2017年11月8日~12月10日 2018年9月12日~9月26日 12月17日~2019年2月22日

 走行日数116日間

 累計走行距離3776km(1回目1383km・2回目604km・3回目1789km)

         (70276km~71659km・86387km~86991km・86991km~88780km)


◎道路

 主要道路だけなら良い。ボリビア自体は東西で大きく標高差のある国なのだが、アンデス地域にある割には西部のコパカバーナ~ラパス~ウユニの主要交通ルートであればそれほどアップダウンは出てこない。西部のアンデス高原地帯では4000m前後の高地を走り続けることになるのだが、この辺の最低標高がラパスの3600mだったりで、いくら標高高くても上り坂自体が小さく大した問題にならないというワケだ。

 しかしこの区間を外れて走ろうとすると、もうどこ走っても未舗装路は当たり前。アンデス区域であれば無茶苦茶なアップダウンの繰り返しを余儀なくされるし、それ以外の土地はアマゾンに属するジャングル地帯で雨と未舗装の絶望的なコースを走らされることとなる。1つの目安として、Googleマップでボリビア全体が画面に入るくらいの大きさで発生する主要道路でも半分くらいは未舗装路だと思っておけば大体正しい。

 舗装されてないような非主要道路を通過する場合、道中の村に1件の食堂もないことも多いためそれなりの準備と覚悟を持って臨まないと泣きを見る。それだけに魅力の高い土地だとも言えるが、フルパッキンの自転車で走り回るのは色々大変すぎる気がしないでもない。

 なお近年ボリビア政府は道路工事に力を入れてると話を聞いたことがあったのだが、これは旅行者レベルでもそれを実感出来るというか、真新しい建設されたばかりの道路を走る機会が非常に多かった。むしろ小さな町では町に通じる道路はアスファルトなのに、町中に入ると土の道となってしまうという逆転現象を見かけることもあり、相当性急に道路を作っていることが伺える。きっと10年後にはこの国の道路状況は現在と大きく異なっていることであろう。

 中南米によく出てくる速度落とすための段差ことトーペだが、ボリビアでは町の出入り口ではなくこれが町中に配置されている。特にラパスのような斜面にある町だとこれが危険で仕方ない。

 ウユニ以南の宝石の道は要するに「そういうのを求めて向かう道」であるため、無理せずに南下したいのであればウユニ以降のルートは考えたほうが吉。それに関しては別項で歌っているので気になる方は参考にどうぞ。


◎治安

 まぁ良いとは言えない。サンタクルスでは「今まで問題があったことは1度もない」と断言された宿に荷物を置かせてもらったにも関わらず盗難にあったのであり、要するにボリビア人(なのか否かは正確には分からないけど)のモラルを安易に信用しないほうが良いかとは思ってる。いや私も信用してなかったからカバーも作ったし、貴重品は鍵付きのバッグ内に入れてたけど、それでも盗られたのだが。どうしろっつーんじゃい。

 けどもそれは規模の大きい都市部での話で、小さな町では雰囲気の悪さを感じることはほぼない。というか正確には人がいないので治安も雰囲気もクソもないという感じ。それの最たる場所が宝石の道だと思っておけば大丈夫。ケテナチコの町なんかホテルに部屋の鍵がありませんでしたよ。


◎ビザ・出入国

 チチカカ湖付近にある2つの国境でデサグアデロ側は不当な料金を請求されたなどの話が頻出する、すこぶる評判の悪い国境である。結果的に後にこの国境へビザクリのために足を運んだ限りでは、係員は親切ではないけどパスポートの他ページを確認することもなく適当にスタンプ押してくれる適当職員だったので、むしろ難癖つけられやすい同日出入国をするにおいて有り難かったと思ってる。では最初に通ったカサニ側の国境はどうかといえば、やはり手続き自体は全く問題なしであっさりスタンプもらうことができる。

 ところがボリビアはビザなしで通常90日まで滞在することが可能なのだが、これは入国時は基本30日分しか滞在日数くれない。カサニでは「自転車旅行者だから30日じゃ無理なんだ!」とゴネたりもしたのだが「大丈夫だ、90日滞在できる」と係員には言われた。

