本訴訟の行方を見守る上でもうひとつ考えてみましょう。
 
SM側は新たな契約内容を提示できると歩み寄りをみせながら「他のアーティストと比較しても不利な処遇ではなかった」という既存立場を貫きました。
それに対し、3人側は弁護士を通しあくまでも「不当な契約だと訴え、SMと一緒に仕事をするつもりはない」と和解の意思がないことを表明しました。
 
 
確かにSMの契約内容は見直すべき点が何箇所もありますよね。
例えば、メンバーには沢山の「義務」が課せられ、それに違反をした場合違約金として莫大な額を請求されますが、SM側はというと「義務」はありますが罰則は設けられていません。
 
仕事内容についてメンバーに選択の自由が与えられていない事も問題ですよね。
「こんな事はしたくない」「こんな活動がしたい」という自由が認められていません。
書面上ではそうでも実際はどうだったかは定かではないですけれど・・・
実際はどのくらい活動内容に本人達の意向を組み込んでもらえていたのかは何とも分かりません。
 
スケジュールもあまりに過酷過ぎます。
東京ドームの前の週にバンコク・ミロコン入れてきた時は開いた口が塞がりませんでした。
彼らがどんなに大量の仕事をこなしてきたかは私達ファンはよく分かってますよね。
 
そしてなんといっても驚くのは契約違反時の「違約金」の項だと思います。
あの項が有る事によって絶対に契約に背く事は不可能です。
(まぁ、契約というのは約束ですから背いてはいけないんですが・・・)
 
 
 
 
今現在カシオペアもビギストも中国や各国のファン達も《立場を二分》しています。
① 相変わらずSMが一方的に「悪」と決めつけ3人の主張だけを支持する
② SMと3人の和解を願う
 
①の場合、東方神起の活動は消滅します。
 
 
 
この契約の内容、確かに修正すべきところはあると思いますが、過去5度の契約更新時に何故メンバーとその親達はサインをしてきたのでしょうか?
しかも最終更新は3人がSMに内容証明を提出する4ヶ月半前です。
そして「ローテーション事件」では親御さん達とメンバーは「契約通り13年間の契約期間を守り信義を遂行しなさい」と訴えています。
 
前に書いた通り、東方神起の今後の活動を望むならSMと和解する以外の道は無いと私は考えます。
3人は2009年8月3日の立場表明で「今度のことで契約の不当性が是正されて思いきり私たちの音楽ができる条件が用意されたら、皆が一つになってファンの皆さんの前に立つことができるはずと信じて勇気を出しました。」という言葉通り、SMと契約内容の修正に取り組むべきではないでしょうか
 
その為に3人側が主張する「SMだけが悪である」という考え方が本当に間違っていないのかもう一度よく考えてみて欲しいのです
 
先に書いた通り、契約内容に関しては「SMの主張」も「3人の主張」も間違ってはいないんです。
それならば、どちらも譲歩し合い話し合う必要がありませんか?
 
3人側の主張は私が説明しなくてもファンは理解できてますよね。
では、何故SMも間違っていないのかは理解できますか?
 
 
私がこう書くと巷では「SMのまわし者だ」と決めつける方達が多数いらっしゃるようですが(笑)その方達は本当にSMEのシステムを理解しているのですか?
何故なんの情報と知識も得ようとせずに一方的に「SMだけが悪」と決めつけるのでしょうか?
 
今ある「東方神起」を企画し、作り、育てたのは紛れもなくSMエンターテイメントなんです。(勿論それにメンバー、スタッフ、ファンの努力も加わっています)
 
私達日本人はつい「日本国内のタレント事務所と比較して判断」してしまいがちですが、彼らは韓国人であり、韓国の企画社と専属契約を結んでいます。
比較することは間違いだと思います。
 
 
 
 
 
SMEは、芸能マネージメント、レコード会社、番組製作、各種オンライン事業、カラオケ機器製造(カラオケ店経営)、外食産業、芸能スクール経営、ゲームソフト制作、不動産事業他を手掛ける大手の総合エンターテイメント企業です。
業界では「SM帝国」とまで称され、多大な影響力をもっています。
実質的な経営は創業者で筆頭株主のイ・スマンが握っています。
エンターテイメント業界で初めてコスダックに上場しています。
アルバムセールスのシェアは韓国第一位です。
 
韓国音楽市場の消費の約78%を10~20代の若年層が占めていることからも分かる通り、アイドル歌手を中心とした芸能事業をスタートさせアイドルブームを作りました。
 
 
 
SMEシステムの特徴、それは会社が芸能スクールを所持し、オーディションで新人を発掘し、練習生を抱え歌やダンスや演技のトレーニングをさせデビューまでの期間を育成します。
その期間は平均3~7年です。(メンバーの中ではジュンスが一番長いですよね)
その育成期間に彼らからの収益は期待できません。また投資してもデビューまで至らない練習生もいれば、デビューさせたからといって売れない事もあります。
その場合の育成費用は会社の純損益(赤字)となります。
その為にその時に売れているアーティストの収益を使って、全体の収支が均衡を成すようにしなければなりません。
 
