ギリシャ5日目 カランバカの町〜アテネから北西に173km地点 教会裏

 メテオラ非常に興味深かったのでもう1日くらいかけて見学するのも吝かではないのだが、計算してみたら既にギリシャ滞在スケジュールはカツカツで余裕1日も存在しないことが判明した。つまり雨に降られたとしても休めないということです。

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 どうしてこうなった

 なおこのホステルに4組も自転車旅行者が宿泊していて驚いた。超絶観光地の割にカランバカの町にはホステルが2軒しか無いみたいで皆ここに集まって来るのかもしれん。

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 やや高いけど居心地良い宿でした

 ということでゴールのアテネに向けて走行開始。別に脇目も振らずアテネを目指すわけじゃないのだけれど、ギリシャのみならずヨーロッパ全体をして実質ゴール地点はアテネと言えるため、いわば欧州ラストスパートに入ったと言っても過言ではない。

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 振り返るとそこにメテオラ 

 今年中にヨーロッパ抜ければ本旅行で初の1年の間に2地域を走破した年となるのであり、凄いなこれはヨーロッパ総括作るの面倒くさい。

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 まだ全く手をつけてないんだよね

 私の個人的なブログ作業は置いといて、カランバカ以降の道は完全平坦路で走りやすい道が続く。途中に大都市トリカラの町へ入ってしまい走行ペースは落ちたものの、全体で見れば非常に速い速度で移動していることだと思う。

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 ギリシャは「分かってる」自転車道を造る国だな

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 こういう日に距離稼いで後日楽になるようしたいところ

 トリカラ抜けた後はEOー30号線という道路に入って南下していく。多分そこそこ規模の大きな幹線道路と表現しても差し支えない道だろうに、交通量が非常に少なく全然車の姿を見かけない。

 自転車的な立場からすると大変ありがたいと言えるけど、ただでさえ経済破綻を経験してるギリシャとしては、こんなコスパの悪い道路作ってちゃ駄目だろうに・・・とか余計なことを考えてしまう。

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 看板にアテネの表記が出始めた

 広大な平野はその多くが耕作地であるらしく、特に本日後半戦は綿花の栽培エリアであったように思われる。やたらと道路脇にワタが転がっているし、走っていると風に乗って飛ばされた糸が身体や自転車に巻きついてうざったいため。

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 全て拾ったら寝袋10本分くらいにはなりそう

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 収穫時期を終えてるのか畑はほとんど禿げ上がってた

 ひたすら楽して走っていたが、距離90kmを過ぎたところで目の前に峠が出てきたのであり、流石に楽しすぎだとギリシャさんから物言いが入ったか。

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 ということで本日ラストはヒルクライム

 獲得標高500m近いそれなりの坂だけど、道中の行程あまりにも楽だったためか両足全然疲れてなくて、思った以上に楽だった気がする嬉しい誤算。山の上が町になってて水と食材の補給もこのタイミングで出来るのも良かった。

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 ここがジャスト100kmだった記憶

 買い物終えて町から離れてテント張れそうな場所を探したが、辺り一面農地で身を隠せそうな場所が出てこない。日も落ちてしまいどうしたものか・・・と思ったが、上手いこと教会が出てきたので道路から見えない建物裏側にテント張らせてもらい終了とした。

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 ギリシャ正教会は水場併設されてるパターンが多くて助かります

 仮にこのペースで走れればアテネまで余裕で到着できる算段なのだけども。確実にそうはならないという確信あるのが情けないところ。行きたい場所がたくさんあるのだ。

 2023年11月30日(木) 走行距離107km  累計144055km

 ギリシャ4日目 廃墟〜アテネから北西に約270km カランバカの町

 昨日はほとんど横になってた関係でなかなか寝付けず、かといって目を覚ますタイミングはいつもと同じ時間という不条理。オマケに横になりすぎて腰が痛い。エアーマット使うと腰が痛くなるのは私だけなのだろうか?

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 外は真っ白だけど

 とはいえ吹雪いてた昨日と比べりゃ視界も良好で雨も止んでる好条件。これ以上廃墟に留まる理由はないのであり、いそいそと出発準備を始める茶壺さん。

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 どうもお世話になりました

 不思議なのが一昨日には雪が積もった上に凍り付いてた路面だが、今日の時点で綺麗に無くなっていたこと。素直に考えるならば昨日の雨が存外温度が高く、それによって雪と氷が洗い流された・・・ということになるのだが。いや本当か?昨日も寒かったぞと私は疑問を呈したい。結果的に自転車乗って移動できるから助かったのだが。

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 1kmも進まず頂上に

 凄まじい強風に煽られ記念撮影もままならず、流されるようにダウンヒルスタート。この時点で東の空にはチラホラと青空が見え隠れしていて勝利を確信していた私。

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 10kmも走らずこの天気ですよ

 やはり峠が天気の境目となっていたようで、進めば進むほどに青空の割合が増えて路面も乾いていく。2日前限界ギリギリまで進んだ判断は間違いでなかったのだと今になって思う。

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 気温もグングン上昇中

 下り坂の途中なのに暑くなってバラクラバを脱ぎ、冬用グローブから指抜きグローブへと切り替える。何なら上着も交換したいところだが、それはバッグの奥底に収納してるので手間を考えると実施する気になれず。

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 良いよね、山にへばり付く町の姿

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 お、あの岩がメテオラかな?

