2024年12月21日
制多迦童子

桐材製の像で、最近は桐材の像が続いている。
頭部は差し首で、体幹部は足ホゾ共彫りの上、一材を前後に割り矧いでいる。
内刳りはかなり丁寧で、桐材で軽いうえにぎりぎりまで内刳りを丁寧に彫り込んでいる。
左腕はおそらく桐材だが、右腕と両足先はヒノキ材で複数の樹種が混ざっている。
では、ヒノキ材は後補なのかといえば、そういう感じもなく、当初材かもしれないし、そうでないかもしれない。
よくわからないというのが正直なところで、修理であるとすればバランスよく彫刻されている。
制作年代もよくわからない。
修理前は江戸時代の後半の造像のように見えたが、構造的に古風なものも感じられるし、江戸時代前期の修理銘も書かれているのも見ると、意外に室町の後半ぐらいまでは遡るのかもしれない。