追撃コラム&取材メモ

マスコミにない情報を独自取材して書いています。タレント性の強い政治家などに関連したものが多いです。初期の記事は田中康夫長野県知事に関したものが主です。

裁判 弁護士

足利事件─国全体のシステム機能不全

弁護団が仕切った釈放会見
池本裁判長逮捕!を叫ぶ田原総一郎

▼冤罪加害者のやり得を許すな
足利事件をみていると、この国に正義はあるのだろうかと思う。大きな事件の背景には社会の矛盾や問題が凝縮されている。

犯人とされ、17年半ぶりに釈放された菅家利和さんのテレビ出演の様子を見ていると口下手な人のようだ。長期にわたる不当な拘束の後でもそれに対する怒りを表明する言葉は十分とは思えない。見ているこっちが、いらいらするほどだ。
私だったらあんなことではすまないだろう。いかにひどい目にあったか、警官や検事の実名を織り交ぜてズバズバ言っただろう。それぐらい当然だ。
冤罪がなくならないひとつの大きな理由は、被害者が建前にすぎるからだ。もっと本音で怒りをぶつけなければ冤罪加害者たちは反省しない。冤罪加害者がもっとも恐怖する検察官は被害者だ。冤罪加害者のやり得がつづいている限り冤罪はなくならない。

菅谷さんのテレビ出演は、本来の目的とは裏腹に、取調べの過程でも警察にいいようにされたんだろうな─ということを視聴者に印象づけるものとなった。菅谷さんのしゃべりでは警察のひどさはちっとも伝わってこない。正直で気のいい人なんだろう。警察はこういう人を狙い撃ちにする。

警察、検察、さらには裁判所までがそうぐるみになって菅谷さんを犯人にでっちあげた。さすがに世論の批判も強いが、事態の深刻さを考えればまだまだ足りないぐらいだ。
警察は真犯人を捕まえることより、書類上犯人を捕まえたことにする─のにしばしば血道をあげる。この場合重要なのは書類上”犯人”に見えることであり、真実に犯人であるかどうかはたいして重要でない。できれば真犯人であった方が好ましいが、それも書類上の手間が省けるため─というのが役人である警官、検事の性癖というものではないか。

警察も検察も役所なので、真実追及のために未処理事件を抱えているより、真実はどうであれ、処理済にしておいたほうが書類上体裁がいい。そのために無辜のものが犯罪者の汚名をかぶせられることになる。

▼弁護団が仕切った釈放会見
釈放後の会見で目についたことがある。それは質問者がマスコミではなく、弁護団だったことだ。そうテロップが出ていた番組があったが、気づいた人はどれぐらいいただろうか。菅谷さんが釈放された6月4日の午後11時台のTBSニュースの中でのことだ。
このような事件の釈放直後の会見を、マスコミでなく弁護団が仕切るのはそれじたい異例でニュースでもある。だが、これについて触れたニュースも解説もない。あのテロップはTBSの良心か、それともいい訳だったのか。

この事件は一義的に警察、検察、裁判所の問題だが、それをチェックするのがマスコミの役目で、マスコミはその役目を十分に果たしていなかったことになる。これは弁護団のマスコミ不信の表れではないだろうか。その後の佐藤博史弁護士の発言も注意深くみているが、こういう場合お決まりのように出てくるマスコミへの感謝の台詞は私が見ている限りではない。

菅谷さんが千葉刑務所から釈放されるときに乗っていた緑ナンバーのワンボックス車はテレビの取材車によく使われるタイプのものだ。日本テレビ系列のニュースで車内から撮った映像があったので、日テレ提供の車に菅谷さんは乗って釈放されたのだろう。そのせいで菅谷さんの囲い込みに成功し、中身はどうか知らないが、放送時間も日テレが長いようだ。

▼池本裁判長逮捕!を叫ぶ田原総一郎
7日のテレビ朝日サンデープロジェクトでは、DNA鑑定の見直しをしなかった池本寿美子裁判長を「こんなのは逮捕だ」と田原総一郎氏が二度にわたって叫んでいた。たしかにそのとおりだが、一般メディアでの発言にしては過激でもあり、なんらかのリアクションが出るのではないかと思ったが、ほとんどないのはどういうわけだろう。

