2017年07月21日

十二神将

831十二神将、巳神の台座。十二神将それぞれの部材がかなり混ざってしまっているので、台座にしてもホゾ穴が確実に合うかどうかを確認しながらの作業。足ホゾの位置なんてそうそう間違うことなさそうだが、それでも、十二体もあるとかなり微妙なものもあり、判断に苦労する。

tukiou1 at 19:48|PermalinkComments(0)仏像修理の行程 | 天部

2017年07月15日

天狗

830天狗像。はっきりしないが江戸時代も後半になってからの製作か。金毘羅神の脇侍として製作されたもので、大天狗と烏天狗で、それぞれ阿吽の対となっている。彩色の剥落止めまで作業を終えたところ。写真は大天狗。

持物について、大天狗が持っているものが一部欠損した状態で残っているのだが、これが何なのかよくわからない。
大雑把な彫刻ではっきりはしないが、稲わらを束ねたものである可能性が高い。
束ねた縄、稲穂と思われる彫刻がごく単純な彫刻で表現されている。
また、仏像でこうしたものを持つものは存在しないと思われ、堂内の他の像を見ても対応するのは間違いなさそうである。
天狗の持物というと、剣、羽団扇が有名なところで、他は羂索、鉾ぐらいしか思いつかない。
今のところ、稲穂を鉾で貫いたものか?と想像しているが他に類例を見たことがなく、想像の域を出ない。
もし、詳しい方いたらご一報を。

天狗の資料ということで、神奈川県立博物館の特別展図録「天狗推参」を眺めてみたものの、特に参考になるものはなく残念。

ところで、今年は天狗のあたり年で、いずれも大きくないものの、面も入れると天狗関連で7体も修理することになる予定。


tukiou1 at 13:38|PermalinkComments(0)

2017年07月07日

部材やらなにやら

829お預かりしてきた仏像の部材やらなにやら入った段ボール箱。

仏像の修理の前にお堂の修理が先に始まったため、堂内の仏像やその他、すべての部材を大工さんが段ボール箱に詰めておいてくれたのだが、時間ができたため、それを整理し始めたところ。
金毘羅堂という御堂。祀られているのは金毘羅権現。像容のはっきりしない像なのだが、こちらのお堂では天狗の姿で現されている。大きくても1尺程度の大きさなのだが、天狗像5体、不動三尊に神像…と完全にばらばらに細かな台座の部材で、部材の仕分けにかなり手間取りそう。


tukiou1 at 20:37|PermalinkComments(0)仏像修理の行程 | その他の像

2017年06月30日

毘沙門天像

828毘沙門天像の開眼供養の様子です。

毘沙門天像ですが、震災で本来、安置されていたお堂が壊れたため、今現在は他の像と一緒に近隣の寺院に仮安置されています。お堂が再建できればそちらに移動される予定ですが、集落管理のお堂ですから、すぐに再建するのは難しいようです。

今回の像については、理解あるご住職によってお寺に置かせてもらえましたが、被災した像をどこに安置するかというのはケースバイケースで、特に処置もされずに壊れたお堂に安置されたままになるということもあるだろうと思います。管理者次第です。

できればお堂も復興してそのお堂に安置される日がこの像にとっても本当の復興の日になるのかもしれません。しかし、そうならなかったとしても、この像の歴史は続いていきます。古い像です。この像自身にたってみれば、こうした震災のごたごたも今まであった危機的な状況の一つに過ぎないのかもしれません。

しかし、修復を依頼し、安全な安置場所を確保するといった、集落の方々の努力がなければ、この像自体、震災のどさくさでなくなっていた可能性もありました。仏像が後世に残っていくのは、ただ残るのではなく、周囲の人々の残していきたいという想いによって残っていくんだなということを実感します。

tukiou1 at 07:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)NPO補助修理 | 天部

2017年06月28日

毘沙門天

827続いて、毘沙門天像を厨子に納めたところ。厨子はかなり大きく立派なものです。江戸時代に作られたものと思われます。実はこの像の台座、岩座部分より下には框を接合した痕跡がありません。本来であれば岩座の下に框など何らかの構造がないのはおかしいのですが、岩座とこの厨子の台座部分がぴったりと形が合うようにできています。

つまり、修理で台座や邪鬼を新造した時期と厨子を作ったのは同時期のようです。右手に執る剣も同時期に作られたものなのでしょう。毘沙門天は本来は戟を執り、今回の修復でも可能であれば戟にしたかったのですが、戟にすると長さが必要になるため、厨子に入らなくなってしまうので断念した経緯があります。実際、剣にしても厨子の天井部分との隙間は1cm程でぎりぎりです。

