自転車ときどき世界1周

 ニュージーランド9日目 クイーンズタウンの町

 予期せぬクイーンズタウン泊となったワケだが、長期的に旅行を続けていればそりゃまあ想定してない出来事も沢山ある。そういう時、如何に楽しめるかというのが大切なのだと私は思っており、両足痛いし疲れもあるしで豪華なユースホステルを存分に堪能することとする。

 いや違う、新しいテントを探すかリペアキットを見つけにゃイカンのだった。

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 お昼前まで部屋でダラダラと

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 しかし広いキッチンである

 さて旅行者の多いニュージーランドは抜群に自転車旅行者が多いことで(一部の人たちには)有名な国である。私は少々季節外れの時期に来ているからか、昨日マレーシア人のサイクリストとちょいと出会っただけであるが、夏にもなれば様々な国のサイクリストがこの国を訪れるのだとのこと。

 そうした需要に伴ってなのか、ニュージーランドの人や施設は実にサイクリストに対して理解がある。特にYHAことユースホステルは優秀であり、殆どの施設にバイク倉庫が完備され宿泊内容に「サイクリスト割引き」が存在する。

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 鍵付きなので防犯的にも安心

 この割引き、通称「Low Carbon Traveler」というらしく、ユースホステルの受付で一言「自転車旅行者割引きで頼むわ」とお願いするだけで1泊20ドル(約1500円)になるという優れもの。利用するにはユースのメンバーズカードの提出が必要なのだそうだが、特に求められることもなく。いいのかそんな適当で?

 町中のキャンプ場ことホリデーパークのテントサイトが17〜18ドルであることを考えると、この価格は実に素晴らしい。そりゃ私もクイーンズタウンに2泊もしてしまうってもんだ。

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 町自体は実に小規模

 一応オセアニアにおけるバックパッカーズハウスとYHAの違いを表しておくと、バッパー宿は比較的低料金で宿泊できるが、その内容・内装がオーナーやスタッフに寄って大きく左右される博打的要素が強いのに対し、YHAはユースホステル業界が定めた一定の基準をクリアしないとそもそも認定されることがない施設である。このため常に一定以上の高水準となっており、反面その料金はバッパー宿と比べるとやや高め。

 ニュージーランドの場合はバッパー=25ドル前後に対してYHA=28ドルくらいが平均かと。こうした点からも、如何に自転車旅行者割引きが素晴らしいサービスであるかがよく分かる。まぁどちらにしても分類は「安宿」なので、ドミトリーにおける共同寝室ですが。

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 幾つか回ってこのショップで新テントを購入

 ちなみにエリクサー2に関しては、購入したキャンプスターからポールのみを購入することが可能だと連絡を貰ったので、一旦日本に送って保管しといてもらうことにする。この調子だと、再びテントが予期せぬトラブルに合う可能性は割と有り得る気がするし。

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 後日テントはお披露目予定(設営して写真撮るのが面倒)

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 一仕事終えたのでカレー作ってビール

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 あとテント収納袋の修繕とかしたり

 1代目のドマドームライト2も2代目のエリクサー2も、僅か200回くらいしか使ってない。日本1周から数えて3年目にして早くもテント3代目。コイツとは長い付き合いにいなることを強く所望致しまする。

 2016年5月21日(土) 走行距離4km 累計39171km

 ニュージーランド8日目 ベンディゴキャンプ場〜クライストチャーチから西南西に約360km クイーンズタウンの町

 マットの有難みは寒いときほど強く感じる。勘違いされてる方がいるかもだが、マットの主要な役割は地面からの熱や冷気を遮断するという「断熱」にある。単純に寝心地だけを語れば、エアーマットなんぞ寝返り打てない邪魔者でしかない。

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 そんないつもの朝だったのだが

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 あまりにも風が強くてテント内にて朝食

 さて、朝食済ましたし恒例の雨も降り止んだし、テント畳んで出発するか!と作業したならば。あまりの強風でテントのポールが折れた。もう1度いう、テントのポールが折れてしまった。

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 私の心はかろうじて無事だった 

 どう考えても洒落にならないピンチであるが、こんな場所じゃ何ができるわけでも無し。とにかく今は先へと進むしかない。夜になったら「気のせいだった」ということで、直っていることに期待しつつの出発である。

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 フルーツが有名なんでしょ?

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 車の進化系

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 りんごとかそこら辺に生ってるのに

 さてニュージーランド南部の一大都市であるクイーンズタウン。というか南部における大きな都市は実質2つくらいしかなかったりする。とりあえず本気で寒いの嫌なので、ちょうど良い折り返し地点としてこの先は北上しようかと思いますん。

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 標高的にはかなり低いけど

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 何だかすごく高い場所を走ってる気がする不思議

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 バンジーとか飛び降りるだけなのにエラく高額な遊びだよね

 連日アップダウンを繰り返してきたためか、もはや両足がパンパンである。女王の町へとたどり着くのだから、長く厳しい道のりを越えて行くのは何だか正しい気がするけども。

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 都会の景色や・・・

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 実は山の斜面に沿って造られている町

 さて10kmほど離れたフリーキャンプエリアにて壊れたポールの修理である。こういう時のために補修部品とかあるわけで、この時までは割と楽観していたのだが。

 いざ修理してテントを立ててみればあら不思議!ポールのオス側が完全破壊されました。裂け目とかじゃすまない状況の中、もはや修理することも不可能な状態となった真っ暗闇の中。

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 こんなんじゃ駄目だったです 

 流石にこの寒さの中、テント無しで1晩を越す蛮勇さは持ち合わせていないので、ナイトランでクイーンズタウンの町へと逆戻り。そのままユースホステルへと逃げ込み新たなテントを買うべきなのか調べつつ。

 厳しい状況ではあるけども、それでも大きな町であるクイーンズタウンにいるということが救いだ。救いだということにしておこう。

 これが変な山中だったりした時には、正しい意味でのビバークをして凍死しないよう努める・・・という、自転車に乗って遊んでいるだけのはずが、生死をかけるサバイバルになるところだった。ああ良かった、ついてる私!

