出任せ系







罪なき者なおもて石を投げる。いわんや罪人をや。
(人生修行中のフリーライターの針小棒大な日々)

561 東京五輪に向けた柔道改革案(2)

(前回までのあらすじ)

リオ五輪の柔道って、勝敗がわかりづらくね?

(つづき)

話は変わって、「公益財団法人講道館」のホームページに
柔道の技名称一覧が掲載されている。それによれば、
●投げ技(67種)
  手技:15種
  腰技:11種
  足技:21種
  真捨身技:5種
  横捨身技:15種
 
●固め技(29種)
  抑込技:7種
  絞技:12種
  関節技:10種
だという。合わせて96種類。

こんなにあるにも拘わらず、私がオリンピックで
目にするのはせいぜい10種類ほどしかない。
ルールで使えない技や、既に廃止された技があるとしても、
これはもったいなさすぎる。

さらに、最近の柔道(といっても私はオリンピックや
世界柔道くらいしか観ないんだけど)は、技による勝敗よりも
相手への指導の数で勝敗が決まるケースが多いのではないか。

あんな形で勝って、選手は嬉しいのだろうか。
そんな、微妙な審判の判断に勝敗を委ねるために、
あなたは長いこと苦労してきたというのか。そうではあるまい。
(いや、勝手に気持ちを忖度して申し訳ないけれど)
 
単刀直入にいう。

この分かりづらさを放置しておくと、早晩柔道は衰退する。 

そこで、国際柔道連盟に提案がある。
次の東京オリンピックでは、いっそ剣道のように
「めーん!」「どーーー!」と技の名をコールしてから
技をかけないと無効になるというルールにしたらどうだろう。
 
せっかく加納治五郎氏やその教えを受け継いだ人たちが、
長い時間をかけて紡いできた技があれだけ豊富にあるではないか。

使わないのはもったいない。

それに、「自分は今、こういう意思を持って技をかけた!」と
アピールすることで、「成り行きで勝って(負けて)しまいました」的な
アクシデントも防げるし、何より、観ている人に分かりやすいではないか。
負けた選手も「それなら仕方ない」と納得できるってものだ。

もちろん、技をかける前や、かけてる最中に叫ぶ必要はない。

かけた後に叫ぶのだ。

「(今のは)大内刈り!」
「(今のは)釣り腰!」
「(今のは)一本背負い!」

とかね。

いくら技が綺麗に決まっても、技名を間違えると取ってもらえない。

また、技名をかんでもダメ。そうなると、

「支え釣り込み足!」とか
「払い釣り込み足!」など
「釣り込み」系の技は、滑舌の悪い選手は敬遠しがちに
なる傾向はあるかも知れないが、それは大きな問題ではない。

また、外国人選手には圧倒的に不利になるという可能性もあるが、
それはまあ、日本の国技たる柔道を極めようとするのだから、
正しい日本語の発音を学ぶことは当然だ。

東京オリンピックでは、ぜひこの
「技名を叫ぶ」ルールを採用してもらえないだろうか。

各国の強豪が、畳の上で
「スミ・ガエーシー!」とか「ヨコ・シ・フォー!」などと
片言の日本語を大声で叫ぶ姿なんて、
まさに東京オリンピックのあるべき姿ではないだろか。

ねえ。

560 東京五輪に向けた柔道改革案(1)

今日、リオ五輪のおかげで慢性的に寝不足なオヤジ(私)の
最大の関心事といえば、何をさしおいても「柔道」だ。
 
中でも私の関心を鷲づかみして離さないのは、
あの柔道における勝敗の分かりにくさである。

まずもって、技が分かりづらい。今の動きがどんな技で、
どちらがどのような意図を持って技をかけて、
それが成功したのか失敗したのかがどうも曖昧である。
もちろん、大外刈りや払い腰、体落としなどのメジャー技は分かる。
抑え込みだってタテやヨコの四方固めや肩固めも分かる。