どうして江戸時代の補作で戟を剣に変更して補修したのかを考えると、正直、厨子もこれ以上大きくなると移動が困難になってきますし、戟にして柄を長くした像を厨子に入れた場合、厨子の大きさに対して像が小さく見えるということも考えられます。単に修理者が好みで剣にした可能性もありますが、こうした幾つかの理由を元に剣に変更したと考えるのが自然だと思います。その時の条件で効率的と思われる作業を選択した当時の修理者の様子ががうかがえます。

tukiou1 at 08:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | NPO補助修理

2017年06月24日

石井真弓/写真家

石井真弓/写真家

Mayumi Ishii PHOTOGRAPHY

何年か前に、「ANA国際線機内誌WINGSPAN」の取材を受けたのですが、その時、撮影してくれた写真家、石井真弓氏のHPです。リニューアルしたと連絡をいただきました。
私もイケメンに撮っていただいております。
数年前なのですが、はるか昔のことのように思います。
写真を見て若いなぁ…と感じました。




tukiou1 at 20:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他 

2017年06月23日

毘沙門天

826NPOで補助した毘沙門天像。修復が完了した。
総高で150cm。像高は105cm程。カヤ材の一木造り。修理前は近代の補修による彩色や漆箔のせいもあって博物館の調査では、江戸時代末の作と考えられ、実際、私も江戸時代かなと思っていた。

今回の修復によってある程度本来の姿を取り戻すことができたかと思う。
修復完了後のこの像を江戸時代制作と考える人はまずいないだろう。
それくらいに雰囲気が大きく変わった。古い像であることを伝え、市の教育委員会の下見が一度あり、再度、県の博物館の調査が入ることが決まったようでよかった。

中世に遡ることに博物館のお墨付きが出れば、この地方では最古級の仏像になるとのこと。
残念ながら、墨書類、銘文の類は出なかったが、修復によって地域の文化財を掘りおこした良い例となった。
修復について寄付をしていただいた方々にお礼を申しげます。

納めた時の様子もいずれUPします。お待ちください。


tukiou1 at 08:07|PermalinkComments(2)TrackBack(0)仏像修理の行程 | NPO補助修理

2017年06月16日

825夕方に突然、雹が降り出して驚く。ものすごい雨と芝生に積もるほどの雹。止んだ後、せっかく咲いたばかりのユリは全部折れるわ、育てていたホタルブクロの葉は千切れるわ、キンシバイは全部散るわで、がっくりくる。車も凹んでいないか不安。

tukiou1 at 19:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他 

2017年06月11日

十二神将

824今年も去年に引き続き、十二神将像の修復をおこなうことに。今年度は丑、辰、巳神の3体の予定。各像とも今までに行われてきた修理で細かな部材が入れ替わっている。

今回は巳神と辰神の頭部が入れ替わっている可能性があり、部材を注意深く解体し、部材の入れ替わりを確認している。一応、首と胴体に巳とか辰とか書いてあるのだが、修理するたびに書き付けたのか、明らかに間違った表記もありあまり参考にならない。

tukiou1 at 20:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | 天部

2017年06月05日

山の中の廃寺

823山中のお堂に仏像を見に行った。

人里から山の中に入って500m程。明治の初めに廃寺になり、現在は集落管理のお堂となっている。平安時代創建の格式のある寺院であったが、山の中にあることもあり、150年程度でここまで山に飲み込まれるのか…と驚く。寺宝もまた、多くが流出しており、近隣の寺院の所蔵になっている。わずかに何体かの像が残っており、それが市の文化財に指定されている。教育委員会の人と行ったのだが、参道もほとんど獣道と変わらず、参道と知って歩かないと不安になるほど。

今回は山中で、風はでるわ、雷は鳴るわ、空は暗くなるわ、5cmぐらいの巨大蜘蛛が何匹も厨子にくっついているわ、教育委員会の方々が一旦、下まで降りて山の中のお堂に一人取り残されるし、今までで一番心細くなった。「開けると人死にが出る」といわれているお堂なのだが、そんなこともあるかな…といった気分になった。今、恒川光太郎の小説を読んでいるのだが、その世界に入ったかのよう。こんな気分になることはそうそうない。

tukiou1 at 08:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像文化財調査 | その他