尋常ではない、芸能人 - 組織暴力団『コネクション』
2009/12/30 時事ジャーナル
韓流ブームに乗って芸能企画会社中心に繁盛…背後勢力保護まで受けて『ワニとワニチドリ』(※ワニの口の中の食べカスを掃除する鳥/相互依存関係の喩え)関係継続して
有名芸能人や芸能企画社代表が組織暴力団を動員して一夜に激しい乱闘劇を繰り広げた。 2009年12月14日未明、ソウル松坡区文井洞(ソンバ区ムンジョンドン)ガーデンファイブ1階ではドラマ<アイリス>の撮影が盛んに進行中だった。 この時、芸能関係者カン・ビョンギュ氏(36)が撮影現場に現れた製作社であるテウォンエンターテイメント(以下、テウォン)、チョン・テウォン代表(44)と激しく争った後に乱闘が起きた。
ドラマに出そうな場面が芸能人と芸能企画社代表の間で、実際に演出されたのである。 双方は、"相手が暴力団を動員して暴行を加えた"と主張している。 カン氏は去る12月21日、ソウル警察庁広域捜査隊に出頭し、"やくざ10人から30分間、一方的に暴行を受けた"と言いながら包帯で巻いた腕を示した。 彼はこの日、暴行扇動や脅迫などの疑いでチョン・テウォン代表をソウル中央地検に告訴した。
▲昨年12月21日芸能関係者のカン・ビョンギュ氏[アイリス]撮影現場で暴力団に暴行にあって、野球のバットを防ぐことで手に怪我をしたと話している
テウォンも公式立場を発表し太原も公式立場を発表して“製作会社側が組織暴力をそそのかして暴行したり脅迫したというカン氏の主張は事実でない”と明らかにした。 現在<アイリス>製作陣もカン氏を暴行の疑いで検察に告訴した。 両側の言葉がはっきりと分かれている。 誰が暴力団を動員し暴行をしたのかはまだ疑問である。 警察は現場に設置されたCCTVを確保し、分析作業に入った。
芸能人と芸能事務所と暴力団の蜜月(※みつげつ/親密な間柄にあること)関係は公然の秘密だ。 イメージを重視する芸能人と暴力を象徴する組織暴力団が表面上は全く似合いそうにない。 現実は違う。 互いの利害関係が合致しながら、いわゆる『ワニとワニチドリ』の関係を形成している。 もちろん、企画会社の不平等条約と暴力団の暴力に苦しんで一方的に被害に遭うアーティストたちもある。 『芸能人 - 芸能企画社 - 組織暴力団』の『黒いコネクション』の実像はどの程度だろうか。
去る2009年1月スター級PD出身の芸能企画社代表、ウン某氏が、検察で不拘束されることがあった。 ウン氏はMBCで、部長級PDに勤務していた時<日曜日日曜日の夜> <男3人女3人>などの人気番組を作って有名になった。 彼はPD時代から数回の非難に巻き込まれた。 2002年には芸能企画社の代表などから、芸能人の放送出演と引き換えに、数千万ウォンの金品や接待を受けて拘束されたことがあった。
以後、放送局を出て、トップクラスのアーティストたちが所属する芸能企画会社の代表を務める。 こんなウン氏が暴力団との黒い取引にも乗り出した。 暴力組織の親分が運営する違法カジノバーで数億円を投資したことが問題となった。 現在ウン氏は○エントテインモント社の代表を務めながら、強大な影響力を行使している。 スターPD出身の芸能企画社代表と組織暴力団の親分と『黒い取り引き』は、芸能界と暴力団の蜜月関係がどの程度かを端的に示す事例である。
『夜の皇帝』と呼ばれる組織暴力団は、私たちの社会の癌的な存在だ。 陰湿な場所で社会を蝕むといって、一般的に『カビ』と比較されたりする。 1990年代後半まで、組織暴力団の主要な事業は、ナイトクラブ、ルームサロンなど、主に遊興業店を運営したり管理することに集中された。
そうするうちに徐々に位置づけが狭くなると、新しい出口を模索した。 そのうちの一つが『芸能企画事業』である。 2000年代初めから吹き始めた『韓流ブーム』は、暴力団には救世主と同じだった。 アーティストたちと特別な関係を結んでいた組織暴力団たちにこれだけ『相性』がよく合うことはなかった。 この時から、組織暴力団の芸能事業進出がラッシュを遂げた。
組織暴力団が芸能事務所に進出する方法は大きく3つある。 まず、企画会社を直接立ち上げたり、既存の企画会社の株式に投資することによりビジネスに飛び込むのだ。 国内には現在、数百もの芸能事務所があるが、貧益貧 富益富現象がはっきりしている。 上位数社を除けば、ほとんど『雑貨屋』のレベルを脱することができずにいる。 芸能企画社の細胞分裂も零細性を煽るような原因である。 普通マネジャー業数年をすれば企画会社を整えて独立することが芸能界の一般的な現象だ。
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