2015年2月23日〜3月9日  4月16日〜5月4日  5月24日〜6月30日
 走行日数73日間
 累計走行距離4090km
(1回目1317km・2回目1046km・3回目2727km)
(5488km〜6705km・9896km〜10942km・12112km〜14839km)

◎道路
 最強。何一つとして心配する必要がないレベル。主要幹線道路の広い道幅も然ることながら、3桁や4桁の国道でも完璧に舗装と整備が行き届いているため問題無し。斜線の数も多いわ自転車用の側道も大きいわ・・・と、日本も少しは見習ってほしい。
 都市部以外では信号の数を減らし、立体交差等でUターン路を作っていたりしており、コレが原因で数km走らないと反対車線に行けないといった問題がある(中央分離帯がしっかりと作られているため)。これが原因で道路を逆走するバイクや車両が結構な数いる。
 幹線道路ではガソリンスタンドに食堂やカフェ、コンビニ等が併設されており、サービスエリアとして機能しているため自転車で走行するにあたって補給の心配はいらない。
 アップダウンは北西部に集中しており、この区間を走行する場合にはそれなりの労力が必要となる。が、メーソート〜ミャワディ間以外の峠は斜度も緩やかでそこまで苦労することなく走りきれる。道路状況が良いのと相まって、1日で150kmとか走行するのも平気なレベル。

◎治安
 基本的には個人の旅行者が治安に問題を感じるようなことはない。が、タイ南部はテロの頻発地帯として外務省も危険勧告を出しているし、実際タイに在住している人からもその地域には気軽に行かないよう強く嗜められた。マレーシアに抜ける場合、この区域を通らなくてもギリギリ大丈夫なので、無理して通らない方が無難ではある。
 警察・軍隊共に優しく自転車に対して良い人が多い。しかし職務熱心か?という意味ではもの凄い適当な仕事ぶりであるため、単純にタイ人の性格が優しいということかもしれない。実際タイ国内で盗難被害にあった時も、その時の状況すら確認しなかったレベルで、翌日にポリスレポート作成するまで内容について何一つ尋ねられていない。
 なお、主要幹線道沿いに点在するハイウェイポリスには度々お世話になった。大抵「自転車休憩所」的な看板が掲げられており、FreeWi-Fiや水にコーヒー、シャワー等の施設が揃っている。

◎ビザ
 2015年4月現在において、ではあるが陸路でノービザ入国の滞在期限は30日間。これにプラスして30日間の滞在延長も可能なので、国内をサイクリングするだけなら十分な時間である。なお、観光ビザは滞在60日間有効。
 これ以後は東南アジアの中心として、タイを起点に周囲の国々を回る私の様な自転車乗りに限って必要となる情報ではあるが、現在のところタイでは1年間(1月1日〜12月31日)の間に、4度の「出入国」記録があると次のタイ入国にはビザの取得が必要になるとのこと。つまり「3回目の入国は他の国でビザ取ってこないと入れたげないよ」とされている。実際、イミグレーションではビザラン禁止についての紙がこれでもか!と張ってあり、国として結構本気で実施していることが伺える。
 まぁ、これはビザラン旅行者の締め出しが主目的なので、私みたいな旅行者は案外スルーされるかもしれないが、自転車旅行は移動時間が長いので「国境で入国拒否」なんてことになると洒落にならないため、安全策でヤンゴンでタイビザを入手したモノである。
 なお、旅行者におけるタイビザはラオスのビエンチャンやサバナケットで入手するのが一般的であり、当初は私も情報豊富なサバナケットでダブルビザを入手しようと目論んでいたのだが、ラオスの旧正月と時期が重なってしまい、次に領事館の開く日が6日後となってしまうため、ヤンゴンにて入手したという経緯がある。

◎交通事情
 この国の人はクラックションを鳴らさない!もうこれだけで素晴らしい国だと感じてしまう。なお、日本と同じく車は左側通行。
 先に述べた通り、道路事情が非常に良いため無茶な運転をするような車が少ない。タイ人の運転自体はそこそこ荒っぽいのだが、他国と比べて危険を感じたことはずっと少ない。信号もキチンと守るし、猛烈なチキンレースもしない。
 あと、鉄道網がしっかりしている国だと感じた。自転車的には特に意味はないのだけれども、中国の一部地域を除いてこれほどキチンと線路が放射状に広がっている国はアジア圏では見たことありません。
 総じて印象としては日本に近い感じ。バンコク市内なんかは東京都内を走ってるのと全然変わらない。旅行的には面白味に欠けるが、こういう環境に安心感を覚えてしまうのも確か。
 ただし、現実的にはタイにおける交通事故は多い。2010年の人口10万人当たりの交通事故死亡者数は38.1人と世界でも3位を記録しており、私がタイを走行している同時期にも自転車世界1周中の人が交通事故で亡くなったというニュースを聞かされた。

◎特徴
 1、観光地の日本人率が非常に高い。通りを歩いていて普通に日本語が聞こえてくる。そんな日本人の多さに惹かれてか、日本人向けのレストランやお店が非常に豊富。バンコクやチェンマイでは当然のように日本語表記の看板があり、伊勢丹のショッピングモールが存在する。紀伊国屋でジャンプの最新号を見た時には感動してしまった。
 2、バックパッカーの拠点でもあるバンコクは、他国の大使館や領事館が多くビザの取得が容易なことで有名。私もここでミャンマーのビザを取ったりしており、旅する際の起点として非常に便利である。

