その他の像

2021年08月20日

位牌

886開山上人の位牌。かなり大きいもの。写真は修理を終えたところ。

通常は札板部分が木でできていると思うのだが、この位牌の札板部分は変わった造りをしている。木心に荒い麻布を貼り付け、さらに分厚く胡粉を盛り上げる。彫刻刀で文字部分を彫り込み、黒漆を塗る。文字部分はおそらく真鍮粉を蒔き、金色にしていたのであはないかと思われる。

あまり位牌を修理する機会はないのだが、作り方としては面倒な割に構造的にも弱い。どうしてこのような作り方をしたのか不思議に思う。


お盆も無事に終わり、仕事もほぼ通常運転に。
気づけばオリンピックもいつの間にか終わっているのに、暑いせいか調子が出ない。

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2020年12月25日

厨子

855地蔵菩薩像の厨子。新造。80冂の高さ。厨子はあまりやらないのだが、どうしてもということで仏像と併せて厨子も修理することに。だが、改めてよく見てみると修理しようにも材自体の状態がかなり悪いうえ、補修材も多い。迷った結果、古いものでもないため、新しく新造したほうが良いと考え新造することにする。古い金具のみ取り外し、再使用した。新しい木と古い金具の組み合わせだが、思ったより上品にまとまったかと思う。形についても改変されていた姿を復元した。こういう簡易的な厨子はよく見かけるが、これはこれでシンプルで美しいデザインだと思う。

tukiou1 at 22:10|PermalinkComments(0)

2020年05月22日

扁額

828堂内に掲げられていた扁額。作業が完了し、無事に納めることができた。なかなか読みにくい字だが「那伽定」と読むらしい。調べると、開山堂などに掲げられることが多いとのこと。写真では分かりにくいが、幅は140cmほどある。桧の一枚板に、簡素な周縁部を付けるシンプルなもの。普段は、文化財修理で古びた感じで仕上がることが多いが、今回のように奇麗になるのも、それはそれで華やかでいいと思う。

tukiou1 at 19:41|PermalinkComments(0)

2020年02月18日

随神像

614栃木県と茨城県の境にある鷲子山上神社。先日、修復作業が終わり随神像、左大臣と右大臣の二体を無事に納めることができた。1年4か月ほど預かっていたがホッとした。天気が心配だったが、当日は晴天。また、山の上に建つこともあり道路の凍結や雪なども気になっていたが、今年の暖冬に助けられた。

今回の修理については、神社から特に彩色を施してほしいという依頼があり、彩色師の方にお願いしたため、かなり華やかなものになっている。配色もかなり考えていただき品よくまとめていただいた。

普段は文化財の修理ということで彩色や金の貼り直しなどはあまりしないが、こうして彩色をし直したものを随神門に納めると、楼門がかなり古びているだけに、アクセントとなり全体に華やかになった感じがする。想像していたよりもしっくりした感じがして驚く。伝統的な修理としては新たに彩色を施すのが普通なのだが、その場合、新作のようになってしまい、歴史を背負ってきたような雰囲気がなくなってしまう。この像も300年程前に作られたということを感じさせない仕上がりになったのだが、それはそれで、神社に安置される像としては意味があることである。ともあれいい経験になった。





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2020年02月01日

扁額

612修理中の扁額。写真は裏面。昨年の大型台風で落ちたもの。この額は堂内に掲げられていたのだが、それでも窓ガラスが割れて風にあおられ落ちたとのこと。どれだけすごい風だったのかと思う。

昨年も台風の風で落ちた龍の彫刻を修理したが、自然災害が増えてきたいるような気がする。

tukiou1 at 20:27|PermalinkComments(0)

2020年01月21日

聖徳太子

611南無仏太子の合掌手。通常、合掌手は手と手の間に隙間はわざわざ作らない。実際、この像の残っていた後補材の手も隙間は作っていなかったのだが、南無仏太子の場合は合掌している手から仏舎利が出たという伝承を元に造像されているため、合掌手の間に隙間があると金沢文庫の瀬谷さんより指摘を受けた。奈良博の像もよくよく見ると確かに合掌手の間にわずかに隙間がある。新造するまえに確認しておいてよかった。

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2020年01月11日

聖徳太子

6102020年。今年も良い年でありますように。

材木の整理をしていて、新年早々、腰を傷めてしまった。1月は大きい像の移動が3体ほど控えているのだが、どうにかしないと。

写真は修理中の南無仏太子。亡失している個所や新造が必要な個所を作っているところ。大体形になってきたところ。当初、袴の後ろ部分がどうなっているかよくわからないかったが、資料がかなり見つけることができて助かった。



tukiou1 at 08:16|PermalinkComments(0)

2019年11月02日

住友財団修復助成30年記念 文化財よ、永遠に 展

602住友財団修復助成30年記念 特別企画「文化財よ、永遠に」

/ 本館 特別4室・特別5室 2019年10月1日(火) 〜 2019年12月1日(日)

〈東京国立博物館HPより抜粋〉
公益財団法人住友財団では、文化財の維持・修復の費用を助成しています。その事業が間もなく30年を迎えるのを記念して助成対象の文化財をご覧いただく展覧会を泉屋博古館(京都)、泉屋博古館分館(東京)、九州国立博物館、そして東京国立博物館の4会場で同時期に開催いたします。当館ではそのうち仏像などを展示します。

東京国立博物館 特別展





先日、東京で仏像の話をする講座を頼まれたついでに、東京国立博物館の特別展を見に行ってきました。住友財団修復助成30年記念 特別企画「文化財よ、永遠に」展です。

この特別展については、展示されている仏像の中に当工房で修復作業が行われた像(※千葉県指定文化財、薬王院、薬師如来立像。2011年助成)も展示されたことから、内覧会の招待もあったのですが、なかなか東京までは遠い…ということで、いただいた招待券で見てきました。

文化財に対する助成ということで、展示されている像は文化財修復をうけているわけですが、そういった像の中で当工房で作業した像も展示されるというのは、しっかりとした文化財修復をおこなっているということを認められたことも意味しますから、修復者として光栄なことでした。

また、この展示では私にとって縁のある像が4体ほど展示されています。まず、向居薬師堂の薬師如来。この像は私が卒業した大学の大学院で当時の先輩方が修復した像です。次に高成寺の千手観音。この像は私が美術院に在職していた時、この像の脇手の後補彩色を除去する作業を手伝っていました。次に桜川市山口地区の虚空蔵菩薩。この像は私が桜川市の文化財審議員であったため、修復作業をおこなった東京芸大の大学院の調査などの際に立ち会っています。最後は、私が修復作業をおこなった千葉、薬王院の薬師如来像です。

こうしてみると、この展示は自分の文化財、仏像の修復に関わってきた歴史とも随分とリンクしていることに感慨深いものを感じます。私がこうした修復作業に関われるのもあと20年程でしょうが、頑張っていきたいと、想いを新たにした展示でありました。



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2019年10月25日

扁額

601千葉県、先日の台風で被害を受けたお寺から預かってきた扁額。額は堂内に架かっていたものだが、風で窓が割れ額も落ちたらしい。想像もつかないほどの風の強さ。額には「那伽定」と書いてあるとのこと。読めない…。

tukiou1 at 20:47|PermalinkComments(0)

2019年10月05日

聖徳太子像

598聖徳太子像。60冂の像。納入された木板から幕末に修理されたことがわかっているのだが、破損の程度がひどくぼろぼろの状態。特に顔がいじられており作業に苦労しそう。元が良い像と思われるだけに少し残念。

tukiou1 at 20:03|PermalinkComments(0)