 明日の現実を直視したくない夜である。

 2016年5月20日(金) 走行距離100km 累計39167km

 ニュージーランド7日目 オマラマの町〜クライストチャーチから西南西に309km地点 ベンディゴキャンプ場

 使用しているテントこそメッシュ製で夏季に使用するタイプであるが、シュラフに関しては冬期における登山でも使われるような超分厚い物である。当初はテントとシュラフで全く異なる方向性の物を揃えてしまい、どうしたものかと思ったりもしたが結果的にこの選択は大正解であった。

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 今日はあんまり寒くない朝

 登山と異なり寒暖様々な場所へと移り行く自転車旅行では、装備を暑さ/寒さに対し極端に偏らせると、それに対応していない土地で体が疲弊してしまう。どちらの環境にもそれなりに対応できるような装備というのが、長期的な自転車旅行においては後から品物を買い足す必要がない「良いバランス」なのだと思う。いや、そうに決まってる。さすが私!先見の明が云々〜

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 日本語って難しい

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 とりあえずクイーンズタウンが当面の目標地点

 ニュージーランド全体で見れば、クイーンズタウンよりも更に南方へと進むこともできるのだが、良いです南方はお腹いっぱいです。少しでも北上して暖かい地域を目指します。

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 もう日本人の一生分くらい羊見たと思う

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 道路脇に生えてたリンゴ

 今日も今日とて峠を越える。毎日のように坂道を登らされるなんて実に新鮮であり、勘弁して欲しい。日本1周で毎日のように坂道を登らされたあの日々が蘇ってくる思いだ。

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 日陰に入ると途端に寒くなる

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 ニュージーランドが私の心を折りにきてる

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 でも標高は900m程度

 確かに山だらけの国ではあるが、実は坂の斜度はそれほど厳しくないニュージー。きちんと山間部に道路が伸びており、緩やかに高度を稼いでいく道となっているため、時間さえかければ自転車から降りなくては登れない道というのは少ない印象。まぁ、今のところ・・・だけれども。

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 木々の葉が無くなってきた

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 こんな崖だけども、コンクリで固めたりとかしてないぜ

 何が怖いって、普通に私が走ってるすぐ横で小さな石が崩れ落ちたりしてること。ちょっと運が悪かったりしたら、普通に直撃して大怪我じゃ済まなくなりそうだが。

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 ニュージーランドのレストエリアは基本何もない

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 崖かと思いきや羊の通り道

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 宇宙

 午前中に30km強しか走れなかった時に、なんかもう色々諦めた方が良いかと思っていたのだが、上り坂の後には下り坂がありますねそうですよね。

 結局トータルで見ればいつも通りの走行になったりしてて、途中の逡巡は何だったのか?私のドキドキを返して欲しいのですけども。

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 湖畔の無料キャンプ場でゴール

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 風防その他色々な用途に使いまくりの看板

 しかしニュージーランドは観光地の意味が薄いな。道中の道があまりにも絵になる風景ばかりで、走ってる最中が一番楽しい事実。この国に来たら、とりあえず適当な道を走り回るのが良いと思うのですよ、ハイ。

 2016年5月19日(木) 走行距離97km 累計39067km

 ニュージーランド6日目 テカポの町〜クライストチャーチから西南西に約240km オマラマの町

 降水確率0%だったハズの朝は雨の音で目を覚ます。現在までのところ、テント泊すると100%雨に降られているのですが、一体私の何が悪いのだろうか?思い当たること多すぎてサッパリ分からない。

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 時刻は7時なのにこの暗さ

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 そしてアッサリと晴れるのもお約束

 寒いけれどもとりあえず自転車乗りますわ。「寒いのならばガンガンペダル踏めば暖かくなるじゃん!」という無茶苦茶な理論がまかり通るのが変態自転車乗りの世界らしいが、私のように至って一般的な自転車乗りはウェアを重ね着することで対処する。

 そんでもって10時くらいになると、気温も上がって(でも10度以下)汗ばんでくるため、上着を脱いだりとかするのであり正直面倒くさい。こういう手間ってどうにかならないものかしら?

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 多分ニュージーランドの中央あたり

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 しかしロシナンテ号は絵になるなぁ

 プカキ湖という場所の景勝地でお昼休憩。先日のテカポ湖と違って、特に有名なモニュメントがあるわけでもない普通の綺麗な湖なのだが、やたらと観光客が多い。まぁルートの選択肢が実質1つしかないので、道中のプカキ湖もついでに止まってツアー予定に組んでおこう!・・・的な感じなのかもしれないが。

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 でもニュージーランドで最高峰のマウント・クックも見えるし

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 個人的にはテカポ湖より好きだな

 同じような山間の道をひたすら南下する午後の走行。でもオーストラリアみたいに丸1日景色に変化がないのではなく、山々が過ぎ去り紅葉している木々を抜けて行く走行であるため実に見応えのあるサイクリングだ。寒いこととアップダウンが多いのと、風向きがコロコロ変わるのを除けば文句無い。割と文句多いな。

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 結構な直線道路で

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 今日の羊

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 どの川の水も「美味しそう」とか思うの 

 16時前にはオマラマの町へ到着す。100kmも走ってないし、時間的な余裕もまだあるけどここで終了ですとも。この先にスーパーは100km以上出てこないのであり、私の走行プランは常にスーパーに左右されるといって良い。観光地とか腹の足しにもなりゃしない。

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 人口500人以下かと思われるが

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 そんな町でもニュージーランドには消防署(団)あるんだよね

 夜が寒すぎて早々に就寝準備する日々であり、20時とかにはテントに引っ込んでしまうことが多い茶壺さん。日本との時差が3時間なので、この時期はまだ日没前ですね。日が沈む頃には就寝ですよ私。実に健康的な生活だと思わないでもない。

 2016年5月18日(水) 走行距離94km 累計38970km

 ニュージーランド5日目 ジェラルディンの町〜クライストチャーチから西南西に約180km テカポの町

 分かっていたことだけどもニュージーランド寒い。あまりに寒すぎて朝テントから出るのにも苦労する。普通に指先が痺れて痛くなるし、フライシートには霜が張っていた。どうなってんだよこれは?