◎言語
 観光地での英語は全く問題なく通じるし、地方でも町ならば大体平気。そんなノリで適当な定食屋に入ると、全く言葉が通じなかったりすることもあるので油断は禁物だが、向こうも外国人慣れしているのか、言葉が通じない同士でも意思疎通に苦労することは少ない。
 ただし田舎における看板は、タイ語オンリーで表記されている場所がほとんどなので、何書いてるのかさっぱり分からん。他国では英語表記されていた道路ポストもタイ語で書かれているため、イマイチ要領を得ない。

◎宿・Wi-Fi
 観光国として名高いタイだが、地方では宿探しに苦労した。というのも主要都市や観光地を除くと、宿の表記が全てタイ語となってしまうために外見の雰囲気のみで宿を確認しなくてはならないからだ。基本的に宿自体は大抵の町に存在するので、タイ語におけるホテル等の単語を予め用意しておく方が良い。もっとも2週間くらいすると、文字が読めなくともパターンを把握して理解できるようになったため、後半戦では全く苦労していない。
 参考までに、主要な町の周辺には車両向けの一軒家が軒を連ねるタイプの宿が多く、街中に入ると普通のマンションを月貸し・日貸しするタイプの宿も数多い。通用のホテルやゲストハウスが見つからなくともどうにでもなる。
 料金は150〜350バーツ。カオサン通り等に行けば、更に安い宿もあるが基本的な料金はこれくらい。エアコン付きの部屋は350バーツくらいからある所にはある。
 地味にWi-Fiがない宿もある。が、タイはそこら中にあるカフェ等でWi-Fiを使えるため、これで困ることは少ない。街中でフリーのWi-Fiが飛んでいることも多い。速度も高速で気分よく使用してた。タイはこういった細かな点のレベルの高さを至る所で感じる。

◎自転車店
 東南アジアの中心的存在を占めるだけあって、バンコクだけでなくある程度の規模の町にはスポーツサイクルショップも多い。また、バンコクにはアウトドア系列のショッピングモールにオルトリーヴの専門店やアウトドア点、スポーツ系の自転車店が存在するため、その気になればバンコクで一通りの旅自転車用装備を準備することができる。
 性能の良い自転車用品が豊富に取り揃えられるアジアの地域は貴重なので、私もバンコクでは部品の補充から、ガタが来ているパーツの交換まで色々とお世話になった。
 なおタイにおける自転車は割とお金持ちの遊びであるとされており、陳列されている部品が高級グレードばっかりだったりすることが多いが、店員に「もっと安いパーツないの?」と聞けば、戸棚から低グレードの部品を出してくれることもあるので諦めずに尋ねてみるのが吉。

◎物価・食事
 タイの食事は安くて美味いと出会った人が口を揃えて語っていたが、私としてはそれほど絶賛する程でもないかと思う。まず第一に唐辛子が大量に入っていてキツい食べ物が多い。第二に飯の量そのものが少ないという問題がある。自転車旅行者的には特に後者の問題が深刻だ。ただし種類は豊富に取り揃えているため、食事そのもののレベルは至って高い。
 なお補給するだけならば、あちこちにセブンイレブンが建ち並んでおり、いくらでも買うことはできる。しかし、コンビニ食で腹を膨らますとなると、それなりの出費を覚悟しなくてはならないため、特別コストパフォーマンスが良いとはいえない。
 そして何よりビールの値段が高い!周辺アジア諸国と比べて約2倍って、どうなのよ?
 1食は屋台で100〜200円程度。ビールは1瓶190円くらい。要するに東南アジアの平均的な値段なので、タイの物価はスゴく安い!と思っていると、そこまででもなかったと思い知ることになるかも。そうはいっても安いんだけどさ。

◎総括
 東南アジアを走行する場合、その立地・走行のしやすさ・ビザの取りやすさ等で、タイを走る人は非常に多いと思われる。実際私もタイを走行して、その旅行しやすさには驚いた。近年は年間の出入国回数が制限される等、旅行者に面倒となるルールが増えているが、そうしたマイナス面が有り余るほどにタイ走行のメリットは大きい。始めての自転車旅行をタイから始めるのは、私も大いに賛成である。
 走行中に声をかけられることは少ないのだが、話してみると驚くほど親切を受ける・・・ということが多かった。一部の観光地以外では車両の数も少なく毎日快適な走行ができたこともあり、思い返してみると道中でストレスを感じることがほとんどなかったのではないだろうかと思う。
 4月とか毎日40度を越えるくらいに暑くなるので注意。ただし、主要道路ではガソリンスタンドにコンビニが併設されている関係で、涼を取りつつ進むことは左程難しくない。個人的には雨季でスコールが降る方が嫌だった。
 なお、東南アジアで犬が最も好戦的な国なので要注意。一体何匹の犬から追いかけられたことか。できれば犬叩き棒の携行をオススメする。