高僧

2023年12月16日

榧の木

997榧 樹齢700年程とのこと。

修復作業が終わった像を納めに茨城県の北部のお寺に。
そのお寺の境内にあった榧の木。

カヤ材を使用している仏像は比較的年代が古いものが多く、平安とか鎌倉のイメージがある。
江戸時代に入ってくるとあまりカヤ材を見た記憶がない。
桧が群生林を形成するのに対して、榧は単独で生えるために、材の供給がめんどくさいということを聞いたことがあるが、確かに材の確保が面倒だと使われにくくなっていくかもしれない。

かなりの巨木。
一木であれば等身大ぐらいの大きさの像は彫れそうな感じ。
ということは、もう一回り大きい像を彫りたいと思えば、樹齢800年〜1000年は必要なのだろうか。
恐れ多くてそんな木を切り倒せない。


tukiou1 at 20:14|PermalinkComments(0)

2022年12月29日

高僧像

952信及前豚大和尚像。年末になったが年内にぎりぎり納めることができた。

作としては江戸時代後半の作か。
材は桐材で、木目も荒いものを使っている。
専門仏師が使うとも思えないような適当な材で彫られており、そうした場合、彫刻も粗雑な場合がほとんど。
しかし、この像は目鼻が欠けた中にも、彫刻の腕はしっかりとしたものを感じさせ、そのちぐはぐ感が不思議に感じられた。

想像するに、もしかしたら仏師ではなく、お弟子さんとか交流のあった人が彫った像かもしれない。
傍らにイノシシを侍らし、寄りかかっている姿はなんとも愛嬌がある。
和尚のおおらかな性格まで彫り出しているようで、彫刻の腕だけではないものもあるように感じる。

仏師が仕事としてではなく、この僧侶を知っている人物がこの僧侶のことを偲びながら彫ったと考えたほうが、私的にはしっくりくるというか、そうであってほしい。


tukiou1 at 07:27|PermalinkComments(0)

2022年04月17日

興教大師

916興教大師像。彩色の剥落止めをおこなっているところ。

江戸時代の中頃ぐらいの像。彩色はまだ残っているのだが、下の構造部分で部材の接合が外れ、がたがたな状態。彩色とめながら、脱落した部材の接合などを同時におこなうという、めんどくさい作業。ここのところ、剥落止めの仕事が多くストレスが多い。

tukiou1 at 08:38|PermalinkComments(0)

2022年02月19日

弘法大師像

908弘法大師像。像高は40冂で厨子入り。厨子は修理せず今回は本体のみの作業。通例だと椅子のようなものに座っているが、この像は畳をひいた台に載っている。ちなみに畳部分は三段ほど重ねたものとなっている。

全体をおそらく漆で塗っているが、江戸時代も含め古い像では見たことがない色合い。現代だと漆に様々な顔料を入れて色味を発色させられるが、昔だと色数はかなり少ない。大正十年に修理されているのがわかっているのだが、この時期にすでにレーキ顔料とか市販されていたのだろうか。

tukiou1 at 07:21|PermalinkComments(0)

2020年04月18日

開山上人像(嘆誉良肇上人)

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開山堂








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開山上人像(嘆誉良肇上人)


水海道の浄土宗の寺院。開山上人像の修理が終わり、無事に納めることができた。本来は4月12日に開山堂の落慶法要が行われる予定であったが、新型コロナの影響で式典は延期になったとのこと。式典に間に合うように急いだので拍子抜けしたが、それでも無事に納めることができてホッとした。

修理の仕事をしていることもあり、古いものは好きだが、それでも新しいお堂は美しいと思う。当然、木造建築で木でできているのだが、できたばかりだと遠目には金でできているのかと思うほど光って見える。昔の人間だと極楽浄土の一風景のように感じただろうなと思う。

今回の開山上人は、その構造から江戸の中頃の作と思われる像。修理で剥落した彩色の一部を除去したところ、大仏師、西川光朝の名が出てきた。明治末ぐらいの人のようだが、はっきりとは事績がわからない。明治末年頃に大掛かりな修理が行われ、本体と台座の彩色、漆の塗り直しが行われたようである。今回、お堂も新しくなったこともあり、末永く残っていってほしいと思う。

tukiou1 at 13:16|PermalinkComments(0)

2019年11月26日

開山像

605解体中の開山像の頭部。彫刻部分の接合がゆるんできていることもあり、彩色の剥落がはげしい。彩色部分は制作当初の部分と塗り直しされた部分が混在しており、塗り直し部分は落としてしまってもいいのだが、古い彩色は残しておきたい、でもそれには下の彫刻の接合をどうにしないといけない…という、面倒な作業。彩色の残っている高僧像は修理が難しい。

tukiou1 at 19:56|PermalinkComments(0)

2019年10月16日

高僧像

599先日、修理が完了した高僧像を無事に納めることができた。像は開山像、等身大程の大きさ。江戸時代中頃から後半にかけての造像と思われるものだが、かなり上手い仏師が彫刻しており、顔の表情などリアルな中に適度に理想化されており、センスの良さが感じられる像だった。

千葉県、香取市の寺院で、御像は無事に納めることができたのだが、台風の後でお寺自体かなり被害を受けていて言葉がなかった。山門も傾いたとのことで、解体修理の可能性があるほか、堂内も割れたガラスが散乱して大変だったとのこと。ともあれ今回の台風で落ちて割れたという扁額を預かってきた。

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2018年08月17日

空也上人像

543修理中の空也上人像の頭部。後補彩色を除去したところ。眼の周囲が大きく削れて広がっているのがわかる。摩耗のため滑らかになっているが、多分、ネズミによって広げられたのだろう。玉眼はガラス製のものが入っていたが、単に板ガラスを丸く割り取っただけのもののようなので、両眼とも明治以降の後補かと思われる。彩色の塗り直しを見る限り、全体の塗り直しが2回、部分の塗り直しが1回の計3回は修理を受けたようである。大切にされてきたことがうかがえる。

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2018年07月20日

空也上人

540NPOで修理補助をおこなっている空也上人像の修理風景。部材の解体の様子。頭部の内刳り内部に納入品が入っているのが見える。一木造りで重さからみても内刳りはないと思っていたが、頭部は玉眼のようなものが入っているようだったので、もしかしたらそちらに内刳りがあり、何か墨書でもあればと淡い期待をしていたのだが、幸運だった。


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2018年06月16日

空也上人像

5352018年度 NPO修理補助で一部寄付を募って修理する予定の空也上人像。5月上旬に工房に搬入したのですが、ようやくUPできました。

地元では日本三空也の一体として知られているようです。ちなみに他は京都、六波羅蜜寺の空也像、福島、八葉寺の空也像とのことです。空也上人自身が茨城まで来たかというと、多分そんなことはなかったかと思いますが、地元では空也の墓、乗っていた鹿の墓、その他、様々な空也上人にかかわる伝説が伝わっているようです。年に一度、祭礼があるとのことで、できればそれに合わせて修理をすすめていきたいと思います。

tukiou1 at 07:41|PermalinkComments(0)