しかし、少しマイナーどころになると、もうさっぱり分からない。
いや、技によって勝敗が決まればまだいい。

分かりづらいのは、指導とか反則とか、技以外で決まってしまうケースだ。
 
だいたい、襟や袖をつかみ合って、組み合って、
絡み合って、蹴り合っている二人なのだ。
忙しくて仕方がないのだ。一瞬背中が畳に着いたとか、
手が足に触れたとかのアクシデントは起こっても不思議ではない。
むしろ起きない方が不自然だ。そんな、ほぼ偶然に近い
些末なことで勝敗が決まったのではたまったものではない。
観ている方が納得できないのだから、実際に戦っている
(そして負けた)選手の納得のできなさといったら想像するに余りある。

柔道は競技者の技よりも、主審の動体視力と
センスに大いに左右される競技である。

だから、私のような柔道素人が「え? 今ので決まったのか?」とか、
「どうしてこれが指導になるんだよ」とか思ってしまう原因なのだと思う。
言い換えれば、勝敗の基準が明確ではないのだ。
野球やサッカーの観客が「どうして得点の多いチームが勝つんだよ」と
怒ることはない。勝敗の基準がハッキリしているから。

では、どうすれば良いのか。

そして私は考えたのだ。(つづく)

559 がんぶりが外れてますと言われたら

その昔、我が家に若者が訪ねてきて
「お父さん、がんぶりはずれてますよ」と
私の心を徒に不安にさせて立ち去ったことを書いた。

518 がんぶり外れてます

その後、若者は現れていない。
ついでに言えば、そんな工事もない。

少し前、建築業を営む知人が事務所に来た時に
その話を思い出して質問してみた。

「ねえ、『がんぶり』って知ってます?」

「がんぶり? 知らない。何それ」

「屋根瓦のナニやらだということは分かるんですが、
 実は昔、こんなことがあったんです……」と
顛末を話すと、知人は合点がいったようで

「ああ、たぶん『かんむり瓦』のことですね」と。

屋根の「Λ」の頂上部にある、筒を半分に切ったような
瓦を「かんむり瓦」あるいは「がんぶり瓦」というらしい。

なるほどね。で、それが外れてると言われたんですが。

「それは明らかにヤバいヤツです。相手にしない方がいいです」

「少し前に話題になった、リフォーム詐欺みたいな
がんぶり詐欺ということですか?」

「詐欺かどうか分からないけど、怪しいですね」

「次にそんなヤツが来たら、どうしたらいいですか?」

「僕を呼んでください」

「すぐに来てくれます?」

「まあ、無理でしょうね」

「ダメじゃん」

「じゃあ、こうしてください」

ある朝、やけに気の良さそうな兄ちゃんが玄関先に立ち
「おたく、がんぶりが外れてますよ」と言われたとしたら

「これは親切に、ありがとうございます。
 兄が(「父」でも「知人」でもOK)近くで
 建築業を営んでいるので、伝えておきます。
 もしよろしければ、同業のことですので
 お宅様のお名前をお聞かせ願えますか?
 兄にぜひ伝えたいと思いますので」

と言えば、絶対に退散しますよ、とのこと。

よーし分かった。

次にがんぶり兄ちゃんが来たら試してみることにする。

だから、あの時の兄ちゃんに告ぐ。

これを読んだら、今週の週末にでも来てくれないか?

558 気づいてしまった

気づいたからには、言わずにおれない。

 Miyamoto_Musashi_Self-Portrait江戸初期(1630年代)

Portrait_of_Itō_Jakuchū_by_Kubota_Beisen江戸中期(1790年代)

上下の写真を見比べてもらえば分かるが、
約160年もの年月を経過したというのに、
このヒト、少し髪の量が減ったくらいで、
ほとんど歳をとったように見えない。

さすが、歴史に名を遺す人はすごい。

……というのは嘘で(当たり前)
上は宮本武蔵、下は伊東若冲。

似てない?