 多少の登り返しはあったものの、非常に楽して標高200mまで下がる。気温もアドリア海沿いより高くなって20度を超えるまでとなり、これでまだ暫くは気楽なサンダルスタイルでの自転車旅行が続けられそう。

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 はい近づいてきました奇岩群

 ギリシャといったら多くの人はオリンピック発祥の地とかギリシャ神殿をイメージするかと思うけど、ここメテオラはそうした土地に並ぶギリシャ有名観光地の一角。

 奇岩の上に造られた修道院の数々は、その独特な地形から是非とも訪れてみたかった。例え雪で覆われた峠を通ることになろうとも、だ。いやまぁ結果論。

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 岩石系の観光地が好きなのです

 奇岩の上にある修道院へは自転車によるアクセスも可能のようで、ここはひとまず麓のカランバカにあるホステルへチェックインして荷物を全てデポ。空身となった状態に一眼レフ引っ提げて登坂開始!

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 実は斜度そこまでキツくなかったが

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 フルパッキンだったら時間的に厳しかったとは思う

 奇岩の上に建てられた主な修道院は6つ。それぞれ別口に入場料金必要なのが嫌らしいな、面白そうな建物だけ見学してみようかな。とか色々考えていたが、無駄だった。

 修道院の解放時間は割と短いようで、私が訪問したタイミングでは全ての修道院が既に営業終了となっていたため。ギリシャの滞在期限はかなりタイトなので明日再訪する余裕はないため修道院見学はそもそも無理筋であったワケだ。

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 まぁ見たかったのはこういう光景なのでそれほど文句はない

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 良いよね岩にへばり付く建物って

 似たようなスタイルでミャンマーでも細い岩山の上にお寺を建設していた記憶があるのだが、宗教系の人たちというのは岩へと寄り集まって住みつく習性でもあるのだろうかと不思議に思う。

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 修道院ばかり撮影してるけど

 この建物が建築されるより以前から、宗験者の人は岩の窪地や洞窟に住みついて生活をしていたのだそう。あれだけ不便に思える岩の上ハウスだが、言ってしまえば居住性も利便性も大きく向上された結果の賜物というワケだ。

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 現代なんか最寄りの場所まで道路敷かれてるもんね

 最後の6つ目に当たる修道院のビュースポットで車旅行してる夫婦の方とお喋りしながらサンセットのタイミングを待っていたのだが、西側に大きな山があるせいで夕陽に染まった修道院を拝むことは出来ず仕舞い。何だよ地図に書かれてたサンセットビューポイントというのは。

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 何にしても非常に見応えのある場所でした

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 ここは機動力のある自転車が活躍する系の観光地だったのも嬉しい

 修道院を繋ぐ道はちょうど円を描くように1周してカランバカの町へと戻ることができる。完全に真っ暗となる前に宿へ戻り、そのまま4日ぶりのシャワー浴びつつ各種電子機器の充電に洗濯にと大忙し。

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 ビールが解禁されました

 東欧に入って忘れてたけど、ヨーロッパを走るということはシェンゲン協定との期限と常に追いかけっこするのだということを思い出したくないのに思い出した。

 2023年11月29日(水) 走行距離75km  累計143948km

 ギリシャ3日目 廃墟

 厳しい上り坂となった昨日の疲れを癒すというか、朝からずっと雨や雪が降り続けてるため身動き取れず寝てばかり。まぁこうあることは分かってたので文句はない。

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 雨も凌げて助かりました

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 外は真っ白の世界

 標高にして1700mほどの場所だが思ったより気温の落ち込みが強くなく、寝袋さえあれば割と暖かな感じで過ごせた深夜。やはり風が当たらないというのが大きいか。

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 ところでこの廃墟

 過去様々な廃墟をお借りしてテント張ってきたけど、随一のホラーゲーム風味を誇る建物だと感じる。

 元々は峠の山頂にあるカフェレストランみたいな施設だったのだろうが、高速道路が開通したことで利用車両が急激に減り、需要の低下と共に役目を終えたといったところ・・・と想像するが、そんな建物の割に2階部分も広いし家畜を飼育してたと思われるスペースもある。

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 せっかくなので色々撮影

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 窓ガラス割れてると風が通って寒い

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 1階部分は物が散乱してて足の踏み場もない感じ

 こういう場合に1番怖いのは間違いなく人間なのだが(こういう廃墟に集まって飲んだりドラッグやったりする輩はいる)、このクソ寒い時期にわざわざ雪を乗り越え山の上までやって来るアホは私を除いて誰もいないようで一安心。

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 糞塗れでここにはテント張れない 

 ごく稀に外の道を車両が通る音も聞こえるため、一応通行止めにはなってないみたいだし。天気が回復したらサッサと山の向こうに抜けてしまおうと思いつつテントの中。

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 あの辺が水場だけど雨激しくて外出たくない

 ちなみに本旅行において野宿で丸1日動かず終わるというパターンは非常に珍しい。7年以上こんなことやってるけど恐らく5回も経験してないのでは?と思われる。

 つまり現代の自転車旅行は事前に天気予報を調べていけば、そうそう長雨に捕まってどうにもならない・・・という事態に陥ることは少ないと言えるのかもしれない。バルカン半島の国々なんか雨停滞たくさんあったけど、毎回事前予測して宿取ってたし。