 調べたところ90日滞在の場合、パスポートには30日分のスタンプが3つ押されることになるらしく、やっぱり処理されず仕舞いであった。結果的にラパスの管理局で延長手続きを申請したところ、僅か10秒で3つのスタンプを押され処理は完了したのだが。

 後に聞いた話でボリビア人は職務に対して面倒だと、その場しのぎの適当な対応をする人も多いとのことであり、私の滞在日数は最初30日だったのを適当に嘘つかれたのか「90日まで延長できる」という意味で言われたのかは今となっては分からない。ただ滞在日数オーバーするとイミグレーションその場で罰金支払いとなる上、出国した宝石の道にあるイミグレには周囲にATMはおろか町すら存在しない場所である。

 ということでボリビア1ヶ月以内に走破するのが厳しいと思われる方は、とりあえずラパスか他の主要都市にて延長手続きをする方が余計な不安を抱かなくて良いと思われる。

 この他にも同様の手続きができる移民局が少なくともサンタクルス・オルロ・スクレ・ポトシ・ルレナバケ・グアヤラメリンには存在することを確認している。多分、それなりの中核都市なら同様の施設があるのだと思うが、スクレでは「3日前からじゃないと受け付けできない」と突き返されたこともあるし、ラパスで手続きするのが1番良いとは思う。

 あと日記で散々文句言ったが、ボリビアの延長手続きは年を跨ぐと受付してくれないという罠があるため12月にボリビアinした場合、年を跨ぐと滞在延長の手続きができなくなる。いやでも私は3度目の入国時に12月入国、翌年1月にポトシで滞在延長できたのであり、これは地方都市だと係員が甘くて正規のルールを曲げて手続きしてくれたのか、単に無知だったのかどちらかだと考える。どちらにしても失敗した時のリスクが大きいためオススメはしない。


◎交通事情

 ペルーより大分大人しいとはいえ、クラックション鳴らすし運転マナーも良いとはいえない。ただそもそもの車の数が少ないというか、ちょっと郊外まで出てしまうと走行してる車両というのがかなりの割合をバスとかトラックのような業務用車両が占めるようになる。

 まぁそういったプロの運転手である人たちなのだが結局スピード出しまくりだし、スレスレを抜けていくアホもいるしで良いイメージはない。どころか特に乗り合いバンだとかバスは少しでも速く移動しようと周囲を顧みず危険な追い越しを繰り返したりアクセルベタ踏みにしてるの見てるのであり、極力関わらないようにしたいと思ったが。

 アンデス地方の主要都市であるラパス・スクレ・ポトシの場合、町自体が斜面の上に作られているため自転車での走行に全く適していないという問題が。しかも主要な大きい道路というものが少なく嫌でも狭い路地の急斜面を進まされる羽目になり、そこに前述した無茶な運転するバスとかが平気で飛び出してくるような環境。本当に冗談じゃない。

 あと政治的デモがよく発生する国なのだが、何故かこれを道路を封鎖するという行為で行うことが多く、こうした理由から道路が通行不能になるパターンがままある。ただ「自力移動している自転車なら普通に通してくれるよ」と聞いていたし、実際に道路封鎖の現場に立ち会った時も私はアッサリ通してくれた。ただ確実なことは言えないので、ボリビアを走る場合はある程度奏効期間に余裕をもたせておく方が良いと思われる。


◎特徴

 1、東西2つの地域がアンデスによって全く異なる性質を持っている。これは気候だけでなく住んでる人たちの性質というか傾向までも含めた話。イメージとして東京と大阪で「西(東)のヤツらは云々~」といがみ合ってる感じに近い。聞いたところで西部はインテリ系で東部はファッション系らしい。

 2、宝石の道途中に現在一般人が行ける世界で最も高い標高にある道を走ることができる。このウトゥルンク山駐車場へ向かう道だが、シーズンになるといくらか登山客を乗せて車両が山へと向かうのに使用されるものの、年末年始等のオフシーズン(要するに雨季)だと他に向かう人が誰もいない1本道であるため、トラブル発生した場合でも自力でケテナチコの町まで戻ってこなくてはならない。向かうならば十分な事前準備が望まれる。


