仏像修理の行程

2024年11月30日

子育地蔵尊

2033子育地蔵尊。

先日、修理の完了した地蔵菩薩像を福島のお寺まで納めに行ってきた。
快晴、東北道も紅葉がきれいでドライブ日和。
那須ぐらいまではよく行くが福島までは久しぶり。
温泉に入って帰ってきた。

地蔵菩薩像。
おそらく江戸時代後半ぐらいの作。
判読できなかったものの、町名と屋号と名前のような文字が書いてありおそらくその方が願主。
子供や孫ができたのを記念に、寄進したのだろうか。





tukiou1 at 18:52|PermalinkComments(0)

2024年11月16日

十一面観音

2031十一面観音像の台座。

蓮肉部分を新造しているところ。
等身大の像なので、蓮肉だけでも相当大きく重い。
内刳りもないため一人で持てる限界ぐらいの重さがある。
結構大変。

tukiou1 at 17:51|PermalinkComments(0)

2024年11月10日

僧形像

2030修復作業が終わった像をお寺まで納めに行ってきた。

おそらく開山上人像だと思われるが、記録がないために誰の像かは不明。
桐材で、面部のみ桧材。

ヒノキ材以外で作ったものは、在地の仏師さんの制作したものが多いような印象を持っていたが、かなりよく整った専門仏師の作で間違いがなさそうである。
他にも桐材製でよく整った作例の像の修理があり、予算の問題なのか、工期の問題なのかわからないが、桐材も比較的使われていたのかもしれない。

tukiou1 at 08:56|PermalinkComments(0)

2024年11月02日

不動三尊像

2029矜羯羅童子と制多迦童子の修理が決まり、移動に来たところ。

主要体幹部は桐材ながら、腕や足先はヒノキ材という構造。
おそらく岩座は楠材かと。


彩色が厚いため、本来の彫刻の様子はよくわからないのだが、内刳りの薄さと丁寧さをみると、専門仏師で間違いないかと思われる。
個人的な感覚からいえば、桐材の像は全部、桐材で作りたい。
複数の種類の材木を使うのはやりにくいように感じる。
どうしてこういうふうにしたのか不思議。


tukiou1 at 14:32|PermalinkComments(0)

2024年09月21日

僧形像

2026僧形像。 

新しく作った個所や補修した部分の色味を合わせているところ。
修理前はだいぶ形が崩れていたが、ようやく彫刻として見れるような状態になってきた。

tukiou1 at 08:25|PermalinkComments(0)

2024年08月31日

僧形像

2024足らない箇所を作り終えたところ。

お願いしていた玉眼も新しくできたので、これから嵌め入れる予定。

右目の玉眼は元のものが残っていたので、左目の木型と一緒に参考として、玉眼の制作を依頼しているところに送付。
作業している方と少し話したのだが、水晶自体はヒビが入っているものの、ものすごく奇麗に研磨していとのこと。
あまりそういう目で玉眼を見たことがなかったが、もしかしたら玉眼の研磨の度合いで制作年代とかの参考にならないものかと思った。
難しいだろうけど。

tukiou1 at 12:46|PermalinkComments(0)

2024年08月10日

地蔵菩薩

2023 地蔵菩薩像。


福島県のお寺。
おそらく江戸時代後半の作だと思われる地蔵菩薩像。
頭部は切断されているものの、一木割り矧ぎ造り、右膝のごく一部と両手先のみが別材という古様な構造。

また、変わったところとしては、光背の宝珠の火焔部分を木材の彫刻ではなく、紙でつくり漆箔をほどこすなどあまり見たことがない作り方をしている。
やはり仏像も地域によって作り方に特徴が出るのだなと感じる像。









tukiou1 at 14:35|PermalinkComments(0)

2024年07月06日

阿弥陀如来像

2019阿弥陀如来像。

作業が完了し、無事にお寺に納めることができた。

江戸の中頃の作と思われるが、非常に丁寧な作。
像底が浅く刳り上げられているのが特徴的。

実は同じように流麗な作で、同様に像底を刳り上げている像を近隣のお寺で随分前に修理したことがあり、あとで調べると台座の各部部材のデザインに類似性がみられることもありおそらく同一仏師か同一工房の作のようである。
解体まではしなかったので墨書があるかもわからず、当然ながら作者名などもわからないもののいずれ同じような作風の像にもう一度ぐらい縁があるかもしれない。

tukiou1 at 09:51|PermalinkComments(0)

2024年06月23日

薬師如来像

IMG_7144薬師如来像。

修復作業が完了して、山武市のお寺に無事に納めることができた。
墨書などはなかったものの、おそらく江戸時代後半ぐらいの在地の仏師さんの作。

蓮弁が一枚一枚彫られており、仏像も丁寧に彫ろうという意識が感じられる。
その一方で、台座部分の蓮肉以下、敷茄子や反花はそういった意識は感じられない。
弟子とか外注しているのか、ともあれ別の人が作っているのかもしれない。

最近、江戸時代の作で本体に比べて台座が少し雑だなという作例が幾つかあって、少し気になった。
ともあれ、お盆前に納めることができてホッとした。



tukiou1 at 07:05|PermalinkComments(0)

2024年06月01日

僧形像

2016頭部の欠損部分を新造したところ。

左目、玉眼はなくなっていたため、木型を作り水晶製のものを注文中。
眼がなくても雰囲気がある顔だが、目を入れればどんな風になるのか楽しみ。

tukiou1 at 06:26|PermalinkComments(0)