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 そういう意味では貴重な1日でした

 2023年11月28日(火) 走行距離0km  累計143873km


 2023年11月13日〜11月26日
 走行日数14日間
 累計走行距離486km(143261km〜143747km)

◎道路
 すごく良かった。結構路面が悪い道もあるけど全体的に側道を取ってくれてる割合が多いため不安なく走れるという点が大きい。その一方でちょっとローカル道走ろうものなら酷い未舗装路となってしまうのも事実であり、アルバニアにおいてはヨーロッパよりも少々途上国での道路選択方をセオリーとする(基本的にルートは幹線道路をメインに考える等)のが正解だと思う。なお車両は右側走行。
 地形的にかなりアップダウンのある国で、内陸部を走ったり国内を東西に横断しようとすると山登りは避けられないし、ベラト以南の土地は内陸部だとほとんど舗装路が通ってないレベル。ただし山の高さはそこまで凶悪な程ではなく大体1000mをマックスだと考えておけば良いと思う。斜度に関してもかなり緩やかに造ってくれてる場所が多いため、難しいというほどではない。
 楽なルートとしては海岸線に沿った道も延びており、こちらならば多くの場所を平坦路で走ることも可能だったりとなかなか懐の深い国という印象だ。

◎治安
 入国早々にトーチカの残骸目にして物々しい雰囲気なのか・・・?とビビったが、実際のところアルバニアの雰囲気は非常に緩やかで治安に不安を感じることは少ない。というか首都のティラナ町中ですら住民が家のドアを開けっぱなしにしていたりするし、私が泊まったホステルも同様なので盗人が入ったりしないかとドキドキしたぞ。
 そんな感じで牧歌的な国だなと思ったし、田舎に関しては全然気にするような危うさはなかったけれど、ゴミを漁ってる人を日常的に見かける等の貧困さは所々で感じるため油断しすぎるのは禁物か。

◎ビザ・出入国
 少なくとも陸路国境の出入国に際しては、スタンプを押さないという謎の制度を取っているっぽい。確かに隣国の出国スタンプ日時を確認すればある意味アルバニアのスタンプは必要ないかもしれないが、よく分からんことやってると感じたし単純に不安なのでやめてほしい。
 審査自体は無茶苦茶適当であるため特別気にするようなことはなかったかな。

◎交通事情
 この国に来て車両がクラックション鳴らす割合が大きく減り非常に好印象。民族的な点からコソボ と似たような感じと想像していたが良い意味で裏切られた。
 そもそもの交通量が少ないということもあってか、自転車を追い抜く際にも反対車線まで大きく距離を取ってくれる運転手が多いし、逆走や信号無視といった蛮行を行う輩を見なかったことも素晴らしい。
 褒めばかりだが凄まじい速度で一般道を爆走するヤンチャな車両もいるし、狭い道路で自転車の脇ギリギリを追い越す無茶をするトラックにも遭遇した。まぁ全体的な傾向としては非常に素晴らしいという感じ。

◎特徴
 これほど特徴の多い国も珍しいと言えるほど尖った国のアルバニア。1990年という近年まで鎖国政策を実施しており「ヨーロッパの秘境」なんて呼ばれ方していた。これにより国境付近には外敵から身を守るための無数トーチカが建設され、1度も使われることのないまま現在でも残り続けている。
 他にも国家無神論政策という国内にはいかなる宗教団体も存在しないと国が宣言した(現在どうなってるのかイマイチ分からん)りと、なかなか強烈な舵取りをしていたホッジャ首相の独裁政権が終わり、鎖国政策が解かれたと思ったら今度は国民の3分の2以上がネズミ講に参加してしまい、というかむしろ政府がこのネズミ講に加入するよう推奨していた始末。
 当然程なくしてネズミ講は破綻してしまい、多くの国民が文無しとなり暴徒化。そのまま紛争状態に突入してしまい、近隣国の助けを得ながら治安回復した後も現在ヨーロッパ最貧国として知られている・・・という近代史だけでも波乱万丈すぎる。
 でもその割にアルバニア国民は自国の国旗プリントされたグッズとか大好きだし、その手の土産物屋も数多いんだよね。そんな唯一無二の独自性を持ってる国なので、面白いかと問われればそれはもう無茶苦茶面白い国ですよ。

◎気候
 地中海性気候にあたる国のため、この時期は雨が多いということに途中で気づいた。実際この時期のアルバニアは最長で3日間しか晴れた日が続いたことがなく、結構な割合で雨を降らせてしまうためルートを考える際に困りがち。
 風は全体的に北から吹いてた印象で、このため南下している私には基本追い風となって助けてくれることが多く楽ができた。その代わり吹き付ける風は非常に冷たいもので、いよいよアルバニアからは服装もラフな夏服から冬服に切り替わった感じがある。なおテント泊すると朝にはペットボトルの水が凍ってたりしたので気温も氷点下まで落ちていただろうし、日中もティラナを散策してる時には24度まで気温上がったことがある一方で、それ以後は最高気温も15度前後で推移していたため丁度季節の変わり目であったのかと想像する。

