2017年5月16日~5月21日
 走行日数6日間
 累計走行距離356km(61116km~61472km)

◎道路
 中米諸国の中では抜群に良い。というのも主要道路には広い側道がキッチリ作られているため、自転車走行における危険度合いが少ないことが挙げられる。確かに道はボコボコの場所も多いが、メキシコから散々邪魔されてきたトーペガこの国ではほとんど存在しないこともあり、私的印象はすこぶるよろしい。
 私が走ったルートではほとんど海岸線となっており、このルートであれば一部区間を覗いてアップダウンは僅かしかない。斜度も緩やかであるため走行自体で厳しいと思える点は少ない。
 ただ側道は段差で分けられているため、駐車車両を避ける時や橋の通過で道路が狭まる時などに乗り越える恐怖心があるのはグアテマラと同じ。

◎治安
 これは悪いと思う。治安に不安がある国なので最初から大きな町には行く予定はなかったのだが、人口5万以下の中小規模の町ですら時間が遅くなると、なんとも言えない嫌な雰囲気を感じた。これがエルサルバドルにおける町中の通常運行なのか知らないが、異国から来た私の身には全ての家が窓の内扉をぴったり閉めて、光を全く外に出さない光景を見ると「安全である」とは思えない。
 これが町を抜けてしまうと不穏な空気は全く感じず、同じ国なのかと驚きを覚えるほど。
 とりあえず宿の主人から「町中で腕時計をつけて歩いちゃ駄目だぜ」と言われた国は、エルサルバドルが始めてである。言われなくても付けませんが。

◎入国・出国
 問題なし。荷物チェックも出入国のお金も必要なくすぐ終わる。お決まりの滞在期間や初日の滞在する町を聞かれたりするのだが、係員が完全に英語を解さないため基本となるスペイン語を覚えてないとやや大変かもしらん。
 あと中米4ヶ国協定の関係なのか陸路でグアテマラから入り、ホンジュラスへと抜けた私にはエルサルバドルのスタンプが押されることがなかった。

◎交通事情
 あんまり良くはないのだが、道路状況が良いのと車の数自体が少ないためにそれほど危険を感じることもなかった。町中ではクラックション鳴らしまくりの大迷惑バスとか山ほどみるが、郊外では自転車に対して大きく裂けてくれることが多いし無茶な入り込みとかする輩は少ない。
 個人的にはこの国ではバスにさえ気を配っていれば、それほど危険はないかと思う。言い換えるとバスは無茶苦茶危ない。

◎特徴
 割とアメリカの影響力が強い国。そんでもってエルサルバドルには自国通貨が存在せずに、国内にてUSドルが使われている。何故かアメリカ本国では使われていない1ドル硬貨がふんだんに使用されており、個人的に1ドル札は財布が嵩張って大嫌いだったので嬉しい。
 他にアメリカの影響って何があるのよ?と問われれば、町中にやたら「アメリカン〇〇」とか「ニューヨーク〇〇」の店があったり、食事の量がかなり多めに設定されていたりとか。実際に走ってみると、アメリカの影響あるなぁと思う点はいろいろあると思うです。

◎気候
 地獄の暑さ。エルサルバドルを語るとその大半が「暑かった」という感想に終始しそうになるほど厳しい暑さの気候である。私が走った季節は雨季であるが、雨が1日降り続けるようなことはない。多くの場合はお昼過ぎから夜にかけて1~2時間の短時間にスコールとなる。進行方向に雨雲が見えたた場合は無理しないよう走らないと、一旦雨になったが最後、一気に天気が急変して大雨を降らせてくる。
 それ以外は大抵クソ暑い。内陸側の山岳地帯ではまた違うと思われるが、沿岸部ではひたすら高温多湿の環境が続き不快指数は常に100%である。そしてこの国で移動途中にエアコンにおける涼をとれる可能性は極めて少ない。
 熱がたまりやすいのだろうか、宿を取っても部屋の換気が悪く夜間になっても大汗をかきながらの就寝という場合が多い。窓も鉄格子はあっても網戸がない宿も多いため、下手に電気をつけてると虫ムシパラダイスとなってしまう面倒さもあったりで、夜は夜で大変だった。
 ちょっとアップダウンが続くと下手すれば熱中症になってしまう環境であるため、せめて水の十分なストックを心がけたい。大抵の場合は小さな商店が立ち並んでいる国であるが、ときどき3~40kmに渡って無補給地帯が続くこともある。
 この暑さを回避するため山岳地帯を走行するというのは大いに意味ある選択肢だと思う。坂道を取るか暑さを取るかの選択肢となるわけだが、グアテマラで散々坂道登らされた身としては上り坂でない道を走りたかったという気持ちがあるのだ。