日本でもっとも影響力あるジャーナリストが視聴率の高いテレビ番組の中で、裁判官を逮捕だ─などと二度にわたって叫んだのにこれに対してリアクションがないのは不思議だ。

これに限らず、同種の冤罪事件や未解決事件は多い。ことは一冤罪事件の問題ではない。日本は国全体のシステムが機能不全に陥っているようだ。これを変えるには、権力の支配構造を根底から変えるしかない。

【光市母子殺害事件】弁護士に懲戒請求で、喝!を入れる橋下弁護士

  手軽にできるわりに、効果大
  弁護士にブレーキかける有効な手段

日本テレビの番組「行列のできる法律相談所」などでおなじみの橋下徹弁護士が、 山口県光市母子殺害事件の元少年の弁護士に対して懲戒請求するよう07年5月23日放送された讀賣テレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」で視聴者に訴え、全国から3,900件の懲戒請求が出された。懲戒請求された弁護士が、ひとり当たり300万円の損害賠償を橋下弁護士に求める裁判を広島地裁に起こした。

橋下弁護士のブログ
橋下徹のLawyer’s EYE
http://hashimotol.exblog.jp/ 
を見ると光市母子殺害事件について長文の意見が何回にもかけて書かれている。テレビで見るのと違って真面目に熱くこの事件について語っているのがわかる。ちょっと見直した。


弁護士はほとんど治外法権状態で、なかには変な弁護士も結構いる。そういったものに対してのチェック手段がこの懲戒請求だ。お金もかからず、手軽にできる。実際、橋本弁護士の呼びかけに応じて多数の懲戒請求が出されている。
この動きにプレッシャーをかける山口県光市母子殺害事件被告弁護士はおかしいのではないか。懲戒請求は、問題がある弁護士にブレーキをかける随一の、といっていい手段だ。これを封じられたら弁護士の暴走を止められるものはない。

自信があれば、懲戒請求をはねつければいいだけなのだが、そう簡単な話でもないらしい。

以前、ある弁護士に聞いたのだが、この懲戒請求というのは弁護士にとって厄介なものだという。起こされれば弁護士会が必ずこれを受けなければならない決まりになっている。請求を受けた弁護士はそれに反論しなければならない。反論しなければ当然自己に不利になる。

請求理由もそれほど厳しくなく、たとえば、弁護士ともあろうものが、立ち小便をしていたのはけしからん─といったものでもいいらしい。

懲戒請求されると法曹関係者がよく読んでいる業界雑誌のようなものに、どこの誰がどういう理由で懲戒請求されたというのが載るのだという。この雑誌は全国の裁判官から裁判所の職員、検事、警察関係者までが見ているという。後々まで記録に残り、いわば札付き扱いされることになる。このページは購読率が高く、他の記事は読まなくてもこれだけはまっ先に読む人が多いという。法曹関係者のあいだでよく話題になることもあるという。

戒告から、除名まで4段階の処分がある。除名になると弁護士の身分を失い、弁護士としての活動ができなくなるが、そこまでいかなくても弁護士のメンツを潰すには効果があるものだろう。
市民にとって手軽にできる弁護士への強烈なカウンターパンチともなるのだが、意外に知られていない。

今回この騒動で3,900件の懲戒請求が出されたが、06年の懲戒請求は1,367件だったという。裁判員制度が実施されれば懲戒請求も増えてくるのではないか。橋下弁護士のブログに書いてあるのだが、弁護士は常識がない。そういった弁護士に世間の風をあてる役目を懲戒請求がしているのではないか。


光市母子殺害事件被告側弁護士は多くの批判を浴びている。死刑反対運動のためにこの裁判を利用しているようにみえる。こんなことをしていたら、逆効果で、死刑に懐疑的な人でも死刑反対を言い出しにくくなるのではないか。

死刑反対はどっちでもよくなって、反対運動すること自体が目的になっているかのようだ。こういう人たちは他の分野にもいる。長野県でダム反対を唱えている人たちもその一種だ。

YouTube にアップされている
「たかじんのそこまで言って委員会」の問題部分など。
http://www.youtube.com/results?search_query=%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB

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▼ロッキード事件などの取材経験豊富な元記者による、かったるい話ヌキの独自情報発信ブログ。田中康夫関連ではマスコミを出し抜く情報で評判。改革偽装派の田中知事を引きずり降ろした陰の立役者、などと噂されている─らしい(笑)
田中康夫参議院当選後は、国政ネタから社会時評、マスコミ批判は好評。石原都知事、そのまんま東知事などタレント色の強い面白政治家も対象。

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