2015年5月5日〜5月24日
走行日数20日間
累計走行距離1170km(10942km〜12112km)
累計走行距離1170km(10942km〜12112km)
◎道路
ヤンゴンの町に近づくほど路面が整備され、道幅も増えていく印象。地方の田舎では地元住民が手作業で道路の工事作業を行っているのを度々見かけた。道路公団とかそういう存在はいないのかしらん?
国の中央部は平坦だが、それ以外はアップダウンを繰り返す森林地帯や山岳地域が多い。更に幹線道路から外れると幅が狭い上に未舗装路だらけで迂闊に踏み込むと痛い目を見る。私はバスワープしたが、今回のルートでいえばティーキー国境〜ダウェイの道を自転車走行する場合は、相当の準備と覚悟をしていった方が良い。なおコーカレイ〜ミャワディ間は、これまで一方通行(1日毎に向きが変わる)の狭隘路+山越えという険しい道だったのだが、開通したばかりの新道を走ったため非常に楽ができた。密かに日本人サイクリストでこの道を走行した第1号ではないかと自慢に思っている。
全体的に舗装路が多いが、都市部を除いて整備されていないためアスファルトは凸凹である。なお、側道や路側帯等といった自転車に優しい道は存在しないため、基本的に車道を走らされることとなる。多数の料金所が存在するが、自転車は大きな橋を渡る時も含めて全てスルーされた。
◎治安
良い。地方部族同士で戦闘が云々とかチラッと聞いて怖かったのだが、田舎地域は全然気にならない。むしろヤンゴンの方が旅行者を狙った詐欺がいたので悪いと思う。それでも夜中に女性が歩き回っている程で、身の危険的なものは感じない。
軍隊の人は他国よりかなり沢山見かける。でも基本的に良い人ばかりであり、私のミャンマー軍イメージはすこぶる良い。逆に警察官はダラダラ仕事せず制服で昼間っから酒飲んでいるわ、英語喋れるのにこちらとまともに会話しない輩だったりで非常に印象が悪い。
特に南部地域を走っていると何度か検問があり、パスポートチェックされたりしたが、いうこと聞いてれば問題なし。初日に民家に泊めてもらった時に、私の情報を本部に連絡しなけりゃならないんだ。と軍人のニイちゃんがいってたので、外国人の宿以外での宿泊はそれなりの許可がいる模様。
◎ビザ
観光ビザで28日間の滞在が可能。日本でもビザ取得は可能だが、タイのミャンマー大使館を活用するのが最も簡単であり、且つ料金も安く済むらしい。私もこの方法にてビザを入手した。
なお、タイ大使館では午前中に申請書類を提出後、即日発給=1260B、1営業日後=1035B、2営業日後=810Bと日程と料金を選ぶことが可能。大使館近くに日本語で書き方例を記載している代筆屋もインスタント写真屋もあるため、パスポートさえ持っていけばどうにでもなる。
なお、ビザの有効期限は発給されてから3ケ月間なので、取得してから実質2ケ月以内に入国する必要あり。まぁ滅多なことでは期限切れになってしまうことはないと思うが。
◎交通事情
一応歩行者を優先しようという意識が僅かばかり残っている印象。都市部の交通事情が最悪なのはどの国でも大して変わらないのだが、トラックやバスといった車両に対して怒りを感じることが少なかったし、逆走してくる車もバイクも見かけない辺り、多少はマトモな運転をしている人が多いともいえる。あと、ミャンマーは車がキチンと信号を守ってて驚き。
日本の中古車が半数以上を占めている関係で、右側車線にも関わらず右ハンドルの車が主流。それがどうした?といわれれば、別に大した影響はないけれども。バス等の乗り降りは無理矢理改造した右側ドアから出入りしているので、中央線側にいきなり人が乗り降りしてくることは(多分)ない。
◎特徴
1、元軍事政権の関係か軍隊の演習所や軍人が非常に多い。構わないのか分からないが、軍隊関係の施設に対してはカメラを向けること無いように注意していた。実際、ティーキーの国境付近では写真撮影禁止らしい。
2、ミャンマー国内において自転車で走行することができない地域、そもそも外国人が進入禁止の地域が幾つかある。この制限のために、バガンへはバスでの移動を余儀なくされたので自転車旅行者は注意が必要。外国人進入禁止区域についてはネットで調べれば簡単に分かるが、これも状況によって流動的なため割と出たとこ勝負の節がある。基本的に北部と西部は危険な地域らしく、制限が設けられることが多いとのこと。
◎言語
基本言語はビルマ語だが、英語を解する人はかなり多めの印象である。しかも発音が綺麗で聞き取りやすく、コチラの英語力がが残念であってもどうにかなる。なお、田舎であっても軍関係者等の人は大抵英語が使えるようで、全く意思疎通ができないということは少ない。
何故かは知らないが日本語を知っている人が多い。コチラが日本人だと分かると、知ってる日本語を次々上げてくるのだが、これが意外に嬉しいものだということがよく分かった。ミャンマーで日本、愛されてます。
なお、ミャンマーでは距離をマイル表記で示すのが一般的であるため、町までの距離を聞いた場合にkm換算で1.6倍するのを忘れないようにしないと、何時までたっても辿り着かない・・・・なんてことになりかねないので注意。
あと看板表記は基本的にビルマ語で全く読めないのは仕方ないのだが、問題なのは数字もビルマ語で書かれていることが非常に多い点。このため、町までの距離表示や何番のバスに乗れば良い等といったことが分からなくて、地味にストレスである。ここら辺はとにかく周囲に聞きまくればどうにかなるが。
