2011年5月15日(日) 晴れ 奥美濃 藤波谷~小津権現山 沢登り 
OSKのみなさんと

6:10 藤波登山口 → 6:50 15m大滝 → 7:55 岩屋 → 9:40 8m大滝 → 11:10 登山道 → 11:25~12:25 小津権現山 → 14:10 藤波登山口

 OSKの山行で小津権現山から西に落ちる沢、藤波谷へ行ってきた。
 数年前に単独でこの沢を登っているが困難だったという印象がない。確かに高巻きはあったし倒木を使ってなんとか越えた滝もあったが全般に行き詰まるようなところはなかったはずだ。しかし文献によってはかなり難しいような書き方がされておりエントリーしたメンバーがそれらを見て数日前にキャンセルするということも発生した。記録の功罪といったところだろうか。それを聞いて出発前から不安がる声も上がったが何とかなるだろう。沢達者なメンバーが多い今回のパーティだから尚更だ。だからといってもちろん安易な気持ちで入っていってはいけないがそれはどこの沢にも言える事だ。
 参加メンバーは10名ととても賑やかな出発となった。藤波谷の駐車地から堰堤を越えて少し行くと早くも岩を越えたり流れの中を歩いたり。こういうのを難しいと言えば難しいのかもしれない。
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 すぐに10mの滝が現れる。今日は水量豊富なようで豪快に落ちている。ここを安全の為にロープを張って左岸側から巻くと意外と明るい沢に降りる。相変わらず大きな岩などを越えたりしながら進んでいくと今度は15mはあろうかという二段の滝。単独で来た時は左岸側から巻いて懸垂下降したところだがその時右岸側に目印があった。それを思い出して右岸側から巻く事を提案し滝手前のルンゼを登っていった。
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 安全に巻けるところを探って進んでいくと思わぬ高さまで追い上げられてしまった。しかしそこからの下降は比較的容易でロープを使う事無しに沢に降り立つ事ができた。
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 降りたところから先に3m程の滝とその奥に5m程の滝があった。抱えている淵も深そうで先行しているSGさんから腰あたりまでの深さがあるというサインが送られてくる。それを見たメンバーは更に右岸側から巻いていったがもう沢に降りてしまった僕とBBさんはそのままSGさんの後を追った。
 以前来た時はここも無理だと巻いていったがいざ登ってみると意外と楽しく登る事ができた。後に続くBBさんも何とか登ってきた。
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 実は出発前に人数が多いからと言う事で効率のよい遡行ができるよう3つにグループ分けをした。しかし、この大滝のところで分裂。グループの体をなさなくなっていてリーダーの関ヶ原Nさんからおしかりを受けた。が、放っておいてもそこそこ行ってしまうメンバーばかりだと言うのも事実だ。4人の女性陣も見ている限り手助けの必要はほとんど感じなかった。とはいえパーティとしての行動なのだからそれからはなるべくグループで固まれるように進んでいった。
 大滝から少し行くと枝沢が合わさってくる。そこにはワサビ田の跡のように見える石組みがありこんな沢にも人の営みがあった事に驚かされる。更に奥には炭焼釜の跡が幾つか残っていた。
 深々とした淵の微妙なへつりやちょっとした滝の巻きがあったりしてなかなか楽しい。大きな岩屋も以前見たときより明るい感じだ。
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 沢の左右に現れる滝もなかなか目を楽しませてくれる。落差50mはあろうかという多段の滝もあってこの沢の奥深さを感じさせてくれる。
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 時間が経つと若干南寄りに登っていく沢に陽が差しこんできて新緑が青々と輝く。誰かが暗い沢だなんて言っていたがそんなことは微塵も感じさせない。強いて言えばは入り口の大滝辺りまでが少し暗いか。
 行程の中程になると滑滝が連続して現れる。前には直登して楽しんだところだが今日は若干水量が多めで流芯を進むのは難しい。それでも随分楽しく登る事ができた。
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 その後も幾つかの滝を巻いたり直登したりしながら進むと岩場の奥に8mの大滝が現れる。直登はもちろん無理。以前巻いた左岸側は地形が変化しており登るには難しくなっていた。ここは右岸側から垂れ下がる蔦をたよりに巻いた。
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 巻き上がるとそこが二俣で右に進んでいくとすぐに滑滝。以前は喜んで直登して最後に手がかりがなくてアタフタしたが今回は水量が多くてとても直登する気にはなれなかった。
 左右の斜面がなだらかになり空が開けてきてますます明るい沢となり気持ちがいい。この辺りは新緑を眺めながらリラックスした遡行ができる。青葉が眩しい。ふと傍らを見ると新緑の中にシャクナゲが一本、満開の花を咲かせていた。
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 枝沢を選びながら進んでいくと徐々に沢は狭くなっていくが穏やかな感じでゆったりと歩行できる。その内雪渓とまではいかないが溶け残った雪が出てきて驚かされたりした。
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 沢筋を詰めていくと最後は薮の急登になっており登山道がすぐ近くだからと言う事でそちらに逃げた。登山道までの斜面はイワウチワの群落になっておりまだ咲き残る花が目を楽しませてくれた。
 登山道に出てからはあとひと頑張り。急登を終えて山頂稜線に出るとわずかで切り開かれた山頂に出た。そこには今日別動隊で小津からの登山道を登ってきたFさんとGTさんが他のメンバーと別れて待っていてくれた。途中、無線で連絡をとっていたもののこうして直に顔を見ると嬉しいものだ。
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 天気のいい山頂からは奥美濃の山々の大パノラマが眺められた。ちょっと霞がかって遠望が利かないのが残念だが沢と合わせて大満足の山行となった。