イギリス8日目 海沿い~ロンドンから南西に72km地点 山の中


 周囲は明るくなってるのだが、太陽が雲に遮られてイマイチ気温上昇しないのがイギリス。これって寒い国の朝において1番避けたいパターンだと思うのだが、残念ながら毎朝こんな感じでどうにもならねえ。


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 目立つし寒いし


 まぁこんな場所に朝からやって来るもの好きはいなかったけど。たとえ人が来ようと同じように朝食済ましてから出発しただろうけど、誰もいない方が気を使わなくて良いのは間違いないし。


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 メイン道路へ合流したらすぐ下り坂


 幾つか小規模な丘を越えたものの海と同じ高さで標高が安定したのであり、これは海沿いに平野部が広がっている=大きな町が近づいていることを示しているとみて間違いない。何しろ朝の時点で町が見えてたくらいだし。


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 そうすると自転車道が出てくんだよね


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 海上遊園地とかさ


 私はまったく知らなかったが、このブライトンという町はイギリスでも有数の規模と観光地を兼ねた大都市なのであろうことが容易に想像出来る豪華絢爛な町の様子。


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 あの長ったらしい棒は


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 エレベーターの支柱だったとは


 町を抜けるまでに10km以上の距離を走り続けたのだが、ストレスがまったく無い完璧な自転車道は見事の一言である。どうしてこの素晴らしい道が郊外に入った途端、側道0の狭隘道路へと変わってしまうのであろうか?ここまで町中と郊外のギャップが大きな国も珍しい。


 昨夜調理の途中でコッヘル蓋のネジが壊れてしまったため、途中で見かけたホームセンターに寄り道する。すでに同じ箇所を何度も接着剤で修理しては壊す・・・という繰り返しとなっていたため、ネジそのものを新しく購入して完全交換してしもうた。取っ手は無くなったけどまぁ良しとしたい。


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 意外と使い易かった


 そのまま隣にあったマックで充電&ネット休憩。そしてイギリスのマックは携帯番号がないとネット出来ないニュージーランドと同じ方式だと知って愕然とする。幸い他のお客が助けてくれて事なきを得たが、こりゃイギリスでマックに入る事はなさそうだな。


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 お店出たら一気に曇り空


 海沿いばかりは嫌なので、川に沿って内陸部へと再び侵入する。丁度出てきた道路に沿って伸びてる自転車道がすこぶる良い道で、私はサウスダウンズウェイもこういうのを想像してたんだよなぁ。


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 そんな甘くなかった


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 給水ポイントあるとか至れり尽くせり


 狭い道に入り込みグネグネ曲がったり小規模なアップダウンを繰り返しつつ進む。最初は「イギリスって全然坂道なくて走りやすい国だ!」とか思ってたけど、最近は規模こそ小さいが割とキツめの斜度でアップダウンが繰り返される「かなり大変な国」という風に考えを改めるべきだと思い始めた。


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 トライアンフばっかりなのはやっぱイギリス


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 この石橋も現役で鉄道が走ってた


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 流石にこの橋は隣に新しいのがあったけど


 国土面積で言えば日本よりも小さな国だけど、イギリスは走っていてその広大さを感じることが多い。やっぱり山国じゃなくて給料やれ平野がずっと続いてるというのは「果てしなさ感」を表すのに一役買っているのだと思う。いやまぁ日本の山々が連なる景色も好きだけどさ。


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 土地の使い方が贅沢


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 か思うと町中は高い建物で囲われてる


 ちょっと頑張って18時まで走り続けたのは最後に大型スーパーに寄りたかったから。24時間営業ではないもののコンビニも豊富にあるイギリスだが、やっぱりスーパーじゃないと安くないし・・・とか思ってたんだけど、このスーパー全然値段安くないのであり、これじゃ意味ねーな。


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 スーパードライ買おうか迷ったけど


 買い物済ませたら町郊外の山中へと分け入る。トレイル跡が付いてたのでウォーキングの人がいるのだろうと、更に奥まった変な場所まで移動してようやくテント設営に。


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 結局飲んだことないビール買うのが私


 完全に真っ暗となるのが21時前とかの時間でさ。テント泊する身としてはそれくらいの時間には寝てしまいたいのだが、そうすると明るいうちからテント張って夕食作っていることになるワケで。このため毎回明るくても人から見えない場所まで入り込まなくてはならず非常に面倒臭い。イギリスでの野営は大変だ。


 2019年5月2日(木) 走行距離76km 累計92196km

 イギリス7日目 道路脇~ロンドンから南に81km地点 海沿い


 寒くてなかなか寝袋から抜け出せず、ようやく動き出したの8時になってからだった。テント生活での8時起床というのは余りにも遅すぎなのであり、これはやっぱり身体が万全じゃないからか?とかそう思いたい。


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 誰も来ないから気楽


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 こんな道の奥だったし


 スカッと晴れることはないけど、かといって雨に降られることもない。ブラジルが両極端だったので、ちょっと曇り空になるとスコール避けるため建物を探してしまう癖がついてしまったが、イギリスで大切なのは寒さにおけるレイヤリングの方だよな。


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 朝は一桁で日中は15度くらいかな


 狭い道が続くと思ったらいきなり片側2車線の高速道路みたいな道に切り替わったりしつつ続く道。道路はそんな感じでまちまちだけど、交差点に関しては郊外は信号ではなくランナバウト(円形交差点)が徹底されてるようである。


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 そんな風吹いてないけど風力発電あるんだ


 ようやく海沿いに位置するイーストボーンの町まで到着する。私がロンドンからこの町を目指したのは、イギリス南部を東西に延びるサイクリングロードの起点がイーストボーンにあるからで、スタート地点に入る前にとりあえずお昼休憩しとこうか。