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 これから更に南下とかアホだとは思う

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 お隣のキャンパーさんから朝食頂く

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 こういう出会いがあると気持ちも温かくなるよね

 あまりにも寒さがキツいので出発時刻が遅くなる傾向があることに気付いた。朝7時ではまともに太陽の光も当たらないため、活動するのはちと辛い。結局ニュージーランドでは出発時刻が毎日9時を過ぎてしまっているのであり、そこら辺が私の限界だと知る。

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 ちなみに氷点下2度だったらしい

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 山間部の道をぐいぐい登る

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 今日の羊

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 高い山は既に雪化粧

 1つ理解したことで、今までは下着等の衣類を夜中に洗濯した後に、自転車などの支持物に干していた。そんで朝に乾いてればそのまま収納、湿っていたなら自転車に括り付けて乾かしていたのだが。本日確認したところ、洗濯物が凍ってしまっていた。

 流石にこりゃマズいと思うので、明日以降はクソ寒い朝から洗い物をすることになる。ただでさえ遅い出発が増々遅くなる事実。

 これの何が問題かというと、町中での野宿が非常に難しくなるという点。いくら私でもテントを朝の8時や9時になって放っておくことはできない。というかそんなんでは色々と問題になること請け合いだ。寒いというだけで気にしなくてはならないことは沢山ある。

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 こういうのが旅行者に開かれた設備というのですよきっと

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 午前中と違ってゆるやかに登り続ける

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 標高約700m 南島でこれより高い標高で泊まることはない・・・ハズ

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 有名なテカポの教会

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 ・・・と湖

 観光地の町なので、前述の通り野宿ができず。素直にホリデーパークと呼ばれるキャンプ場にて宿泊する。この1泊でビール6本セットよりも高いお金を支払っているのだ・・・とか思うとちと悔しい。我ながらセコい。

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 その代わり豪華なキッチン使える

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 お米切らしてたのだが、隣の韓国人キャンパーさんが分けてくれた

 星空が綺麗なことで知られるテカポの町だが、曇ってましたよいいですよ別に。毎日満天の星空を見ている身としては、今更という気がしないでもない。というか寒くてあんまり外で活動したくない。

 ちなみに明日は最低気温がー7度らしいのだが、大丈夫なのか私?自転車旅行が続けられるか正念場だったりするかもしれない。

 2016年5月17日(火) 走行距離94km 累計38876km

 ニュージーランド4日目 ラカイアゴージ〜クライストチャーチから西南西に約130km ジェラルディンの町

 なんかもうテントの外を見て現実を直視したくないレベルの大雨である。深夜起きた時には綺麗に星が見えてたのと同じ場所とはとても思えない。ニュージーランドの天気の移り変わりは早すぎる。

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 ひっどい雨だったのだが

 移り変わりが早すぎるので、その1時間後には青空の向こう側に綺麗な虹ができてたりする。右を向けば雷が鳴り響く真っ黒な雲が見えるというのに。どうしたもんやら。

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 テント拭いたりしてたので出発が遅い

 晴れている空を追いかけるようにして走るものの、後ろからは雨雲が迫る追いかけっこの図。捕まった場合のペナルティは全身水浸しである。

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 どうにか小さな町へたどり着く

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 なおニュージーランドではスーパー店内に酒類が売ってる←重要

 お昼まで雨宿りをしたところで空は綺麗に晴れ渡り、どうにか今日も楽しく自転車旅行ができそうな環境になってきた。正直、スタートして30分くらいは想定していた距離の30%も走らずに終わるだろうと思ってたし。

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 本日2度目の虹、時間も午後2時

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 こいつらもびしょ濡れだろうなぁ

 現在山の脇を南下しているのだが、風の吹く向きがめちゃくちゃで少々怖い。もの凄い向かい風が吹いたかと思えば、いきなり横っ風へと変化したりするため、度々自転車のバランスを崩されてしまう。重たいから安定感あるだろう・・・などということはなく、実際には荷物ゴテゴテの分だけ、普通の自転車よりも風の影響を大きく受けるのですよ。

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 大量の牛が道路使って移動中

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 ベトナムとかでも見た光景だ

 一応ニュージーランドは中央にそびえるアルプスが壁となり、雲をせき止めるので、この季節の東海岸は天気の良い日が多いらしい。日本の冬と同じですね。

 でもこの後私が走ろうと思ってるのは、山を越えた西海岸の海沿いなのですが。だって、自転車店のオッチャンが「ウエストコーストは景色が良くて素晴らしい場所だぞ!」とか力説するんだもん。

 基本上り坂は嫌だし雨なんて大嫌いな私ではあるが、でも何が一番嫌かって「行かないで後から文句を言う」ことが一番嫌である。せっかく自由気ままな自転車旅行をしてるだ。自分の思うままに好きな場所を走りたい。結果としてそういう場所を走るのが、大変だったり苦労したりするのは構わないんですよ。

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 しかし絵になる景色が多い

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 冬期なので太陽沈むの早いこと

 猛烈な追い風のおかげで今日は余裕の16時ゴール。無料のオーバーナイトポイントは、本当の意味で単なる駐車場であり、近くに水場もトイレもゴミ箱すらないのだが、お隣のキャンパーさんがキッチンを使わせてくれたので事なきを得る。

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 ありがとディナー 

 夕食の真っ最中に再び雨が降ってきたのでテント内にて食事して早々に就寝。今日はネット使える場所のため、明日の天気が雨降らないと既に分かっており、気持ちとしては気楽な夜である。

 2016年5月16日(月) 走行距離90km 累計38782km

 ニュージーランド2・3日目 クライストチャーチの町〜クライストチャーチから西に79km地点 ラカイアゴージ

 昨日の睡眠時間が無茶苦茶少ない&ベッドでの就寝ということもあってか、もう恐るべき勢いで寝坊した朝。久しぶりの知らない国におけるビビリから色々情報調べてたりとかしたらこのざまである。ノミの心臓なものでして。

