2015年8月8日〜9月4日 ボルネオ島
走行日数27日間
累計走行距離2333km(17207km〜19540km)
累計走行距離2333km(17207km〜19540km)
◎道路
ジャワ島から移動してくると「同じインドネシアの国なのに、こうも路面状況が違うのか!」と驚くレベル。インドネシア領に関しては道路幅が狭かったりもするのだが、単純に車両数が少ないため危険な思いをすることは少ない。
マレーシア入国後は小さな道でもキッチリ道路幅を確保してくれているため更に走りやすくなる。ただし、自転車における走行というものをほぼ考慮に入れてないようで、ブルネイを除いて側道や路側帯はほとんど存在しないか、あっても砂利だらけでまともに走ることができない。
あと土地に余裕ありまくりなハズなのに、どうしてこうもキツい斜度の坂道ばかりを造るのだろうか?大型トラックがパワー不足で坂をノロノロ上がっている事実があるのだし、もうちょっとつづら折りを入れてくれても困らないんじゃないかな?とは思う。
◎治安
個人レベルで治安の悪さを気にしたことはない。だが、サバ州東海岸はテロや外国人の誘拐も発生している地域であると外務省さんも渡航延期マークを示していた。実際、現地の人達から「サバ州の東海岸は危ないぜ」といわれ、現地の人が語る「危険」ってのは本当にヤバいかもしれん!と色々情報収集した結果として東海岸ルートへと望んでいる。
結論からいえば特別何もなかったし、普通に野宿もすれば町を歩き回ったりもしているのだが、全く危険を感じるような雰囲気ではない。もちろん運が良かっただけということもあるので安易に語ることはできないが、この地域は3〜4つの中規模の町を除くと、「住んでる人は町民全員の顔と名前を知っている」くらいの小さな町ばかりなので、テロの標的になる確立は比較的少ないのじゃないかと。
田舎なので警察署の敷地内にテントを張っても全く問題なかったし、基本的にこの地域では宿泊をするようにしてた。あとは大きな町でフラフラと変な場所へ入り込みでもしなければ、そんなトラブルに巻き込まれることはないんじゃないかね?
◎国境
ワンクリアン国境がインドネシア/マレーシア人しか通行不可能であるという罠にはまり、大幅なルート変更とタイムロスをした事実。というか地元民しか通れない国境があるという事実すら知らなかった私であり、同じような失敗をしないように注意してほしい。そんなヤツ多分いないだろうけど。
なお、エンティコン国境ではアライバルビザが取得できるため、マレーシア→インドネシアへと移動する場合でも事前にビザを取得したりする必要はない。(2015年9月現在、インドネシアにノービザ入国が可能なのは主要空港と港のみ)
ブルネイ側の国境には特別何もないが、陸路ルートではブルネイ飛び地を経由しなくてはならないためマレーシアと出入国を繰り返すことになる。なおこのルートは実際に走行してないので通過できるのかは不明。
素直にラブアン島へ行って、免税されてるビールを飲んだ後にサバ州へと入る方が、ビール好きな自転車乗りとして魅力的に映っただけのこと。
◎交通事情
どの国も非常に紳士的な運転をする。特にマレーシアでは追い抜く際、必要以上に車線を空けてくれるし対向車がいると無理に逆車線に出て行かずに自転車の後方で待っていてくれる。中国やベトナムに見習わせてやりたい。
この島で信号機を見れるのはブルネイとマレーシアの中規模以上の都市のみである。それ以外の交差点は全て円形交差点で構成されているのだが、みんな紳士的な運転してるのでむしろこのタイプの方が安全だし待つこともなくて便利。東南アジアで始めて円形交差点の方が安全なのかも?と感じた。
総じて交通量が少ないことが大きい。郊外の道とか普通にぶっ飛ばして走ってる車は多いのだけど、他の車両を抜くとか避けるみたいな動きをすることが(車両の数的に)少ないため、怖い思いをしたりすることはほぼない。都市部の町だけ注意しとけば実に気持ちの良いサイクリングができますぜ。
◎特徴
島全体の特徴としてひたすら森林に覆われているジャングルの島である。面積に対して住んでる人口も少なく、宿のある町の距離が離れているため、自転車旅行をするならば野宿の道具は必須。
