高僧
2025年03月29日
弘法大師

お彼岸前に修理が終わり納めることができた。
弘法大師というと椅子に座っているものが大半だが、今回は四脚床机座にした。
理由は幾つかあって、椅子型にするとかなり大きくなってしまい安置スペースが限られること。
関係のある、近隣のお寺の弘法大師像が四脚床机座(制作当初の台座)であること。
このお寺が禅宗系で本来は弘法大師像は安置しないため、弘法大師像の雰囲気を多少やわらげたかったこともある。
像は江戸時代作。墨書類も書かれていないが、在地の仏師の作だと思われる。
頭と目が大きく可愛らしい像。
ほぼ一木造りと言っていい構造のため材の収縮が大きく、剥落止めをしても一か月後には彩色層が浮き上がる個所が出てきたりして苦労した。
tukiou1 at 08:30|Permalink│Comments(0)│
2025年02月09日
弘法大師

江戸時代中頃の在地の仏師さんの作かと思われるが、特に墨書もないため詳細はよくわからない。
弘法大師というと真言宗だが、依頼の寺院は曹洞宗。
元からあった像ではなく、近隣の集落で管理しているお堂に安置してあったものであるらしい。
tukiou1 at 18:23|Permalink│Comments(0)│
2024年11月10日
僧形像

おそらく開山上人像だと思われるが、記録がないために誰の像かは不明。
桐材で、面部のみ桧材。
ヒノキ材以外で作ったものは、在地の仏師さんの制作したものが多いような印象を持っていたが、かなりよく整った専門仏師の作で間違いがなさそうである。
他にも桐材製でよく整った作例の像の修理があり、予算の問題なのか、工期の問題なのかわからないが、桐材も比較的使われていたのかもしれない。
tukiou1 at 08:56|Permalink│Comments(0)│
2024年09月21日
僧形像

新しく作った個所や補修した部分の色味を合わせているところ。
修理前はだいぶ形が崩れていたが、ようやく彫刻として見れるような状態になってきた。
tukiou1 at 08:25|Permalink│Comments(0)│
2024年08月31日
僧形像

お願いしていた玉眼も新しくできたので、これから嵌め入れる予定。
右目の玉眼は元のものが残っていたので、左目の木型と一緒に参考として、玉眼の制作を依頼しているところに送付。
作業している方と少し話したのだが、水晶自体はヒビが入っているものの、ものすごく奇麗に研磨していとのこと。
あまりそういう目で玉眼を見たことがなかったが、もしかしたら玉眼の研磨の度合いで制作年代とかの参考にならないものかと思った。
難しいだろうけど。
tukiou1 at 12:46|Permalink│Comments(0)│
2024年06月01日
僧形像

左目、玉眼はなくなっていたため、木型を作り水晶製のものを注文中。
眼がなくても雰囲気がある顔だが、目を入れればどんな風になるのか楽しみ。
tukiou1 at 06:26|Permalink│Comments(0)│
2024年05月11日
僧形像

禅宗寺院のため、開山像やいつの時期かの住職の像なのかと思われる。
解体で何らかの墨書が出ることを期待したが、そういったものも見当たらない。
像名は伝わっていないため、もはや名前がわからないのが残念。
桐材の寄木造りだが、玉眼を入れた面部のみが桧材となる。
ちなみにホゾは杉材を使用しており、これが彫刻面に見える状態で使用されている。
造立当初のものだが、大胆だなと感じる。
在地の仏師の作で間違いないが、顔の彫刻はかなりユニーク。
個性的な顔をしており、生きている住職を知っていたのではと思われる感じがする。
tukiou1 at 07:36|Permalink│Comments(0)│
2023年12月16日
榧の木

修復作業が終わった像を納めに茨城県の北部のお寺に。
そのお寺の境内にあった榧の木。
カヤ材を使用している仏像は比較的年代が古いものが多く、平安とか鎌倉のイメージがある。
江戸時代に入ってくるとあまりカヤ材を見た記憶がない。
桧が群生林を形成するのに対して、榧は単独で生えるために、材の供給がめんどくさいということを聞いたことがあるが、確かに材の確保が面倒だと使われにくくなっていくかもしれない。
かなりの巨木。
一木であれば等身大ぐらいの大きさの像は彫れそうな感じ。
ということは、もう一回り大きい像を彫りたいと思えば、樹齢800年〜1000年は必要なのだろうか。
恐れ多くてそんな木を切り倒せない。
tukiou1 at 20:14|Permalink│Comments(0)│
2022年12月29日
高僧像

作としては江戸時代後半の作か。
材は桐材で、木目も荒いものを使っている。
専門仏師が使うとも思えないような適当な材で彫られており、そうした場合、彫刻も粗雑な場合がほとんど。
しかし、この像は目鼻が欠けた中にも、彫刻の腕はしっかりとしたものを感じさせ、そのちぐはぐ感が不思議に感じられた。
想像するに、もしかしたら仏師ではなく、お弟子さんとか交流のあった人が彫った像かもしれない。
傍らにイノシシを侍らし、寄りかかっている姿はなんとも愛嬌がある。
和尚のおおらかな性格まで彫り出しているようで、彫刻の腕だけではないものもあるように感じる。
仏師が仕事としてではなく、この僧侶を知っている人物がこの僧侶のことを偲びながら彫ったと考えたほうが、私的にはしっくりくるというか、そうであってほしい。
tukiou1 at 07:27|Permalink│Comments(0)│
2022年04月17日
興教大師

江戸時代の中頃ぐらいの像。彩色はまだ残っているのだが、下の構造部分で部材の接合が外れ、がたがたな状態。彩色とめながら、脱落した部材の接合などを同時におこなうという、めんどくさい作業。ここのところ、剥落止めの仕事が多くストレスが多い。
tukiou1 at 08:38|Permalink│Comments(0)│