2016年6月26日~2017年6月27日
訪問国数 10カ国と1地域
走行日数 366日間
累計走行距離 22147km
北中米各国のまとめはこちらから
アラスカ・カナダ・アメリカ・メキシコ・ベリーズ・グアテマラ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・コスタリカ・パナマ
他地域と同じく私が走行してきた各国において、独断と偏見で点数評価してみた。
| 道路 | 交通 | 物価 | 食事 | 宿 | 治安 | 総合 | |
| アラスカ | 10 | 10 | 1 | 1 | 1 | 10 | 33 |
| カナダ北部 | 8 | 10 | 1 | 1 | 1 | 10 | 31 |
| カナダ南部 | 10 | 9 | 2 | 3 | 2 | 9 | 35 |
| アメリカ | 10 | 9 | 5 | 3 | 2 | 6 | 35 |
| メキシコ | 8 | 3 | 8 | 8 | 8 | 6 | 41 |
| ベリーズ | 7 | 6 | 7 | 7 | 3 | 8 | 38 |
| グアテマラ | 2 | 5 | 8 | 5 | 9 | 5 | 34 |
| エルサルバドル | 7 | 6 | 8 | 9 | 5 | 1 | 36 |
| ホンジュラス | 6 | 6 | 8 | 5 | 5 | 5 | 35 |
| ニカラグア | 9 | 4 | 9 | 5 | 8 | 2 | 37 |
| コスタリカ | 5 | 8 | 2 | 5 | 4 | 6 | 30 |
| パナマ | 7 | 4 | 3 | 6 | 4 | 2 | 26 |
| 日本 | 6 | 9 | 3 | 9 | 2 | 10 | 39 |
※最低1点、最高10点 物価は安いほど点数高い
自転車乗りとしての視点から感じる国の特徴であり、別に国の善し悪しについては全く意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。というか「宿」って項目が微妙だなと今更ながら思ったり(安くて設備が良いと点数高いのだが、そもそも泊まってない地域も多い)。あとアラスカの極端っぷりが大好きです。
<食>
アメリカ以北とメキシコ以南で大きく変わる。アメリカまではレストラン料金が高いのに加えてチップ制度が存在する国のため、基本的には自炊することで済ませていた。これがメキシコに入ってからは外食中心のスタイルに変わったは良いが、田舎におけるメキシコや中米諸国の食事は超ワンパターンですぐに飽きた。そういう意味でまだメキシコはレパートリーが豊富で食が豊かな国だったが、それでも後半はタコス食べるのは他に選択肢がなくてどうしようもない場合に限られていた。
アラスカ・カナダ北部の食品に対する高値は異常ともいえるレベルだが、カナダ南部、アメリカと南下するにつれて物価は下がってくる。スーパーの食事値段だけで見れば、アメリカのそれは先進国にしては非常に安価であるため自炊を続ければ費用はかなり安く抑えられる。ビールもロング缶で1ドル以下の物あるし。
メキシコからはタコスの皮にも使われるトルティージャ文化が入ってきて、これはニカラグアまで形を変えつつ続く。個人的にはトルティージャの生地は薄い方が好みであり、メキシコ・ホンジュラスなどの国では比較的美味しく食べることができた。でもトルティージャ料理で私が最も好きなのはエルサルバドルで食べたププサである。
これと煮豆を煮込んだフリーフォレスという美味くも不味くもない豆が、中米における食事で最も記憶に残っている2大食である。
北米ではそれぞれシカゴ・スプリングフィールド・ロサンゼルス・メキシコシティと各所に日本(アジア)食材屋があったので、そうしたポイントで日本食を補充できたのが有難かった。これに対して中米では日本食材を補充できたのがパナマシティ1箇所のみであり、道中の食事ではかなりの頻度で中華食堂へ避難していた。なお中米の中華食堂はベリーズを除き、だいたい普通の食費2倍弱くらいで食べることができる。
<宿・キャンプ場>
アラスカナダではアラスカ初日しか宿で泊まってないんだなこれが。アメリカ本土においては超大都市でもないとホステルのような宿泊施設は存在せず、その代わりを担うのが町郊外にあるモーテルの存在である。こうした宿泊施設は1泊が30とか40ドル取ってくる一方で、キャンプ場であればその費用はかなり安価に抑えることが可能。
