2022年03月11日
毘沙門天像

修理の過程で中世に遡る古い作例であると判明したため、もう一度、調査したほうが良いと助言したこともあり、修理中に町の文化財担当の方も作業を見に来たりしておりました。その後、大学(どこだったか聞いたのですが、忘れてしまいました)と共同の調査で鎌倉末頃の作で、この地方では最古級であるとのこと。2022年に指定との流れでした。
修理前はひどい状態でしたので、廃棄の可能性もあったと思います。過去におこなわれた文化財調査でも幕末の作との鑑定であり、正直、私も修理前の状態を見ても江戸時代の作としか見えませんでした。そうした制作年代に関わらず、集落で代々管理してきた像を修理して次に繋げるという活動があって今回の結果があったと思います。震災で崩れたお堂の再建はなかなか難しく、今は近隣の寺院に間借りのような形で安置してありますが、どれだけ先になるかわかりませんが、いずれお堂も再建して欲しいと思います。
広報はが 令和4年3月号