おそらく4年ぶりぐらいに新品で攻略本を買った。

電撃ゲームから発売されている

「スプラトゥーン2 ザ・コンプリートガイド」

スプラトゥーンのヒーロー、ナワバリ、ガチ、サーモンランといった基本系モードの攻略はもちろん、ブキデータ、戦術、マップの見方、戦法までが図解を細かく駆使しながら丁寧に説明されている。

1600円近いプライスは決して安くはないものの、これ一冊でスプラトゥーン2のいろはは網羅できるかもしれない。

……と言いたいところだが本当にスプラトゥーンを極めようと思ったらステージ情報は頼りになるが、ブキは絶えずアップデートされ、性能も変更が加えられる。要するにスタートガイドとしては現行発売されているスプラトゥーン2関連の攻略本の中では一つ抜けているが、攻略本という体裁の限界を感じさせる内容でもある。

攻略本はネットの台頭によりオワコンとささやかれながらもまだファミ通、電撃の大手二誌は健在で、PS2が発売されたゼロ年代からPS3初頭までは活発に様々なラインナップ、形式の攻略本が書店でひしめいていた。

テイルズファンだった筆者は「大丈夫、ファミ通の攻略本」に代表されるファミ通のテイルズシリーズの攻略本の情報量にとにかく圧倒された。テイルズは他ゲームに比べてゲームを有利に働かせるサブイベントにとどまらず、称号、コスチュームというお遊び要素もあってすべてのイベントを網羅することは膨大な作業量を伴っていた。

またその勢いに乗るようにスタジオベントスタッフによるファイナルファンタジーアルティマニアシリーズは1作にシナリオ、バトルと分け、それぞれが辞書サイズで2000円を超えるという超高価路線でありながらゲーム内のわずかな小ネタも漏らさずディープに掘り下げる、まさにゲームの世界を練り歩くために必須な一冊となった。(ほかにカプコンアクションゲームの解体真書など攻略に特化した攻略本も発行されていた)

分厚い攻略本を太ももの上において、活用するページ部分が閉じないように両肘で支えながら必死になってプレイする。そういう小学生~中学生時代の一番純真にゲームへの情熱を傾けられた時代を懐かしく思う。

下手をすればゲームを買うよりも高価な買い物になり、中古で売却しても芳しくない値段になることが大半だった。(すでに15年以上前から中古市場は活発化され、ジャンク品というディスクに傷が多くて1000円を切るソフトがざらにあった)
僕はたまにハードを持っていなくて購入できないソフトの攻略本を読みながら「この場合はこうプレイしたかな」と妄想にふけていたこともあった。


また情報のみならず、攻略本は基本、ゲームが販売されてから半月~1か月ほど。すでにクリア経験者が増え、プラスアルファのやり込みや没入を求めて購入されるものだが、そういうタイミングだからこそ発売前に黙秘していたスタッフがあけっぴろげにゲームの開発秘話を惜しげなく語るコーナーなどが用意されていたりして、それがまたゲームの愛着を深めることになる。

「数十時間も突き合わせるのだからゲーム一本でストーリーも設定も完結させるべき」という意見は僕も激しく同意だが、ゲームのみならず書籍というメディアでもゲームの世界観を広げていくという考え方ならアリだと思う。

ゲームを素早く攻略して無駄のない時間を過ごせることもすぐれた攻略本に求められる要素だが、一つのゲームに対して何時間もプラスアルファで楽しめる時間を延ばせるというのもこれまた素敵なことだ。

現在でもアマゾンで定価で販売されているロングテール品はその要素をしっかり心得て、一部のファンの心をつかんで離さない。

現代では据え置きゲームの世界観、ビジュアル、脚本に視点が置かれるような時代になったことから、攻略本ではなく設定資料集なども注目を集めている。ストーリーが膨大であったり、補足説明が必要なほど端折られた作品は攻略本よりも設定資料集の方がありがたみがある。
欲を言えばスプラトゥーン2のコンプリートガイドにもそういう愛着がわくような要素がもうひと押しほしかった。

現在では攻略本のコーナーをわざわざ設置する書店も減退し、ファミ通は圧倒的な業界内のコネを駆使して、ゲーム情報誌というより業界誌としての価値を高めていった。

攻略本は現在でも生存しているが、勢力を縮小した背景にはPS3、XBOX360世代からトロフィー、実績などのやり込みの可視化とゲームの操作が複雑になったことへのフォローとして膨大なチュートリアルを付加させる作品が増えたことが大きい。

また従来の攻略サイトはテキストベースで画像などはたまに貼られる程度だったが、動画共有サイトで攻略解説、やり込みを細かく解説付きでのプレイ動画が増えたことで攻略本を読むメリットは一瞬で得たい情報を得られるという時間の節約以外薄れてしまった。

さらに現代ではアップデートを絶え間なく行うスマホゲームにより、ルート化、固定化された攻略情報の価値は薄まり、ネットで絶えず交流されることで情報が交わされる時代に変遷した。格闘ゲームなども一部のムックやローカルな情報をかき集めた人間が強くなるという情報の独占が主流だったが、現在では個性的なネタを仕込んでいくプレイヤーもいるが、情報は共有しあうものになっている。

もっといえば「スマホゲーム」というジャンルや絶え間なく据え置きゲームでもインディーズが流通されるようになったことで扱われるゲーム本数が爆発的に増え、プレイヤーが攻略本を買ってまで突き詰めたいと思えるゲームが減ってしまったという点も挙げられる。それこそFF、ドラクエ、モンハンといった国内AAAタイトルにあわせて複数誌と公式から発売されるというイベント的な要素になった。
裏を返せば、攻略本が複数から発売されている作品は今キテいる作品になる。


さて、スプラトゥーン2攻略本の純真なレビューからだいぶそれてしまった。

近年では開発者コラムやゲームに関連する漫画、設定資料というネットの情報よりディープな補足的な要素を求められ、攻略本は発売され続けているがジャンルは完全に衰退し、「ゲーム関連本」というくくりの一つに押し込められたといっていい。

ただ、僕のゲーム人生における攻略本はゲーム攻略のペースを速め、一本でも多くの作品に触れさせてくれたし、ゲームを学校に持っていくことはできないが攻略本を持ち寄って、ゲームのことをあれこれ語るってことだけで数時間熱く語れた時代が確かにあった。なんだか老害的な意見に聞こえるかもしれないけど、攻略本について熱く語ってしまいました。





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