天部
2024年12月21日
制多迦童子
解体中の制多迦童子像。
桐材製の像で、最近は桐材の像が続いている。
頭部は差し首で、体幹部は足ホゾ共彫りの上、一材を前後に割り矧いでいる。
内刳りはかなり丁寧で、桐材で軽いうえにぎりぎりまで内刳りを丁寧に彫り込んでいる。
左腕はおそらく桐材だが、右腕と両足先はヒノキ材で複数の樹種が混ざっている。
では、ヒノキ材は後補なのかといえば、そういう感じもなく、当初材かもしれないし、そうでないかもしれない。
よくわからないというのが正直なところで、修理であるとすればバランスよく彫刻されている。
制作年代もよくわからない。
修理前は江戸時代の後半の造像のように見えたが、構造的に古風なものも感じられるし、江戸時代前期の修理銘も書かれているのも見ると、意外に室町の後半ぐらいまでは遡るのかもしれない。
桐材製の像で、最近は桐材の像が続いている。
頭部は差し首で、体幹部は足ホゾ共彫りの上、一材を前後に割り矧いでいる。
内刳りはかなり丁寧で、桐材で軽いうえにぎりぎりまで内刳りを丁寧に彫り込んでいる。
左腕はおそらく桐材だが、右腕と両足先はヒノキ材で複数の樹種が混ざっている。
では、ヒノキ材は後補なのかといえば、そういう感じもなく、当初材かもしれないし、そうでないかもしれない。
よくわからないというのが正直なところで、修理であるとすればバランスよく彫刻されている。
制作年代もよくわからない。
修理前は江戸時代の後半の造像のように見えたが、構造的に古風なものも感じられるし、江戸時代前期の修理銘も書かれているのも見ると、意外に室町の後半ぐらいまでは遡るのかもしれない。
tukiou1 at 17:35|Permalink│Comments(0)│
2023年12月02日
十二神将
十二神将像。千葉県匝瑳市のお寺に無事に納めることができた。
江戸時代後半の作。在地の仏師さんの手によるもので、とてもユニークな作風。
漫画っぽいなぁと思っていたが、他の人からも同様の感想をもらった。
仏師は大木半兵衛。
他にも作例が出てくれば面白いなと思う仏師かもしれない。
年内に納めることができてホッとした。
江戸時代後半の作。在地の仏師さんの手によるもので、とてもユニークな作風。
漫画っぽいなぁと思っていたが、他の人からも同様の感想をもらった。
仏師は大木半兵衛。
他にも作例が出てくれば面白いなと思う仏師かもしれない。
年内に納めることができてホッとした。
tukiou1 at 17:27|Permalink│Comments(0)│
2023年09月03日
十二神将
十二神将の内、戌神。
背面に戌と墨書きされており戌神とわかるが、この墨書きが元のものかは不明。
この像だけ墨書きされ、なぜ他の像は書かれていないのかかが解せないと思う。
とはいえ、他に根拠もないので「戌神」ということで作業を進める。
十二神将は別に干支の動物に対応した雰囲気で作るわけではないが、雰囲気としては申のほうがしっくりくる。
背面に戌と墨書きされており戌神とわかるが、この墨書きが元のものかは不明。
この像だけ墨書きされ、なぜ他の像は書かれていないのかかが解せないと思う。
とはいえ、他に根拠もないので「戌神」ということで作業を進める。
十二神将は別に干支の動物に対応した雰囲気で作るわけではないが、雰囲気としては申のほうがしっくりくる。
tukiou1 at 10:27|Permalink│Comments(0)│
2023年08月19日
十二神将
十二神将の内、申神。
足らない所や欠けた個所を作り終えたところ。
数が多いので時間がかかる。
エアコンは当然使っているが、7月頃からの夏バテをいまだに引きずっており、体がつらい。
いまだかってない暑さだが、これが毎年続いていくとなると、仕事のやり方も考えていかなくてはならないかもしれない。
夏はもう無理。
知っているお寺ではお施餓鬼を5月に変更したとのこと。
以前に暑さで人が倒れたのが理由とのことだったが、いろいろな行事ごとも含めて変えていかなくてはならない時期なのだろう。
足らない所や欠けた個所を作り終えたところ。
数が多いので時間がかかる。
エアコンは当然使っているが、7月頃からの夏バテをいまだに引きずっており、体がつらい。
いまだかってない暑さだが、これが毎年続いていくとなると、仕事のやり方も考えていかなくてはならないかもしれない。
夏はもう無理。
知っているお寺ではお施餓鬼を5月に変更したとのこと。
以前に暑さで人が倒れたのが理由とのことだったが、いろいろな行事ごとも含めて変えていかなくてはならない時期なのだろう。
tukiou1 at 18:21|Permalink│Comments(2)│
2023年07月22日
十二神将
十二神将の内の丑神。
玉眼を嵌めたところ。
修理前は彫眼の像だとばかり思っていた。
ところが、いざ彩色を除去してみると、玉眼がすべて外されており、玉眼押さえの木片を玉眼のようにぴったりと隙間なく目に合わせ、その上に分厚く彩色をするという補修がおこなわれていた。
玉眼を入れるのは結構大変なのだが、嵌め入れてみると華やかになる。
玉眼を嵌めたところ。
修理前は彫眼の像だとばかり思っていた。
ところが、いざ彩色を除去してみると、玉眼がすべて外されており、玉眼押さえの木片を玉眼のようにぴったりと隙間なく目に合わせ、その上に分厚く彩色をするという補修がおこなわれていた。