◎言語
 スペイン語。割と聞き取りやすい発音だと思う。私が通ったルートでは英語を解するような人とはほぼ出会わなかったのであり、いよいよスペイン語の重要性を強く感じた国でもあった。

◎宿・Wi-Fi
 宿自体のレベルはかなり低め。というか部屋内が汚い宿も多いし、ダニっぽい虫に当たった宿もあったのでかなり印象が悪い。まぁ宿泊数が少ないため、ある程度の傾向でしか示せないとは思うが。
 小さな規模の町でも1~2店はホテルがあるし、町と町との間でも割とオートホテルが建っている。設備で冷房が付いてたのは最後に宿泊した宿のみで、そこも追加料金払わないとエアコンが使えないという素敵っぷり。
 Wi-Fiに関してはかなり優秀。速度も満足できるものだったし、それなりに良い感じのお店ならWi-Fi使えるしファストフードのチェーン店も割と見かけたので恐らく使えるのでしょう。

◎犬
 エルサルバドルの犬は自転車に対して追いかけてこない模様。少なくとも私は1度も犬が追いかけてきたことはなかった。暑くて犬もダレてるのではないかと思ってる。

◎自転車店
 これがプロショップは1店舗も見つけることはできなかった。土・日の午前中なんかはバリバリのロードに乗ったサイクリストをかなりの数見かけたので、需要に対する供給でそうしたお店もあるとは思うのだが。
 なお子供用とか作業に使うような自転車を扱っている店はそれなりにある。特に道路脇で自転車の部品を吊り下げた屋台のような形態の店がわりかし多い。私の勝手な想像でそういう人は技術あると思っているので、何かしらトラブルあった際にはお願いするのもやぶさかではないと考えていた。
 普通に考えればエルサルバドルでトラブルにあったならば、首都のサンサルバドルでも行かないと満足いく解決は難しいのではないかと思う。

◎物価・食事
 安い。食事が1食で2~3ドルのイメージ。ビールは国産の物が3種類存在し、大ビン1本で約1.5~2ドル。グアテマラのビールがあんまり好きじゃなかったのだが、エルサルバドルのビールはどれもすこぶる美味い。
 メキシコから続くトルティーヤ文化だが、南下するにつれて生地が徐々に厚くなってきたと思われる。正直、トルティーヤは生地が厚くなるほど不味くなるため好んで食べたいとは思わなかったのだが、エルサルバドルではタコスに変わってトルティーヤ生地に肉を練り込むという方式で食べるププサというのが主流。これがピザやお好み焼きを食べてる感触に近くて私好みであった。これだけでエルサルバドルにおける食事の印象はすこぶるよろしい。なお1つ0.5ドルくらい。
 気候の関係で水分も大量に消費したが、普通の水なら1ガロン0.7ドルほど。普通のジュースなら2.5ℓで1.5ドル、コーラは他の飲料より若干高めに設定されている。

◎総括
 本当に暑かったという印象が強い国。中米の国々は面積の小さい国が多い関係で、短いスパンで出入国を繰り返すことになると思われるのだが、エルサルバドルにはもうちょっと滞在してても良いなと思ったりもした。その最大の理由が食事が美味かったという点であり、暑さと治安の悪さがなければなぁと思わないでもない。
 ちなみに今までの国で圧倒的に外国人旅行者を見かけなかった国でもある。まぁ有名な観光資源がない国だし治安も悪いので訪れる人は少ないのだろうが、その分田舎地域の人たちのスレてない親切さを数多く感じた国であると思う。じゃあもう1度着たいか?と問われたら「涼しくなったらね」と答えそうだが。