niwatomo12
夢の中でテルは、美しい庭にいました。
水たまりには虹色の光があふれていて虫達が仲良く楽しそうに水遊びをしています。
美しい音楽がしずかに流れるといっせいにチョウが羽をひろげてまいだしました。
とつぜん、カサッと音がしてブルンと葉っぱがゆれたのでテルは目を覚ましました。
「なんだ、夢か。」
目の前はいっきにもとの世界、さっきまでの様子はすっかり消えてしまいました。
「これがボクの生きているところなんだよな。」
テルはお腹いっぱい空気を吸い込んで深呼吸しました。
しばらくしてハナアブのブンがテルに声をかけました。
「おっ、あいかわらずのんびりやってんのか?」
「まあね。」テルは、またのろまよばわりされるので、てきとうに答えると
「そんなお前さんにメッセージをつたえに来たよ。」
「へぇ、どんなメッセージ?」
ブンがもったいぶってはねをならしていると、そこへパラリがやってきて
「テル、キミがおれと初めてあったかえでの苗木にね、キミとはちがうテントウムシがいるよ。」
「え!ホント?」
「あー、ずるい、オレが先に教えたかったのにー。」と言ってブンがパラリをにらみました。
「あはは、ごめん。」
「それじゃあ、みんなであいさつに行くか。」
とブンが言うと、すぐにパラリを先頭にしてブンが飛び、テルがブンの後につづきました。