特別図書館二階。 庭を見下ろすラウンジには、座り心地良さそうな椅子が、幾つも置かれている。 その中の一つ。 深い緑のローチェアーに座らされたつくしは、自分の怪我の度合いより、土が付いたままのスカートが、周りを汚さないかばかり気にしていた。 司は、 ...

タッタッタッタ 昼休みの合図が鳴ると同時に、つくしは、小さな紙袋を胸に抱えて教室を飛び出した。 行き先は、無論、特別図書館。 昨日の続きを読みたい。 司に本物の『道明寺』と『長命寺』を見せてあげたい。 はやる気持ちもが後押しして、つくしの走る速 ...

「ねーちゃん、お帰り」 「ただいま、進」 卓袱台に宿題を広げていた進は、姉の帰宅に、慌てて問題集を片付けた。 「いいよ、いいよ、進。まだ、晩御飯まで時間あるし、先に、宿題、済ませときな」 「えーーーー、だって、その手に持ってるの、バイト先の和菓子 ...

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