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 せっかくベンチがあるのだし


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 海沿いのリゾートエリアだわここ


 サイクリングロード入ったら町には寄れないかもと考え、このタイミングでスーパーにて買い物済ませておく。ついでに町中のインフォメーションセンターでイギリス地図がないかと探してみたのだが、町の小さな地図しかないらしい。


 既にインフォメーションセンター3件目で全て同様のことを言われ、どうやらイギリスに無料の道路地図はないようだと結論付ける。今まで行った先進国は大概の場合、国全体地図だとか州地図があったんだけども。大したことねーなイギリスさん。


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 そんなトイレばっかり案内しなくても


 さてサイクリングロード走る前に準備しっかり済ましてきた私だが、結論から言えばそんな準備は必要なかった。というか私がサイクリングロードだとばかり思っていた「サウス ダウンズ ウェイ」はその実態がMTB専用のトレイルロードだったのであり、スタート地点から100mほど自転車押して進んでみたが、どう考えてもフルパッキンの自転車が走る道じゃねぇ!と引き返した。


 ということで並行して延びる道路に沿って走行することに。この町まで来た意味ねーな。


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 まぁ景色良い道だから問題ない


 ただ日本も結構こうした道があるが、海沿いが切り立った崖になってる場所が多く内陸部よりよっぽど激しいアップダウンが連続する道とはこれ如何に?


 看板に斜度14%とか書かれてたんだけどさ、イギリスの狭い道でそんな坂道出された日にゃあ私の自転車を先頭にして後続車両が大渋滞起こして申し訳なくなるし、私にしてもどんなにキツかろうと一休みすることすることすらできないというね。そんな道作っても誰も幸せにならないのだけど。


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 段差がキツイから道路外にエスケープもできないし


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 流れが緩すぎてどちらに流れてるのか分からん

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 普通の田舎町でこの協会が出てくるもんなぁ 


 適当にテント張れる場所探しつつ人のいない方へと走っていたのだが、住宅街の外れで行き止まりになっているとか勘弁してほしい。仕方ないのでUターンしてメイン道路にリカバリするルートを選んだら激しい上り坂が続くのであり、こんなことなら素直にメイン道路走るべきだったな。


 まぁ来てしまったものは仕方ないと更に奥地へ入り込み、海が見える崖地にて走行終了。周囲から丸見えのポイントだが、どう考えても悪いヤツこんな場所に来ないので良しとする。というか地元の人に野宿するならとオススメされたのがこのポイントでして。


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 こんな場所で風がほぼないというのも不思議だ


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 ちゃんとビール買ってる準備の良い私


 寒いと嬉しいのがビールを運んでいてもヌルくならず冷えたモノが飲めるという点。でも寒いからあんまり「ビール飲みたい!」と思わないのが残念なのだが。上手いことできてるよな、まったく。


 2019年5月1日(水) 走行距離69km 累計92120km

 イギリス5・6日目 ロンドンの町~ロンドンから南南東に60km地点 道路脇


 出発しようと思ってたのだが風邪がぶり返したのかやや体調が悪い。無理すれば走れなくもない感じだが、せっかく個室で眠れる環境を当てがってもらってるのだし、ここでキッチリ回復してから走行することにしようと1日延泊。



 翌日。良い感じに回復したので今度こそイギリス走行開始である。7時には仕事へ出勤した従兄弟を見送って、私も後を追うように自転車へ荷物を積み込み出発準備。


 今年に入ってからの南米は物価安い場所ばかりを走ってたので、基本食事はレストランで済ましていた私にとって久しぶりとなる食材満載のリアボックス。明らかにペダルの重さが違う感触を確かめながら、とりあえずはロンドン脱出だ。


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 市内を抜けるまでが一苦労だわ


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 ちょいちょい記念撮影も交えつつ


 自転車先進国とされるヨーロッパ。そうした国の中ではむしろイギリスって評判悪いとされてるのだが、それでも大都会とは思えないほど非常に走りやすいロンドン市内。ちゃんと自転車レーンが整備され、場所によっては自転車専用路が配置されており、何よりイギリス人ドライバーは自転車に対して非常に紳士的な運転をしてくれる。


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 これ全部自転車レーンの看板


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 信号は多いけど走りにくいとは思わない


 むしろ郊外に抜けてしまうと自転車レーンが無くなってしまい、しかも側道が全くない道路を走ることになるため神経使うのだけど。私も意外なのだがイギリスって思いっきり土地余らせてる国みたいで、周囲には見渡す限り給料地帯が続く景色なのだしもうちょっと道路を広げても罰は当たらないと思うんだ。


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 自転車に愛を


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 こんだけ大きなキャンプ用品店は初めて見たかも


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 テントラインナップだけで150張あるらしい


 初日に予感はあったのだが、イギリスは島国なのにアップダウンが少ない(小さい)国らしく、基本的に平坦か多少のアップダウン程度しか出てこない。調べてみたら最高標高も1000mいかない程度らしく、何とも自転車乗りに優しい国だといえそうだ。


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 短い間隔で町も出てくるし


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 道路に馬や牛や豚がいるのは普通だよ?


