正しくはアメリカ大陸におけるスペイン語圏の宿泊施設について。まぁ日本でも同様だが一言に「宿」と言っても多種多様な呼び方があるように、スペイン語においても宿には様々な種類がある。同じスペイン語でも国ごとに呼び方が異なったりもするし。


 ということでメキシコ含む中南米の私が走ってきた国で見かけた宿泊施設の名称と特徴である。



◎Hotel(オテル)

 英語と全くスペルも同じで分かりやすいオテルことホテル。都市圏であればどの国でも100%存在する。超高級から庶民派定額ホテルまで多種多様であるが、基本的に個室空間が用意されプライベート空間が確保されている。

 建物によっては最小ベッド数が2つだったりすることも多く、1人だと損したと感じることもしばしば。

 私が使うようなホテルはまぁそれなりのレベルなのだが、ペルーやボリビアのホテルでは頼まないと部屋の鍵をくれなかったりすることもあった。そもそも鍵なんかないと言われることも。

 適当な人見つけて「近くにホテルない?」というと、大抵このHotelとか教えられて「違うよ!私が行きたいのは安宿なんだよ!」とかなりかねないので、宿泊施設という意味でこの単語を使うと面倒なことがある。


◎Hosteria(オステリア)

 コスタリカやエクアドルでときどき見かけたのがオステリア。都市部ではなく町のやや郊外に位置しており、広大な敷地と立派な豪邸で構成されている言わば高級旅館。庭にプールが付いてるどころかテニスコートまでありやがる姿は軽井沢の高級ペンションに近いイメージか。

 1度興味本位で宿泊料金を聞いたら他の安宿の3倍近い料金だった記憶がある。少なくとも貧乏自転車旅行者が利用するような場所ではないのかな。


◎Hostel・Hostal(オステル・オスタル)

 都市部と観光地ならば多数存在する安宿の代表格。いわゆる多数の人間が1室同居するゲストハウスタイプの宿を指す。長期海外旅行者御用達の宿で、いわゆる「日本人宿」というのも多くがこのスタイルである。なおスペイン語でドミトリーは「Dmitrio(ドミトリオ)」と呼ぶことが多い。

 先進国よりの国ほどサービスが良い傾向で、朝食サービスがあったり荷物を保管する鍵付きロッカーが設置されている。反面ニカラグアのホステルではWi-Fiすらないホステルもあった。

 多数・多国籍のバッックパッカーが滞在しているため情報収集には便利な反面、共同生活におけるストレスもある。割と手癖の悪い輩が宿泊してるホステルでは盗難被害の話をよく聞くし、冷蔵庫の食材とか平気で使われたりとか。ラパスのホステルで古くなったコッヘルを寄付しようとキッチンに置いたら1時間で持ち去られたことがある。

 レセプション周辺に観光情報が揃えられてることが多く、場合によっては受付でツアー予約もしてくれる。利用客層の関係かスタッフが英語を解する場合も多く、物価の高い国ほど利便性が上がる印象。


◎Residencial・Residencia(レジデンシアル・レジデンシア)

 エクアドルで1回だけ使った。基本的に個室タイプの安宿なのだが後述しているオスペダへとの違いが全く分からない。駐車場があったりしたので車両移動の人なんかが利用しやすい町中のモーテルに近い扱いなのか?

 エクアドル・ペルー・ボリビアではちょいちょい名前を見たような気がする。


◎Hospedaje(オスペダへ)

 主に南米に入ってから目立つようになる個室系安宿の名称。民家の一部を宿泊施設にしているような建物であるパターンが多く、大概は家主がすぐ側若しくは同じ建物内に住んでる。

 要するにあまり外国人の利用を当てにしてないホテルみたいなもので、経営者によってその良し悪しが大きく分かれることになる。日本で言うところの民宿に近い感じだろうか?

 ペルーの寒村で使ったオスペダへは前の人が使って汚いままの部屋に通されたりもした。かと思うとホテル並みに大きな建物に行き届いた設備だったりすることもあったり。

 基本的にホステルのない町における最安値の宿泊施設となる場合がほとんどで、まぁ散々利用してきましたとも。なおチリ・アルゼンチン・ウルグアイでは一切その姿を見なくなる。


◎Cabanas・Cabinas(カバナス・カビナス)

 1つの家を丸々借りきるスタイルの宿泊施設。キャンプ場のキャビン村以外にも町の郊外にあることが多い。あとアウストラル街道とか。チリやアルゼンチンの他、コロンビアでも見かけた。複数人での使用を想定してるようで、私は基本利用したことはない。というかカバナがある場所には大抵他にキャンプ場やれオスペダへがあるため、あまり単独の自転車旅行では利用する機会がないと思われる。


◎Posada(ポサダ)

 スペイン語でそのまま「宿」を表すポサダだが、これを利用したことはない。形態としては小規模な旅館が最も近い感じで、B&B(ベッド、ブレックファースト)のサービスが付いてた印象。

 ちょっとしたリゾート地なんかに行くと、海沿いの家が全てポサダとなっており、旅行者の呼び込み合戦が白熱している。でも決して安い宿というわけではない。


◎Pension・Hostal(ペンシオン・オスタル)

 前者のペンションは日本のイメージするそれと同様なのでいいとして、問題は後者のオスタル。いわゆるゲストハウス系のオスタルだと思ったら普通に無茶苦茶高くてビックリしたことがある。後にオスタルというのはペンションと同義なのだ的なことを言われて納得したというか、そんなの単語の意味を統一しておけよ!と憤慨したというか。


◎Alojamient(アロハミエント)

 ボリビアで登場した個室系安宿の名称。つまりメキシコ含む中米とコロンビアはオスペダへで、エクアドルやペルーではレジデンシアル。そしてボリビアになると用語がアロハミエントに変わると思っておけば大体OK。そういう意味ではアロハミエントって単語はボリビアでのみ普遍的に使われてる貴重な単語なのかもしれない。案外パラグアイとかでは普及してるかもしれないが。


◎Motel(モーテル)

 もうスペイン語じゃなくて完全英語圏での宿泊施設だと思うのだが。メキシコやアルゼンチンといった国では割とよく見かけるモーテル。内容も同じで郊外にある車両ごと受け入れ可能な宿。

 ちなみにメキシコでは1泊ではなく3時間や6時間で料金いくらといったスタイルのモーテルも多く注意が必要。というかこれモーテルじゃなくてラブホなんだろな。


◎Camp・Camping(カンプ・カンピング)

 オマケとしてキャンプ場。キャンプ場が日常的に出現するのはチリ・アルゼンチン・ウルグアイの3カ国のみで、他だとメキシコの山深い場所にある観光地とかにときどきある。グアテマラでも1~2回キャンプ場に泊まったかな。

 南部3カ国のキャンプ場は世情に設備が整っており、それでいてホステルの半額以下という値段で泊まれるため好んで利用していた。ホステルの敷地にテントを張らせてもらえる宿というのもあり、特にパタゴニア地域ではこのスタイルの宿をよく見かけた気がする。個人的にはホステルで煩かったり気を使ったりするよか安眠できるので有難い。