subj:オノデラユキ写真展 「写真の迷宮(ラビリンス)へ」
place:東京都写真美術館(恵比寿)
category:写真展
date:10/8/3
impression:
 1991年第1回写真新世紀展優秀賞を受賞し、その後も2006年にもフランスにおける最も権威ある写真賞「ニエプス賞」を受賞するなど、国際的にも活躍する女性写真家オノデラユキさんの個展です。初期代表作から最近の作品まで約60点が展示されています。

 展示は9シリーズ。即ち「古着のポートレート」「12Speed」「真珠のつくり方」「Roma-Roma」「11番目の指」「窓の外を見よ」「Transvest」「Annual Eclipse」「オルフェウスの下方へ」。

 「古着のポートレート」はそのものズバリ、古い洋服を撮影したものですが、背景の空の存在感、そしてそれに負けない古着の存在感に目を奪われます。解説シートには書かれているのですが、コレは実はクリスチャン・ボルタンスキーというアーティストの展覧会で死の悲劇を表現するのに使われていたもので、パリの窓辺で撮られたとか。知らないで見ても、やはりその存在感がたまらなく素晴らしい写真。

 たぶん見る人が一番とまどうのが「12Speed」でしょうか。一見すると8枚の写真、モノクロとカラーの違いはあれど、間違い探しのような、或いはどれも同じように見えます。しかしよく見ると中央の部分の映りこみが変化している。静物画のような時間が停止したような写真でありながらも、刻々と変わっていく変化を写しとめている作品。

 「11番目の指」はノーファインダーで撮られたスナップ写真だそうですが、顔の部分がレースの紙のようなもので覆われたようになっています。個人の「個」を消失させるのによく目のところに黒線を引く手法が使われますが、女性的なデザインのレース柄を使うことで、まるで受ける印象が異なる事を示しているのも面白いです。

 個人的には「Transvest」「Annual Ecripse」が好きでした。手法は違えどもシリーズに相関があるような作品群。雑誌などから切り抜かれた写真を使ったモンタージュでありながらも、それを消失させるような様々な風景が埋め込まれている「Transvest」、静的な「Transvest」に比べ動き、あるいは装飾が加えられているような「Annual Ecripse」は、本当にずっと見ていたい写真でした。
評価:☆☆☆★★
お薦め:☆☆☆★★
オノデラユキ写真展 「写真の迷宮(ラビリンス)へ」(東京都写真美術館)
オノデラユキ 「写真の迷宮(ラビリンス)へ」
会場: 東京都写真美術館
スケジュール: 2010年07月27日 〜 2010年09月26日
住所: 〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話: 03-3280-0099 ファックス: 03-3280-0033