じつは…

俺、超能力者なんです

エスパーってやつ

でもエスパーってバレると国家の研究施設の人間に誘拐されたり、テレビで特別番組組まれてみんなの前で披露しなくちゃならなくなるだろう?
だから今までずっと黙ってきたんだ
みんなを騙すつもりはなかったんだ
だけど真実を知った君たちに迷惑がかかるかも知れないし、もしかしたら君たちに危害が加えられるかも知れない
だからすっと黙っていたんだ
本当にごめん

では何故今話す気になったかと言うと人類に危機が迫っていることを知ってしまったからなんだ

先日会社帰り道の畑にあるビニールハウスの前に猫が2匹いた

ブチと黒だ

俺はいつものように能力を発動させた
するとブチ猫は後退りして身構えた
そしてもう1匹の黒猫が返事をした
俺は能力を発動させまくった
黒猫は返事しまくった

そう、俺の能力と言うのは猫と会話が出来ると言うこと

ショボいと思ったかい?
空飛んだり、火を噴いたり出来ないのかとガッカリしたかもしれないね
でもこれが俺の能力だ

この能力を使って俺は猫と話をしていた
ここまでならいつものサイキックバトルなんだがこの後大異変が起きた

黒猫が爪を研ぎ始めた

ガリガリガリガリと

俺はこの時知ってしまったんだ

全世界の猫による人類滅亡計画を

こうなったら黒猫とサイキックバトルしていては逆にやつらの思う壺だ
俺を足止めしている間に猫たちの計画は進んでしまう

俺は黒猫とのサイキックバトルをやめて命からがら戦線から離脱した
今思えばブチ猫の余裕の態度、あっちがボスだったんだな、黒猫がやつの右腕か
いやむしろ世界中の猫を束ねるラスボスだったんだ、そうに違いない

頼むみんなの力を貸してくれ
世界中の猫が人間を襲い出す前にみんなにこの事を伝えてくれ

俺はもう一度ブチと黒に会ってくる
お互いまだ歩み寄れるチャンスがあるかも知れない

もしかしたらこれが俺からの最後のメッセージになるかも知れない
その時は俺は星になったとみんなに伝えてくれ
だけど悲しんでばかりはいられない
ブチと黒は道連れにするが全世界の猫たちがボスを失い統制を失い見境なく暴れだすかもしれない
でもみんな、頑張ってくれ
人類と猫たちによるハルマゲドンはすでに始まっているんだ
勝った方がこの地球の真の支配者だ

人類の夜明けは君にかかっている

最後に俺からのメッセージだ

つまり会社帰りに猫がいたからいつもやってるみたいにニャーニャー鳴き真似したら返事してきたから調子にのってニャーニャー言ってたら1匹が爪研ぎ始めたからびびって逃げ帰ってきたって事さ

アディオス、アミーゴ