 地味に不安だったことで「イギリスはガソリンボトルに給油してもらえるのか?」という点だが、普通にセルフスタンドだったので勝手に給油してカウンターに料金支払うという流れで問題なかった。なんとなくヨーロッパの国ってここら辺のルール硬そうなイメージがあったので、とりあえず一安心だ。


 それでは早速お昼にしようと木陰でバーナー取り出したのだが、まさかのライターがなくなっている始末。これは私の不注意ではなく、フライトした際に没収されたということだろう。予備のライターまでロストしてるのだから間違いない。


 仕方ないのでパンだけで昼食を済ませ、ひたすら南へと自転車を進める私。ちなみに走ってる道路は国道22号線。


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 後半はそこそこアップダウンあったかな


 17時を前にしてテント張れそうな場所を探しながらの走行にチェンジ。野宿とかあんまり久しぶりすぎて勘が鈍っている気がするのであり、なかなか良い場所を見つけきらないままズルズル10kmとか走ってもうた。まぁ今の時期のイギリスは20時まで暗くならないから問題ないけど。


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 これからは自炊の日々が続きます


 こうして走行スタイルがガラッと変わると「別の大陸に来たのだなぁ」とかしみじみ感じる。贅沢に慣れきってた生活から一転、倹約自転車旅行の日々である。


 2019年4月29日(月) 走行距離 0km 累計91968km

 2019年4月30日(火) 走行距離83km 累計92051km

 2019年2月22日~4月24日

 走行日数62日間

 累計走行距離3145km(88780km~91925km)


◎道路

 アマゾン地域にでも行かない限り主要道路においては質の良いアスファルトが続いている。しかし少しでも海岸線から内陸部へと入ると小規模なアップダウンが連続する道となり、これが何時まで経っても終わらなかったりするため体力的に相当厳しくはある。

 結果的にブラジル入国後に標高が500mを越すような山は1度も登ることはなかったのだが、1日の獲得標高が1000mを超えることは幾度もあり、決して自転車で走るのが楽な国というワケではない。

 主要道路は側道広めに作ってあり安心感があるものの、結構路面状態はボコボコで路面のギャップを避けるためにメイン路に入ったりもするのだが、この乗り越え部分に段差作られてることが多くてストレスがある。段差という点では町の出入り口にトーペが設置されて国なので、斜面の途中にあったりする町だと吹っ飛ばされかねないため注意が必要。

 基本的に50km走って全く補給ができないということはまずないし、特にガソスタを始めとした郊外のドライブイン系施設には食堂のみならず無料で冷水・シャワー設備にWi-Fiまで整っているため野営するのも楽。アマゾン地域以外であれば食料一切持たずに走行してもまず大丈夫といえるほど。


◎治安

 これはまぁ良くはない。といってもこれはあくまで州都のような大都市においての話であり、田舎においては南米でも1・2を争うほど多くの人に親切にしてもらった国だし野宿もしたワケだが、危険を感じるようなことはむしろ少なかったと思う。この田舎と都会の治安差が他国以上に極端であるため、ブラジルが余計に治安悪いのだと感じているだけなのかもしれないが。

 大都市に入っても昼間は人通りも多く活気にあふれており、ファーベラ(スラム街)とかに近づかなければそこまで危険な雰囲気はない。まぁ建物の防犯状況とか見ると、非常に厳重なのであり「安全だな」と感じることは無いにしても、観光名所ではパトロールしている警察も多いしいきなり襲われたりする予感は薄い。

 ところがちょっと裏路地とかに入り込んだりすると、一気に別世界というか危険度段違いの場所に豹変したりすることも多く、そういう意味ではアメリカと似ていると感じることが多かった。

 というのもブラジルも貧富の差が非常に激しい国であり、そのマイナス面がモロに出てしまってるというか、町の規模がアメリカほど広がりを持っていないため、裕福層と貧困層の住んでる地域が距離的に離れていないよう思われる。綺麗なスーパーや銀行の出入口でも普通に浮浪者が寝てたり徘徊してるのがブラジルで、こうした人たちを排除して貧民街へと押し込むのがアメリカってイメージ。

 まぁとにかく田舎の道路標識にはしょっちゅう弾痕が残っているほどの銃社会ではある。都市部においては暗くなったら絶対外出しないということを他国以上に徹底して心掛けていた。

 あとどう見てもヤバそうなファーベラ地域だけど、基本的に大都市の町外れに存在してる感じで町を出入りする際にはその近くを通過する傾向があるんだな、これが。まぁ危険な地帯を抜けるまで下手に主要道路から外れて適当に入っていくとかしないほうが正解だと思う。


◎ビザ・出入国

 南米において日本人は唯一ビザの発給が必要である国。とはいえ日本人は2018年より電子ビザ手続きが可能になったこともあり、以前と比べてハードルはずいぶん下がったように思う。

 ただこの電子ビザ、ブラジル国内で滞在延長手続きが出来ない関係で、90日以上の滞在を予定してる場合は以前と同様の領事ビザにおける手続きが必要となる。当初予定で私は90日以上の滞在を見込んでいたので料金約2倍の領事ビザをパラグアイにて取得したのだが、結果的に領事ビザである必要はなかった、まぁ仕方ない。

 肝心の出入国だが、陸(川)路の小規模な国境においてブラジルは警察組織がイミグレーションを兼ねている場合が多い。そのため国境沿いにイミグレが存在せず、自分で町の警察署まで訪問してスタンプを貰わねばならない。だけどそのテのイミグレは日曜・祝日には開いていないし、お昼休みもあれば18時以降はもちろん閉鎖してしまうため注意が必要。なおこのスタイルを取っている国境の町は、必然的に町中においてノービザ入国が認可されている地域でもあるらしい。

 手続き自体は基本的な質問事項に受け答えするのみで非常に緩いとは感じるが、係員はもちろんポルトガル語しか話せない人だったので大変苦労した。

 そして3月も後半に入った頃「2019年9月から日本人はブラジルビザ免除」という報が入ったのであり、なんだよもうちょっと早くやれよ・・・という気持ちが拭いきれなかったりする今日このごろ。


◎交通事情

 クラックションを鳴らしてこない運転モラル高い方の国ではあるが、土地の大部分が人口希薄地帯ということもあって無茶苦茶に飛ばしまくっている大型車がかなり多い。

 交通量少ないからか知らんが、前方の状況が把握できてない状況でも平気で反対車線に出て追い越しをする悪癖があり、相当な回数自転車の真正面から突っ込んでくる車両とはち合わせとなることがあった。しかも2度ほど逆走状態の車の方が「邪魔だ」とクラックション鳴らしてきたことがあり、これは現時点で最低の運転マナーを誇るベトナムと同レベルのことやっているのだと猛省してもらいたい。

