10月末まで経営戦略局にいた、田中前知事の側近職員だった野崎真容疑者が逮捕された。
誰が書いてもたいしてかわらない、事件の概要はマスコミ記事で読んでいただくとして、私はマスコミが書かないことを書きたいと思う。

野崎容疑者の逮捕は突然だったし、意外でもあった。彼が百条委員会が告発していた一連の問題のキーマンであることは間違いないことだが、この時点で別件の逮捕というのは予想外だ。

今回の逮捕容疑は01年9月のもので、野崎容疑者がまだ経営戦略局に異動する、はるか前のものだった。野崎容疑者は大筋で容疑を認めている。そんなころから、そんなことをやっていたのか─と驚いた。

野崎容疑者は03年4月に奈良井川改良事務所の建設係主査から、経営戦略局に異動になった。これは当時メル友人事ではないかと話題になったもので、私は真相を探るべく異動してきたばかりの野崎職員にさっそく取材に行った。注目されている異動だったことは本人も自覚していて、「俺は何もしてない、メールなんか打っていない」と答えていたものだ。しかし、今にして思えば、怪しいものだった。いや、怪しいどころか、嘘をついていた可能性が高いと思わざるを得ない。

彼は野心があって、自ら志願して経営戦略局に異動するような手を打ったのではないだろうか。

彼は私の取材に積極的に答えてくれていた。土木部の技術系職員だったので、経営戦略局と土木部のつなぎ役のようなことをしていた。田中前知事が打ち出したダム構想の理論付けを彼がやっていたようだ。田中前知事の周りで、そういうことができるのは彼しかいなかった。

ダム問題について質問すると丁寧に答えてくれた。これからの治水のあり方について新しい考え方をレクチャーしてくれた。だがそれは、田中知事が会見やマスコミでしゃべっていることと酷似していた。その点をついて、田中康夫が言っていることはあんたが入れ知恵したことじゃないのか?と言うと、一拍おいて、そんなことはない、田中知事の考えだ─と言っていた。
庇っていたようにも思えるが、田中知事とふたりでダムについて語り合っているうちに一緒くたになった可能性はある。田中知事が思いつきで言ったことの裏づけを彼がしていたように思う。

問題はこの逮捕がさらに広がるかだが、それについては後ほど─。

 *この記事は12/5 05:30ごろメルマガで配信したものです。