いま世間はホリエモンが出したとされるメールのことで盛り上がっている。
ライブドア前社長の堀江貴文被告が、武部勤自民党幹事長の二男へ3000万円を振り込むようメールで指示したーという話だ。
このメールを暴露したのは民主党の永田寿康衆院議員(36)で衆院予算委員会でのことだった。

これが本当なら確かに一大事、興味をそそられる話ではある。
こういう話題なら私の出番です。元祖・流失メール暴露ジャーナリスト(笑)としてひと言いわせてください。皆が言っているようなことをいってもしょうがないので、別角度からのざっくりした感想を書いてみたい。

このメールの真贋が焦点になっている。本当にホリエモンが出したものなのかどうか、連日テレビで話題持ち切りだ。
この種の話題はネットな人たちの絶好のオカズだ。あーだこうだと、ネット上で怪しげな検証が行なわれている。提出された検証材料が少なく、不明な部分が多い。こういうものこそ想像の入り込む余地が多いので、ネット上では絶好のご馳走となる。マニアックな検証はそういう人たちに任せるとして、私は人間臭い視点から見てみたい。

ちょっと検索したら簡単にそのメールの現物?がPDFで出てきた。
http://www.dpj.or.jp/faxnews/pdf/20060217234304.pdf

堀江メール

21日になって平沢勝栄衆院議員が公表した、黒塗り部分が一部明らかにされたメール。

平沢メール

問題のメールは行数も少ない上に黒塗り部分が多い。情報は多ければ多いほど真贋の判断材料になる。このメールから真実を読み取るのは至難の業だ。メール自体の真贋をもっと怪しむべきだ。

これまで田中知事関連の数々の流失メールを扱ってきた経験から言わせていただくと、プリントアウトされたものであることが、まず弱い。
ヘッダーや署名のことが言われているが、そういったものは公開する時点で削除するに決まっている。

     参考過去記事 田中知事発の流失メール

品性下劣!異常性癖満開  田中知事が幹部職員に出したメール
   「オナニー教えたのはボク」   2004年10月31日
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/8704868.html

SBC記者が、議員名挙げて選挙で”落とせ”と田中知事にメール 2005年01月31日
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/13385387.html

共同通信記者が議会工作したーと田中知事にメール 2005年04月23日
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/19784622.html

中日新聞記者が田中知事に媚へつらい、議員小馬鹿にしたメール  2005年04月14日
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/archives/18895168.html

永田議員が公表したものはプリントアウトされたものだけだ。
なぜ、メールそのものでないのか?メールはそもそも書き換えの痕跡が残らず偽物を作りやすい。その上プリントアウトされたものだとネット上でやり取りされたものより出どころの情報が少なく信用性に大きな瑕疵が付く。私が公開したものもプリントからのものは少ない。よっぽど信用できるところからのもので、しかも内容もあまり重要でないものでなければ公開する勇気を私は持たない。

その点、永田議員は勇気がある。いや、あり過ぎる。このメール騒ぎの根底には永田議員と民主党の若さがあるような気がする。

インターネットや情報というものについて中途半端な知識しかないわりに、重大なことをやってしまっている。
メールはいま流行のツールで、まったく無視しては時代遅れだが、かといって過度に信用し過ぎるのも軽率だ。間合いの取り方が難しい。
永田議員と前原誠司代表の36歳と44歳という年齢が微妙だ。二人がもうちょっと歳をとっていたらメールという不可思議なものにもう少し慎重・・・というより、臆病だったのではないか。逆にもっと若くメールやインターネットのことに詳しかったら怪しいーと思ってもっと慎重になったはずだ。いずれにしろ慎重さに欠ける。二人は新しいツールに媚びて過度にこの情報を評価したのではないのか。

この程度のネタを、こともあろうに衆院予算委員会の場で公表するのはどうかと思う。もしかすると彼らにとって予算委員会は私たち一般のものより、軽いといってはなんだが、身近な存在なので気軽にやってしまったのかな?と思わないでもない。
どうしても公表したいなら自身のホームページで、こんなものがあるーと武部幹事長とは名指しせず「政府高官が」とでもするのが関の山だろう。

名指しで武部幹事長を批判したはいいが次の矢が続かない。攻撃するはずだったのに永田議員及び民主党は防戦一方だ。
こんなことをしたら次ぎはどうなるということを予想していなかったのだろうか?

毎日新聞の岸井成格特別編集委員がテレビで興味深いことを言っていた。
武部のところに3千万円流れたという話は2月の頭ごろ我々も知った。ウラはとれなかった。メールは見たことがなかった。この話の出どころのフリーの記者は知っているが・・・ちょっと怪しい。それらを総合判断してニュースとして扱わなかったーといったようなことを言っていた。

永田議員は
「私に惚れ込んでメールを提供してくれた人です」
とフリー記者のことを説明していた。ちょっと過剰な表現で、昂っているのかな?と思わせる。このメールについて冷静な判断をしたのだろうか?と疑問が湧く。

フリー記者が議員に情報提供したのは記事として書くには問題があったからーと思うのが普通だ。メールだけでは不足で、金の流れが掴めなければ記事にはならない。

武部氏二男の問題の銀行口座の金の出入りを調べれば疑問は解けるだろうが、そうすると、ついでにあまり世間に知られたくないことも表に出てきてしまうので武部氏側は苦慮しているのだろうし、民主党側はそこが付け目なのだろう。

あまり言われていないが、3000万円を金融機関へ振り込めというのも不思議なことだ。こういう場合はアトが付かないように「現金」でやり取りするものではないのか。

このメールは政界の奥深いところにある金の流れを浮かび上がらせることになるのだろうか。