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 それでもなお朝食と同時進行でPCをば

 とりあえず昨日だけでは準備が整っていないので、もう1日クライストチャーチでお買い物。1日で3回くらいしかブレーキ使う機会がなかったオーストラリアと違い、ニュージーランドは山が連なる国。ブレーキの状態をキッチリしておきたいのだ。

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 町を観光しながら自転車店探す

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 この大聖堂は取り壊される方針なんだと

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 トラムが商店街の中まで走ってるとかステキ

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 何か見たことあるけど何かは知らん

 意外と小さな中心街。北島と南島に分かれているニュージーランドだが、南島における最大の町がこの規模だということは、他の町の大きさもしれている。

 個人的に大きな町なんて特に魅力を感じはしないが、小さな町にスーパーが存在しなかったりしたときにゃ、またも大量に食料を運ぶオーストラリア的な日々の再会である。あれは勘弁被りたいのだけども。

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 壁にかく落書きも、いつしかアートになる

 首尾よく自転車屋で部品の購入とか済まし、せっかくなので別の安宿にもう1泊。2日もお金を支払って宿泊とは、この物価高の国で良い身分である。まぁ、オーストラリアのキャンプ場(ユララ)よりも遥かにお安いんだけどね!(恨みツラツラ)

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 本当にサイクリング人気が高い国なんだなぁ

 とりあえず情報もある程度把握したし、明日から走行開始といきますか。この2日間で1万円以上使ってしまったこともあるので、節約キャンプ(野宿)生活しなくては。そんな気持ち。


 翌日。昨日と違って曇りがちの天気だが仕方ない。雨が降ってたのなら延泊だって考えるけども、曇り空程度で悩んでいては、いつまでたっても出発できやしない。快適な宿の生活に別れを告げて、いよいよニュージーランドの走行開始である。ただし、10時前になってようやく出発したクチであるが。

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 やたら公園が多い町

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 流石、ラグビーが強い国だけある

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 とりあえず小さな町は沢山あるみたい

 主要道路に海岸線を南北に伸びてる国道1号線があるのだが、昨日のサイクルショップのオッチャン曰く「その道は車多いし楽しくないぜ!オススメは73号線だ。景色綺麗で楽しいぞ。」とのことで、アドバイスを参考にさせてもらう。

 ニュージーランドはハッキリと行きたい場所やルートが決まっていないため、道中出会った人にオススメを聞きながらの自由な走行を楽しもうと思っている。まぁ、自由に描けるほどルートが多くないのだけれど。

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 ヘイヘイ〜

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 今日だけで1000頭くらい見た羊

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 なるほど坂道多くなりそう

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 なるほど人の数より断然多いわ

 後半凄まじい向かい風でノロノロ運転どころかジグザグでないと進めないほどだったりして、案外走ることできずに本日終了。まぁそれほど大きい国というワケではないので、頑張って走らなくとも町なりテント張る場所なりは見つけることができそうな気がする。

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 ただし寒い

 これくらいの寒さだと、色々厳しいなぁとか思いつつ。基本的には暑いと「走るの大変だけどキャンプ楽」で寒いのは「走るの楽だけどキャンプキツい」ものだと思ってる。ニュージーランドの初冬でどれだけ我慢できるのか?ここら辺がこの国のサイクリングで重要なポイントになりそうである。

 2016年5月14日(土) 走行距離11km 累計38603km
 2016年5月15日(日) 走行距離89km 累計38692km


 2015年9月16日〜2016年5月13日(オーストラリア全体)
 走行日数239日間
 累計走行距離18954km(19625km〜38579km)

 ※なお家に泊めてくれた人様のお家は多少場所をズラしているのであしからず。個人情報の保護とか何とかそんな感じ。


◎治安
 悪いと感じたことはほぼなかった。割と現地のオーストラリア人は「アボリジニに気をつけろ!あいつらはクソだ。」的なことを語っていたが、彼等は直接「金くれ」という人はいても、危害を加えるタイプにはそんなに見えなかった。というか所々で食べ物貰ったり泊めてもらったり等、親切も多々受けている。ただし大きな町中で話しかけてくるヤツは、確かに面倒くさい感じに絡んでくるけど。
 なお田舎ではお店閉まる時間が早いので、田舎町では夜間に人が歩き回っている光景はそうそう見かけない。が、大都会では普通に夜でも人通りが多いし、東部の大都市にはコンビニだってある。まぁここらへんは日本と変わらんです。
 大きな声ではいえないが、何かしらの大きな施設の敷地を間借りしてテントを張っていた時も、夜間に警備員がくるようなことはほとんどない。流石に外を歩けば自動販売機にぶち当たる日本とはまた違うだろうが、治安に関してはかなり安心しても良いのではないかと感じる。

◎ビザ
 ノービザの入国で90日間の滞在が可能。ただし、オーストラリアは入国に際してETASという電子チェック精度を採用しているため、事前にPC等を介した手続きが必要となる。
 私の場合はノービザでは明らかに日数が足りないと踏んでいたので、ワーキングホリデービザを取得し入国した。このビザの細かい説明はこちらから。
 実はオーストラリアを自転車で1周しようと試みる人は結構いるのだが、そういう人はかなりの確立でワーホリビザを取得していた印象である。というか1周しようとした場合、どうしても半年以上の期間が必要になってくるため、最も簡単に入手できるビザの種類がワーホリビザなのだ。
 ただし補足として、現在オーストラリアのワーホリビザは申し込み時点で30歳以下の人間しか申請できない。私の場合はオーストラリア滞在中に31歳を迎えているが、申請した時点で30歳だったので大丈夫であった。滑り込みセーフというやつである。