◎言語
 アルバニア語である。区分としてはルーマニア語やブルガリア語と近しい言語らしい。地理的にイタリアと近いためか、割とちょいちょいイタリア語で会話している人を見たのが印象深い。
 英語の通用率は5割といったところだろうか。学生くらいの年嵩の子がよく英語で声かけてくれることが多かったイメージで、学校における英語教育に力を入れているのかもしれない。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 主要都市や観光地ならホステル系の安宿で1泊10€の予算を見繕っておけば大丈夫かな?という感じ。何処も設備は一応整ってた・・・っていうレベルなのだけど、バラトで利用したホステルは完全に1段上といった印象。ここだけ朝食サービスも付いてたしね。
 意外と小さな集落が点在していて人がいないエリアというのは少ないのだが、野宿もほぼ気にすることなく出来る雰囲気だし何なら宿泊地を提供してもらうこともあった。都市間の距離が微妙に遠いので、普通の町にある宿泊施設を利用しない場合は安宿のみを繋ぐのちと厳しいため割とテント泊も多かった気がする。それとジロカストラでは体調崩して宿の方々に大変お世話になりました。
 なお町中におけるFreeWi-Fiの設置率はかなり低い。なんだかんだガソスタで2度Wi-Fiをゲットしてるのだけど、基本的にアルバニアではFreeのWi-Fiを当てにするより素直にカフェみたいな施設を活用した方が良いと思う。飲食関係のお店は料金安いので懐もそれほど痛まないし。

◎動物
 いつもの家畜シリーズでヤギや羊、馬を見ることが多かった反面、牛や豚の姿は目にした記憶がない。基本的にはイスラム色の強い国だから豚は分かるが牛に関しては忘れてるだけかも?
 寒くなってきたので蚊を始めとする小さな虫に困らされることが減ったことが有難い。またアルバニアでは隣国と比較して割と犬の攻撃性が低く、また敷地内の柵がしっかりしてるため余り犬に追いかけられることが無かった点も好印象。でも1〜2回くらい追いかけられたが。

◎自転車店
 意外だった点でアルバニアは首都ティラナを中心に割と自転車需要の高い国であること。きたマケドニアよりは少ないものの、しっかりしたスポーツバイクに乗ってるローディを複数回見たしティラナ の町中に自転車商店街があったことも驚いた。ここでマラソンプラス取り扱ってるショップもあったし、思ってるよりアルバニアは自転車関連の部品が充実してるのかもしれない。
 なおティラナを離れるとロード乗りも自転車ショップも見かけることは無くなったので、この国でトラブル発生した場合はとにかく首都へ向かうのが間違いない対処法だと思う。

◎物価・食事
 最初ティラナで買い物した時は「アルバニア無茶苦茶物価高いじゃねーか!なんだこの国!?」とか驚いたが、基本的にティラナの物価が非常に高いこととアルバニアは商品によって値段の上下幅が異様に大きいため、物を選んで買い物するということが大切だと段々分かってきた。
 例えば肉類は普通に購入すると日本より高いことが多い一方で、冷凍されてる肉ならば非常に安く購入することができる。
 ちなみにビールは相当値段が上がり、1.5ℓタイプのペットボトルで200レク(約320円)というのが多分最安。バルカン半島の国で1番お高いのではないかと思われる。
 面白いのが対人関係の食堂やレストランといったお店はむしろヨーロッパでも最安値に近い料金で楽しめる点で、私はお昼によくファストフードのケバブ屋とか利用してたが安けりゃ1食120レク(約190円)とかの料金で楽しめる。
 ということでアルバニアでは自炊による金銭的なメリットが薄いため、もうちょい積極的に食堂とか利用しても良かったかな?という気持ちもある。ティラナの中央広場すぐ側のレストランですら生ビール100レク(約160円)とかで飲めたので、アルバニアにおける飲食関係の人件費が気になってしまうレベルだ。

◎総括
 いや面白い国だったなアルバニア。情報だけ調べるとその特徴的な歴史や政策にばかり目が行くが、この国の素晴らしさは人たちのフランクさと親切心にあるというのが私の感想で、(他地域と比較して)あまり旅行者に対して積極的に話しかけてこないヨーロッパとは思えぬアグレッシブさ。田舎町で見知らぬ子供に声かけられたり挨拶されたかと思えば、そんな彼らが私を指してギャハハと笑ってる(おそらくは中国人だと嘲笑っている)そんな光景がこの土地で見れるとは。
 そういう意味でアルバニアはこちらが特別アクションを起こさずとも向こうからイベントが押し寄せて来る系の国といえ、悲喜こもごも良い経験をさせてもらいました。
 自転車で走るには内陸部ほど未舗装割合が増えて難しくなる一方で、海岸線ベタ付けルートならそうした問題からは解消されると両極端。私はちょうどその中間くらいをルートプランニングした印象。
 ヨーロッパでは他国とちょいと異なるテイストが味わえる国だと思うので、ある程度欧州回ってから訪れてみるとより楽しめるのではないかと思います。

 ギリシャ2日目 ヨアニナの町〜アテネから西北西に296km地点 廃墟

 ガッツリ峠越えの1日だけど目を覚ましたのは7時半とかなり遅い。まぁ昨日から時差1時間発生してるので、実質6時半と考えれば普通か。都合の良い考え方だな。

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 湖から3mの場所

 出発準備を終えて直ぐに山へと向かうわけではなく、一旦ヨアニナの町へと引き返しスーパーで食料買い込む。次にスーパーが出てくる規模の町が120km先なんだけど、今日中にガッツリ峠越えしてそこまでたどり着くのはほぼ不可能なため。