 車両とバイクの割合が半々くらいの印象で、バイクは割と側道を走る人も多いため思わぬ位置から追い抜いて行ったりするパターンがあり注意が必要。なおバイクの運転技術もあんまりな印象で、状況が未舗装路や雨上がり直後だったとはいえ私の目の前でバイクが転倒したのを2度も目撃している。路面良くない状態でそんなスピード出すから・・・と思う走行だった末での転倒で、まぁ自分が制御できない速度を出すライダーが多いという印象。余談だが転倒した2人に大きな怪我はなかった。見過ごすわけにもいかないし目の前で事故るの止めて欲しい。


◎特徴

 アマゾン地域では川が主要な交通手段の1つとなっている・・・というかまともに整備されてない未舗装路しか陸路における道がなく、現在においても陸路より水路の方が主要な交通手段として認識されている。それを象徴するかのようなウマイタ~マナウス間の国道319号線はアドベンチャーロードとして一部のオフロードライダー等に人気なのだが、特に雨季でこうした地域を走行すると酷い目に会うのは間違いない。大きな川には大概フェリーの定期航路があるので、この地域を移動するのが難しいと思う場合はフェリーを利用する方が無難。


◎気候

 要するに雨季におけるアマゾン地域しか走ってないのだが、もう無茶苦茶に雨が多い。といっても1日中雨が降り続けることは稀で、短時間に大雨が降る「スコール」というイメージ通りの雨。天気予報を見ると向こう10日「雷雨」ばかりの日が続くのが常であるが、実際の天候は雲量多めの曇り空という日が続くと思ってけばそれhど間違いではない。

 湿度が高い暑さであるため、雨が降ったことによる打ち水的な冷却効果はそれほどではなく、むしろその後に陽光が照りつけたりすると路面の水が蒸発して凄まじい湿気の中を移動する羽目になり困りもの。しかも雲の動きが速い関係で大雨直後に太陽光・・・というパターンは多い。

 しかし気温自体は35度を超えることは滅多になく、夜間も凌ぎやすい温度まで下がるため夜中に寝苦しいほど暑いということはなかった。まぁ雨季だしな。というか日本は何で夜になっても温度下がらないのかね?

 一般道路ならそれほど雨を気にしなくても問題ないし、レインウェアを使わなくとも雨天走行に支障はないといえるため、時間的な余裕を持って走ればアマゾン地の雨はそれほど気にすることがない。ところが未舗装路を走る場合は勝手が違うというか、定期的に雨で土に水が撒かれるため常に地面がぬかるんでいるというコンディションが形成されるため非常に厄介。

 なおアマゾンというのは熱帯雨林の地域なので、正確には「乾季」というのは存在せず「小雨季」と表現する方が正しいかと思う。何にしても12~3月くらいが最も雨の多い時期となるため、この時期に未舗装区域を走るのはオススメはしない。


◎言語

 南米唯一にして世界最大のポルトガル語使用国であるブラジル。とりあえず他の南米同様に英語の使用率が低いこの国で、それなりに意思疎通するためにはやはりスペイン語が有効だと言える。というのもポルトガル語とスペイン語はかなり近しい言語であるため、普通にスペイン語で話しても半分程度は内容通じたりする。

 ただまぁスペイン語自体もやっつけ程度の能力で、その半分しか通じないというレベルでは会話に関してかなり厳しいと思っといた方がいい。それでもブラジル人自体が英語よりスペイン語の取得率高いため、スペイン語がこの国においても有効であることに変わりはないし、基本的な数字や文法が同じ(似てる)ので最低限の内容を伝えることは可能。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 人口4桁くらいの小さな町でも数件は宿があるイメージで、そのうちの1件くらいは1000円を下回るような安宿がある。なおスペイン領であった南米他国とは町の構造が根本的に違うため、町の中央に位置するパルケ(公園)に行っても周辺に宿があったりはしない。ブラジルの場合はとりあえず長距離バスターミナルの周辺から探索を開始するのが基本戦術だといえる。

 HOTELとPOUSADAS、あとときどきDORMITORIOという宿泊施設もあり、ポウサダスはおそらく民宿寄りの施設と思われるが別に常に安かったりするワケではない。ドルミトリオに関しては見た目からして安宿の雰囲気を存分に醸し出してる施設ばかりで、実際そういう宿だった。どこの宿でも大抵Wi-Fiはしっかり付いてて速度も良好だし、部屋内でも使えるように考えて配置されている。そしてブラジルでは安宿でもかなりの確率で無料の朝食が用意されているのが嬉しい。最も多いスタイルはパンとマーガリンにコーヒー&ミルクというスタイルで、ちょっと良いトコだとパンに挟むためのハムやチーズ、他にバナナ等がセルフで置かれている。特に説明とかはなく、6時~8時くらいの間で用意され各々が勝手に食べるスタイルなので、遅くに行くと何も残ってなかったりする場合も。なお冷水とコーヒーは常にセルフで飲み放題となっていることが普通で、これは宿だけでなく商店やレストランでも同様である。

 ちなみに観光地や大都市といった場所だと全体的に宿の値段が上昇するが、代わりにホステルが登場するため1泊の料金的にはさほど変わらず宿泊することができる。要するに地方なら同じ料金で個室に泊まれるため、治安の悪さも相まってブラジルで大都市に滞在するのは旨味が少ない。単純にコスパが最も良くなるのは地方都市くらいのホテル泊だと思う。私が泊まった町で例えるとポルトヴェーリョやサンタレン、アサイランディアの町とか。

 ちなみに郊外のガソスタやれレストランには長距離ドライバーのためなのか無料のシャワー施設がついてることが多く、何度かテントも張らせてもらったりしたが実に快適だった。町と町との間隔が短いためあんまり野宿しなかったけれど、お金節約してテント泊増やしてもそれほど苦労しないと思われる。ただし(アマゾン地域だけかもしれんが)雨が多い関係で、どこか雨を避けれる場所で設営しないとスコールの勢いが激しいため色々と危険。

 なおWi-Fiは一般のレストラン等でも設置率高いし、郊外のガソスタなんかも使えることが多い。結局ブラジルで長期間ネットに接続できなかったのは、フェリー乗って移動してる最中だけだったんじゃないかな?