◎気候

 西高東低・・・というのはこの国の標高のこと。高原地帯は夏でも夜になると肌寒くなるほど冷え込むこともある一方で、低地では平気で40度を超える暑さとなり、両極端というか何というか。

 正規には11月くらいから雨季シーズンへ突入するとされてるが、私的に12月いっぱいまでは雨に悩まされることは少なく本格的に雨が増えるのは1月中旬あたりからの印象だ。主要道路以外は未舗装路ばかりの国であるため、雨季にボリビアを走ろうとするならルートをしっかりプランニングするか、雨ばかりの未舗装路を走るだけの覚悟と下準備をしておく必要がある。私はアンデス地域で雨ばかり降られて泣きを見たクチの人。

 一方でアンデス地帯では乾燥も激しく、特に宝石の道では唇どころか指先の皮膚がパックリ割れることもあり、保湿クリームがいくつあっても足りないほど。

 低緯度なので何月に来てもそれほど気温差はないと言えるが、4000mクラスの町で天気が悪いと0度以下の気温となる場合もあるため冬用装備は携行する必要がある。特に標高の高いアルティプラーノでは西風が強い地域も多く、雨風のダブルパンチを鑑みると防寒対策には力を入れといた方が無難。

 あと宝石の道では強風&砂漠地帯ということでテントや衣類のジッパーに目詰まりが発生しやすい。直接的な防止策はないのだが、ワセリンなりの潤滑剤を使って対処できるようにしとかないと、最悪テントの出入口が閉められないまま夜を越す羽目になるため注意が必要。


◎言語

 小さな集落なんかにはまだ200以上もの地方言語があるとのことだが、基本的にスペイン語だと思ってれば間違いない。ラパスやスクレといった主要都市の外国人向けホステルレベルでも、スペイン語しか喋れないスタッフばかりであり、この国で英語はよっぽどよほどの場所でもないと意味をなさない。

 あと面白いのがサンタクルスとリベラルタの2地域に限って「Vos(2人称単数)」という他の地域では使われていない主語が使用されていた。中南米全体でも使用されることが極めて少ないマイナー主語なのであり、別段覚えてなくても問題ないと言われたのだが。まさかこんな場所で聞くことになるとは。

 しかし中南米におけるスペイン語の普及率はスゴイね全く。流石、無敵艦隊と呼ばれ侵略の限りを尽くしただけのことはありますよ。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 南米の中でも特に宿泊代金安い国であることは間違いない。小さな町だとWi-Fi無しシャワー無しどころかトイレすら無い「野宿した方がマシじゃねーか」という宿にも出くわしたが、支払う金額が500円以下とかザラなのでそれほど文句は出てこない。

 そもそも都市部を除けば過疎区域ばかりのこの国では、小さな集落に宿があればラッキーという感じなので如何ともし難いが。その分テント泊しやすい環境なので、アンデス地帯に限ればそれほど宿に対して困窮はしない。

 なおWi-Fiに関しては隣国ペルーやパラグアイと比較しても設置率が非常に低く、ネット環境見つけるのが大変である。県都クラスの主要都市じゃない町でネットを使いたいのであれば、これはもうsimカード購入した方が早いと思う。しかし中南米を牛耳っている通信会社のクラーロとモビスターだが、ボリビアに進出してないんだなこれが。面倒でも入国後にsimカードの購入と手続きをする必要に駆られるワケでして。なお東部地域の方だと割と中規模都市でもWi-Fi見つけられた。これは走行難度が低いので距離が稼ぎやすく、大きな町まで短時間で移動できるという側面があるからだと思ってる。

 1つ言えるのは、大多数のサイクリストが走るルートであろう「ラパス→ウユニ→宝石の道」であれば、ウユニまでは1週間以上ネットに触れないということはない。どうせ宝石の道には電波ないのだし、割り切ってしまえばsimカードなんて必要ないと思う。


◎動物

 ペルーを超えてきたサイクリストならば犬に関してはボリビア恐るに足らず。稀に自転車乗り見かけて吠えたり追いかけてきた犬もいたが、割合でいえばペルーの1%くらいですよマジで。