 つまり今回は、明日の雨を考慮に入れて丸2日分の食材を積載してのヒルクライムとなる。重量増加がそのまま負荷となる上り坂において、なかなか厄介なウェイト増加といえるがまぁ頑張るか。

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 準備できたし行きましょう

 テント張ってた湖畔の北側を回るようにして進むと東側にそびえ立つ山脈が。この山だけでも上の一苦労と感じるが、山頂に雪が見えないあたりコイツはまだ楽な方なんだろな。

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 お、楽しそうな小島が

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 その向こうにはヨアニナ城

 ギリシャで現在でも人が居住している唯一のお城と聞いて、ちょっと興味はあるのだけれど時間がないので訪問はスルー。計算上、今日の峠は休まず走り続けてギリギリ日没までに越えられるかどうかという標高と距離にあるので。

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 じゃあもっと早起きしろよな

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 1本目の峠山頂

 ここを越えると大下りとなり、谷間となってる川を越えるべく500mまで標高下げる。その先から再び峠が始まる2段構えの構成で、ここからが本番といっても過言ではない。

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 雪山が見えることからより標高も高い

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 谷底の集落でお昼休憩して午後スタート

 すぐ隣を高速道路が通っている関係で、旧道となってるこちらの道は交通量がほぼ0なのがありがたい。気持ちとしては「車なんざ疲れることもないのにアップダウン少なくトンネル通過して楽な道を走ってるとか許せんな。道路交換しろとは言わないが、せめて自転車もそっち走らせろや!」くらいには思ってる。

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 山腹の狭い道がぐねぐね続く

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 ガレが残っていたりと危険な道なのであろう

 途中で小規模な集落がちょいちょい出てくるが、想像してた通りマトモな商店の姿はない。多少上りがしんどくなろうとも食材を最初に買い込んでおいたのは正解だった。

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 雪山と標高差がなくなってきた

 15時ごろから西の空が徐々に雲で覆われ始め、天気予報通りなら夜から雨が降り出す見込み。いわゆる雲との追いかけっことなってるワケだが、私が追いつかれないよう必死にペダルを漕いでも時速6〜7kmが良いところ。

 16時、山中にあるかなり大きめの町メツォヴォとの交差点に差し掛かる。なんか観光地らしいので時間に余裕があったらちょっと寄り道・・・とか考えてたけど、余裕全くありません。このままいくと日没と同時に山頂到着の見込みで休むことも許されません。

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 ということでここもスルー

 お昼時には汗をかいてたこともあったが、ここまで登ってくると気温は低く寒さも厳しい。上り坂だけど冬用装備をしっかり着込み、最後の上りだともう一踏ん張り先を急ぐ。

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 周囲には雪がチラホラ見える

 ところが山頂まで残り4kmというところで道路が冠雪&凍結状態に。多少の雪ならそのままイケるか?と突っ込んでみたが、タイヤが横滑りして全く走行できやしない。まさかの最後は押して進む羽目になろうとは。

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 この時点で日中の登頂は諦めた

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 もう完全にアイスバーンだし

 周囲はどんどん暗くなり、車の1台も通らない道をひたすら自転車押して進む。とにかく落ち着ける場所を見つけないとテント張るのもままならない状況であり、どうしたものかと思っていたら。

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 山頂直下に建物の影が

 そういえば看板にも山頂付近の施設まで○kmと表記があった!しかし門を叩くまでもなく廃墟であることが分かってしまい、まぁそれでも構わない。とりあえず雨風凌げる建物が出てきたことは幸運だったと中でテント張らせてもらうことに。

 幸いすぐ側の小川から水は補給できたし食材も持っている。とりあえずここで明日の雨をやり過ごして、明後日天気が回復することを願うばかり。なおこの山を起点にして西は雨、東は晴れてる予報だったのだが、山頂は晴れるのだろうか?

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 考えても仕方ない

 2023年11月27日(月) 走行距離65km  累計143873km

 アルバニア14日目&ギリシャ1日目 ジロカストラの町〜アテネから西北西に約310km ヨアニナの町

 不安で仕方なかったが、夜中に腹痛が起きることなく無事朝を迎えることが出来て一安心。病院もほぼ行っただけで特に処置とか無かったと思うのだけど、もしかして点滴の中にすごい効能の薬でも含まれてたのか?

 ともあれ体調回復したので出発することに。正直まだ不安が消えたわけではないが、今日を逃してしまうと2日後からまた雨が続いてしまうため、なんとかこのタイミングで出発したかった。

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 合計6日間、お世話になりました

 オーナーにお礼いって出発し、石畳の坂を降りて幹線道路へ。この1週間で更に寒気が強まったのか、また一段と冷え込んだ気がするアルバニア南部。そろそろ北緯40度を下回るので日本でいうと東北地方のあたりか。そう考えると寒くても仕方ないと思えるな。

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 正面の山もバッチリ雪積もってるし

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 日向の道ならほんのり暖かい

 病み上がりの体に優しい平坦路&追い風のコンボで、それほどペダルを踏み込まずともどんどん速度が上がる。ギリシャとの国境まで30kmは何の苦労もなくあっという間に到着した感じ。

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 最後の最後にちょっとした坂があったくらい

 出国審査でもパスポート確認して受けた質問は「日本人か?」という1つだけ。やっぱりアルバニアの出国スタンプは押されず処理完了となり、世にも珍しい出入国の記録がパスポートに一切残らないアルバニアを去ることに。

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 向こうに見えるギリシャイミグレーション

 アルバニア側と違ってこちらは車両が長蛇の列をなしている。こりゃ相当時間かかりそう・・・と思いながら車の後ろについた私だが、ドライバーから「自転車は並ばないで良いよ、行きな」と言われたので、その通りにしてみたら本当に先に処理してくれた。これはラッキー。

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 ということでギリシャ入国したものの

 特段「ようこそ!」みたいなこと書かれた看板もなければ、山の中なのでギリシャに入ってどうこうという景色の変化もない。ただひたすら平坦だった道路はギリシャから突然上り坂へと切り替わった。

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 何で渓谷に道を通さなかったのか?

