知ってる人は詳しいのだけれど、知らない人は全く知らない。世の中の大抵のことがそうであるように、興味がなく自身に関係のない出来事というのは、必然知識も持ち得ないものだ。だから海外旅行をしたことがない私がビザに対して無知であるのは仕方がない。

 ということでビザこと査証に関しての基礎知識。海外旅行者の必要知識なのかしらん。


◎ビザの役割

 ビザとは他国に入国する際、その国が外国人に対して「入っても良いですよ」と示した証書のことである。なんか色々面倒くさい手続きだとか書かれていたりとかするけれど、基本的にはビザの役割はそれに尽きる。

 パスポートが国籍と身分を示す証明書なのに対して、ビザは入国許可証という位置づけだと思ってもらえば良い。

 ただしこれには罠が隠されていて、ビザとは他国へ入国するための審査の書類の1つでしかない。つまり、入国審査で係員に認められなければ、いくらビザを持っていても意味がないのである。

 会員制のクラブとか想像してもらえればどうだろう。ビザこと会員証がなくては参加資格すらないのだが、入国審査こと入口の服装チェックでTPOをわきまえていないと、やっぱり入ることができないよ・・・・みたいな感じ。


◎入手方法

 基本的には行きたい国の大使館や領事館といった在外公館で、パスポートを渡して所定の手続きをすることで入手できる。この時、申請をしてからビザが発給されるまでにはタイムラグがあり、即日発行してくれる国から1週間程度待たせる国まで多種多様だ。

 同じ国の在外公館でも、ベトナムでは申請から発給までに5営業日必要だったが、タイでは3営業日で発給された。みたいな例が数多くある。基本的にはその国との交流が多い国であるほど、ビザの取得はスムーズになるとされている。

 もちろん「ワタシの国に入っても良いですよ」という許可証なので、申請してから散々待たされた挙げ句、ビザが発給されないといった悲劇もままあり、旅行者達は「どの国だとビザが取りやすい」だとか「ここ数ヶ月であの国との関係が悪化したからビザが発給されなくなった」みたいな情報交換を実施してるらしい・・・・ですよ?

 こうした方法とは別に、国境や国際空港で即時発給してくれる場合もある。要するに色々あるんよ。

 きちんと語るならば、世界中でビザに関しての統一されたルールというものがないため、国によって制度が様々であり、苦労するのは大抵の場合旅行者である。同じ国で、同じ種類のビザを発給してもらう場合でも、発給場所が違うと申請方法や書類が異なることもあり、本当に大迷惑なのですが。


◎ビザの種類

 さらにビザの内容も多岐にわたる。海外に行く人は、その目的に合わせて該当するビザを取得しなければ駄目であり、ビザの種類によっても発給の難易度が大きく揺れ動く。短期の観光ビザとか通過滞在(トランジットビザ)は発給されやすいのだが、就労ビザや長期滞在ビザ等は、必要書類がないと発給されないことが多い。

 そうしたビザには沢山の種類があり、とりあえず旅行者が知っておくべきビザの種類は

・観光ビザ
・トランジットビザ(最終目的地の国へ行くのに通過する国ため必要となるビザ)

 の2種類で充分でしょう。何しろ観光ビザの中でも「1度だけ入国可能なシングルビザ」「2度の入国が許されるダブルビザ」「有効期間中は何度でも入国OKなマルチビザ」・・・といった感じに幾つかの種類に分かれていて、全部なんか覚えてらんない!

 さらにその滞在日数も30日、60日、90日、180日といった具合に種類分けされていることが多く、当然ながら日数が長くて何度も入国できるビザの方が申請料金が高く、発給の条件も厳しい傾向にある。

 旅行者は自分の旅の予定と状況に合わせて、次に訪れる国のビザは「60日マルチビザ」にしておくか・・・・といった具合にビザの申請を行うことになるのだ。・・・・選択肢がある場合は。


◎ビザの免除

 しかしながら海外旅行でビザを取得したことがある方は、その旅行者数に対して非常に少ない。と、いうのも一部の国では観光での短期滞在であれば、ビザの発給をすることなく入国が可能という制度を実施していることがあるからだ。

 基本的には日本との交流が多い国ほど、ビザが免除される傾向にある。ビザ免除での外国滞在期間は、短くても15日くらいは確保されることが多いため、一般的な海外旅行者はビザを発給する必要がないのだ。


 ビザ免除には色々な理由があるのだが、お互いの国同士で「国民の行き来についてはビザの発給は辞めよーぜ」とか「オマエの国民は特別にビザ免除してやんよ」といった取り決めをしているからであって、根底には面倒くせぇという大いなる意思を感じる。

 でも、ビザ免除は入国審査免除ではないんだよ。入国審査でハジかれたら意味ないんだよ!あっはっは


◎ビザのタイプ

 ビザというのは在外公館に自分のパスポートを提出して、そこに許可証を記載してもらうパターンが多い。とはいえ幾つか例外の方式を採用している国もあり、おいおい、分かりづらいのですけれども。

1、スタンプ方式
 最もポピュラーな方法。パスポートのページにスタンプが押される方式

2、シール方式
 パスポートのページにシールが貼られる方式

3、セパレート方式
 ビザそのものが1枚のカード等になっている方式。なので、パスポートには記録が残らない

4、電子方式
 インターネットで申し込み、電子記録で承認される方式。やっぱりパスポートには記録は残らない

 4番とかはネットで情報を入力することで、素早く渡航許可が降りる現代的な手法であり、オーストラリアとかアメリカでは一部でこの方式を採用している。個人的にはもっとこの方式が普及すれば良いと思うんですのん。(アメリカはビザではなくESTAという)


◎まとめ

 その時代と場所と状況で、ビザの手続きはすぐに変わってしまうので、常に最新状況が欠かせず、長期旅行者泣かせの手続きである。アフリカ地域の旅行難易度が高い理由に、ビザの発給の難しさと入国管理の厳しさが影響していることは間違いない。

 なお、発給されたビザそれ自体に使用期限(発給から90日以内に入国する必要があり、入国から30日間が有効・・・みたいな感じで)があるため、発給条件の緩い国で全てのビザを取ってやるぜ!・・・ということはできない。正確には「可能だけども、やる意味が薄い」のである。せいぜい数カ国分のビザを取得するのが有効活用する限界頂点だといえよう。

 余談だが、クレジットカードのブランドにもビザ(visa)カードというのがあるワケで、もちろんビザとは何の関係もない。「ビザ(査証)のように、どの国でも使えるように」ということから名付けられたとか、いやいや関係ないとか諸説あるのだが、個人的には入国審査で「ビザ出して」といわれ、財布からクレジットカードを見せてドヤ顔・・・・という一発ギャグのために名付けたのだと思う。