557 救急搬送されました(3)

(前回までのあらすじ)

仕事中、体調が悪くなって救急車で病院に来たものの
点滴を打たれて寝ているうちに体調が回復したのであった。

しばらくすると看護師が現れ、耳鼻科に行くという。

救急病棟から耳鼻科まではかなりの距離がある。
歩いていこうと思っていたら、車椅子を持ってきてくれた。
これで乗せていってくれるという。ありがたい。

「でも」と看護師は言う。

「点滴スタンドがついた車椅子が用意できませんでした」

いやいや。何も謝られることはありません。
こちらこそ申し訳ない気持ちでいっぱいなので、
もう、何でもさせていただく所存です。

「ですので、ここに両足を乗せてください」

車椅子に座ったまま、ベッドの脇の点滴スタンド(写真)
車椅子
を足の間にはさみ、スタンドの5本の足の上に両足を乗せ
そのままの恰好で突き進むのだという。

「すみません、ご協力ください」

もちろんご協力するに吝かな私ではない。

しかし考えればわかるが、そのまま看護師が後ろから押すと
足を乗せたスタンドと車椅子がぶつかり、前に進まない。
そのため、私が常に足を突っ張って
スタンドを前に押しながら進まなくてはならない。
さらに左右に曲がる時は、曲がる方向に対して
スタンドをグイッと足で押し出すというテクニックが
必要になることまで分かってきた。

だから「はい、次の角を曲がりま〜す」という指示に合わせて
素直に左右にスタンドを押し出していたら、看護師が言った。

「お上手で〜す!」

ほっといてほしい。

大名行列の「奴」のように点滴を高らかに掲げた車椅子は
やがて病院の中でも最も人が多い中央待合室に攻め入る。

せめて入院患者さんのような寝間着であれば
多少は悲壮な感じになったのかも知れないが、
あいにく、私はその日、派手なアロハを着ていた。

周囲からは、浮かれたアロハオヤジが
得意げに点滴スタンドに足をかけ、看護師さんを従えて
爆走しているようにしか見えなかったに違いない。

そんな大名行列車椅子は、人ごみをかきわけて
午後の待合室をズンズン突き進む。

ものすごく恥ずかしい。

周囲の視線が痛い。耐え難い激痛だ。
この中で誰か、モルヒネを持ってる方はいませんか?

この辱めが神の戒めだとしたら、私は甘んじて受け入れよう。

耳鼻科でもさまざまな検査をした結果、
「別に変なところはないようです」と言われた。

そして、最後に医師がひとこと。

「どうします?」

ど、どうしますって言われても。
どうもなければ、帰ります。

「では、これを持って会計へ」

なにか釈然としないまま、その場で点滴をブチッと外される。

「もう外していいんですか?」と私。

「大丈夫です。食塩水みたいなものですから」と看護師。

ラベルを見れば、酢酸リンゲルと書いてある。
リンゲル液
生理食塩水にカリウムやカルシウムを加えたのがリンゲル液である(中略)
かつては長時間の手術後で疲労した医師が飲んだ例もあった(中略)
という。いわゆるスポーツドリンクは、リンゲル液を元にして、飲みやすいように食味を調整したものである
Wikipediaより抜粋
そうか。私はスポーツドリンクを葵の印籠のごとく高らかに掲げ、
海を割るモーゼのように待合室を渡ってきたというのか。

とぼとぼと自分の足で歩いて会計へ。

その後、知人にこの話をしたら、即座に断定された。

「それって、軽い熱中症ですよ」

え? そうなの?
熱中症
表面的な症状として主なものは、めまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗(または汗が出なくなる)などがある。
Wikipediaより抜粋
でも、別に頭痛はないし、失神もない……と思うし、
体温だって36.5度だったし。

そういえば、と思い出した。

私はいつも爬虫類が裸足で逃げ出すほどの低体温で
どの体温計で測っても36度を超えることは少ない。

もしかして、救急車で測った36.5度はじつは高熱で、
あれは熱中症の症状だったのだろうか。

みなさんもお気をつけを。
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