 そうはいってもアホ犬いないワケではないが、そもそも人の住んでる集落が少なくなることが原因なのか、いきなり出てきた犬に追い回されるという機会自体が減ることで悪い印象を受けていないのだと思われる。でもまぁ地味に2度ほど犬叩き棒は活躍した。

 あと今回から犬のみでなくその他動物全般に対しての感想としたのだが、北部ジャングル地域に関しては黄熱病とデング熱に感染危険である地域ということで蚊が普段以上に脅威となる。そしてその数は多い。

 アマゾンには他にも猛毒を持つ蛇やワニが普通に生息してるとのことで、その辺で適当に森の中入ってテント張る野宿は絶対するなと言われた。ということでアマゾン地域では、基本人様の家などといったポイントでしかテントを張っていない。


◎自転車店

 これはボリビアに期待してはいけない。そもそも西部地域は標高の高い土地柄故か、スポーツ系の自転車の乗るということ自体が盛んでないと感じたし、ラパスの町は自転車に不向きな急斜度の坂しかないすり鉢状の土地だし。

 かといって東部地域に関しても、それなりの中規模都市ですら先進的なショップは姿を見せない。メルカドに行くと自転車やそのパーツを扱ってる区画があったりするのだが、修理とかトラブル対応を受け付けてくれる感じではない。ボリビア国内で信頼できそうなプロショップを見かけたのはラパスの東部に位置する高級住宅街とサンタクルスの町くらいであり、この国でトラブルがあったらとにかく出国するまで応急処置でやり過ごすというパターンになりがち。


◎物価・食事

 南米でも最貧国の1つに数えられるボリビアは、当然物価も素晴らしく低い・・・と思ってたのだがペルーから来た身としては、ほとんど変化が感じられない程度でもあった。いや無茶苦茶安いのは間違いないけれど。実際パラグアイから2度目の入国をした時には「物価安いと感じたパラグアイより更に1段階値段下がった」と感じたのであり、比較する対象の問題だわな。

 ただまぁ食事に対してはペルーと値段の変化が見られないのに対し、ビールの料金が跳ね上がっているのが不服というか文句の1つも言いたくなる。ボリビアビールは割と地域毎の地元ビールが幅を利かせておりその種類も多く、その割にはあんまり美味しくないのであり、食事情にはそれほど文句ない割にビールに関しては残念な国であったといえる。なお主要なビールはパセーニャとウアリの2種類が幅を利かせてる印象。

 西部の高原地帯ではその標高も相まって米が硬かったりと評判悪いボリビア料理だが、これは気候的な特徴なので仕方ない。現に東部地域でのボリビア料理は美味くて安くて量が多いと、食に関してかなり満足度の高い国であったと思っている。あと主要都市のメルカドへ行けば生クリームたっぷりのフルーツパフェが160円とかで食べれることを知り、いやもうこれは病みつきになる程食べてたな。

 なお他の南米諸国と比較して全体的に味付けが濃いと思う。このため食後に喉渇いたりして結局ジュースとか買ってしまうことが多く、もしかしてそれを狙うために味付け濃くしてるのでは?とかそんなワケないか。


◎総括

 まさかボリビアの感想書くのが3年越しになろうとは思いもよらなんだ。特に道路状況が変革期の真っ只中にあるボリビアという国は、面倒なことも多いしボリビア人は仕事適当で働かないしとストレスを抱えることが多かった。何より南米においても1・2を争う自転車における移動が厳しい国として、ボリビアは自転車旅行的な難易度高いことは間違いない。

 だがアンデスからアマゾンまで様々な顔を見せるボリビアという国は、100日以上をかけてじっくり取り組むに足る魅力あふれる国であったことも確かだ。ウユニだけ見て通り抜けてしまうのはあまりに勿体無い、様々な魅力に溢れているボリビア。長逗留しても財布にも優しい物価の安さもあって、当初の予定より随分長期間の滞在となってしまった。いや、思ってた以上に道路の状態が悪すぎたのと、雨続きだったことが大きな原因ではあるけれど。

 あと5年もすれば今回私が走ったルートも随分と整備されて交通状態も良くなり、きっと自転車の旅行者も増えるのだろう。そうすれば現在のボリビアはまた違った様相を見せることになる筈で、いつかまたボリビアの土地を再訪してみたいと感じさせてくれる。