2017年6月27日~2019年4月24日

 訪問国数    9カ国と1地域

 走行日数    666日間

 累計走行距離  28608km 

 南米各国のまとめはこちらから

 コロンビアエクアドルペルーボリビアチリアルゼンチンウルグアイパラグアイアマゾン川下りブラジル

        

  道路

  交通

  物価

  食事

   宿

  治安

  総合

コロンビア

9

7

9

6

9

3

43

エクアドル

7

6

8

6

7

3

38

ペルー

2

1

10

10

9

2

34

ボリビア

1

2

10

7

8

2

30

チリ

6

6

5

6

7

6

36

アルゼンチン

5

4

7

9

8

5

38

ウルグアイ

8

8

5

5

3

6

30

パラグアイ

7

7

9

7

8

5

43

アマゾン川

1

9

8

7

4

8

38

ブラジル

8

7

9

10

9

2

45

日本

6

9

3

9

2

10

39


 他地域と同じく私が走行してきた各国において、独断と偏見で点数評価してみた。

 ※最低1点、最高10点 物価はコスパが良いほど点数高い

 自転車乗りとしての視点から感じる国の特徴であり、別に国の善し悪しについては全く意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。


<食>
 基本的に肉食文化でアンデス北部では鳥、アルゼンチンまで入ると牛がメインとなる。アンデス牛は厳しい土地でシェイプアップされてる牛ばかりなのか肉が硬く、これが鳥に人気を奪われてる原因ではないかと私は考える。
 標高の高い土地ではやっぱり食のレベルが落ちる傾向にあり、分かりやすいところではボリビアの食事は同じ国でも東部(低地)の方が明らかにレベルが高い。あとアンデス山中だとアルパカとかリャマの肉が食べられるが、味はともかく肉が硬すぎて美味いかというと微妙。
 味付けに塩を振りまくる悪癖が全体的に強く、特にブラジルの料理は何食べてもしょっぱい。それと肉の調理法が「焼く」ということに集約されてる傾向があり、スープ以外で肉のメニューを見ることは滅多にない。要するに肉とは「炒める」「焼いて食べる」「油で揚げる」・・・という3つの調理法があるのみとなる。

 チリ・アルゼンチン・ウルグアイの南部3カ国は物価が高いため毎日気軽に食堂利用してられないが、この3カ国には先進的なスーパーがあるため料金が「見える化」されてるし、自炊やキャンプする環境もかなり整っているためそれほど問題ない。ビール安いし。
 むしろ中米諸国から続く「鳥を揚げただけ」と言った単純料理が、小さな村だと他に選択肢もなく食べ続けることになる他国の方が嫌だった。美味いということは飽きが来ないというワケではないのだ。

 スーパーのない国で食材調達の基本はメルカド(市場)となる。アンデス地域を中心としてジャガイモの種類が豊富であることに驚くとともに、そうした根菜以外の野菜が少ないことにはガッカリする。何かアボカドばっかり食べてたような気がするのだが、安くて栄養化高くてそのまま食べれる美味い食材として大変重宝していたので。
 フルーツはどの種類も驚くほど安く食べることができる。というかちょっと田舎に行けばその辺にたくさん実が生ってたりするレベル。今でもボリビアで食べた50円の山盛りフルーツパフェが忘れられない。

 個人的に食のレベルが高いと感じた国はペルーとブラジル。自炊しかしてないけどアルゼンチンの肉も良かった。他はともかくチリやウルグアイですら食材の値段が控えめなのは間違いなく、種類の豊富さに目を瞑れば食に関してはかなり満足出来る大陸であった。

<宿・キャンプ場>
 これは安かった。人口過疎区域も走行したのでそれなりにテント泊も繰り返したけれど、安宿であればそれほど気兼ねすることなく泊まることができような値段。チリ・アルゼンチンはまぁ値段高い方だけど、観光地や大都市にはホステル関係が充実しており、こうした施設であればかなり良心的な料金で利用することもできる。ただしウルグアイ、てめーは駄目だ。
 このご時世ではあるが、アンデスの山中にあるような寒村だとWi-Fiはおろか電気が点かないレベルの宿もあったりするので設備に過信はしないほうが良い。国でいうとボリビアやペルーでは大都市か観光地でないとWi-Fiの付いてない宿が当たり前だったりする。全体的な傾向として宿のコスパが良いと感じたのはコロンビアとブラジルかな。

