2014年12月15日〜2015年9月16日
訪問国数 10カ国
走行日数 278日間
累計走行距離 19625km
東南アジア各国のまとめはこちらから
道路 | 交通 | 物価 | 食事 | 宿 | 治安 | 総合 | |||
中国 | 8 | 1 | 6 | 10 | 4 | 6 | 35 | ||
ベトナム | 4 | 1 | 10 | 8 | 10 | 7 | 40 | ||
ラオス | 3 | 7 | 9 | 4 | 8 | 9 | 40 | ||
タイ | 10 | 8 | 8 | 7 | 9 | 9 | 51 | ||
カンボジア | 4 | 5 | 10 | 8 | 8 | 6 | 41 | ||
ミャンマー | 5 | 6 | 9 | 7 | 7 | 6 | 40 | ||
マレーシア | 7 | 8 | 7 | 10 | 7 | 8 | 47 | ||
シンガポール | 8 | 8 | 1 | 5 | 7 | 10 | 39 | ||
インドネシア | 5 | 4 | 9 | 8 | 9 | 5 | 40 | ||
ブルネイ | 10 | 9 | 2 | 6 | 1 | 10 | 38 | ||
日本 | 6 | 9 | 3 | 9 | 2 | 10 | 39 | ||
※最低1点、最高10点 物価は安いほど点数高い
自転車乗りとしての視点から感じる国の評価であり、別に国の善し悪しについては全く意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。
<食>
アジア地域全体として、物価が安くて飯が美味い。基本的に米が主食として扱われている点も、日本人として馴染み深いものを食せるのでありがたい。
これらの国々を通過した中で私が水を購入したのは、中国で1回、タイで1回、マレーシアで1回と計3回のみであり、後は食堂で貰うかその辺の水を普通に飲んでいた。水の補給という側面に関して全く心配することのない地域ともいえる(1度、カンボジアで困窮したけど)。
シンガポール・ブルネイを除けばいずれの国も旅費を押さえた旅行をすることが可能であり、普通に走行している限りでは1日の使用金額が2000円を上回るような日は少なく、下手に日本を1周するよりもよほど経済的に旅行して回ることが可能だ。
<宿・土地>
宿の料金の割に宿泊施設が整備されている点も印象が良い。かなりの宿でWi-Fiが設置されているため、ネットに接続するという意味合いでは余程の僻地にでも行かない限り、アジア圏でこれに困ることはない。むしろ日本を含めた先進国の方が余程Wi-Fi展開に対して遅れをとっている。
アジアという土地には人口が集中しているためなのか、何百kmにも渡って無人地帯が続くという地域に遭遇することがなかった。このため最初に用意していた非常用の食料を使う事もなし。お腹が空いたら目に付いた屋台や食堂で食事する・・・というスタイルでの走行が可能なため、余計な荷物や食料を積載せず楽で良い。流石に日本ほど何処でもコンビニや食堂が建ち並んでいるワケではないが、その日全く食料を調達する目処が立たないという不安に駆られたことは1度もない。
距離的に日本が近いこともあってか、日本人の旅行者は非常に多い。始めての海外旅行ということもあって最初は海外で日本人に出会うことが嬉しかったのだが、カンボジアでの日本人宿を皮切りに、徐々に日本人と出会うことが煩わしく感じるようになった。個人で旅行しているような人はそうでもないのだが、群れることで勘違いした言動を取るバックパッカーや、オカシな方向に意識向いてる大学生等と結構な割合で遭遇してウンザリしたこともある。後半からは、アジア地域で無理して日本人宿に行く必要なしと思い、そうした場所には訪れなかった。
<気候>
走行時期が上手いこと乾季と重なることが多かったため、熱帯雨林の地域においても雨に降られ続けるという状況に陥ることはなかった。ミャンマーの後半戦でちょっと苦労したが、それも国境を越えたら状況が変わったこともあり停滞するようなことなく走り続けることができた。
参考までに、私がアジア地域をレインウェア使用して走行したのは片手で数える程しかない。暑いので着用するくらいならTシャツで走っていたし、本格的に大雨になった場合、そこから無理して移動する必要に迫られることは少ない。ぶっちゃけ、乾季を選んで走ればレインウェアは不要かもしれないとすら思う。まぁ、実際には用意するけれど。