 どれだけ登ったのか確認してないが、峠を1本越えて坂を下りたその先にようやく幹線道路とぶつかるT字路が。ここまで20kmほぼ人家なしとはギリシャは割と田舎国なのかもしれん。

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 謎に戦闘機は出てきたな

 とりあえず道路を南下しヨアニナの町を目指す。ギリシャに入って通貨がユーロとなったので、ようやく枯渇していた現金を引き出すことができるようになったため。

 別にヨアニナでなくとも何処かATMが出てくればそれで解決する話だけど、結果的にヨアニナまでATMは1度も姿を見せなかったし。

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 ギリシャ入って道端にミニチュア教会をよく見かける

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 ようやく山岳地帯を抜けたか

 日が沈み始めるとどんどん気温が下がってしまい、大慌てで現金引き出したり水の補給したりと動き回る。なおギリシャはスーパー日曜営業してない系の国みたいだが、どういうわけかドイツ系スーパーのLidlが謎の日曜営業しており無事買い物できた。

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 ツイてたな

 というかバルカン半島諸国に入ってから、こうしたヨーロッパ地域の多くに展開してるスーパーやれガソスタが軒並み姿を消していたが、ここギリシャで再び姿を見せるようになったのはちと感慨深い。西欧の世界にきたのだなぁ・・・って。当然物価も西欧価格なのだけど。

 そのまま湖脇の草地にテント張って本日終了。明後日の雨が始まる前に大きな峠を越えて山の向こうに抜けることができれば天気はかなり安定する見込み。つまり明日は何が何でも峠越え完遂せねばならず、病み上がりだし割と心配しております。

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 まだお腹が不安なのでアルコールなし

 2023年11月26日(日) 走行距離91km  累計143808km

 アルバニア11〜13日目 ジロカストラの町

 ダメだった。激しい腹痛でマトモに眠れず最悪の状態。とりあえず宿に延泊のお願いしてひたすらベッドの上で横になる。

 熱や吐き気といった症状は全く出ておらず、胃の中に食べ物が入ると痛みだしそれが完全に消化しきると痛みも治る・・・というパターンであることに気づいたので、食当たりというよりは胃か腸のどちらかが炎症でも起こしているのかと想像するが。

 とりあえず体調マシになったタイミングで1度買い物に出向き、スーパーでフルーツジュースとか飲み物中心に買い込んでおく。これで暫く胃を休める方針でいきましょう。


 翌日。昨日の晴天から再び天候悪くなってしまい、そもそも宿の敷地から1歩も出てない私にゃ関係なかったが。丸24時間以上水分のみで食事取ってなかったため、そろそろ大丈夫かと夕食にホットミルクでオーツを作って食べてみた。

 このまま影響無いようなら回復したものと思ったが、日付の変わる0時前に再び激しい腹痛が襲う。そのまま痛みでほとんど眠ることもできず明け方までのたうち回っていた。


 更に翌日。流石にこのままでは不味いと判断し、オーナーに話してジロカストラ唯一の病院へ行くことに。心配したオーナーが車を出してくれたのは本当に有り難かったし、病院ですら英語の通じる人がほぼいない状況だったので色々説明してもらえたの助かりました。

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 点滴中

 心電図とエコー検査を受けた後に点滴打たれて2時間ほど待機。点滴終わったら病状の説明して薬とか処方してくれるのかな?と思いきや「問題なかったよ!お大事に!」と言われ終了してもうた。

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 マジかよ

 とりあえず薬の処方だけでもしてもらえるかと思ってたけど、そういうの一切なし。後で聞いたらエコーというのは腎臓とか中身の詰まった臓器に対して行う検査であり、そもそも胃腸の問題で実施するものでは無いそうだ。まぁアルバニアの田舎病院はこれくらいのレベルだということか。

 迎えに来てくれたオーナーに「とりあえず胃薬だけでも買いたいのだけど・・・」とお願いしたら「俺が持ってる薬をあげるから心配するな!」と言われてしまい宿に戻る。

 無茶苦茶寝不足だったので昼寝した後、不安で仕方ないけど夕食としてお粥を作ってみた。これでお腹が痛まなければとりあえず明日には出発したいところ。

 2023年11月23日(木) 走行距離0km  累計143717km
 2023年11月24日(金) 走行距離0km  累計143717km
 2023年11月25日(土) 走行距離0km  累計143717km