アメリカナダであれば相当数のキャンプ場があり、その設備も非常にレベルが高いことが多い。オセアニアのキャンプ場と同じく大型キャンピングカーの利用を前提にしているキャンプ場がある一方で、キッチンやWi-Fiが利用できることもある。反面、国が管理してるようなキャンプ場の場合は料金を安く、設備は最低限となっている。カナダ北部なんかでは1泊50ドルとか「アホか」と思う値段のサイトもあったりしたが、平均的には10~20ドルくらいで施設利用できると思う。まぁこれもアラスカ除くと無料の場所以外ではグランドキャニオンキャンプ場しか利用してないけれども。
メキシコからは物価が安くなった関係で、かなりの頻度で宿泊施設を利用するようになった。というかメキシコ以南は治安的な関係で野宿を繰り返すのは危険だと感じたのも大きい。
2017年現在において安宿でもWi-Fiがない宿はかなり少ない。でもシャワーは標高高くて寒い場所でもない限り冷水シャワーが基本。外国人を主要客にしているホステルに関しては100%Wi-Fiの設備があると思って良い。
時おり冷房使える宿もあったが基本的に最安値で利用するような宿では期待しないほうが良い。エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグアの3カ国では1度もエアコンある宿に当たらなかった。なお中米の安宿は運が悪いとダニに刺される危険あり。私が1度、沖野君に会っては4~5回ほどダニの脅威にさらされている。
コスタリカ・パナマの2カ国では物価が上がる関係で宿の料金も上がる。この区間を2人で走った私たちは料金折半できたのでそれほど痛手にならなかったが、この2カ国もかなり治安悪いと感じたので多少高い金額支払ってでも無理な野宿は避ける方が賢明だと思われる。
<気候>
2016年は寒くて2017年は暑いのが続いたと思っている北中米。アラスカinしたのが6月26日なのだが、これはアラスカから南下するサイクリストとしてはかなり遅い出発である。私の場合はこれに加えてダルトンハイウェイ走ったり、ユーコン川下りしたりルート66走るために2000kmくらい寄り道したために、アメリカ本土に入る時点で10月を迎えてしまい毎日寒い思いをすることとなった。
最も冷え込んだのはグランドキャニオン近郊のサンフィデルの町で、夜間に-20度・日中でも氷点下という気候であった。
カナダにおいては8~9月でも気温が日中1桁となることは珍しくない。風にはそれほど辛い思いをしなかったが、一旦雨が降ると冷たい風とのコンボで洒落にならないほど寒くなるため要注意。
アメリカではロッキー山脈周辺が標高2000mくらいとなるため寒さが厳しい。緯度的には日本の本州辺りとなるため、11~12月の高山地帯の気温を想像してもらえれば分かりやすいと思う。私が走った時期は雪に降られたのが2度で済んだため助かったが、これがもう少し時期がずれ込んだりするとより厳しい環境になったであろうことは想像に難くない。
メキシコ南下を始めてからは一転して暑さと沿岸部での高湿度に悩まされる日が続いた。メキシコ・グアテマラに置いては中央部の高山地帯は涼しく湿度も低めで過ごしやすいのだが、こうした場所から標高低い場所へと移動すると体が急激な環境変化についていけなくて必要以上に疲れてしまうことが多かった。
更に中米諸国は雨季の時期が5月からの国がほとんどで、アンティグアで雨季の時期を迎えて以後は走行中にスコールと遭遇してびしょ濡れにされる回数が飛躍的に増加した。特に1日の午後にはかなりの確率で雨が降るため、上手くスコールを軒下等で避けたとしても濡れた路面を走ることで自転車が汚れることは避けられない。
ただし、丸1日に渡って雨が降り続けることはほとんどなかった。聞くところでは雨季の前半シーズンでは雨は降っても散発的だが、後半になると1日中降り続けることも多いらしい。
<注意点>
走行における心配が少ない反面、アメリカ以降は治安的に心配な地域が続く。アメリカに関しては治安が極端に良し悪し分かれており、事前情報を取得することで危険地域に近づかないなど対応できるがメキシコ以降は田舎を除いて全体的に危険度合いが増す。
はっきり変わったと実感したのが、銀行施設などにショットガンを構えた警備員が配置されるようになったり、一般家庭の窓が格子窓に、門周りには有刺鉄線が張られるようになったこと。中米において気楽に野宿ができるほど治安良いと感じたのはベリーズの田舎くらい。
面白い点でメキシコに入って以降、田舎のオッさんが剥き身の鉈を持ち歩いているのを見るようになったこと。これが文化なのかもしれないが、もしこうしたオッさんが出来心で突然鉈を構えて「金を出せ」とか言ってきたらどうするべ・・・とか思わずにはいられない。恐ろしいのがこれが笑い話でもなんでもなく、実際そういう目にあった自転車乗りがいたという事実。
