私が中国で推拿を研修する際に最初に教えられた施術家として重要なことをご紹介します。
中国の伝統医学では従来から、良医は仁愛の心を具備し、医術が優れているもの、という倫理観を重んじています。
唐の時代の有名な医学家である孫思邈は「千金要方」のなかで具体的な原則を提起しています。
1.病を治すには必ず仁愛の心を持ち、いかなる物への欲望と名声、利益の希求を排除し、このうえない慈愛の心を胸に秘め、病を治し、傷ついた人を助ける行為を神聖なる職責とする。決して一芸に秀でていることに頼って金銭を求めてはいけない。
2.病を治すことには貴賎を問わず。老若男女、情のある人と恨みのある人、愚かな人と知恵のある人を問わず。全て肉親のように面倒を見、真心を込めて病を治し、決して貧賎を嫌い、富貴を愛してはならない。
3.病を治す場合は、困難で危険なことに屈せず、優柔不断の行為を許さず、個人の利害得失にこだわらない。患者の苦しみを自らの苦しみとし、心をひとつにして患者の所へ赴き、決してお茶を濁して事を済ませることはしない。
この3つの原則を守ってこそ始めて人命を重んじる医者になれると説いています。
また、この原則は医者だけではなく全ての治療家、施術家にも当てはまるモラルなのではないでしょうか。
患者さんと治療家にとって最も重要な要素はやはり人間同士の信頼関係にあると思います。
その信頼関係という土台の上に医術というテクニックが乗っかっている。
また、中国では「どんなに有能な医者でもその医者が患者を治そうという気持ちが無いとどんな病気も治らない。またどんな有能な医者にかかっても患者自身が治りたいと思わないとどんな病気も治らない。」と言われています。
信頼関係を築き、お互いの想いのベクトルを同じ方向に向けて始めて医術が成り立つのです。
患者さん、お客様と信頼関係を築くにはやはり人間性の向上に尽きるのかと。。。
日々、勉強ですね!