それよりも暑さに関しては対処の術がなく、日差しの強さも相まって苦しい日々が続いたといえよう。私は日焼けに対し、対策などしなくても平気なタイプだと思っており、実際問題なかったわけだがこの強烈な直射日光の強さはアクシデントを併発する人も多いと思われる。アームカバーなり日焼け止めなりの各々対策は重要かと。
<注意点>
わざわざ治安における点数を出したものの、多くの国で注意しなくてならないのは治安の悪さよりも交通事故である。私は訪れた国が中国→ベトナムという順番で、「身勝手な運転をするのが海外での当たり前」という認識を埋め込まれてしまったこともあり、その後の国における交通状況に関しては左程文句が出なかった。
交通事故という存在は、片方がどれだけ注意してても運が悪いと遭遇してしまうものであり、自転車という立場上、車両と事故を起こして肉体的実害を被るのは100%こちら側である。それでも注意した走行や補助の道具を活用することで、事故に出会う確立を引き下げることはできる。
特にタイで作成したサングラスバックミラーの効果は絶大で、目線を動かすだけで後方確認が可能というのは大きな安全マージンを得ることが可能。既製品を買うも良し、自分で作れば500円しないでできる代物なので、交通状況の悪い都市部を走行する時は活用してみることをオススメする。ただし、慣れるまでに数日の時間を要するが。
なお、現地の交通事情には独特のルールが存在し、それを理解することが事故を防ぐことに繋がる。基本的に東南アジアで共通していたのは「交差点で鼻先を突っ込んだ方に優先権がある」ということで、身勝手に幅寄せしてくる車も赤信号を突っ切る車も、鼻先を入れた車両に対してはクラックションこそ鳴らしても無理に幅を詰めたりはしない。当たり前じゃん!とか思われるかもしれないが、奴らはそんな当たり前のことを守らないのから怖いのである。
特に意味不明なのが「追い越す車両の方に優先権がある」という点で、反対車線に車がいても平気で追い越してくる車両が多い。何故かこの際に道を譲るのは反対車線を走行している車両であり、何度も正面から大型トラックが突っ込んでくるという洒落にならない状況に直面した。
いずれにしても、いざという時に回避できる安全マージンを常に用意し、集中力が無くなる前にこまめに休息を取ることが重要なのだと思われる。
治安的なことを少し書いておくと、田舎地域では何も気にすることはない。いわゆる観光地や大都市といった多くの旅行者が訪れる場所には、そうした人間を狙って悪巧みする連中も増えるため、必然こちらの警戒心も増すのだが、そうでない場所にあっては至って平穏。基本銃社会でないこともあってか、出会う人みんな良いヤツ過ぎる。ベトナムなんかはバックパッカーと自転車旅行者で人の評判が全く変わってくるのが面白い。
<道>
一応4点以下だと普通の幹線道路でも未舗装路が出てくるという区分けをしている。つまり、日本は自転車乗り的に相当酷い道路の作り方をしていると私は思っている。
2015年現在において、アジアにおける国で主要道路がほぼ未舗装路であるという国は無くなったと考えて良い。カンボジアやラオスとかでは主要道路でも一部未舗装路が出てきたりしたが、状況から見るに早晩アスファルトが敷かれることは明白である。
そうした点より一歩踏み込んだ「自転車が走りやすい道路であるか?」という点だが、こちらは国によって大きな隔たりが存在する。タイとマレーシアにそれほどレベルの違いは感じなかったが、道路状況においてはタイは完璧に近いのに対して、マレーシアでは大多数に側道の存在すらないレベル。むしろこうした点ではラオスとかの方が走りやすいことも多かった。なお、日本はこの点駄目駄目である。ただし道路の整備状況という観点では、また色々感想変わってくるのだが。
走行ルートがタイ・ラオス除いて海沿いメインだったこともあり、それほど困窮するような峠を越えたのは数えるほどしかない。全体的な視点で語れば、やっぱり海沿いでは無茶苦茶な高さの山に登らされることはないのだといえる。
日本の主要な峠や山を荷物積載して走りきれる体力があるならば、海外の峠の方が土地に余裕があるためか斜度が緩いことが多く、時間はかかるが上りきることは難しくないと思う。もちろん、私は全ての山や峠を走ったワケではないので確証ないのだけれど。
<総括>
当初はちゃちゃっとオーストラリアへ走り抜けるつもりでいたのだが、気付けばベトナム・ラオス・インドネシアに2度の入国。ミャンマー・ボルネオ島へ寄り道したり、タイ・マレーシアにあっては3回もの入国を繰り返す等、実に回り道をしての走破となった。
それというのもアジア地域における自転車旅行が非常に楽しく、且つ安価で過ごせたから・・・という点が大きい。