ベリーズ以降の中米諸国ではコスタリカに入るまでまともなサイクルショップがほとんど存在しない。おそらくは首都クラスの大都市にはそうした先進的な自転車店もあるのだろうが、中米の首都はことごとく治安悪くて訪れるのにリスクがある町ばかり。
アメリカ大陸南下するサイクリストであればマラソンプラスのタイヤであればアメリカ国内、自転車のパーツであればメキシコ国内にいるうちに取り揃えておかないと、これ以後の中米諸国でトラブルやパーツ交換で非常に苦労する。特にマラソンプラスは南米での入手事例が極端に少ないのであり、このタイヤにこだわりを持つサイクリストは南米を走り抜けるために大抵予備タイヤを積載している印象(これは日本人サイクリストに限った話)。
メキシコ以南の国は運転マナーが悪いので要注意。特にチキンバスと呼ばれるアメリカのスクールバスを払い下げたバスは無茶な運転上等で危なっかしい。自転車の存在をハエくらいにしか思ってないため、平気で煽ってきたりする。
特に中米諸国は町中でも信号の数が少なくて、交差点でも鼻先つっこんだほうが勝ち!みたいな運転がまかり通っていることもあるため注意するに越したことはない。
私もメキシコで事故って数日寝込んでいる人なのだが、小さな町だったこともあり病院での検査はX線診察しか行われなかったし、スペイン語を訳してくれる人なんか皆無で大変な思いをした。面倒ごとに巻き込まれないためにもなるたけ安全運転を心がけたい。
<道>
全体的にレベルが高い。メキシコ北部やコスタリカでは側道がない地域を走らさせれ続けることもあったが、自転車が走るという点における危険度合いはかなり低いと思う。
厳しかった道は圧倒的にグアテマラ。この国の山岳地帯だけ厳しすぎる斜度の坂道が連発したのであり、挙句に自転車のキャリアを折られたりと酷い目にあいましたとも。
他にカナダ北部では長距離の無補給地帯があるのだが、緯度が高い関係で水分携行量が少なくても大丈夫なのが幸い。そこら中に小川があるのだが、ビーバーのオシッコが原因で引き起こされる「ビーバーフィーバー」という病気があるそうなので、上流部でない場合は煮沸するなり濾過させるなりの対処をした方が良い。
補給という意味では中米諸国の方が圧倒的に簡単。そもそも国土の小さい国が多いので町と町との距離が短いし、道中にも小さな個人商店がたくさんある。ただし中米でもコスタリカ・パナマは少々毛色が違っており、この2カ国では商店の数は減って、代わりにレストランの数が増えた。
なおカナダ北部は別として、カナダ南部やアメリカ本土ではそれほど脅威的な無補給区間はほとんどない。少なくとも人がほとんどいないような国立公園エリアとかでもない限り、100km走って集落の1つも出てこない場所なんてほとんどない。路面状態が完璧な事もあって平均走行距離も上がるし、国土の割に走行するのは簡単ですよアメリカナダ。
ちなメキシコは北米2カ国と中米諸国が混ざり合った印象。北部地域は町が少なく補給も大変、何より道路幅が狭くて交通量が多くて「なんて国だ!」とか思っていたが、中央部に入ると道が良くなるのに加えて町と町との距離が短縮され楽になる。
補足として補給ポイントとして優秀なコンビニは北米3カ国にしか存在しない。中米諸国では個人商店がこの代わりをすることになるが、多くのお店が鉄格子を挟んで口頭で注文をお願いするスタイルであるため、スペイン語で商品名をある程度知っておかないとジュース1本買うのにも一苦労である。
<総括>
メキシコに入る所で物価・環境共に大きく変化する北中米。区分としてはメキシコまでが北米になるのだけれども。自然派にとってアラスカ・カナダ北部はただ走っているだけで天国のような景色が広がる素晴らしい土地。対してメキシコ以南はラテン文化が織りなす「人」に対しての印象が強かった。アメリカはどちらも混ざり合ってる印象。
全体的に道は良くて、食は飽きる。2017年現在で事前にビザを入手しなくてもすべての国で入国が可能というのは旅行しやすくありがたい。
結局北中米を走り終えるのに丸1年を要しており、東南アジアの8ヶ月・オセアニア9ヶ月半と順調に走行期間が延びてしまっているのだが、果たして南米はどうなるのかと心配しつつ。
1つ言えることは、北米で私が見てみたかったポイントは(特にアメリカ)まだまだたくさんあるのであり、じっくり楽しもうと思ったら1年なんて期間じゃ全く足りないということ。楽しませてもらいました本当に。