玉眼を入れるのは結構大変なのだが、嵌め入れてみると華やかになる。
tukiou1 at 20:45|Permalink│Comments(0)│
2023年07月09日
十二神将
十二神将の光背の一部。
残っているものもあるが、その多くは一部が欠けてしまっている。何度か修理され、取り付け直された痕跡があり、どの像に取り付けられていたのかはよくわからない状態となっている。
残っているものもあるが、その多くは一部が欠けてしまっている。何度か修理され、取り付け直された痕跡があり、どの像に取り付けられていたのかはよくわからない状態となっている。
tukiou1 at 06:13|Permalink│Comments(0)│
2023年06月17日
仁王像
仁王像の修復作業が完了し、無事に山門に納めることができた。
移動を予定していた日が台風で変更になったり、そうこうしている間に梅雨入りしてしまったりとなかなか天気に恵まれず、気をもんだのだが、特にトラブルもなく安置できてホッとした。
丁度、腰を痛めていたこともあり、移動には、山門を修理していた大工さん達にも手伝っていただき大変ありがたかった。
納めた像は、元々、彫刻としてもかなり良いものであったので、山門に納めてさらに見栄えが良くなったように感じる。
1月に祭礼があり多くの人が参拝するとのこと。
多くの人に奇麗になった姿を見てもらえそうで良かった。
保存環境については、やはり山中ということもあり湿度の高さが気になった。
梅雨に入ったということもあるだろうが、作業中は周りの木々の緑と相まって全身が包み込まれるような湿気が息苦しかった。
海のそばだと鉄カスガイも腐食が早いだろうし、湿度のことも気になる。
とはいえ、320年以上ここに安置されてきたわけだから、きっと大丈夫なのだろう。
tukiou1 at 21:02|Permalink│Comments(2)│
2023年06月10日
仁王像
仁王像の内、阿形像。
修復作業が完了。
作業前の状態は、ほぼ半壊状態の上、合成塗料で全体を塗り直されていたこともあり、かなり不格好なものであった。
今回、そうした塗料を除去し、部材を組み直し、必要に応じて補強するといったごく基本的な補修をおこなった結果、本来の姿を取り戻した。
制作は江戸中期、1700年。江戸仏師の「善慶」。
江戸の仏師さんは上手い印象があるのだが、この仁王像の迫力のある姿を見ると「善慶」は江戸仏師の中でも力量がある方だったのではと感じる。
修復作業が完了。
作業前の状態は、ほぼ半壊状態の上、合成塗料で全体を塗り直されていたこともあり、かなり不格好なものであった。
今回、そうした塗料を除去し、部材を組み直し、必要に応じて補強するといったごく基本的な補修をおこなった結果、本来の姿を取り戻した。
制作は江戸中期、1700年。江戸仏師の「善慶」。
江戸の仏師さんは上手い印象があるのだが、この仁王像の迫力のある姿を見ると「善慶」は江戸仏師の中でも力量がある方だったのではと感じる。
tukiou1 at 20:44|Permalink│Comments(0)│
2023年06月03日
十二神将
十二神将の内の亥神。
後補彩色を除去し、はみ出していた補修の木屎漆をできる限り取り除いたところ。
全体に誇張がきいていてアニメというか漫画っぽい作風でユニーク。
亥神とか刃牙に出てきそうな顔だと思う。
他にもおそ松君に出てきたダヨーンに似ている像もある。
200年以上前の作だと考えると不思議。
作業の過程で、修理前は彫眼だと思っていたが、元は玉眼と判明。
過去の修理で水晶を取り外し、中の玉眼押さえを目のぎりぎりまで奇麗にはめ込むように調整し、彩色をしている。
こうした修理は初めて見たが、ここまでされると玉眼とは分からない。
後補彩色を除去し、はみ出していた補修の木屎漆をできる限り取り除いたところ。
全体に誇張がきいていてアニメというか漫画っぽい作風でユニーク。
亥神とか刃牙に出てきそうな顔だと思う。
他にもおそ松君に出てきたダヨーンに似ている像もある。
200年以上前の作だと考えると不思議。
作業の過程で、修理前は彫眼だと思っていたが、元は玉眼と判明。
過去の修理で水晶を取り外し、中の玉眼押さえを目のぎりぎりまで奇麗にはめ込むように調整し、彩色をしている。
こうした修理は初めて見たが、ここまでされると玉眼とは分からない。
tukiou1 at 21:16|Permalink│Comments(0)│
2023年05月21日
十二神将
千葉県匝瑳市のお寺。かなり大型の宮殿があり、こちらには薬師三尊が納められている。
今回の修理は宮殿の左右に安置される十二神将像。
作風的にはおそらく江戸時代半ばより後半ぐらいかなという雰囲気。
像によって大きく作風が異なり、おそらく2名で作っていると思われる。
ただ、中の一体は明らかに作風が異なるのも混ざっており、現時点では制作年代が異なるのかまではよくわからない。
今回の修理は宮殿の左右に安置される十二神将像。
作風的にはおそらく江戸時代半ばより後半ぐらいかなという雰囲気。
像によって大きく作風が異なり、おそらく2名で作っていると思われる。
ただ、中の一体は明らかに作風が異なるのも混ざっており、現時点では制作年代が異なるのかまではよくわからない。
tukiou1 at 07:04|Permalink│Comments(0)│