その後の顧問就任などがいい例だ。根本的に改まることはないだろう。積極的、建設的意味で受信料を払わないことによってNHKを変えていくことが社会全体にとってプラスではないのか。
NHKの崩壊は新しいメディアの時代の幕開けだ。確かに放送の台頭期にNHKのようなものは必要だったかもしれないが、時代はもうNHKを必要としていないのだ。NHKがなくて困る人はそう多くはいない。一番困るのはNHKの人たちだ。
『NHK受信料拒否の論理』
そんなNHKの受信料をかなり長いこと私は払っていない。多分30年近く払っていないのではないかと思う。そんなことを言って大丈夫か?と思う方もいるかもしれないが大丈夫だ。NHKの受信料は払わなくてもいいのだ。払わなくていいーというより私は意識して払わないのだがー。
なにもケチだけで払わないのではない。NHKは受信料を払うとその人はNHKのことを支持している、理解してくれている人だというのだ。冗談じゃーない、理解なんてできません!という意思表示の意味もあって私は払わないでいる。
「NHK受信料拒否の論理」(本多勝一著)という本がある。ずいぶん昔の本だ。1973年に出ている。本多氏は長野県伊那谷出身の朝日新聞記者だった人で、この本には文字通り受信料拒否の論理がいろいろ書いてある。それに影響を受け、なるほどーと思ってそれを実践している。実践している過程で学んだことを織り交ぜて、私流のNHK受信料拒否の論理を書いてみる。
受信料は受信契約に基づいて請求されているのだが、その「契約書」というものを見たことがある人がいるだろうか?実は、そういうものはないのだ。NHKは正当な手続きを踏まずに、相手の無知と錯覚に付け込み金品を取っているに等しい。ヤクザまがいで強引だと評判が悪かった新聞の契約だって契約書はある。それにハンコをつかせるやり方が強引だったのだが、NHKはその契約書すらなくて金を取っている。新聞が粗暴犯とすればNHKは知能犯か?NHKのホームページに受信料についてのQ&Aがあるが、ほとんど自分たちに都合がいいことを勝手に言っているに過ぎない。嘘に近いものまでいくつもある。インチキ商法並だ。
受信料を払っていない人は意外に多い。だが、そんなことが世間に知れるとマズイのでNHKはひた隠しだ。
サンデー毎日(9月19日号)の推計では約25%、1/4の人が払っていないのだという。NHK自身が国会の総務委員会に報告している数字でも約2割の人が払っていない。この騒ぎで、新たに1万7千件の支払い拒否が出ている。そしてそれは増え続けている。
「NHK不祥事、受信料支払い拒否・保留1万7千件に」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040922-00000312-yom-soci
*払わなくてもいい理由
受信料徴収の根拠は放送法32条(2010年、法改正により64条に)で、「テレビなどNHKの放送を受信できる装置を設置したものは受信契約を結ばなければならない」となっているからなのだが、一方、民法では契約の自由を謳っている。「嫌な契約を強制されない」ことになっている。放送法32条はこれに抵触する可能性があるのだ。この他NHK受信料拒否の論理は山ほどある。試しに「NHK受信料拒否」などの言葉で検索してみるといい。
放送法32条は法的に問題があるのだが、NHKはこれを白日の下に晒すのが嫌なため、受信料を払っていないものに対して法的措置を取れないでいる。裁判になって不払い問題が大きく報道され、それに触発されて不払い者が増えることを恐れているのだ。その上、裁判で負けでもしたらNHKは大打撃だ。だから数百万人も払っていない人がいるのに、NHKはただの一度も裁判を起せないでいる。
*受信料の使いっぷり
一方で、NHKの取材に対する金の使いっぷりのよさは有名だ。
大昔のことだが、NHKは選挙の開票の速報のとき、どんな田舎の開票所へでも自前の電話回線を引く。他のマスコミは選管が用意した一本か二本の電話を奪い合いで使う。タカが選挙の速報ぐらいで大金を払ってまで専用電話を引く必要はない。自分の金だったら引くだろうか。親方日の丸意識があるから、こんな大盤振る舞いをするのではないか?
