2011年6月25日(土) 晴れ 鈴鹿・宮妻峡 カズラ谷~雲母峰 沢登り
山日和さん とっちゃん Tsutomu
8:05 カズラ谷登山口 → 9:10 10m連瀑 → 10:30 15m大滝 → 11:50~13:10 白ハゲ → 14:15 雲母峰 → 16:30 カズラ谷駐車地
今年の梅雨は週末になるとなんとか持ってくれておかげで沢も昨年の同時期に比べると大分こなしてる。しかしそうそう天候に恵まれるはずもなく予報を見て週末は近郊の低山を傘さして歩こうかと思っていた。ところが週末が近づくと鈴鹿の方は雨の予報から曇りの予報に。これはいいんじゃないかとまだ歩いた事のない鈴鹿、宮妻峡の沢に向かった。
宮妻キャンプ場を過ぎてカズラ谷登山口手前の広場に車を停めてジャリガ谷へ向かおうと歩き出した。とそこへ広場に入る見覚えのある大阪ナンバーの車。山日和さんととっちゃんだ。
聞けばカズラ谷を遡行する計画との事。よかったら一緒に行かないかと誘われた。ジャリガ谷へのこだわりは特になかったし山日和さんと久し振りに歩けるというのがうれしくて喜んで同行させてもらう事にした。
二人が準備するのを待っていると突然とっちゃんが「ない!」と叫びだした。どうやらハーネス、シュリンゲ、カラビナ等の道具一式を忘れてきたようだ。朝、チェック表でチェックしたらしいのだが車に載せるのを忘れてるらしい。まあ、彼女はこれ位の事は日常茶飯事なので今更驚きもしないが。
とっちゃんに沢道具一式を貸して出発。山日和さんを先頭にカズラ谷の登山道を歩いていく。ひとつ目の堰堤を越えたところで入渓、しかしちょっと早かったのかその上にもうひとつ堰堤があった。これを右から巻いて奥に進むと早くも沢が細くなりゴルジュの様相。3m~5mほどの滝が続き楽しく登っていき全身早くも水浸しだ。しかし今日はそれが心地いい程の天候だ。
8m程の階段状の滝を直登して更に続く小滝を遊びながら進むと三俣に出る。ここはGPSを使って慎重に沢筋を読んで先に進んでいく。この沢は先にもいくつか分岐点がありその度に地形図、GPSで沢を読んだ。
三俣を越えると多段の滝が現れその先に10m程のやや巾のある滝が現れた。山日和さんが「ここ登る?」と聞いてきたので「登るとしたら左のラインでしょうね」と答えると間もなく山日和さんが取り付いた。上部で苦戦すると思ったが意外とちょっと登ったところで手こずっている。後で登ってみるとハング気味になっていた。
この滝を登ると更に奥には8m程の斜瀑。山日和さんがとっちゃんにロープを出している間に先に気持ちよく登って二人を待った。
まだまだ滝は続く。息つく暇がないとはこの事かというほど次々に現れるので飽きる事がない。規模としては6~8mのものが多く登り頃のものばかりだ。無理なら簡単に巻く事もできそうだ。特徴的なところでは岩にきれいなS字を穿った滝。「トップでどう?」と言われたので行ってみたが最初の屈曲点で手こずった。
ここを越えると流れはずっと細くなるがまだまだ楽しみは尽きない。不図右手側を見ると斜面がスラブ状になっており驚かされる。
岩質は何時の頃からか花崗岩だけになっておりフリクションが利いて歩きやすい。
右俣に滝がかかった選択が難しい三俣に出る。ここも慎重に中俣を選んで狭いゴルジュを進んでいくと右手に大滝がかかっていた。上部をのぞくが下からでは見えない。ここを山日和さんが先行。その後を追って僕が登っていく。手がかり、足がかりはしっかりしていてやや階段状になっているので登るのは難しくないが高度感があり緊張する。落差は15m程だろうか。とっちゃんには山日和さんがロープをだした。
核心部はこれで終わりか、と思いきやまだまだ滝は続く。きれいな炭焼窯跡を越えた辺りからは細い溝状の滝が続き直登して楽しむ。ここはメタボの誰々さんには無理やなどと実名を挙げて言いたい放題だった。
その後、水流は細いが10m程の斜瀑を越えていくとやっと源頭部に出る。
枯れ葉に埋もれた源頭部は思いの外急斜面で息も切れ切れ。やっとこさ登っていくと鎌ケ岳から雲母峰に続く登山道に出た。
登山道を右に進んでいくと白ハゲと呼ばれる砂ザレの見晴らしのいい斜面に出る。そこに風通しのいい日陰を見つけて休憩。眼前には今日は期待していなかったいい風景が広がりのんびりとした気分でひとときを過ごす。
休憩後は登山道を雲母峰へと向かった。僕自身は雲母峰は二回目で登山道の所々に記憶に残るところがあった。山日和さんから「この道は稜線上をほとんど歩いてないね」と指摘された。そういわれればそうだ。なんでだろう。
雲母峰の三角点は背の低い樹木に覆われ展望はない。ここから更に東に進んだところの鞍部からウソ谷右俣のキララ谷へ下っていった。ここは山日和さんが下山用にと選んだ沢。山日和さんによれば蛭の巣窟だそうだ。梅雨時にわざわざそんな蛭谷を選択した真意はどこにあるのだろうか。
キララ谷は上部は細かいガレが一面を覆い一歩一歩が崩れそうでいやらしい。鉱山でもあったかのようなガレ場だ。下部に行くとやや沢も落ち着きゴルジュも現れるが一ヶ所ロープを使っただけで特に難しい場面もなかった。途中、右岸から湧き出ていた清水がとても美味しかった。
谷を下り終え宮妻峡のキャンプ場に出るとむっとするような暑さを感じる。沢の中がいかに涼しかったかが分かる。山日和さんじゃないがこんな日に尾根は歩けないなあと思う。
ところで蛭の方だが思っていた程蛭は出現せず僕ととっちゃんは実害無し。山日和さんが手の指の間をやられたらしい。期待はずれの蛭の巣窟に山日和さんはちょっとがっかりしたようだった(本人はがっかりしてないと言っていますが)。