◎動物

 アマゾン地域だから仕方ないのかもしれんが無茶苦茶に蚊が多かった。マラリアやデング熱に感染危険のある地域なので、あまり刺されないよう注意したいとか言ってらんない。宿の部屋に入ったらいきなり目視で4~5匹飛び回ってるのが確認できるレベルで蚊が飛んでるのにどうしろと?とりあえず蚊取り線香と虫除けの薬は常備していた私。

 その他のジャングル的な危険生物は道路上を普通に走行してる限りではそれほど出てこないのだが、蛇だけはかなりの頻度で出くわすため気は抜けない。毒持ってる種類なのかは知らんけど、1日で車に轢かれてる奴を含めれば5~6匹見かけたこともあったし。

 犬は可もなく不可もなく。食堂で飯食べてても寄ってくる野良犬の数も少なかったし、走行中に追いかけられた経験も多くない。そっちはあまり気にならなかったかな。


◎自転車店

 人口5万を超えるような町なら先進的で大きなショップが1つくらいはある。それより小さな規模の町でも自転車を専門に扱う修理店なりは点在してるので、まぁトラブルの対応自体は対処しやすいかと思われる。

 品揃えに関しては基本グレードのSHIMANO製品ならば問題なく入手でき、私の場合は次のヨーロッパの物価高さを考慮してブラジル終盤に色々なパーツを交換したりとかしてる。いや、自転車の部品なんて何処の国でも大して値段変わらないかと経験上思うのだが、ヨーロッパ走ったサイクリスト曰く「ヨーロッパはサイクル用品まで全て高い」という話を聞いたので。

 店員の整備レベルは他の南米諸国と変わらないと感じたが、小さな町だったりすると作業に要する部品がなかったりすることも多いので、有り合わせの工具で何とか対応したり古くなって消耗しているベアリングをそのまま使い続けたりとかしていた。まぁ物が無いと工夫でどうにか対応するのはその通りだと思うし、ペルーみたく勝手に分解して「これ無理だわ」とか放り投げたりしないので、とりあえず自転車預けることに抵抗は感じないし。

 自転車で旅行するということに対して非常に親近感を覚えてくれる店員が多く、色々助けてもらったりしても料金受け取らず「良い旅行を!」みたいな感じでサービスしてくれたりと、ここでもブラジルの人の良さを強く感じることが多かった。


◎物価・食事

 ペルーやボリビアより高いけど、エクアドルより安いかなという感じ。宿に泊まって毎食レストランで食べても一応2000円以内で収まる程度だと思う。南米ならコロンビアと同程度というイメージかな。

 なおレストランは大都市でもない限りワンパターンのメニューなのだが、しかしブラジル料理は満足度が非常に高い。自転車乗りには有難いのがセルフ方式でお皿に食材盛り放題だが料金固定という店が多く、ブラジル料理といえば!のシュラスコ店含めてこうしたお店ばかり通っていた。ただし一部の店では同様の方式で重量計って料金を算出する店もあるため事前に要確認した方が無難。

 大体1食200~450円くらいでやや高目だが、どのお店でもガチガチに冷やした冷水とコーヒーは無料で飲めるし、思い切り肉が食べれての料金なのでむしろコスパは良いと感じる。宿で無料の朝食出るからほとんど朝は利用しなかったし。

 なお19時にもならずして多くの食堂はシャッター閉めてしまい、日中から継続して営業してるお店は限られる。小さな町だと平日でも1件もお店開いていないという状況が頻発し、またスーパーも同様の時間帯に終了するためタイミング悪いと食いっぱぐれる危険がある。

 とはいえ中央公園やバスターミナルとかに行けばシュラスコかハンバーガーの屋台があるし、バーを始めとした夜中から営業開始するお店もあるっちゃある。私は屋台は結構利用したけど、バーは割高の軽食しか食べれないので行くことはなかった人。1人でバー行って酒飲むタイプじゃないのです。

 とにかく暑い国のためビールが美味いのであり、1本50~80円というお求め安さもあってガンガン飲みまくっていた。スーパーなどではビンよりも缶が主流で販売されてるので、飲み終えた瓶ビールをお店まで戻しに行かなくても良いのが地味に有難い。なお他国ではあまり見かけない269mlという規格が多く、通常の350ml缶はそれほど多く流通していない。

 全国展開してるビールだけでも5種類以上。私はクリスタルという名前のビールが好きだったけど、クリスタルという名前のビールは中南米でそれぞれ同名別種のビールが広く取り扱われており、なんだかちょっとモヤモヤするな。なお店で瓶ビールを注文すると、外気温でビールが温められないように専用の容器で瓶をカバーしてくれる。


◎総括

 いや楽しかったなブラジル。アマゾンという地域のワクワク感は入ってみれば案外整備されてる場所も多く、原住民が暮らしてる未開の土地ばかりではなかったけれども。それでもこの土地を自転車で走って他の南米とは違う景色と環境を存分に感じることができたと思っている。

 整備されてるとは言ったけど、それでも南米全体で見ても最高難易度クラスの道が連発し、自転車の各部品ぶっ壊れまくったしフェリーや車両に乗せてもらうことも多々あった。何とか無事走破することができたのは、この国で私を助けてくれた多くのブラジル人のおかげである。

 そう、この国もまた最初に思い起こすのは人の優しさで、南米に入った最初の国コロンビアと最後の国となったブラジル。この2カ国で最もそうした印象を受けたというのは何とも不思議な気持ちになる。