島全体を道路が走っているワケではなく、特に東海岸のマレーシア・インドネシア間には陸上での国境はおろか、道すら存在しない。このためボルネオ島を1周する場合には、時計回りの場合タワウの町以後をフェリーで移動する必要がある。とりあえず地元民にはポンティアナから東カリマンタンの「サリマンダ」という都市までは陸路で行けるよ的なことを教えてもらったが、何処まで走れるのかは定かでない。ボルネオ島1周した人がいるならば、ここら辺を是非とも情報公開してもらいたいところである。
◎言語
各国のまとめ参照。
◎宿(野宿)・Wi-Fi
ここら辺は各国で記載した事情と大きくは変わらない。ただしマレーシアにおけるクチン・コタキナバル以外の宿でWi-Fiを求めるとそれなりの料金を出すか、相当探し回らなくてはならない。
オブラートな言い方をすれば大自然に囲まれたボルネオ島だが、別に小さな村でもWi-Fiは普通に飛んでいる。ただ単純に村や町の数が少ないだけなのだ。そういう意味では、そこら中でフリーのWi-Fiが飛んでたりするウエストマレーシアやジャワ島に比べて島全体が発展途上という言い方もできる。速度も普通だが、極端に遅い回線やしょっちゅう断絶する回線に出会う確立が高かった気がする。
何だかんだで全くWi-Fiに触れてない最長期間は3日程度だったので、SIMカードを用意する等、何か対策をする必要があるのか?と問われれば私は「そんなもの要らん」と回答する。
◎自転車店
明らかに自転車の数が少ないため、スポーツ系の専門店を見つけるのは大変。インドネシアでは未発見、クチンで1店舗だけ見かけたかな?多分コタキナバルにも専門店くらいあると思う。あとタワウにもあった。
この島に来るのであれば、事前にキチンと整備した自転車で来ることをオススメする。私のようにフロントギアが限界でまともに使えない状態のまま「まぁ大丈夫でしょ!最悪交換すれば良いし。」とかいって来訪すると、アップダウンの連続で酷い目に遭うこと請け合いだ。それでも走りきったので、行けるっちゃ行けるかもだが、もっと深刻なトラブルに遭遇した場合、その状態で何百kmも移動しなければならないことを覚悟の上でどうぞ。
◎物価・食事
普通に都市部の方が食事の値段が高い。特にクチンとコタキナバルでは「酷い商売してるなぁ」という感想を持ったレベル。明らかに流通コスト掛かるであろう地方で食べる食事が2/3程度の値段、下手すりゃ半額で済むとか実に足下を見ていると感じる。
国は違っても食事の内容は似たり寄ったりで、3国とも同様のメニューを食することができる。なお小売店で酒類を販売できないインドネシアだが、何故かボルネオ島ではビール売っているのをよく見かけた。ブルネイはアルコールの販売自体が禁止されている。マレーシアも田舎地域では密売でもしてるのか、一般的な値段の半額以下で販売しているビールがあったりして安く購入することもできた。
他のアジア地域と比較すると、やや食堂の数が少ないため「お昼になったら目に入った店に入る」みたいな走り方してると、何時までたっても食事にありつけなくなる可能性が高いので注意。決断が大事。
◎総括
ほぼ1本道にもかかわらず、途中で1度も自転車旅行者と邂逅していないところからも自転車旅行の需要が少ない地域なのだということが伺える。その割にはインフラ等充実しているし、治安も良好で物価も安い。自転車の整備さえしっかりしておけば、ジャングル系大自然の中を走りたいタイプの人には強くお勧めできる。ただし町と町の距離が遠い地点も多く、野宿できる装備は必須。ただし小規模な集落は多いので、食料を携行する必要性は薄い。
各国のまとめではあるが、ボルネオ(カリマンタン)島として1つの区分けがしやすかったこともあり、総括としてつくってみた。そうするとインドシナ半島だとかでも区分けできるじゃねーか!とかあるかもしれないが、それだけ私がボルネオ島に強い思い入れが出来たから・・・ということでひとつ。決してペルニフェリー船で暇に飽かして作成したとか、そういう理由ではないですよ?