 治安的な不安が強い大陸であるため宿の利用に関しては気を使うところと思うが、基本的に「宿がない」規模の町で止む無くテント泊しても襲われる危険は非常に低いと私は思う。そんでもって個室宿においては自転車を部屋や建物内、若しくは鍵のかかるガレージといった安全の確保されてない場所に置き去りされたことは1度もなかった。というか自転車室内に入れさせてくれない宿なら私は宿泊しないのだが、まぁそういった盗難的な心配はそれほどしなかった。
 むしろ個人的にはホステルみたいな「他の旅行者」と滞在してる時の方が、よっぽど荷物を盗まれる危険は高いと私は考える。やっぱり大都市なんて行くもんじゃないってことだ。

 なおキャンプ場はチリ・アルゼンチン・ウルグアイの3カ国でしか利用出来る機会がないくらいに思っておいたほうが良い。少なくともこの3カ国以外においてキャンプという遊びは一部のお金持ちが行う遊びであり、長期の旅行者が安価で安全に宿泊地を得るという意味合いで利用出来る場所ではない。

<気候>
 コロンビア入国したのが6月の終わりというタイミングだったのだが、できるなら5月くらいにこの国入ってると良いタイミングだったと思う。というのも陸地が縦に長く続いており、アンデス山脈とアマゾン原生林によってボリビアまで南下しなくては東部に移動できる陸路が存在しない現状。もちろんベネズエラに抜けるというルートが無いワケでは無いけどそれは置いといて。
 必然的に緯度が高くなり季節による寒暖差が出始めるチリやアルゼンチンの南部に突入するまでは冬の時期に走行しても気候的な問題が少ないのだ。というかむしろこの地域は1月あたりが雨季の真っ最中なので、そういった意味でも自転車走行するには都合が良い。
 もちろんボリビアの宝石の道とか乾季の時期でないと走行できる道が限定されたり等あるものの、基本的にはウシュアイアに到着する時期を逆算して走行を鑑みた場合のベストタイミングが「コロンビア入国時点で4~5月」というタイミングだと思う。すると一般的なペースで走っていれば自ずと乾季のウユニ塩湖を抜けて年末年始のアウストラル街道を渡り、夏のウシュアイアにたどり着くことになる。

 ちなみに乾季のアンデスは気温が低くて太陽光が強く、湿度が非常に低いという環境。気温が低いので水分それほど必要としないが、唇や指先が荒れることが多いため保湿クリーム等の保護対策は重要。なお標高が高い場所では雨に悩まされることはほとんどない。私のルートでは唯一エクアドルからペルーの国境へ通過したポイントが雨が多く降る(しかも未舗装)土地で難儀したくらいか。

 パタゴニア地域に入ると西からの風が吹き付けるようになるが、アウストラル街道を南下してウシュアイアに向かうのであれば、風に逆らって走る状況は全体の1割に満たない程度であり、実はそれほど難儀することがない。じゃあ北上した際のアルゼンチン国道3号線ではどうだったか?と言うなれば、確かに厳しい強風の区間は数回あったが全体的に東海岸沿いの方が風も弱くて凌ぎやすい。むしろ5月のパタゴニアで厳しかったのは寒さだったように思う。

 あとアマゾン地域かな。暑くて湿度高いという日本顔負けの不快指数が高い土地で、ここは本当に厳しい土地だった。しかも熱帯雨林地域ということで基本的に「乾季」というのが存在しないと来たもんだ。比較的雨の少なくなる5~11月なら走行しやすいのかもしれないが、現地の人曰く「その時期はもっと暑くなるから自転車で走るのは危ないぞ」とか言われたこともあり、どっちもどっちの気がしないでもない。
 ちなみに暑い暑いと言ってるが、3~4月のアマゾン地域は最高気温でも30度ちょっとがいいとこ。数字上ではそこまで高くないし、実際夜中になるとTシャツ1枚で寝てるのは肌寒さを覚えるほどである。

<注意点>
 南米を自転車で走るというのはアンデス山脈を抜けるということと一体だと思っている。それほど多くのサイクリストがアンデス走行しているのが現状で、しかし高い場所では5000m超える道があるアンデスはやはり自転車旅行するのに簡単な土地ではない。
 私の感覚としては特に走行するのが厳しいアンデス区域として、ペルー北部・ボリビア南部・アルゼンチン北部が思い浮かぶ。他の区域にも難しい道はあるが、かなりの部分が舗装されてたりするため走破自体はそれほど難しくない。ただチリ・アルゼンチンの国境線に渡るアンデス山脈は冬季通行止めとなる峠が多いため事前の情報収集は必須。というかこのレベルの峠を登るのに無策で突っ込むと冗談抜きに死亡する可能性があるし。
 