 何故か邦人自転車旅行者が訪れることの少ないブラジルだが、この広大な国土の中にまだほとんどサイクリストが走破してない貴重な道がワンサカ眠っているのだと思うとワクワクするじゃないか!これからの南米自転車旅行にアンデスのみでなくアマゾンやブラジル海岸線といった選択肢を入れても決して後悔はしないと思う。ブラジルとはそういう国であった。

 イギリス4日目 ロンドンの町


 単純に睡眠時間が足りてないだけかもしれないが、朝無茶苦茶眠たいのは「時差ボケ」なのだと思いたい。1度くらい言ってみたいじゃないですか「時差ボケで眠くてさぁ・・・」という台詞。


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 眠たい


 本日ロンドンマラソンの開催日ということもあり、ちょいと見学しに行っても良かったのだが午前中の間に所々の作業をクリアしておくことにした。こんな自由にWi-Fi使わせてもらえる環境はイギリスでそう滅多にないだろうし。


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 ということで午後から自転車乗って外に


 やや郊外にある徒歩だと行きにくい観光ポイントを幾つか見て回ろうと思っていたのだが、自転車走らせてものの2~3kmでサドルを固定していたネジが折れるという大トラブル発生しようとは・・・


 これではマトモに自転車走らせるのも大変であり、慌ててステイ先の家へと戻り近所の自転車店を調べて探す。


 1店目はマトモに取り合うこともしないクソショップで「イギリスの自転車店って最低だな」とか思ったけれど、他のお店はちゃんと私の説明聞いてくれた普通のお店だった。


 とりあえず部品交換して対応できたので一安心。改めて自転車跨り向かう先はベイカーストリート。


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 ここやね


 私はそこまで熱心なホームズフリークではないが、それでもシャーロックホームズシリーズは一通り読んで例に漏れず影響バリバリに受けた人でして、そりゃロンドン来たのならホームズの舞台となった地は1度見てみたかった。


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 でもミュージアムには入らないというエセファン


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 まぁそんな程度ですよ私なんて

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 でもここに来て良かった 


 楽しませてもらったらお次は道を北上してアビーロードへ向かう。やっぱり熱心という程ではないが、ビートルズは私も好きな音楽というか一応人生で初めて購入したCDがビートルズという程度には好きな人。


 ファンにはあまりにも有名な場所であるアビーロードは、その場所に近づいただけで無数の人が何の変哲もない道路を撮影しており直ぐに発見できる。


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 これこそ聖地ってヤツか


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 普通に使われてる一般道路なんだけどね


 最後(厳密には違う)のCDアルバムジャケットになった多分世界一有名な横断歩道は、別になんて事のない普通の道ではあるのだが、遠路遥々ここにやって来る人にとって特別な場所なのだな・・・ということを感じさせる写真を撮ってるたくさんの人たちを見て思わせる良い場所であった。


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 すぐ側にあるスタジオの方が有名になりそうなもんだけど


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 しかし凄まじい落書き


 ということで2大聖地も堪能したのでそろそろロンドン出発しましょうか。結果的に必要なかったけど、入国審査で必要かと思って既にイギリス出国するためのフェリーチケットは購入しており、この国の滞在期限は確定してるのである。


 いつまでもロンドンのみに滞在していては自転車旅行の意味がないし、従兄弟のステイ先に何時までもお邪魔してるワケにもいかないしさ。それでは走りましょうか、イギリスの国を。


 2019年4月28日(日) 走行距離12km 累計91968km

 イギリス3日目 ロンドンの町


 昨日の町歩きで普通に両足が痛いでござる茶壺です。従兄弟は仕事へと出てしまったので、今日は私1人でロンドンの町を見て回ろうと思う。ロンドン観光2日目ってヤツだ。


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 昨日は電車だったので今日はバス乗ってみる


 ちなみにロンドンの電車・バスは共通して使えるプリペイドカードを利用する。その名もオイスターカードといい、私はこの名前聞く度に「なんか美味しそうだな」とか余計なことばかり考えてしまう。


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 ロンドンのバスは基本2階建て


 昨日の博物館続きを見ても良いのだが、折角なのでナショナルギャラリーの方に行ってみた。私は絵画を理解する芸術性を持ち合わせていないのだが、まぁこういうのは「高尚な人間になれた気がする」ことを目的として観に行くものと相場が決まってるのだ。無料だし。


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 なお建物前の広場はトラファルガー広場


 博物館と同じくしてこちらの美術館も広大な敷地に年代毎にフロアが分かれ、数千点もの絵画が飾られている。私でも知ってるような有名どころのアーティスト作品も多数保管されており、とりあえずはそういった人様の描いた絵を写真ではなく実際に見てみることにしましょうか。


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 低い志で周ります


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 結構面白い


 しかし最も有名であろうゴッホの「ひまわり」が貸し出しされて現物見ることができなかったのは残念無念。とりあえず最近読んだ小説が「ひまわりの祝祭」というゴッホのひまわりを題材にした話だったため、僅かばかりの知識を蓄えていた唯一の作品だったのに。付け焼き刃の知識は生かされることもなく終わった。


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 まぁそんなもんだ


 そのまま歩いて教えて貰った日本食材店に行ってみる。ただでさえ物価が高いイギリスで、日本食材なんて手が出ないだろうと思ってたのだが、なかなかどうして良心的な価格で販売されており味噌が200円ちょっとで購入できたのは本当に有難い限り。


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 寒くなってきたので戻りますか


 ステイ先に戻った後、フライトに合わせて処分しまくった調味料やれ食材を補充しに近くのスーパーへ。丸2日も遊んだことだしそろそろ本格的に走行するための準備をしなくてはなので。