「どうして東方神起が稼いだ金(収益)で練習生の面倒までみる必要があるの??」
一見理不尽なように思えるこのシステムを説明するのは簡単です。
かつてメンバーが練習生で懸命に歌やダンスの訓練を受けていた時に使用されていた費用は、当時活躍していたBoAや、HOT、神話が稼いでいた金(収益)から担われていたからです。
 
そのようにして育てた人材をデビューさせるにあたりキャスティング、企画、プロデュース、マネジメント、CD制作、流通に関しての全てを自社で行っています。
このようなシステムの場合、契約期間が短いと、デビュー前から投資して育てた人材が(投資を回収して純利益を上げる前に)契約満了で他社に引き抜かれる可能性が出てきます。
他の企画社と同じように契約期間を短くしろ、というならばSMのこの育成システムは成り立たないのです。
 
 
 
更に『東方神起がデビューする時に契約期間を13年間にしたのには大きな理由があります』
 
SMには「東方神起」を韓国そしてアジアを代表する最高のアーティスト&エンターティナー&ブランドに育て上げようという壮大な企画があったからです。
今まで何度も説明した通り、デビュー前メンバーと親御さんはSMからの壮大な企画に納得、合意して13年間という契約書にサインしています。
 
SMは会社として「東方神起」に莫大な投資をして育て上げ、それを回収して更には純利益を上げるまでの期間を13年間の長期で考えていたのではないでしょうか
 
韓国で人気絶頂の時期に「ジャニーズ以外での男性アイドルの成功は無理」と定説のある日本の芸能業界に敢えて5人を送り出した事も、長い目で見て投資を回収する計画がなければ絶対に出来なかったことです
普通に考えると、そのまま韓国で活動させていた方が売り上げをあげられることは誰が考えても分かります。
しかし、日本はアメリカに次いでCDセールスが世界2位の国です。(韓国は世界市場の1%ほど)
目先の韓国での収益を捨ててでも、将来アジア最高のアーティストに育て上げる為には(当分全く収益の見込めない)日本で活動させる必要があったのです。(絶対に成功させる自信と信頼もあったのでしょう)
 
つまり、もしも契約期間が短ければこの計画は実行出来ないのです
これを考慮した場合、契約期間が長いというだけで無条件に「奴隷契約だ」とは言えません。(逆に彼らは特別待遇とも言えます)
 
長期の契約期間があったからこそ、株主にも壮大なビジョンを説明し東方神起への長期的な投資予算を確保できたのです。
 
そして、SMは敢えて人気絶頂の東方神起を日本に送り込み、私達が彼らに出会えることになったということです。それがなければ日本進出は有り得なかったことです。
 
東方神起とSMが日本での地盤を作ったことで、ビッグバンなどは地道な活動をすることなくすんなりと受け入れられましたよね。
でも、東方神起が日本に来た時はそういうわけにはいかなかったのは周知の通りですね。
メンバーも勿論その壮大な計画を理解していたからこそ、日本語を必死で学び、夢に向け新人として一から努力してきた筈です。
 
それが何故・・・・???(得をするのは誰?)
 
自分がSMEの経営者になったつもりで考えてみて下さい。
今回3人が訴訟を起こし、エイベックスと個人契約を結んだことは、SME側の立場になって考えると、「練習生の頃から肥料や水を与え、日光を当ててやり、やっとのことで実を結び、収穫しかかった時に全てを根こそぎ奪われた」と同じことです。
当然、エイべックスに対しても3人に対しても腹が立つなんてもんじゃないでしょう。
あなたがイ・スマンだったらそんなエイベックスでホミンをこの先も活動させますか?
それを棚に上げて「韓国サイドの許しが・・・」とか「握手を拒否した・・・」とかつぶやいている人はいますが、私に言わせれば「アンタが握手を拒否されるような事をしたんだろ」という話です。
 
あ、スミマセン。イ・スマンになりきり過ぎました(笑)
要するに、
① SM側は契約内容を見直すべきところもあるが考慮すべき点もある
② 長期契約というだけで無条件に批判はできない
③ 3人側は「東方神起の解散を望まない」という言葉に責任をもち、SMと話し合いを持つべきである
と、私は考えます。
 
 
 
最後に、
先日の初公判で裁判所は「13年の契約を11年とか、分配率を10%を15%に修正する程度ではなく、画期的な契約を提示してはどうだろうか?」と提案していますが、私がSMEの経営者だったら「無理です」と答えていたかもしれません。
大幅に契約内容を修正して「企業として短い期間に今までの投資を回収して利益を得られるかどうか」が問題です。
 
さぁ、次回3人側はSMとの交渉の意思をみせてくるでしょうか?
それとも相変わらず交渉を望まず契約の解除を申し立ててくるのでしょうか?
SMはどのような修正案を提示してくるのでしょうか?
 
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