 それと他大陸と比較しても全体的に治安的不安のある国が多い。特に1国の首都や最大の都市は治安が悪化するのはどの国でも同じだが、同じ国の国民が「あんな町に行ったら殺されるぞ」とか忠告される辺りで南米の危険さが伺える。特にアルゼンチンでこの傾向が強く割と治安にはナーバスになっていた。
 こうしたこともあり都市部における野営は流石に私も怖くて出来なかった。幸いなことに南米の都市部で物価が馬鹿高かった国は私の訪れたところでウルグアイのみであったし、そのウルグアイも夜を明かすことは首都以外無理なくできる。
 町歩きとかその辺は、もう暗くなる前に宿に戻るということを徹底するしかないと思うのだ。中米ほどではないが、南米の治安不安がある都市の夜は、人の姿がなく静まり返って相当危険な感じだし。

<道>
 全体を通してかなり悪い。比較的路面状況が良いのはコロンビア・チリ・ブラジルといった国となるが、基本こうした国であっても過疎地域だったりアンデス山中やアマゾンジャングルでは未舗装はおろか、まともに道を通過するのすら難しい場所が多々存在する。
 流石に主要道路を選んで走れば「未舗装ばかりが続く道」というのはボリビア除いてまず出てこないが、南米を走るというのは地域に寄らずかなり過酷な道を抜けるのだという意識でいた方が良いと思う。
 標高3000mを超える道を走る道がコロンビアを皮切りとして出始め、4000m超だとエクアドル・アルゼンチン・チリが加わる。更に5000mを超える道がペルー・ボリビアには存在する。特にボリビアは5700mを越える世界最高所の道があるわアンデス側は平均標高が4000mだわと驚きの世界だった。
 逆にアンデスから東に位置する国や地域は全体的に低い標高となっている。とはいえ小規模なアップダウンが連発する地域が多いため、思った以上に走行距離は伸びなかったりするが。

 南下する場合、コロンビアを抜けると自転車ショップのレベルが随分下がる。まだエクアドルはマシな方だが、ペルー・ボリビアといった「自転車で走行する」という点において最高難易度となるであろう2カ国での自転車修理や整備に期待が持てないのは痛い。ブレーキシューみたいな消耗品と共に各種パーツはコロンビア内にて一通りチェック・交換してしまうのが正解であると私は考える。なおチリかアルゼンチンに入ればかなり良質なパーツが期待できるのだが宝石の道を通過してチリに入った場合、最初に訪れることとなるアタカマの町でマトモな自転車ショップがない。実際自転車に問題を抱えながら宝石の道を走破してアタカマまでやってきたが、部品が手に入らずバスで他の町まで移動せざるをえなくなったサイクリストにも出会った。

 南米全体の道路網は南北に延びる道と比較して、東西に移動する道が難易度高かったり難しい道が多いという点がある。大陸南部に向かうほど東西の大陸幅が狭まってくるため楽に移動できるようになるが、北部側だとコロンビアやエクアドルから東進しようとしてもベネズエラを抜けるとかアマゾン地域で道そのものが存在しないといった問題もある。
 そうした国から南下を続け、ようやくボリビア辺りから自転車でも大陸東部に移動できる道が出てくるのだが、ボリビア北部は雨季だと私レベルじゃ走行不可能レベルの悪路だったこともあり、現実的な選択肢としてボリビア南部からチャコ地方を抜けてパラグアイに抜ける道が南米における最北端から自走のみで東部地域に渡れる道だと思う。
 このチャコ地方の道も数年前まで数百kmに渡って未舗装路が続く上に人口過疎地域&猛烈な暑さを誇る難しい道とされていたが、私が通過した2018年の時点で9割は完璧なアスファルトが敷かれ工事が完了していることもあり、今後自転車旅行者が利用する道として大いに注目を集めることになると思う。

<総括>
 旅行前から期待値非常に高くてワクワクしていた地域だが、まさか2年近くも滞在するとは思わなんだ。その期間を走り回ってもなお私はこの大陸をもっと色々走ってみたいと思ったし、それだけの魅力が存分に詰まっている土地である。
 そしてラテンの人の生き方や考え方というモノに大きなショックを受けるとともに、私はそうしたちょっと不真面目で適当だけど、陽気さと見知らぬ人との距離を一瞬で詰めてくるアミーゴ社会が好きになれたなと感じる。
 本当に南米のことを思い返すと次から次へと文句が出てくるのだが、何ていうか本当に腹を立ててるのではなく馬鹿で出来の悪い子供を語る親みたいな感情に近いのではないかと思う。

 圧倒的なスケールの自然、アンデスからアマゾンまである多様な気候、そうした土地に住む親切で明るい人たち。私はこの旅行で南米という大陸を走れたことを心から感謝している。