 米とかパスタだとかの基本食材はひと揃え完了し、しかしコーヒー豆は従兄弟が働いてる職場で安く販売してくれるというのでまだ購入しないで我慢。紅茶の国だけどやっぱり私はコーヒーの方が飲みたいのである。


 2019年4月27日(土) 走行距離0km 累計91956km

 イギリス2日目 ロンドンの町


 世界でも有数の大都市でありつつ観光地としても名高いロンドンの町。有難いことに、こちらに住んでる従兄弟が仕事を休んでロンドン観光をしてくれるというのでお言葉に甘えることとする。


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 とりあえず地下鉄に乗って中心街へ


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 しかし絵になる町だよなあ


 有名どころは数あれど、とりあえず私がお願いしたのは英国博物館。イギリスが他国へと侵略の限りを尽くして奪い取った貴重な歴史的に価値のある財宝やら遺物を収めている場所である。要するにイギリスだけでなく世界各国の貴重な遺物が見学できる博物館だ。


 この言い方は私がイギリスという国をやや「悪者」として見ている点が否めないのだが、まぁ歴史的に見てヨーロッパ各国は他国へ侵略の限りを尽くした立派な悪者である側面は拭いきれない事実なので仕方ない。個人的にはそうして収集したアイテムを無料で見学させてくれるのだし文句があるわけではない。


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 外観からして圧倒される


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 惜しかった来週からはマンガ展が開かれるのか


 世界中の各地域にエリアが分かれているのだが、私は断然エジプトが面白かった。初っ端から私でも知ってるロゼッタストーンが鎮座しているのであり、古代文字とかそんなのワクワクしない男の子なんているわけない。


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 ただし人多過ぎだが


 そのままピラミッド内に収められていたというミイラとその棺を眺めつつ。やっぱりコイツらには不思議な魅力があるというか、死者が収められていた割に明るすぎる色合いとその豪華で繊細な装飾の数々。


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 大きさはそれほどでもない


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 エジプトと言ったら猫だよね


 正直展示物の数も多いし博物館内が無茶苦茶広くって、真面目に見学してたらとても1日じゃ見切れないレベル。せっかくロンドン市内色々案内してもらえるのに博物館1本で終えてしまうのは勿体無いということもあり、2時間程度で脱出することにした。気が向いたら後日1人でまた来よう。


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 写真も雑になるし


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 もちろん日本のコーナーもあった


 ロンドンの町中央付近を流れるテムズ川。この周辺にどこかで名前を聞いたような有名観光ポイントが固まっているとのことで、川沿いのポイントまで移動しその周辺を散策する感じで歩き回る。


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 ロンドンといえば2階建てバス


 そして有名な時計塔なんだけど、これが現在改装工事中とかで思い切り周辺に足場組まれて修繕工事されていた。全く本体が見えない時計塔は工事が終わるまで約4年ほどかかるとのことで、おいおいどんだけ改造手術に時間かけるんだよ?


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 ロンドンっ子はもっと文句言うべきじゃね?


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 「こんな格好、意味ないんだけどなぁ」


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 名前だけは聞いたことあるビクトリア宮殿


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 これも映画で見たことあるな観覧車


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 結構1つ1つが大きい


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 多分町の景観のために残されてる電話ボックス


 観光ポイントが近くに点在してるため、歩き回ってもそれほど疲れずにいられる規模。博物館系ではない観光ポイントは相当強気な料金設定していることもあり、基本的には外観を見て回るに過ぎないのだがそれでも十分に面白いと思えるのはロンドンの雰囲気が為せる業か。


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 最後はタワーブリッジまで行ってみる


 どこまで有名かは知らないが、私としてみればイギリス出身の超人ことロビンマスクの代名詞とも言える技「タワーブリッジ」をこうして実際に見ることができるなんて心の底から嬉しく思う。世代的にはキン肉マンよりもうちょい後なんだけど、それでも。


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 相手を担ぎ上げるとこの橋が背景に出るんだよ


 この時期のイギリスは日が暮れるの20時とかなので、真っ暗にこそなる前にステイ先へと戻ったが丸1日町を歩き回ってヘロヘロなのは間違いない。やっぱり自転車よりも歩くほうが体力的にキツいと思うんだ。


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 なのに夕食まで作ってもらってる私


 こうして至れり尽くせりしてもらった私。やはり持つべきは海外にステイしている親戚だね。


 2019年4月26日(金) 走行距離0km 累計91956km

第6部 進撃のヨーロッパ

 ~この世界を走るのは残酷で美しい~

 イギリス1日目 ヒースロー国際空港~ロンドンの町


 約10時間のフライトでポルトガルのリスボンに、そこから飛行機乗り換えて更に3時間。合計15時間でやっとイギリスのヒースロー国際空港へ到着した私。


 結構な長丁場ではあったのだが、それでもニュージーランドからアラスカへフライトした時に比べると随分楽だったな。機内食も2回出たし。


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 味付け濃かった


 さて着陸したはいいが、ここからが本番と言いますか。イギリスの入国審査は「世界で最も厳しい」などと歌われている国なのであり、情報調べれば調べるほど「強制送還を食らった」みたいな恐ろしい文句が目に入る。


 私のような品行方正の旅行者であったとしても、あらぬ疑いをかけられ冤罪を着せられてしまうかもしれないのがイギリスだ。そんなことがあってはならぬ、と自分にできる限りの下準備を行い備えてきた天王山。いざ行かんイギリスイミグレーションへ!