◎物価・食事
 東南アジアから渡ってきた身としては最初「ギャグなのか!?」と思ってしまった程に物価高である。ただし、全ての物の値段が一律に高いということではないため、やりくり次第でかなり安価に旅行することもまた可能。なお、水の品質レベルが高い国であるため、一部地域を除いて水道からの水を普通に飲める。なので特にこだわりがなければ水分摂取に関してはノーマネーフィニッシュも不可能ではない。実際私は出発地点のダーウィン以外で水を購入したことはない。
 スーパーは日本のそれとほとんど違いがないものの、割引き対象商品の値下げ率が99%近くまで下落することがままあり、運が良いと信じられないくらい安価で食料を入手することもできる。また、大手2大スーパーの「コールス」と「ウールワース」にはホームブランド商品があり、これが他社の同製品と比べて5〜6割の値段で購入できるため、私のリアボックスには常にこれらの商品が積載されていた。安価な商品を狙っていけば、1日の食費が平均で10ドルを下回ることも難しくはない。ただし肉や魚は高いので、安く済ませようとすると食事内容の選択肢は狭まってゆく。

 そんなワケで食事の9割以上を自炊で賄った私ではあるが、親切な人にオゴって貰った時や自分でも数回程度はレストランというかファストフード店に入ったこともある。なお感想を述べるならば、コストパフォーマンス悪すぎ!利用してないがマックのセットですら10ドルを越えてくる料金表示を見てしまうと、手間がかかっても自分で作ろうという気持ちになる。同じ系統の店に複数回行ったのは、オーストラリアの中ではまだコスパが良いハンバーガー店ことハングリージャックスだけであった。なお、ハングリージャックスとは他国におけるバーガーキングのことである。

◎特徴
1、そこら中で森林火災ことブッシュファイアが発生している国である。湿度が低いためにアッサリ炎が拡大するらしく、常日頃何処かしらで火災が発生している。私の旅行中にも、数人の旅行者やファームで生活してる人が大規模な森林火災で亡くなったと教えられた。
 余りにも規模が大きすぎるため、日本の消防的な「消火する」活動ではなく「火災の状況をコントロールする」ことがこの土地における消防の対処の仕方。オーストラリア全土の山火事等情報サイトで「DFES」というサイトがあり、ここから情報を入手していたのだが、面白いのは「火災がコントロール下にあるか」という点で示されたりする点。つまり「安全だよ」という情報ではあっても、鎮火してるとは限らなかったりするのであり、ナニそれ怖い。

2、特に内陸部においてハエがウザい。数百匹単位で周囲を飛び回るわ体中に引っ付くわしてくる。とにかく水分のある場所に寄り集まってくる傾向があるので、顔をハエ避けネットで保護してないと、悲惨を通り越して発狂してしまうのではなかろうか?
 殺虫剤等でいくら殺しても、無限に湧き出てくるため効果が薄い。結局夜になって姿が消えるのを待つしかないというのが現実で、日中を「如何にしてやり過ごすか」という対処療法が求められる。「身を守る」以上に有効な方法があるのならば、むしろ私が教えてほしいくらいだチクショウめ。
 なお東海岸や町中では蠅の数は1%程度まで減少する。そういった意味でもオーストラリアにおける町の存在が如何にオアシス的なものであるかが分かるというものだ。
 全体的に夏の時期に最も数が多くなるため、気候的な観点からも4〜9月くらいの冬の時期を走行する方が吉。私の場合は一番厳しい真夏の時期が南部だったので、まだ難を逃れたクチだと思っている。

3、一般旅行者はどうあがいても飛行機を利用しないと出入国できない。そのため「飛行機予約」と「輪行」という2つの山を乗り越えなければならないこととなる。参考までに、格安航空会社の2大巨頭「ジェットスター」と「ヴァージンオーストラリア」だが、ジェットスターは荷物の制限と超過料金額がすこぶる厳しく自転車旅行には不向き。
 とりあえずヴァージンオーストラリアやカンタスならば、飛行場カウンターにて大体20ドルくらいで自転車用の梱包ダンボールを買うことができる。自転車店がないような僻地の町に隣接した空港も多いので、このサービスは割と有難い。

◎言語
 完全英語圏ではあるが、その発音には結構クセがあると感じた。国の成り立ちの関係でイギリス英語が基礎となっているため、アメリカ英語を勉強してきた日本人からすると単語の発音に違和感を感じることもしばしば。ちなみに私は「エイ」の言葉を「アイ」と発音する違いでかなり戸惑った。「貴方は旅行開始から何回死にましたか?(ワット ダイ トゥ スタート トラベル?)」みたいに勘違いして「コイツは何を言っているのだ?」とか思ったり。
 まぁそうはいっても同じ英語だ。自転車旅行であれば嫌でも現地人との会話が増えるしヒアリング力も上がる。英会話の上達というのは個人差があるだろうが、少なくとも意思を疎通させることは難しくない。実際私は電話における英会話は殆ど成立しないレベルであるが、直接対面しての意思疎通ならばかなりいけると思っている。要するに幾つかの重要英単語を使えれば、後はコミュニケーション次第でどうとでもなるよ。

◎SIMカード
 オーストラリアの携帯会社は「テルストラ」と「オプタス」「ボーダフォン」の3大勢力であるのだが、都市部以外へ行くのであれば選択肢は実質「テルストラ」1択である。元々国営の電話会社だったテルストラだけが、人口過疎地域(つまり町の外)に対しても電波を飛ばしているため、町中以外で宿泊する機会の多い自転車旅行者にとって救いとなる存在だといえる。
 それでもなお大きすぎるオーストラリアの国では電波の届かない地域が多数存在するのだが、まぁそこら辺は道中で「200km電波が無い」か「2000km電波が無い」かで選べば良いと思う。ちなみにテルストラは料金割高。
 そういう意味では用途と料金で見事に住み分けができているといえ、日本のどの会社を選んでも対して違いが分からん!という状況より遥かに良いと思う。クソみたいな基本使用料とかないし。
 なお私が使用していたプリペイドチャージは、リチャージ1回30$で700Mのデータ通信が使用できる(期限1ケ月間)のだが、実際にはもっと大量に使えた事実。よく分からんですが月1.5Gくらい使えてた感じ。なお40$・50$とプランが選べるので、個々の使用量でお好みのものを選べば良い。大抵これにボーナスとか付いてくるので実際にはそれ以上に使えることが多い。
 もちろん通話時間もプリペイド式で定められているのだが、海外に連絡するならSkypeやLINEで事足りるし、旅行者がオーウトラリアで知り合った人達に電話をかけたりする時間は、最低チャージ料金の30$でも余りあるほどの時間であった。