◎SIMカード
使用したのはMPTとTelenorという会社のSIMカード2種類。前者のMPTなのだが、ミャンマー南部地区においては他のSIMカードを販売していないらしく、選択の余地がなかったという側面が大きい。
ヤンゴンを中心とする都市部においてはどちらも高速回線でストレスなく使用できたが、MPTに関しちゃ田舎の地域ではそもそも電波自体が立たないレベル。モーラミャイン等、それなりの規模の町ですら2G回線でないと使用することができなかった。対してTelenorは田舎の町でも高速回線が使用できたので、活用するならこちらがオススメ。一応メーソート/ミャワディの国境から突入すれば、こちらのSIMカードもすぐに手に入る模様。
購入したのはMPTが300M使い切りタイプで3300チャット(約360円)。Telenorが150M使い切りで5000チャット(約550円)。電波の広さを取るか、低料金を取るか。なお、共に最低料金のプランである。
◎宿・Wi-Fi
全く宿のない地域を走行したのはダウェイの周辺だけで、地図に乗ってる規模の町ならゲストハウスの1、2件は存在する。ただし看板がビルマ語の現地人向け宿しかない町もあり、とにかく住民に聞きまくって案内してもらうのが吉。
観光地でない宿ではWi-Fiの使える宿は存在しなかった。なお、モーラミャイン・バゴー・ヤンゴン・バガン・パアンの宿ではWi-Fiが使用できたが、いずれも速度は遅く安定していない。調子が良ければ写真がUPできる程度。
ミャンマーの宿は値段が高いと言われるが、それは主にヤンゴンや観光地での話。田舎では宿泊料金が300円〜1000円なのに比べて、ヤンゴンではドミトリーの最低料金でも10$程度と割高になる。なお、「宿泊すると朝食がついてくる」というのもこうした地域限定である。とはいえ隣国のタイ等と比べると、料金は変わらなくとも明らかにコストパフォーマンスは悪い。シャワーは水桶なのが当たり前なレベル。オマケに田舎は深夜になると電源供給が停止して扇風機が止まることあり。窓なしの監獄部屋でコレが発生すると汗まみれで、とても安眠できる状況ではない。
あと外国人の宿泊を拒否する宿がある。同じ地域内で他の宿より明らかに値段が安い宿などは、そうしたミャンマー人専用宿の可能性があるため安価で泊まれると思いきや、ぬか喜びさせられることになる。
◎自転車店
地元の一般自転車を扱うお店は見かけたが、スポーツ用自転車店は見ていない。一応情報ではヤンゴン市内にスポーツサイクル店もあるらしいのだが、見ていないので何とも。日記でもチラッと述べたが、旧型の自転車が現役稼働して使われているような国なので、田舎でパンクよりも深刻なトラブルに出会ったら素直にヒッチハイクしてヤンゴンかタイへと移動するのが現実的な対処法だと思われる。
実際、ミャワディ手前でギアが壊れた時に、ミャンマーで直すことは諦めて早々にタイへと移動したところ、国境から僅か5kmでスポーツサイクル店を見つけている。運と状況にもよるが、ミャンマー国内で自転車トラブルを解決するのはかなり大変かと。
◎物価・食事
食費はかなり安い。特に麺関係は時に笑っちゃうほどコストパフォーマンスが良い場合が多い。幅が大きいが、屋台で1食30円〜200円くらいまでが相場。ビールはジョッキ1杯が約70円、1瓶で110円くらい。
それよりも重要なのは、ミャンマーの食事はとにかく油を多く使うこと。ミャンマーカレーなんかはカレー風味の油落としご飯なので、油断してると胃がやられて酷い目に遭う。私は油使う料理が好きな方なのだが、それでも「油多すぎだろ!」とツッコミしてたので、まぁそういうことである。カフェでも出てくるパンは揚げパンだったし、ミャンマーで油料理を避けるのは相当大変だと思いますよ。
ヤンゴン等の大都市ではミャンマー料理以外も豊富に選べるが、総じて輸入品は値段が上がる印象。小さなコーラ缶が55円くらい。隣国タイだとコーラ1ℓボトルは70円とかなので、やはり少々高めの値段設定かと。カフェでのコーヒーは1杯20円。
食事で1品頼むと何かしらサイドメニューが付いてきて、合計4〜5品が並ぶセットになることが多い。安くて沢山量が食べれるので、自転車乗り的には何ともありがたい国だといえる。
◎総括
東南アジア最後のフロンティア・・・みたいな言われ方をしていた記憶のある国だが、基本的にはスーパー田舎帝国。ヤンゴン以外の都市のへっぽこっぷりは微笑ましい。
Wi-Fiは遅いし、毎日停電が起きるわ、暑いのにスコール激しいわと苦労が絶えなかった国でもあるが、とにかく人の良さに救われ続けた。もの凄い多くの人が色々と話しかけてきてくれるのが楽しく、英語の普及率が高い(国民の4割が話せるとのこと)こともあってか人との出会いが強く印象に残っている。
なお、東南アジア圏で最も仏教文化に意識が強かったと思う。何度も「オマエの宗教は何だ?」と聞かれたのだが、他国でこの台詞が出たのは現在のところ中国で1回のみである。
出会う人が日本語(の単語)を話せる人が多かったのも印象的。日本の中古車もあらゆる場所で目にするし、日本人としてミャンマーに訪れると色々と日本が周辺諸国へ与える影響について考えることが多い。あと犬が全く吠えてこない。