出任せ系







罪なき者なおもて石を投げる。いわんや罪人をや。
(人生修行中のフリーライターの針小棒大な日々)

004 前向き現実逃避

年末は、どういうわけか忙しい。
夏までは「このままでは人間失格だ!」と悩むほど暇だったのに。
今は、人間として失格なくらい仕事をしている。
どっちにしても失格なんだけどさ。

勤労感謝の日は、「感謝しながら勤労する日」。
そう自分を慰めるようになって、はや数十年。

そんな状況でで、こうしてブログを書くのって、
明らかな現実逃避ではないか、と思う。
しかし、それのどこが悪いのだ、とも思う。

現実逃避というのは、一つのパワーの発現ではないか。
磁力のSとS、NとNが互いに反発するように、
自分を何か(現実なんだけど)から遠ざけようとする力。
それを現実逃避力と名づけたい。

「それがどうした?」などと言ってはいけない。

何事もそのひと言で片づけてしまったら、
電気を流した炭が熱で赤くなったのを見たエジソンが
電球を発明することなんかなかったはずだ。
青カビから抗生物質など生まれてこなかったはずだ。
河豚から河豚ぢょうちんなんか生まれなかったはずだ。

私たちの生活を便利に、豊かにしているのは何気ない、
一見どうでも良いことに思える「気づき」なのだから。

河豚ぢょうちんが便利か否かは別問題として。

現実逃避力を手に入れたとき、人は
新しい生きる喜びを知ったのだ。
現実から逃れようと努力することの素晴らしさ。
大切なことを後回しにする潔さ。

さて、そういう視点で現実逃避力を前向きに考えてみよう。

現実(この場合で言えば、仕事)から逃げようとするエネルギーを
何か別のことに役立てられないだろうか。

発電する。うーん、プロセスが思いつかない。
滝に打たれてみる。寒いからイヤだな。
部屋の掃除をする。面倒くさい。
歌手デビューする。よく分からない。
適当な文章を、適当に書いてみる。……あ、これじゃん。

あ、そろそろ本日文の現実逃避エネルギーが切れてきた。

これにて、本日の現実逃避はおしまい。

003 戦うおばさん

毎日、JR千種駅を利用している。

実は千種駅のキオスクに、強烈なおばさんの店員さんがいる。

歳の頃なら50代半ば。

外見は、たとえば世界中の人々の顔を2種類に分割した場合、
必ず宜保愛子とデヴィ夫人と同じ側に入れられるという系統の顔。
分かりやすくいえば、岡八郎と同じジャンルの顔だ。

すまん。よけいに話を混乱させた気がするが、
要するに、そんな人だ。

この人、何が強烈なのかと言うと、商品と一緒に「喧嘩」を売っているのだ。

客はもちろん、同僚のおばさんや、通りがかりの人や、迫り来る電車など
世の中のあらゆる物に対して「喧嘩腰」なのである。

常に戦闘状態にある彼女の動作には、一切の無駄がそぎ落とされている。
ひとたび客を前にした時、その眼は刃より冷たい光を放つ。

客が商品を手に取った瞬間、一瞥をくれると「120円」と短く言い放つ。
その言葉が言い終わらぬうちに手が出て、代金を催促する。

気の弱い私は、もう「とりあえず謝っとこう」モードに突入している。

しかし、そういう時に限って、私の財布には500円玉しかなかったりする。
なるべく目をあわさないようにしながら「すみません」と代金を支払うと、
コインを奪った手が引っ込み、ボクシングのワンツーと同じタイミングで
目の前に釣り銭が差し出される。
しかもこちらが受け取る前に「ありがとうございました」を
舌にターボがついたかと思うほどの高速で唱え、
言外に「早く釣りを取れ」とプレッシャーをかけてくる。

私の生命力ポイントが見る見る減って、その代わりに
緊張感ポイントが急上昇していく。

もしここで釣りを落としたりしようものなら、どうなるのか。
まさか「ちゃんと受け取りな!」と罵倒されたりしないか。
「このグズ!」とか「ヘタクソ!」とかなら十分ありそうな気配だ。
いずれにせよ、「ちっ!」と舌打ちされるくらいは覚悟しなければ。

ああ、早く取らねば。落とさないよう、お釣りを取らねば。
おばさんの金壺眼がこちらをにらんでいる……。

恐る恐る出した手のひらにお金を押し付けると、
おばさんは次の客の挑戦を受けて立っている。

こうして私は、右手に釣り銭、左手に中京スポーツ、
そして胸いっぱいの敗北感を抱きしめながらキオスクを後にする。

いつか、あのおばさんに勝利する日は来るのだろうか。

002 反省文

反省した。海より深く、山より高く、藍より青く反省した。
昨日の文はさすがに長い。長すぎた。長すぎたかおる。長すぎた玄白。

だいたい、面倒について語る男が、あんなに長い文を
面倒がらずに書くのがおかしいな林檎は東京事変。

でも本当なんだから仕方ない。

ときどき、お客さんのところへ行ってコートを着たままでいると
親切な人から「寒いんですか?」と質問されることがある。
そういう時、つい困惑してしまう。
星より遠く、伊勢うどんより太く、細木数子よりふてぶてしく困惑する。