*最近の長野県庁でのこと
議会がちょっと盛り上がったときがあった。去年の夏ごろのことだ。知事の不信任決議とかそういう大きな動きのときではない。この時、何でそんなにーと思うぐらい多くのNHK記者たちが議会棟の中に集まった。よそは5人位だとすると、NHKは十数人体勢だった。それで余計目に付き、記憶にも残っている。大してやることもないのに無駄に人を動員している。金と人が余っていなければ出来ることではない。
*5年ほど前長野市内で偶然見た光景
犀川の河川敷で雑草が燃える小火が発生した。NHKの割と近くだ。たまたま私はそこを通りかかった。そこにNHKの取材クルーとテレビ信州・TSBのカメラマンが来た。NHKは記者とカメラマンと助手の三人がタクシーに乗ってやって来た。TSBはカメラマンが一人で車を運転して来た。ライトバンの後ろのドアを跳ね上げ、大きな三脚とカメラを一人で抱えて現場まで歩いていった。NHKは民放が一人でやっていることを、4人がかりでやっていることになる。
*ホームページに見る各テレビ局の頑張り度
ところがNHKはこれだけ取材に金を使っていながら、その成果を社会に還元していない。長野県をエリアとするテレビ局のホームページで見比べるとそれが歴然だ。民放4社はそれぞれ頑張り具合は違うが、ローカルニュースをホームページに載せている。しかし、NHKは全然載せていないのだ。受信料を取るだけ取っていながら、タダの民放よりサービスが悪いのだ。
SBCが一番充実していて、動画で見られるニュースも一番多い。信濃毎日新聞の子会社みたいなもので、地元民放の老舗なのだから当然だろう。意外に頑張っているのがTSBだ。SBCよりはるかに規模は小さいのに動画ニュースがSBCほどではないがいくつもある。NBSは動画がなくて写真だけ。それに音声が付いている。(05年8月ころから動画が見られるようになった)
ABNは写真もなくて文字だけ。これでもテレビ局か?と言いたくなるようなものだ。それよりさらにお粗末なのがNHKだ。ここは、なーんにも載っていないのだ。動画どころか文字でも、地方ニュースそのものがないのだ。ジャブジャブ金をかけて取材しているのに、それを視聴者に提供する姿勢が皆無なのだ。どこが"皆様のNHK"なのかと思う。NHK長野のホームページは殆ど更新されることがない。ここにはニュースがないのだ。地方をナメているとしか言いようがない。受信料を取っているNHKが一番態度が悪いのだ。
これは頑張ってる順だ。
SBC 信越放送
http://sbc21.co.jp/news-i/
TSB テレビ信州
http://www.tsb.co.jp/bangumi/plus1/index.html
NBS 長野放送
http://www.nbs-tv.co.jp/
ABN 長野朝日放送
http://www.abn-tv.co.jp/news/news/index.htm
NHK
http://www.nhk.or.jp/nagano/
*受信料拒否のHOW TO
具体的にどうやるか。まずNHKの集金担当係りのところへ電話をする。
長野の場合、営業・受信料 026−291−5210 だ。
東京のNHKは
0120−151515(無料のフリーダイヤル)
そして、受信料を払わないので集金に来ないでくれ、と一方的に告げればいい。
「訪問拒否」だ「電話もしないでくれ」と言うといい。そして、「受信契約をしていないのだから払わない」と言う。いろいろ言ったら、「契約書を見せてくれ」でいいのだ。NHKは、ないのだから出しようがない。もしそういう類のものを出してきたら「破棄する」でいい。
後は最近のNHKの不祥事について思っていることをぶちまければいい。NHKはその声を聞いて反省し、あなたの行動は社会の役に立つ─というわけだ。これで、一年間で約一万五千円が浮く。衛星放送だと約2万6千円だ。いいことをして無駄な出費も抑えられる。こんな有意義なことはない。
銀行振り込みにしている人は、NHK受信料は引き落とされないように手続きする。入れ知恵しておくと、NHKの集金人は集金だけを委託されている外部の人間だ。今ではかなり知られていることだが、これだけでも意外に思う人がいるはずだ。こういう具合にNHKは自分たちに都合が悪いことは言わない。集金人は委託されているだけだからいろいろ問題はある。彼らは集金すればいいだけだから、あなたがここに書いてあることを言ってみたところでそんな理屈は知らない。だからNHKの正式な職員かどうか確かめてから話した方がいい。契約について話すのだから集金人ではダメだと追い返す手もある。とにかく知恵比べみたいなものだ。ディベイトを楽しみながら実益を得られるのが「NHK受信料拒否の論理」でもある。
*この記事はすでに掲載した「受信料拒否の論理」(04/9/28)と「1/4縮小論」(05/2/12)を併せてひとつに纏め再録したものです。
当ブログ関連記事はここをクリック⇒ NHK受信料 &テレビ関連 etc
なお、ここで↓NHK受信料問題について書かれている。
「NHK受信料を考える」 http://friendly.blog30.fc2.com/
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