 アルバニア9・10日目 ジロカストラの町

 ジロカストラにて再び雨停滞。なんで最近こんな雨ばかり降るのだろうと調べてみたが、この辺は地中海性気候なのだそうで冬の時期にこそ雨量が増える土地だった。

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 だからかなるほど

 地味に2023年はスペイン・南アフリカ・バルカン半島と多くの地域で冬の地中海性気候に翻弄される旅程となってしまった茶壺さん。

 昨日も書いたがギリシャ入国したらのんびりしている余裕は無いのであり、休息と共に天候回復してくれることを祈っております。

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 一応天気予報では23日から晴れるみたい

 午前中はまだ雨も降っていないためジロカストラの町を観光しようと思う。先日のベラトに続いてここジロカストラも世界遺産認定を受けてるアルバニア有数の観光地。歩き回ってみようじゃないか。

 宿が旧市街の山の中腹に位置しており、オマケに石畳エリアという自転車でアクセスするには最悪の場所だったけど、山頂にあるお城へアクセスしやすかったり悪いことばかりじゃない。

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 とはいえ個人的には麓に宿ある方が良い

 非常に狭くて急斜度の道だが、そんな場所でも普通に集落が広がり人々の生活があるのは不思議な気がする。だって100m坂を下れば広大な平地が幾らでも広がっているんだぜ?

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 住めば都なのかもしれないが

 そういうのは旅ガラスの長期旅行者にはなかなか理解しづらいのだろうか?向こうからすれば東京の狭い土地でバカ高い家賃支払って生活してる姿は滑稽に見えるのかもしれないし。

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 ただ観光地だけあって客引きが多い

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 昨日現金尽きたのでお城の入場料払えず入口までの1枚

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 道だけでなく家屋の塀もほとんど石積み

 車両はルートを選べば一応この辺にも侵入できるみたいだが、現代における石壁の補修工事ですら重機も入らず人力作業が主となっている。そういうの目撃しちゃうと町を建築した当時の苦労を想像してはゾッとする。

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 大変すぎる

 ゆっくり一通り見て回り、最後に坂の下にある新市街まで降りてお買い物。一応坂の上の旧市街エリアにも個人商店とかあるのだが、普通に2倍近い料金吹っかけられたの昨日の話。ヨーロッパでぼったくりに遭遇するとはなかなか貴重な体験だ。

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 その時も断ってわざわざ下まで買い出しに来た

 現金枯渇した関係でカード払いとなるのだが、地味にカード対応のスーパーが少なく苦戦する。ようやく買い物済ませて宿に戻り、一息ついたタイミングで雨降り始めたので割とギリギリだったな。

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 夕食はひたすらコロッケ揚げてた

 この夕食後くらいから謎に腹痛が始まって、全身の倦怠感が出てくる症状が。流石に揚げ物で食あたりになったとは考えづらいのだけど、アルバニアの野菜なんて平気で傷んでる物売りまくってるので油断はできない。


 翌日。腹痛は激しく痛むというほどではないが、ずっと鈍痛が続いている状態でひたすらベッドで横になる。雨激しく降ってるのでどうせ外にも出れないし仕方ない。

 夕方に多少調子良くなったため、試しに夕食パスタ造ってみたが食後数時間で再び腹痛が。どうにもならず再びベッドとトイレを往復する状況に。こんな調子で明日出発できるのか?

 2023年11月21日(火) 走行距離0km  累計143717km
 2023年11月22日(水) 走行距離0km  累計143717km

 アルバニア8日目 道路脇〜ティラナから南に約140km ジロカストラの町

 非常に寝心地よかった場所だけど、家畜の放牧エリアっぽくて油断するとヤギだか羊の糞の上にテントを敷いてしまう危険性がある。昨日は明るいうちにテント設営できたから事前確認できたけど、日が暮れた後の野営はそこら辺が難しい。

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 テントに霜が降りるようになってきた

 平野で日当たり良好だったので出発前にテントを乾かしておく。今使ってるテントは内側完全メッシュ生地のタイプだけど、それでも最近は当然のように夜露で濡れるようなってきた。

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 気温低いが日向ならまだ余裕

 川に沿って進む道のためそれほどアップダウンは無いと踏んでいたが、思いの外小規模な上り降りが連続で襲ってくる。道路を川にビタ付けにせず、ちょいちょい川から離れて山へと向かうのだから当然なんだけどさ。

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 何故そんな道を造った?

 ただこの道は側道がしっかり確保されて自転車的には全くストレスを感じず走れることが有難い。天気も素晴らしく、左右に聳え立つ山々を眺めながら走るアルバニア田舎のなんと素晴らしいことよ。

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 途中で訪れたテレペナの町

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 そのちょっと先にはやたら天然水を推してる場所が

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 おお、完全に鏡面状態の湖

 お昼休憩を挟んでも13時半には目標地点としてたジロカストラの町に到着する。なんとなく分かってたけど川の両側に聳える山の斜面に家屋が造られており、自転車で走りたく無いタイプの筆頭みたいな町だ。

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 しかも宿は旧市街エリアだから石畳だろうし

 案の定、直線距離ではもう300mも離れてない場所から強烈な上り坂となる。オマケに路面もゴツゴツの石畳で滑りやすく、フルパッキンの自転車押して上がるのですら厳しいレベル。

 この区間だけで30分近く使い、ようやく安宿チェックイン。ジロカストラの観光は明日に回すとして、今日の内に衣類の洗濯やれ食材の購入と作業的なことを済ませておきたい。

