2016年06月29日

仏像ぐるりの人びと

782仏像ぐるりの人びと


出版社: 光文社
発売日: 2016/5/18
麻宮 ゆり子 (著)

作家の麻宮さん。
遠方より、仕事場まで来られて仏像の修復を見学に来られました。
作中の三宝荒神に関する話題やその他の細々した話題の幾つかは、実際に私が体験し、取材の際に話したことが元になっています。
そんなこともあり、なんとなく読むのが気恥ずかしく感じるため、本の内容についてはレビューしませんが、小説という形で仏像修復の現場がイメージできるという点でおススメです。
仕事場の規模によって、修復の現場の雰囲気は変わるでしょうが、ほぼ個人でやっている修理所は作中の雰囲気のところが多いのではないかと思います。
修復に興味がある学生さんなどは一読してみると良いと思います。




※以下amazonより抜粋
内容紹介

修復するのは謎の仏像?家族?それとも僕?
浪人時代に交通事故に遭い、大手術とリハビリ生活を余儀なくされた雪嶋直久。家族関係に鬱屈していた彼は、東京を離れ、京都の冥王大学へ入学。仏像修復師・門真のもとでアルバイトを始めるが……。不器用なふたりが過ごした、静かに滾(たぎ)る9ヶ月。

内容(「BOOK」データベースより)

浪人時代に交通事故に遭い、大手術とリハビリ生活を余儀なくされた雪嶋直久。家族関係に鬱屈していた彼は、東京を離れ、京都の冥王大学へ入学。仏像修復師・門真のもとでアルバイトを始める。地味ながらも奥深い作業に次第に引き込まれてゆく雪嶋。だが、作業場にたまに姿を現す、門真の従姉妹・もえ美のことはあまりいけ好かない。そんなある日、門真から、腕を七本も失くした謎の仏像を見せられる。その正体を探るべく、大学の「のんびり仏像めぐり研究会」を訪れた雪嶋は、天真爛漫な部長・今岡と、金髪のイケメン宇田に出会い―。

麻宮 ゆり子(ウィキペディアより)
2003年、小林ゆり名義で応募した「たゆたふ蝋燭」で筑摩書房と三鷹市が共同主催する第19回太宰治賞を受賞する。2013年、「敬語で旅する四人の男」で光文社が主催する第7回小説宝石新人賞を受賞する。


tukiou1 at 20:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)その他 

2016年06月16日

解体

781毘沙門天の解体作業中。修理前は、見た目と重さから一木造りだと考えていたが、解体を始めると、寄木造りということがわかってきた。近代の修理で、和紙が全体に貼られていたことと、木くそ漆による盛りつけ補修が全体に施されていたため、修理が始まるまで、損傷状況の詳細がわからなかった。難しい修理になりそう。

tukiou1 at 20:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | NPO補助修理

2016年06月09日

毘沙門天

780毘沙門天像。今年度NPO事業の補助で修理する像。近代に大きく修理されており、現状の金箔や赤、青色はその時のもの。大きさもあり、一人ではかなり重量がある。自治体の調査では江戸後期ではないかとのこと。

やはり集落管理の像で、震災でお堂が被災したため、現在は近隣の寺院で仮安置されている。お堂の再建がいつになるかわからないため、まずは仏像から修理したいとのことで、現在、修復が始まったところ。



tukiou1 at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | NPO補助修理

2016年06月01日

台座新作

779十一面観音の台座。漆も塗り、金箔も貼り終わり、ようやく蓮弁を葺いているところ。これが結構めんどうで、数mmずれただけでも結構気になる。そのため、何度も見直しながらゆっくりと作業を進める。手間がかかる。

tukiou1 at 21:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)仏像修理の行程 | 菩薩

2016年05月21日

天部像の解体風景

778十二神将の内の一体。江戸期の像。近年の修理で…というか、緊急で近所の人が修理したのだろう、木工用ボンドがべろべろにはみ出て、下まで垂れながらそのまま固まっているという、なかなかの状態だった。また、かなりずれて接着されていたのも問題ではあった。どちらにせよ外さなくてはならなかったのだが、やはりかなり苦労した。

tukiou1 at 20:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天部 | 仏像修理の行程

2016年05月06日

十一面観音の台座と光背

777十一面観音の台座と光背。一からの新造なのだが、今は漆の下地を塗っているところ。光背も入れれば軽く100cmは超えるので、結構、苦労する。朝から晩まで毎日、漆仕事。

tukiou1 at 21:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仏像修理の行程 | 菩薩

2016年04月24日

玉眼

776修理中の阿弥陀如来坐像。玉眼を嵌め込んでいるところ。どの像にもいえることだが、微妙に眼の長さが違ったり、左右の目の位置が対称でないために、瞳を入れるのに苦労する。


気づいたらWindows10にUPグレードされていていた。
しょっちゅう出てくるUPグレードへの承認も拒否してたと思ったのだが…。
慣れるのに苦労しそう。

tukiou1 at 20:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)如来 | 仏像修理の行程

2016年04月13日

解体風景

775阿弥陀如来坐像の解体風景。70cmほどの坐像。寄木、挿し首の典型的な江戸時代の像だが、材を大きく使っており、せせこましさが感じられない。在地の仏師の作だと思われ、クセのある造形のわりに彫はかなり丁寧なのが印象的。

tukiou1 at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)如来 | 仏像修理の行程

2016年04月04日

阿弥陀三尊像

77427年度、NPOの修理補助で修理した阿弥陀三尊像。修理が完了し、無事にお堂に納めることができました。(その際の写真はあとでUPする予定) 寄付していただいた方々にお礼を申し上げます。集落管理の御像はなかなか修理へと足を踏み出せないことが多いですが、多少でも寄付が集まれば修理への敷居がその分、低くなります。今回も無事に納めることができて安心しました。28年度は子供ほどの大きさの毘沙門天像を修理する予定です。

tukiou1 at 21:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)如来 | NPO補助修理

2016年03月24日

仏像再興 仏像修復をめぐる日々

773恩師です。
仏像、文化財の修理に興味のある方は必読の本です。


仏像再興 仏像修復をめぐる日々

牧野 隆夫 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2016/2/5)


内容紹介※Amazonより抜粋

三十数年にわたり、地方の仏像修復を手掛けてきた「仏像の町医者」牧野隆夫氏による仏像修復の記録。

京都・奈良の有名寺院に祀られる国宝級の美仏以外に、全国各地には数百万体の仏像が存在する。
長い時を経てその多くは壊れかけ、ひそかに朽ち果てようとしている像も少なくない。
これらの仏像は、現在まで誰がどのようにして守ってきたのか?
昔の人々は、仏像の修復を、「再興(=再び興す)」という言葉で表し、実践してきた。
著者が出逢った仏像たちに残されたその痕跡は、学術資料的価値の保存に偏った、現代の「文化財修理」とは、まったく別の考えに立脚したものだった。

「人はここまで壊れたものを、なぜ直そうとするのだろうか」――。

日本人にとっての仏像とは、いったい何であったのか? 現代の「仏像再興」とは?
「美仏」めぐりだけでは決して見えてこない「日本の仏像」の本質が見えてくる。
仏像愛好家、日本の文化をもっと知りたい人へ――修復家からの一冊。


tukiou1 at 21:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他