2017年4月1日~4月5日

 走行日数5日間

 累計走行距離296km(60174km~60470km)


◎道路

 都市間をつなぐ主要道路はキチンと舗装されている。だが道路幅が狭く、ラインは引かれてないのがデフォルトであるので交通量の多い場所はやや怖い。

 メキシコと同じく町中では車両を減速させるための突起が存在しており非常に邪魔。もっともこの国には高い標高の場所がほぼ存在しないので、スピード出すぎて大クラッシュの引き金になるということは少ないだろうが。

 路面状況それほどよろしくない場所が多く、丸1日走り続けるとガタガタで両手がやや痛くなる程度。路面もいい場所は非常によろしいため落差が激しい印象。なお右側走行。


◎治安

 ベリーズシティを除けば至って良好。他の中米の国々で見るような各家庭における鉄格子とか鉄条網とかの防犯対策もなされておらず、見た目にも実に緩やか。それだけにベリーズシティにおける治安の落差が激しく感じる。実はベリーズシティで1日くらい観光に当てようと思っていたのだが、この町の雰囲気の悪さから滞在することなく移動したという裏がある。


◎ビザ・入国

 2014年の12月に日本人は観光ビザを発給する必要がなくなったため、30日以内であれば無料で入国することが可能。普通にツーリストカードに内容記載するだけの簡単な入国で、特に荷物のチェックとか面倒な質問とかは存在しなかった。

 なお出国においては出国税として40ベリーズドルが必要となる。


◎交通事情

 車両が追い越しをかける時に自分の存在をアピールするためクラックションを鳴らすことはよくあるが、それ以外は静かで大変よろしい。無茶な運転する車両も少ない印象だし、そも町の規模が小さいために危険が増す町中においてどうこうということが少ない。


◎特徴

 1、アメリカ米ドルとの完全固定相場となっており、「1USドル=2ベリーズドル」である。なお通常の金銭やりとりにおいても米ドルを使うことが可能。ただし表記されている金額は(一部観光地を除き)ベリーズドルなので、間違えないよう注意。地味に道路ポストもマイル表示だし、飲み物もオンスで算出されているものが多い。

 2、台湾を国家として承認している国であり、その関係か台湾系華僑の人が非常に多い。特に小売店のお店は半分近くが中国系の人が営業している。このため中華関係の食材は入手しやすい。個人的には腫瘍の町には必ず中華レストランがあったことが有り難かった。


◎気候

 この時期にベリーズを走ると高温多湿で散々な思いをすること請け合い。走行ルートも選ぶほどに選択肢がなく、そうしたラインがほぼ低地に位置しているため、何処に行っても暑さから逃れられない苦しさ。

 日差しの強さによるところが大きいので、日没後はかなりしのぎやすくなりはしたが。常に何処かしらベタついていたように感じてならない。


◎言語

 中米において唯一の英語が主言語である国。イギリスの植民地となっていた歴史からの結果であるらしい。とはいえスペイン語の表記もチラホラ見かけるし、周辺国みんなスペイン語の国だからか話せる人もわりかし多い。あと華僑の人が多い関係で中国語は結構飛び交っていた印象。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 主要都市にはゲストハウスなりホステルなりの安宿が存在するのだが、そもそも宿の値段が高いベリーズという国。ベリーズシティとかでも最安値で1500円とか取ってくるため、ここで連泊するくらいならサッサと他の中米諸国に移動してしまおうと感じる人が多いと思う。なおコスパは悪いが設備が悪いわけではない。私が泊まったのはサンイグナシオの宿のみだが、ここだけ町の他ホステルと比較して半額近い料金だったにも関わらず旅行者が必要と思えるものは一通り揃っていた。こういう掘り出し宿もあることはあるのでしょう、知らんけど。

 なおWi-Fiに関してだが、少なくともオレンジウォークとサンイグナシオの町では町の中央公園にFreeWi-Fiが飛んでいる。と、いうことは他の町でも何かしら無料でネットに接続できる機会はあるのではないかと思われる。注意点として、この国ではマックに代表されるアメリカ系ファストフード店が全く存在しておらず、そうしたお店のWi-Fiを頼ることができない。


◎犬

 1度だけ吠えられて追いかけられた。でもベリーズにおける犬の脅威はごく小さいものと感じる。そもそも暑すぎて犬もへばっているのがほとんどで、自転車見かけたくらいで本気で迫ってくるような元気な犬が少ないのではないかと思うのだが。まぁ吠えてくるヤツは吠えてくるので関係ないとも思うが。


◎自転車店

 そもそも万を超える町の数が少ないベリーズだが、私が泊まった町には一応全て自転車を扱っているお店があった。だがスポーツ車専門店のお店は発見できなかったのであり、販売されてるパーツもそれなり程度。

 最もベリーズが小さな国なので、重大な修理等を実施するのであればメキシコなりグアテマラなりに移動する人が多いのではないかと考える。そういう意味では別段不足は感じない。

 でもベリーズでは割とロード乗りを見かけたので、そうした専門のショップがあるのかもしらん。ベリーズシティで見つけたショップは日曜休日で中を確認してないし。


◎物価・食事

 周辺国と比べるとかなり高い。国産ビールはどこの商店でも1本2.5ドルと固定されており、容量も275mlの統一規格であった。コーラ1本(500ml)も1.5ドル(約80円)とメキシコに比べてお高くなって気軽に飲めなくなったのだが、暑すぎるのでそうも言ってられないんだなコレが。結果として飲料水だけでもどんどん出費がかさむ印象である。なおこれらの飲み物は瓶をお店に返したキャッシュバック後の料金。1瓶はどうやら一律で0.25ドルの模様。

 飲み物に比べるとレストランにおける食事は他の物価に比べて良心的だ。7~8ドルも出せば自転車旅行者でも満足できる程度にお腹を満たしてくれる量も出してくれる。最も基本的な料理は豆御飯と鶏肉、コールスローみたいなサラダのセット。都市には中華系の食堂が充実しているため、そちらの食堂に入ることの方が多かった。


◎総括

 スペイン語圏の国に囲まれた中において英語が通用するという意味でホッとした印象のある国。ブルーホールを代表として海沿いには観光客が集まるアクティビティが豊富らしいのだが、内陸部にもマヤ遺跡関連や洞窟探検、川のラフティングなどがある。

 だがまぁ総じて物価高いこともあり、この国で遊ぶのならばメキシコやグアテマラで同様の遊びをするよ?と私は思ってしまう。この国ならではのブルーホールに寄らない時点で、ベリーズは早期に走り抜けることが決まっていたということだ。

 治安良し、英語、物価高いと他の中米諸国における特徴のことごとく逆を行くベリーズ。そういう意味で中米における旅行の出発地点として、治安悪い近隣諸国に慣れるという点でも良い国かもしれない。