徒然文 ~つれづれあや~

気まぐれ気ままなわっちが短編小説とか載っけたり、まれに長編を書いたりするところじゃ。 日記も載せたり。

pain absorber

転んで泣いた小さなぼく
きっと痛かったんだろうな
あれからどれくらい経っただろう
今はもう泣かない

あのとき知った痛みが
そのぶんだけぼくを強くした
だったらさ

いっそ痛みをぜんぶ
受け容れてしまおう
逃げたり避けたりしないでさ
そしてそのぶんだけまた強くなるよ

恋して泣いた小さなぼく
きっと痛かったんだろうな
あれからどれくらい経っただろう
今でも少し切ない

あのとき知った痛みが
そのぶんだけぼくを大人にした
だったらさ

いっそ痛みをぜんぶ
覚えてしまっておこう
忘れたりごまかしたりはNO
そしてそのぶんだけまた大人になっていく

強がってみたけど
やっぱり痛いもんは痛い
涙が洪水になって
このまま溺れてしまいそうだ
ああ もう何も感じない

ぱちん

頬をたたかれた
少しだけ痛い
目の前にはあのときのぼく
涙目になってこう言った

「あんなに痛かったのに我慢したんだよ」

いままで知った痛みは
ぜんぶまるごとぼくのものなんだ
だから

いっそ痛みをぜんぶ
こころとからだの奥の奥まで
吸いこんで しまっておこう
そしてそのぶんだけまた
強くなって
大人になって
そしてそのぶんだけきっと
明日が輝くから

4人目の彼女が死んだ 3

相沢間里奈。
オレとはカタカナ3文字の関係であらわせる、いわゆる体だけの関係ってやつだ。たまーに遊びに行ったりするくらいで、ほとんどの待ち合わせ場所はホテルだったりする。
「どういう風の吹きまわし?」
しかし今日の待ち合わせ場所は適当に見繕った喫茶店だった。アイスコーヒーをストローで混ぜる間里奈は何か新鮮な感じがする。相変わらず露出多めなうえに、冷房がガンガンに効いている店内で冷たい飲み物を飲む様子は、夏だというのにいっそ寒くなってくる。
「まあ、なんつーか、な」
オレは自分でも歯切れが悪くなっているのを自覚しながら、視線を外して言った。
「本物の恋ってやつを、探そうと思ってさ」
今更ながら、死ぬほど恥ずいんですけど。
羞恥心にいやーな汗をかきながらオレは間里奈の反応を待った。沈黙と冷房が腹に来る。
「なにそれ。全然おもしろくないんですけど」
半眼でオレをひと睨みした後、間里奈は涼しげな表情でアイスコーヒーをすする。
普段のオレのことを思えば、この反応はまったくもって自然。ジョークか、暑さで頭をやられたと思われていることだろう。だが、ここで引くわけにはいかない。あいつに会わせる顔が無いからな。
オレは深呼吸して場を仕切りなおした後、できるだけ真剣な口調で間里奈に告げた。
「冗談じゃなくてさ、マジな話なんだよ」
「・・・ふーん」
しばらくオレの表情をうかがっていた間里奈は視線をオレの顔から外して、アイスコーヒーの中の氷に焦点を結ぶ。そうしてから、ゆっくりと切り出した。
自分に小さな切れ込みを入れて、そこから漏れてくるものをオレに見せるように。
「あたしがさ、なんで体だけの男ばっか作ってると思う?」
オレはいきなりの話題転換に少し困惑したが、間里奈のいつになくまじめな声音で、オレの話に付き合ってくれていることを察した。
「さっぱりわかんね」
「ま、そーだよね」
間里奈は分かっていましたよといった顔で、オレの返答には1世紀前の流行ほども興味が無いようだった。
「あたしはさ、寂しがりで疑り深い人間なの」
いつもお気楽な様子で冗談ばかり言っている間里奈は、自分のことをそんな風に評価した。
いや、それは違うのかも。
オレはきっと今までは、間里奈の上っ面しか見て来なかったのだろう。
ぶっちゃけ、オレが間里奈にこの話をしたらきっと一笑に付すだけで、まともに取り合ってもらえないだろうと思ってた。オレの中の相沢間里奈は、そういう人物だ。
でも、実際は真摯にオレの話に耳を傾けてくれている。
女という生き物は、単純ではないらしい。
女心を手玉に取っていたはずなのに、その手玉の中身のことを、オレはちっとも理解していなかったんだ。



1へ/2へつづく

hurt-heart healing

傷を癒す場所で 傷を舐め合うように出会ったぼくら
少しの偶然が恋を芽吹かせ 愛を咲かせた
やがて絆の実がなって ぼくらはふたりでひとつになった

ぼくは心に傷があって
きみは体に病があって
永遠がぼくらを引き裂こうとしていた

神様はいつも試練だとか言って
理不尽な不幸を押しつけて来るんだ
ぼくの傷は癒えていなくて
きみの病は治らない
涙はふたりを分かつ川になる

きみの顔を見たくなくて ぼくの顔も見せたくなくて
いっぱいの思い出が頭をよぎって 胸もいっぱい
そしてあふれてこぼれて ぼくらはそれぞれひとつに戻る

心の傷は大きくなって
体の病は進んでいって
それでもぼくらはやっぱりふたりでひとつがいい

雲の上にいる誰かが決めた
身勝手な運命を覆したいんだ
心の傷が癒えていなくても
体の病が不治でも
涙がぜんぶ流れたら そうしたら

きっと。。。

お別れの日が来るまでに
ぼくに何ができるかな
心の傷はいつの間にか
きみが癒してくれていた
そのお返しがしたいのに
ぼくには魔法も奇跡もない

ぼくの傷はもう塞がって
きみの絆創膏が貼ってある
結局何もできないままその日が来た

きみがぼくにやさしくささやいた
「たくさんたくさんありがとう」って笑って
ぼくは泣いてなにも言えなくて
きみが笑ってまたささやいた
「ふたりでひとつなんだから」
「ずっと・・・」


「いっしょだよ」


涙はぜんぶ流れて
ぼくらはひとつになる
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