2017年05月16日

武将像

821武将像、剥落止めの作業をしているところ。現状で残っている彩色は江戸時代の補修時のものなのだが、除去せずに剥落止めをすることに。すでに彩色の剥落片がなくなっている箇所は補彩する予定。髷もあるのだが、何か違和感。江戸時代の補修の時に作られたものであるような気がする。口髭はたぶん、馬の毛を植毛した模様。

心束を彫り残す特徴的な造り、また、寺院のご本尊がやはり院派仏師の作であることから、この像も院派仏師の作と考えられている。
製作は室町時代。一木造り。前後と両側面を割矧いでいるのだが、クセのありそうな広葉樹で、少し作りにくそうに感じる。





tukiou1 at 21:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | その他の像

2017年05月08日

阿弥陀如来

820阿弥陀如来の光背にとりつける化仏。二寸ほどの大きさ。密教系の阿弥陀如来らしく、光背に五体の化仏を取り付けていた痕跡が残っているのだが、像そのものは残っていないため新造しているところ。

以前に修理した像が、天台宗であったが、一番上に大日如来、他4体に釈迦如来、薬師如来、観音菩薩、弥勒菩薩となっており参考にした。ただ、今回の像は、大きいものではないので、四体の化仏についてはすべて如来形とした。

tukiou1 at 19:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)如来 | 仏像修理の行程

2017年04月29日

阿弥陀如来像

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修理中の阿弥陀如来像の右側面。
前後割矧ぎに左右側面材を剥ぎつけるシンプルな構造。
ただ、内刳りが適切でなく貫通している箇所があったり、後の修理で大きく削られていたりと、そのまま組んでも不具合があるのに苦労する。

右側面材の内部が削られているため、下から見ると穴があり、内刳り内部まで簡単に虫やネズミが行き来できる状態だった。
写真はその穴を塞いでいるところ。

tukiou1 at 07:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | 如来

2017年04月17日

毘沙門天像

818なくなった箇所の新造を終えたところ。ここまでくれば作業も峠を越えた感じ。修理前の状態があんまりな雰囲気だったこともあり、だいぶ良くなったと思う。光背もゴテゴテと火炎付き輪宝に変更されていたが、後補材は撤去して全体にすっきりとした。何より表情が生き生きしたと思う。

tukiou1 at 20:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天部 | NPO補助修理

2017年04月09日

阿弥陀如来

817お預かりしている阿弥陀如来の足の裏。何度も何度も塗り直されており、それらの後補の漆層がはがれてきて、かさぶたの様になってしまっている。剝がしてみると少なくとも3回程度は大がかりな塗り直し修理が行われている様子。今となってはボロボロになってしまったが、集落で大切にされていたことが想像できる。

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2017年04月02日

天狗面

IMG_7702天狗面 (阿形)

先日、修理が終わり天狗面2面を神社に納めることができた。
納める日の何日か前に雪が降ったので道が不安だったのだが、雪は僅かしか残っておらず助かった。

さて、この天狗だが天狗面とは呼んでいるものの全長で60cm程にもあり、人が被るものではない。どうやら阿吽の一組で2面を額に飾り、扁額として建物に取り付けるものであるらしい。実際に天狗面の裏面には取り付けのためのホゾが彫り込んである。
先日、購入した図録を見ると額の全長が2mを超えるものあり、かなり巨大なものもあったようだ。
今回の天狗面も、そうした額を作れば1m50cm以上にはなると思う。また、多くは大天狗と烏天狗で阿吽を作り分けているが、今回の像はひげや鼻の高さを作り分けているものの2面とも大天狗であることが興味深い。


5月のゴールデンウイーク中には公開する予定とのことなので、興味ある方はご覧ください。

鷲子山上神社

tukiou1 at 20:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | その他の像

2017年03月26日

邪鬼

815毘沙門天像の邪鬼の内刳り内部。

前面材の内部が炭化している。彫刻面の方も一部焦げているのだが、どうやら、燃やされ廃棄されかけたことがあったらしい。無住の期間が長いと、掃除の延長もあって壊れた部材を燃やしてしまうことは結構、よくあることであったようだ。正直、少し焦げただけで残ったのは運がいい。

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2017年03月20日

阿弥陀如来像

814阿弥陀如来像。像高約60cm程の阿弥陀如来像。文政十年の修復銘があり、現状の漆箔はその時のもの。今回の修理では主に光背と台座を修理した。

客殿の建て替えにあわせて修復を依頼されていたのだが、御彼岸前に納めることができた。まだ、仏具類を入れる前なので、モデルハウスのような雰囲気。お寺といっても最近では内装やデザインが新しいから、新築だとおしゃれな雰囲気が漂う。また、仏像も普段とは違った感じに見える。

tukiou1 at 21:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | 如来

2017年03月12日

二天像

813薬師如来の脇侍として安置されている二天像。作業が終わり無事に納めることができた。

二天像ということで、左右、阿吽で表されているが、体の動きは左右対称ではない。もしかしたら四天王であったのかもしれないが、他に資料も言い伝えもなく、仏像の中にそのことについての墨書はなかったから、まぁ、何ともいえない。判明しているのは、少なくとも明治には2体であり、日光菩薩、月光菩薩として安置されていたことぐらい。正統的な仏師の作で格段に彫刻が素晴らしかった。

tukiou1 at 19:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天部 | 仏像修理の行程

2017年03月08日

聖観音

IMG_7427安置が終わったところ。一応、保険で壁には銅線で連結しているが、何もせずとも、特に問題ないように思う。

今回の仏像は、桓武天皇の皇女の守り本尊と伝えられる像。伝承には身分違いの恋愛が織り込まれており、ロマンチック。製作年代はそこまでは遡らないだろうが、平安時代の穏やかな雰囲気が残っている。構造、作風はかなり素朴なもので、状態が良い背面を見ると、ヤリガンナのような道具でざっくりとした彫刻した痕跡がわずかに残っている。上半身には中世の戦乱の際、兵火に遭った痕跡もあり、この地方の歴史を象徴するような像。雰囲気のある仏像でした。

tukiou1 at 07:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)菩薩 | 仏像修理の行程