 ・・・とまぁ盛り上げておきたかったんだけどさ「長蛇の列」とされていた入国審査の順番待ちはものの5分で私の順番となってしまったし、係員のオッちゃんが私にしてきた質問は


 「何日滞在するの?」

 「あっはい1ヶ月弱です」

 「イギリスなにすんの?」

 「自転車でツーリングを」

 「そっか楽しんでな~」

 「うん、どうもありがとう」



 「・・・・あれ、それだけ?」と思わずツッコミしそうになる程、スパーンとハンコ押されましたとも。 厳しい入国審査とは何だったのか?やっぱ前日に髪切って髭剃っておいた効果がてきめんだったのか?そういうことにしておこう。


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 ちゃんと自転車も来ているようで


 荷物を抱えて入口脇のスペースで自転車組み立てを開始する。ロンドン市内は列車に自転車乗せて運べると聞いたが、自走できるのに列車を使う理由なんてあるか!男は黙って自転車移動じゃい。


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 結構手間取って2時間くらいかかった


 時刻は既に17時だが、今の時期のロンドンは20時過ぎても明るいらしいから大丈夫。私の従兄弟が今ロンドンにてワーホリ滞在をしており、数日そちらへ厄介になるべく移動開始する。


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 もう南米とは全く景色が違う


 私は雰囲気だとか空気感みたいな目に見えぬ存在を読み取ったり感じることが出来ない人だと自負しているが、そんな私でも見た目だけではない明らかに別の世界であるこの空気。飛行場から5kmも走らずのタイミングで、ようやく私は「新しい大陸に来たのだ」という実感を感じることが出来た。


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 それもハッキリと


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 イギリスに来たのだ


 ちなみにロンドンびっくりするほど寒いのですが。若しかして私が感じたヨーロッパの空気感って、単純に「肌寒い」ということの感想だったりしないよな。いくらなんでもそりゃあんまりだ。


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 しかし重厚な感じで絵になる町だな


 従兄弟の滞在先アパートは思ったよりも遠く、オマケにロンドンの大都市は複雑な道路で進む方向がちっともわからないと来たもんだ。日が完全に沈み始める直前の20時半にようやく従兄弟と再会できた時には心底ホッとした。


 大家さんの計らいで現在使用してない1室をお借りさせてもらえることとなり、物価の高いヨーロッパ初日においてこれは非常に有難い。とりあえずココを拠点にしばらくはロンドン観光楽しみませう。


 2019年4月25日(木) 走行距離31km 累計91956km

 場所:付近で最も大きな町であるウユニの町から約190kmほどで私が突入した入口。ここ以外にも幾つか入口は存在しているが、チリ側へと抜ける場合には最終的に1つのルートに集約されている。なお南部は国立公園となっており、コロラド湖畔にある入場ゲートで料金の支払いをすることになる。
入場料:国立公園の入場料金が当時の値段で150ボリ(約2440円)と非常にお高い。しかも現金のみしか受け付けられず、この周囲にATMはおろか両替商など存在しないので、きちんと事前にお金を準備しとかないとマジで洒落にならない。

 「ボリビアといったらウユニ塩湖」と旅行者的には目されているが、自転車旅行者的にはウユニよりも人気が高いとすら思われる場所。ラグナーズルートとも呼ばれる常に4000mを超える土地に点在する無数の塩湖と美しい景色は南米の中でも特に強く記憶に残っている。
 約2週間の滞在中全ての写真を挙げても無駄が多いので、ここには宝石の道で訪れた各湖と自転車で行ける世界最高標高のウトゥルンク山の写真をアップした。

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 ブラジル62日目 ベレンの町~ベレン国際空港


 この2日散々動き回ったおかげで今日はもう飛行場に向かうだけ・・・とはならないのが私。とりあえず朝食済ましてから荷物を取りまとめる作業に着手するのだが、フライト前に自転車の清掃をしておこうと思ってたのだ。


 ここ最近結構なパーツをぶっ壊して交換した関係で、タイヤを主とする足回りの部品が新品多いため清掃作業に手間かからなかったのはちっとも良いことではないけれど。まぁ、楽ではあったな。


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 ダンボールを挟み込んで出発準備整える


 ちなみにフライト時刻は22時半という遅い時間帯であるため、ホステルのチェックアウト時刻を過ぎた後は5ヘアウ支払ってロビーに滞在させてもらえるサービスを利用。いくら準備に時間かかる自転車とはいえ、流石に12時間前に飛行場行っても時間持て余すと思ったのだ。


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 しかしこのスタイル風の影響凄そうだな


 結局ホステルは14時過ぎたあたりでチェックアウト。飛行機利用して次の大陸行くときは仕方ないのだが、南米ラストランが飛行場へ向かう道というのは実に味わいに欠けるし楽しくない。


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 町中で交通量多いしさ


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 途中の食堂で昼食済ましていく


 お昼挟んでも1時間ちょっとでベレン国際空港に到着し、これにて南米での自転車走行は完全に幕を下ろしたことになる。1年9ヶ月に渡った南米の出来事を思い起こす云々~とかそんな感傷出てきませんよ。これからダンボールに自転車梱包することで今頭いっぱいだしさ。


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 はいはいお疲れ様


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 やるかー


 しかし割と規模が小さく利用客も少ないベレン空港。確実に余ると思ってた5mもある緩衝材(プチプチのアレ)普通に全て使い切ってしまった。


 ちなみにバッグを1つに取りまとめるのにラッピングマシーンではなく家庭用サランラップ買い込んできてるのだが、これも「4本とか多すぎたかな・・・」と思っていたら全て使い切ってしまい、フライト久しぶりの割には下準備バッチリじゃん私!


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 ここまでまとめるのが大変なのです


 ようやく作業がひと段落したので小乗ったお金でアサイーのお土産とか買ったのは良いのだが、まさかチェックインのタイミングで没収されてしまうとは・・・。フライト前の準備は自転車関連以外ちっともバッチリじゃなかった。


 それはともかく無事に問題なく荷物を預けてチェックイン。真っ暗になった窓の外を眺めつつ、明日も南米の地にいるような気がしてしまうほど私はこの土地が好きだった。心からの感謝を込めて、さよなら南米。


 2019年4月24日(水) 走行距離9km 累計91925km


 第5部 ~完~

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