◎宿・Wi-Fi
 初日に予約していたダーウィンのユースホステルとタスマニア島。200日を越える滞在をしていながら、料金を支払って「屋根の下で眠った宿」については以上である。それ以外は全て野宿・キャンプ場か親切な人様の家や、その裏庭に泊めさせてもらったことになる。
 というのもオーストラリアの宿は値段が高すぎる!料金最底辺の安宿でも、その値段は20ドルを越えてくるのが当たり前で、お金を切り詰めたい長期旅行者が気軽に何日も宿泊できるものではない。まぁ宿内の設備は整っているし、プールやビリヤード台が無料で利用できる宿も多い。お国柄なのか宿泊客はキッチンが使用できるため、道具を持ってなくとも宿に泊まれば自炊は可能。私が利用した数少ない宿では全てWi-Fiが利用できたし、速度も速かった。ただし、宿泊者数の数も多いため、常に快適に利用できるとは限らないが。

 こうしたゲストハウス以外にも、オーストラリアではキャラバンパークという主にキャンピングカーを対象にしているキャンプ場や普通に有料のキャンプ場も数多くある。わざわざお金払ってテント泊するなんて無駄が多いと思われるかもだが、温水シャワーと充電設備に大抵の場合はキッチンまで併設して10〜20ドル程度の料金ならば、厳しい環境下にある北西部や内陸部では利用価値があると思う。
 なおキャラバンパークの利用には、モーテルの室内である「キャビン」、水と電源が併設されておりキャンピングカーが主に活用する「パワードサイト」、普通のテントサイトである「アンパワードサイト」と分かれており、ご想像の通り料金は大きく変動する。なお前者2つの料金は
 ・キャビン・・・・・・100ドル前後が普通。部屋内に個人キッチンやトイレがある
 ・パワードサイト・・・30〜50ドルくらいの印象。完全にキャンピングカーが対象。
 といった感じ。なおPC等の充電に関しては、洗濯室やシャワールーム等に電源コンセントがあるため問題ない。ちなみに洗濯機は全て有料だった。私は洗濯機を1度も利用してないため何ともいえないが、1回2〜4ドルという金額は決して馬鹿にできない金額であると思う。
 あとウルル(エアーズロック)周辺は、他に逃げ場のない恐怖の高級リゾート地。キャンプ場1泊で37ドルという値段が最安値という暴利。野宿もまともにできない環境・立地ではあるが、それでもどうしても!という人はユララから約10km離れた場所にキャンプ可能なレストエリアがある。

◎右回り・左回り
 この国を1周する場合、主要道路がほぼ海岸線に沿っていることもあり、最初に右回りか左回りかという選択をすることとなる。そして起伏の少ない国であるため、この選択は「風の影響がどう違うのか?」という話に終始できる。
 なお厳しい環境下である北部地域ではタウンズビル〜テナントクリーク間で東風が強く、ブルーム〜カーナーボン間は西風が強かった。なのでどちらを選択しても、楽な場所と厳しい場所を走らされることになるのは覚悟した方が良い。
 それでも個人的には私の走った「左回り」ルートの方が、やや楽であったと思う。ナラボー平原において、追い風が吹く確立が高いのと、西→東ルートだと町の手前1kmで食料の検閲となるのだが、東→西ルートでは中間である600km地点で検閲されるため。私のように町でしか食料を買わない自転車旅行者の場合、この制約はかなり厳しい。

 余談だが、右回りならばケアンズ、左回りならばメルボルンかシドニー辺りから出発する方が最初に楽な東海岸を走行でき経験踏めるのでオススメだと思う。単純に距離の近さだけでダーウィンスタートとかして、私のような目にあうのも面白いけどさ。

◎野宿
 宿泊施設の料金が高いため、それまでとは比べ物にならない頻度で野宿を繰り返すことになった。実はオーストラリアはどこでもテントを張って良いワケではなく、テントを張るにしても場所を選ぶ必要がある。そうした中で、最も多く使ったのが「レストエリア」と呼ばれる無料の休憩施設だ。幹線道路であれば100kmも走れば大きめのレストエリアが1〜2つはあるため、こうしたレストエリアへ向けて、如何に上手く距離を合わせていくかがオーストラリア走行の基本プランとなる。
 この他にも無料のキャンプ場はそれなりに利用している。その設備はレストエリアとあまり違いはないものの、場所次第で電源コンセントやキッチンが付属していたこともあったので無料だからと侮れない。
 オーストラリア人はキャンプ大好き国民であるため、大きめのレストエリアであれば大抵の場合他のキャンパーもいる。色々と話をしてオススメスポットを聞いたりと、私のオーストラリア情報は9割をこのパターンで成立させていた。
 誰もいないような僻地レストエリアでの野宿も多数行ったが、きちんとテントを設営していれば動物による被害を被る心配はほとんどない。私の場合はテントに小さな蛇が付いていたことと、夜の間に牛に囲まれてたことがあったくらいか。
 とりあえずアプリのwikicampsがあれば、オーストラリア全土のレストエリアにキャンプ場、安宿情報が分かるためこれ1つあれば大抵の場合はどうにでもなる。ときどき嘘情報を掴まされたりもするものの、オフライン状態でも使用できる極めて優秀な情報アプリだ。有料アプリではあるが、7ドルという金額は1回の宿泊料金にも満たない料金であるため、悩むくらいならとりあえずDLしとけ。最初の1週間はお試し無料期間だし。
 なおこの国では野宿することを「ブッシュキャンプ」と表現する。野宿する場所を聞く時に「キャンプ」という言い方をすると有料施設であるキャラバンパークへと案内されかねないのでご注意をば。