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 もちろん徒歩で行きますよ

 かなり手間取ってしまい宿に戻ったときには真っ暗となってしまったが、帰り道から見えた山の稜線に佇むジロカストラ城の姿はなかなか荘厳であった。

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 ライトアップされてて綺麗だし

 一般家屋のキッチンを使わせてもらえるタイプの宿だったけど、このお家のキッチンがかなりレベル高いタイプで驚いた。多分奥さんが相当料理好きなのだろうと想像する程度には。

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 ということで夕食頂きまして

 ここでしっかり休んでおき、再びギリシャから滞在期限(シェンゲン協定)との追いかけっこに備えようと思う。ヨーロッパも残すところ僅かだ!・・・と思うのは些か時期尚早か。

 2023年11月20日(月) 走行距離52km  累計143717km

 アルバニア7日目 馬舎跡地〜ティラナから南に101km地点 道路脇

 なかなかの冷え込みで寝袋から這い出るのに気合が必要な朝。毎回これを経験すると「冬の到来だなぁ」とか思ったりするが、気持ちと裏腹に呑気なテンションでは居られない。

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 はよ暖かな土地に移動せねば

 ストーブの調子が悪くて整備に時間を要したが、そもそも急いでないし太陽が昇ってからの方が気温も上がって活動しやすくなるので有難い。難しいのは冬の時期だと日照時間が短い関係で、遅い出発だと走行時間が短過ぎてちっとも距離走れない点。

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 今日は9時半過ぎに出発

 坂を下ると大都市ヴロラに到着するのだが、町に入る直前で海岸方面へと進路を変える。というのもここの湾になってる場所に小さな島があり、そこへ桟橋を伝って移動できるというワクワクな地形が存在してるのだ。

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 それが見たくてここまで来た人

 防風林の中伸びる道を10kmほど進むと3日ぶりとなるアドリア海が。この旅行中にもう再開することはないだろう・・・とか書いちゃったけど、如何に私の予定が適当であるかを示している。

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 予定は未定だからさ

 木々を抜けて小さな集落を越えると見えてきたのは小島とそれに繋がる木造の橋。堪らないよねこういう景色。間違いなくあの島には重要アイテムが安置されてるぜ。

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 なお島内は撮影禁止らしく

 島に建築されてた教会は13世紀に造られた物だそうで、その割には造りがしっかりしてたし保全・修復がなされているかと思われる。残念ながら冒険の助けになりそうなキーアイテムは発見できず。

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 見つけたのはトーチカくらい

 実はアルバニアでは国境付近やこうした海岸沿いに多くのトーチカを見つけることができて、その理由が割と近年まで続けられてた鎖国政策に起因するものというのが面白い。カンボジア以外にも近代で鎖国をしてた国があろうとは。

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 同じ道を戻る形で今度こそヴロラの町へ

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 今度こそアドリア海ともお別れかな

 というのもヴロラの町から海を沿うように進もうと思ってないからだ。そもそもベラトを出てから次の目的地と定めていたのはジロカストラという町であり、時間的余裕があるのでヴロラにやって来たというのが正しい。

 つまりここから想定してたルートに戻るため、海沿いの道を走るのはなんだか違うな・・・という気持ちでして。

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 町を東に抜けるSH100という道に入る

 アルバニアの3桁道路なんてどうせ未舗装のダメダメ道だろうなと思っていたが、その予想に違わず峠道に入るなり未舗装へと様変わり。いやいや、こういうのは「予想に反してバッチリな道じゃないか!」とかそういう流れでしょう?

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 現実は無慈悲である

 幸いにして斜度は緩やかだし、山脈の北端を掠ってる位置なので山の標高も低め。場所によって地面が石で敷き詰められおりガタガタなのが気になるが、これくらいなら許容範囲よ。

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 ゆっくり進めば大丈夫

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 山頂到着してから下り坂始まるまでが長かった

 むしろ下り坂の方がスリップ注意して集中しっぱなしだし、ブレーキ握り続けて両手が痛い。稀にこうした「峠の登りよりもむしろ下りの方が大変」というパターンはある。

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 なんとか幹線道路に復帰

 これで後は気軽に走行できるでしょう!とか思っていたが、アスファルト復帰直後にまたしても上り坂。これは完全に想定外の坂であり、気持ちが全然準備できてないままにヒルクライムスタート。

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 この坂終えたら今日は終わりにしちゃる

 上りきったと思ったら、短い平坦路を挟んで2段目がある嫌らしいタイプの坂。体力的にはそんな問題となるほどキツくないが「一仕事終えて余裕綽々」というテンションでこの2段回ヒルクライムはしんどいぞ。

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 最初の峠より標高高かったし

 早くも太陽が沈みかかって来たため下り坂の途中で見つけたガソスタにて水補給、その後出て来た商店でビールだけ購入。なお食材に関してはヴロラの町中で事前購入してた。今日は日曜だし田舎のスーパー開いてない可能性を考慮して。

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 結果的に問題なかったけれども

 まだ空は明るいけれど、無理する状況でもないし道路から農地へと向かう獣道へ突入したところ、良い感じに道路から見えない空き地があったので本日終了。先ほど見つけた水道で足洗った関係で、指先の感覚が無い程度には寒さが厳しい。

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 もう暫くはサンダル履きスタイルでいきたいな

 月の形は三日月だけど、はっきり影が見えるほどに明るい夜。寒さで空気が澄んでるため光が通りやすくなる・・・とかそういう理由だったらロマンティックだと思うんだけど。

 2023年11月19日(日) 走行距離77km  累計143665km

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