別に寒いから着ているわけではない。
脱ぐのが億劫なだけなのだ。

だから、そのケースにおける正確な質問とは
「面倒なんですか?」以外にありえない。

すると私は、全身全霊を込めて「はい」とうなづくだろう。

それにしても、テレビで細木数子を見かけると
なんだか大損した気分になるのはなぜだローランド桐島。

001 面倒な果実

今まで誰にも打ち明けたことがないのだが、
私は極度の面倒くさがり屋である。
これは面倒くさそうだと思うモノには、絶対に近づかない。
というか、私の中に高性能の面倒センサが標準装備され、
事前に「面倒源」を感知するやいなや
けたたましいアラートを鳴らして教えてくれるのである。

たとえば。

ブドウだ。漢字で書くと「葡萄」。
もう字面からしてアラート鳴りっぱなし。

あの小さな果実を口に入れるために、私たちは
まず、房から実をもぎ取る作業をせねばならない。
ただもぎ取るだけではない。つぶさないよう、落とさないよう、
細心の注意を込めて力をコントロールしながら。面倒だ。

口の前に持ってきて、ブチュっと実を出すのだが、
これがまた厄介な苦労を強いられる。

指に力を加える方向と強さ加減が難しい。
つぶしてはダメなのだから、指の腹から指先に向かって
力点をスライドさせながら、じわじわと力を加えていく。

そんな私たちがめざすゴールが、これまた厄介だ。
私たちの目的は、ただ力を加えるという動作だけで
葡萄の皮と実を2つに分かち、そのうえ皮に亀裂を作り、
その亀裂から実だけを飛び出させるという複雑な作業なのだ。

ああ、もう、書いてるだけでイーッて走り出しそうなほど面倒くさい。

これだけでも、葡萄がいかに古典物理の法則に縛られた
イヤらしく面倒くさい食べ物であるかが理解いただけるはずだ。

しかも。

飛び出した実の向かうベクトルの先に
自らの口を開けて用意しておく必要がある。

ところが、いかに私たちが緻密に計算したとしても、誤差はつきもの。
だから私たちは、計算上、実が飛び出すと思われる方向よりも
心持ち口を大きく開けなくてはならないのである。

これがいただけない。

口を大きく開けて、食べ物が飛び込むのを待つ。
これがツバメのひなであれば「きゃわい〜い」で済まされるのだが、
人間的にはどうか。そこに一片の疑問も抱かないでよいものか。

さらに言おう。

果汁が指から手のひらを伝い、服の袖口に入り込む不快感。

なぜ人は、そこまで精神的ストレスを感じながら葡萄を食うのか。
そもそも人間って何だ、と考えさせられる秋の休日。

ああ。葡萄って、面倒のすべてが凝縮されている。
辞書で言えば、面倒業界のジャポニカ。
競馬で言えば、面倒業界のジャパンカップ。
芸能界で言えば、面倒業界のJJS。

こうして、まるで伝説の龍を倒すかのごとき苦労を重ね、
ようやく口に入れた小さな小さな果実から
驚くほど大きな種が出てきた時の落胆ときたら!

それが面倒で、私は葡萄を食べない。

000 はじめのことば

突然、思い立ってブログを始めることにしました。
いえ、別に「ブログ面白いですよ〜」と勧めてくれた
S社のAさんが美人だったから、という理由ではありません。

ま、それも大きな理由なんだけどさ。
ああ、どうせそうだよ。
おいらはそういう人間だよ!

……えっと、いきなり開き直って申し訳ありません。

別に日記を公開したいのではありません。

書きたい時に、書きたいことを、書きたいように書こう。
それが、ブログなんて似合わぬものに
手を出してしまった理由です。

いや、ホント、理由はこれだけ。

コンビニで万引きを見つかってバックヤードに連れていかれ
ポケットの中からつまみ出された未清算のパンダーZのように
本当にこれだけなんです。出来心なんです。

ですので、読んで得するとか、賢くなるとか、
そういうアレでは決してありません。
明日、すぐ使えるアレでもありません。
まして面白さなど期待されると迷惑この上ありません。

などと、なるべくハードルを下げようとしている
私がいるのですが、それは内輪話なので忘れてよし。

でも、何かの間違いでもよいからアナタが読んでくれると、
アナタは迷惑かも知れないけど、とりあえず私が嬉しい。
コメントを返してくれた女性には、ほおずりしてあげたい。

とりあえず、いつまで続くか分かりませんが、
作ってしまった以上は、男として責任を持ちます。

以降、よろしくお見知りおきください。
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カチロー

出任せライター
蕎麦と落語と上田現さんと筋肉少女帯と憂歌団とキャンディーズとバナナマンを愛する昭和のオヤジ。酒といえば日本酒。尊敬する馬といえばサイレンススズカ。クレイジーといえばキャッツとケンバンド。ももクロは緑寄りのハコ押し。エビ・カニ・リベラル・特亜とは不倶戴天の間柄。

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