◎総括
 とにかくデカい国である。西部・東部にまとめの内容を分けてもこの分量。いくらでも書くことが出てくるほどには長期間の滞在でもあった。思ったのが、世界1周の自転車旅行者でオーストラリアを丸1周しようと試みる人は少数派のようで、この国はそもそもオーストラリア1周や横断などといった目的を持ったサイクリストが多い。
 私は大体1周したクチの人だが、そんなことしてるから8ケ月とか、1つの国にかける時間とは思えないほど長期間となってしまうんだぜ。
 だがしかし。オーストラリアという国は、それほど長い期間を走るに足る魅力満載の国であったことも事実だ。「何もないのがオーストラリア」とか評されることもままあるが、そんなことはない。この国の人達は自転車旅行者を放っておかない親切心で満ちている。
 毎日大勢のオーストラリア人と話し、笑い、ときには泊めてもらったりもした。辛い場所でも楽しく走っていけたのは、間違いなく多くのオーストラリアで出会った人達のおかげである。
 ちなみに犬は東南アジアのそれと全く別の生き物と考えて良い。私が海外に出て以降、犬を可愛いと思ったのはこの国が始めてである。

 ニュージーランド1日目 シドニー国際空港〜クライストチャーチの町

 飛行機でも何でも、出国する時のイミグレーションは割と簡単に通過できるもの。その例に漏れず、アッサリとイミグレを通過した私はニュージーランド航空の飛行機へと乗り込み、さぁ今すぐ寝るぞ!と準備万端の構えである。

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 ところがどっこい

 まさかの座席背面にTVパネルときたもんだ。これが噂では耳にした「フライトの最中に好きな映画を見ることができる」というサービスなのですね。まさか本当に実在するとは思いもせず。

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 どころか機内食もあった!

 ちなみにこのサービス、最初こそ有料だと思いウトウトしていたのだが、フライトして暫く立つと「料金支払い」の表示が消えているじゃないか!やった、映画が見れる。眠っている場合じゃねぇぞ。

 ということで、以前から見たいと思ってた「マーティン(邦題オデッセイ)」を視聴。何コレ?無茶苦茶面白いじゃないか!以下、旅行とは関係ない感想。


 以前にゼロ・グラビティを見たとき、暫くは宇宙サバイバルものでこれを越える傑作は出てこないだろうと思っていたのに。そんな私の考えを粉々に打ち砕く、素晴らしい映画であった。私の中でマット・デイモンは「ボーンシリーズの俳優」という印象が強かったのだが、ここに新たなイメージが上書きされたといって良い。

 あまりにも夢中になるどころか、まだ途中にも関わらず2度も涙が止まらなくなってしもうた。飛行機の中で人目もはばからず何やってんだと思いはするが、何か色々と心の琴線に引っ掛かってくるんですよ、この映画。

 そうして物語はクライマックスに突入したところで・・・・飛行機はクライストチャーチに到着し、映画は残り20分を残してぶつ切りとなった。こんなタイミングで止まるんじゃないよ!

 もはやニュージーランドに到着した感慨とか全くなくて、ひたすら映画の余韻が私を支配する。基本的に、良い映画や小説を読んだ後は、半日くらいそういう状態が続きます茶壺です。


 夢見心地で迎えるはニュージーランドの入国審査&荷物検疫。まぁ日本人はここら辺、超適当ですな。隣の中国人が根掘り葉掘り質問されてる中で、

 「今日は何処に泊まるんだ?」
 「クライストチャーチ(の何処か)」

 という一言でスタンプ押印。こういう時、日本人で良かったと思ってしまうね。

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 割と日本語が多い飛行場内

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 さぁ組み立て作業の始まりだ

 時差の関係もあり、9時半に出発した飛行機は3時間ほどしか飛行してないのだが、ようやく準備が整った時には16時を回っていた。とにかく移動しないことには何もできない!

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 あ、ウールワース・・・じゃない

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 5月のニュージーランドは季節的に晩秋となる

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 その割には寒さは(今のところ)それほどでもない

 知らない国の初日なのだし、無理せずユースホステルに宿泊する。ニュージーランドに来たら少しは物価が安くなるかと思ったけれど、普通に1泊27ドルとか言われました。ただし1オーストラリアドルが80円くらいなのに対して、1ニュージーランドドルは70円ちょっと。

 オーストラリアから来た身としては、全ての物価が10%引きだと考えれば少し嬉しい。まあね、この後スーパーで買い物して、そんな上手い話があるわけないことを思い知ったのだけれども。

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 ニューワールドか、ニューニュー主張が強い国だ

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 ニュージーランドの方がアジアンフードコーナーが充実している

 自転車のパーツ購入とスマホのsimカード購入。時間がなくてできなかったことも多いのだが、とりあえず大正義「Wiki Camps ニュージーランド」をインストールしたのできっとどうにかなるのだろう。火星に1人残されたわけじゃあるまいし、楽しくいきますか。

 2016年5月13日(金) 走行距離13km 累計38592km

 2015年12月29日〜2016年5月13日
 走行日数134日間
 累計走行距離10512km(28067km〜38579km)

◎道路
 西部もなかなかだが更に道路状況は良い。車線も片側2車線・3車線が多数存在するし、路側帯も広くて走りやすい場合がほとんど。それに比例するように交通量が増えるので、一概に安全!走りやすい!と言えるわけではないけれども。
 高い標高を走らされることは少ないが、思いの外アップダウンが多い。特にタスマニア島西部とNSW州においては厳しい上り坂も見られ「坂道の無いオーストラリア」という意識でいるとやや面食らうかもしれない。
 交差点がランナバウトと信号機の割合が半々くらいになった印象。信号はさておき日本人に馴染みの薄いランナバウトは慣れるまでやや怖い。個人的にはこちらの方が無意味に自転車止めさせられることが少なくて好きだけども。
 あと東海岸にはモーターウェイという正しい意味での高速道路があり、名ばかりのハイウェイとは異なり自転車が走行禁止となる区域もある。すなわちモーターウェイであっても自転車走行可能な区域もある。日本と違って無料であるためハイウェイからいきなりモーターウェイへと移行したりするため、都市部近郊では看板表示を見逃さないようにしたい。

◎交通事情
 西部とそれほど違いはないものの、東海岸においてはロードトレインがいないため(恐らく走行が禁止されている)アホみたいに長い車両が追い越しをかけてくるような恐怖はない。とはいえ単純に車両の数が多いため、それに伴う危険はあるけども。
 ただまぁ東部で怖い思いをした記憶はほとんどない。道路状況の良さが交通量の多さを上回っているとでも言うべきか。
 どの国にもマナーの悪いドライバーはいるし、オーストラリアもそれは同様。しかしそうしたドライバーの割合という意味で、この国は非常に優秀ですよ。
 あと先進国だけあって、自転車に対するルールもきちんとしている。ヘルメットの着用は義務だし、夜間はライトを点灯していないと法令違反となる。特に前者は警察も厳しく取り締まっているそうなので、暑いからといってヘルメット被らずに走行してはならない。実際、オーストラリアで自転車に乗ってる人は、必ずヘルメットを被っていた。

◎補給
 東海岸は完全に余裕。毎日スーパーに行くことができるレベル。補給が厳しくなってくる地域は内陸部に入ってからで、私のルートではマウントアイザ以西がそれに相当する。西海岸と同様に、補給が厳しい地域でのスーパーがある町を書き出してみると

○マウントアイザ・・・・・・・・・・ウールワース&コールス&フードワークス
  ⇅約660km
○テナントクリーク・・・・・・・・・IGA系のスーパー
  ⇅約500km
○アリススプリングス・・・・・・・・ウールワース&コールス
  ⇅約450km
○ユラーラ・・・・・・・・・・・・・IGA

 となる。特にマウントアイザ〜テナントクリーク間は凶悪で、道中で水分補給できる場所が実質2カ所しかない(3カ所あるのだが、1つは町から近すぎて意味がない)。逆にスチュアートハイウェイに入ってしまえば道中R.Hが沢山あるため補給自体は難しくない。
 ということで自転車旅行者は割とレストエリアの雨水を溜めたウォータータンクの水を飲んでいる。注意書きに「Don't drink」とか書いてあるけど気にすんな。飲んでも体調悪くならなかったし、んなことより水の確保の方が大切だ。
 なおこのテの水の補給が厳しい地域において、どれくらいの量の水分を運ぶかであるが、冬の時期なら最低ラインが10ℓ以上であると思う。夏ならばこの2倍はあるほうが安心できる。私は後半戦では1度経験したというのと秋という季節であることも考慮して13ℓの水を運んでいた。なお後半戦で水が空になったことは1度もない。

◎気候
 タスマニア島では真夏に20度を切る気温だったが、北部地域では秋でも35度を超えてくる気温となる。基本的に南部の都市は過ごしやすいため問題はなく、東部でも対処に苦労するのは赤道が近づく北部地域、特に海岸線から離れた内陸部においてである。
 海岸線から離れると湿度は0%近くに低下し、アウトバックでは日光を遮る木々がなくなり数字以上に暑さを感じる。実際、気温の測定というのは基本的に炎天下ではなく百葉箱(オーストラリアでどうなのか知らんが)に入れられた日陰の中で測定されるものだ。数字以上の暑さを叩き出していることは間違いないと思う。
 内陸も奥地に入ると砂漠気候となるため、日が沈むと気温も一転して20度以下となる。この気温が移行する時間は割と短いため、快適な時間を選んで走行しようなどと考えているとほとんど距離を走れずに終わる。別に距離が走れなくても良いかもしれないが、人工的なシェードがあるのはレストエリアくらいだし、そのレストエリアは場所にもよるが50kmに1つとかしか存在しない。そのため如何に上手く「1番厳しい時間帯をやり過ごすか」という観点で走行プランを立てる方が現実的である。
 ちなみに夏に差し掛かる西部を走行した時よりも状況はかなり楽であった。何のかんのいっても気温が下がる冬の時期が近づくにつれ、走行難易度は下がっていくことがよく分かる。オーストラリア北部におけるベストシーズンは7〜8月なのだそうだ。

 それとこの国は土壌の水はけが悪い場所が多く、特に北部地域は雨季のスコール等で道路冠水が頻発するとのこと。これについては西部地域でも同様であり、町を出てすぐの看板に道路の走行可否状況が表示されている点も同じ。
 アウトバック旅行中大雨に遭遇し、町を囲むように道路が冠水してしまい先へ進むも戻るもできなくなった・・・といった話も聞いたので、こうした点からも雨季本番である12〜3月中の走行はそれなりのリスクがあるという点を考慮したい。

◎自転車店
 たくさんある。州都となるような町では10とか20ものショップがあるし、ママチャリという文化がないこの国ではショップの大半がスポーツサイクル店である。
 しかしその主役となるマシンはロードレーサーであるようで、旅行に適した「重たいけれど丈夫」系の部品は西部ほど簡単には見つからなかった。特にアデレードの町ではMTBのパーツを探して7〜8店ものショップを回ったりして無駄に大変な思いもした。
 特に南部では自転車旅行者ともたくさん邂逅したので需要はあると思うのだが。そういった旅行関係のパーツを多く取り扱う自転車店をたまたま見つけられなかっただけかもしれない。タウンズビルでは旅行用自転車の専門店でお世話にもなったし、結局マラソンシリーズのタイヤを見つけることに苦労はしなかった。パーツだって「ちょっと探せば見つかる」程度のことであり、全体的には素晴らしい国だと思う。

◎総括
 「オーストラリアの簡単な方」をまとめたもの。人がたくさん住んでいるため、走行よりも夜中寝る場所を見つけるのに苦労した印象。海岸線走っている限りはハエに悩まされることもないし、毎日のようにビールを飲むこともできた。もはや東と西では別の国といっても良いくらいの差かもしれない。
 内陸部にさえ入らなければ、100km以上の人が住んでない地域を走ることは稀(ないわけではない)。この国を全体的に自転車で楽しみたいのならば、とりあえず東海岸で感じをつかんでから・・・というのが賢い方法である。と賢くない選択をした私は申し上げたい。

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