2019年6月27日〜7月3日
 走行日数7日間
 累計走行距離354km(93971km〜94325km)

◎道路
 一部の隙もないってワケじゃないにしても、完璧と断ずるに些かの躊躇もないほど素晴らしい道。恐らくはサイクリストが道路事業計画のかなり中枢にいるのではないかと思わせる、細かい点まで行き届いた道路の構成に思わず私も笑みが漏れる。なお右側通行。
 基本的に主要道路にはそれに並走する形で自転車道が延びてるし、そうでない道の場合は側道がキチンと作られているため郊外でも危険と感じることはない。オマケに自転車が走りやすいナショナルバイクロードを国全体に張り巡らせており、この道を走れば大都市間の移動も気分良く走れるよう考えられている。まさに至れり尽くせり。
 島によってはアップダウンが繰り返す地形もあるが、それでも私は標高100m弱まで登ったのが精々で起伏の少ない国である。島を渡るときに高さのある橋を渡るのが1番大変だったかな?つまりはその程度。

◎治安
 非常に良い。コペンハーゲンのバス乗り場の近くが一部落書き多くて雰囲気悪いことを伺わせたが、そんな町中で首から一眼レフぶら下げた観光客が平気な顔してほっつき歩いてるレベル。これが田舎になるともう人は少ないし浮浪者の姿を見かけないしで治安に関しては全く不安を覚えることがなかった。日本と比べても同等レベルで治安良いんじゃないかな。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定圏内なので審査なし、パスポートにスタンプもなし。でもドイツから入国するとき車両は検問みたいな場所で簡単な聴取受けてたな。私は必要なのかな?と「そっち行ったほうがいい?」的なジェスチャーしたら「必要ない、いけいけ」みたいなサイン返されたのでスルーしたけど。

◎交通事情
 車両の総数が少ないというのは勿論あるだろうけど、それでも車両マナーが非常に良いことを強く感じる。というか道路インフラが高い関係で車両とバッティングするような危険性をそもそも排除されており、つまり自転車と車両が住み分けされてるパターンが多い。
 1つ注意した方がいい点で、原付みたいな小型バイクは恐らく自転車道路を走れる法律になっている模様。このため自転車道を走っていても後ろからバイクに追い抜かれるということが何度かあり、これが案外エンジン音に気づかず突然脇からバイクが飛び出てくる感じでギョッとしたことがある。あとランナバウトの交通事情が良すぎてそのままの勢いで突入しそうになるが、これは危険なのでちゃんと速度落として入りましょうと自戒を込めて。

◎特徴
 諸島国家であるため自転車で移動しようとすると、どうしてもフェリーを活用した移動の必要が出てくる。地図上では橋が架かっているため一見通過できそうに見えても、フュン島〜シェラン島間という区間は自転車で通行可能な橋がない。あとコペンハーゲンからスウェーデンに渡る橋も自転車は通行不可。線路あるから自転車乗せて移動することは出来そうだけど、そもそもこの区間を使わなかったのでよく知らん。
 私は島を渡るフェリーを2回利用したが、どちらも金額は自転車合わせて1500円弱だった。航行距離によって違いが出るのだろうけど、かなり多くの路線にフェリーが通じてるのでとりあえず島の先端まで移動すればどん詰まって引き返すようなことはしなくて良いと思う。私がアイスランドに向けて出発したヒアツハルスなんかも他にノルウェーのオスロ行き航路があったりした。

◎気候
 ほぼ毎日晴天が続いたのは運が良かったのか?とりあえず強い西からの強風が吹き続ける地域らしく、この傾向は年中続いているらしい。なので私が使った大陸側からコペンハーゲンへと抜けるルートは毎日追い風に吹かれてそれは快適なサイクリングができた。
 なお緯度が高いこの地域だと6月の終わりの時期で日没は22時過ぎ、空が完全に暗くなるのは23時前とかになるためどう足掻いても明るいうちにテントを設営することになると思う。

◎言語
 公用語はデンマーク語だが、国民のほぼ全員が英語を使える感じなので問題となることは少ない。ただ看板や書類に書かれてる言葉に英語が併記されてるとかそういうのは無い。でも無理矢理デンマーク語を読もうとすると英語に近くてニュアンス掴める単語が多く取っつきやすいとは感じた。aとeがくっついた謎のアルファベットとかあるけどそれでも。
 ちなみにフェリーのチケット予約とかそういうのはデンマーク語以外にドイツ語・英語用のページがそれぞれ用意されてたのでそこまで問題にならなかった。観光地の説明書きとかも同3カ国で表記されてることが多く、英語はともかくとして地理的にもドイツ人はデンマークを旅行することが多いのかな?とか思ったり。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 北欧で野宿に苦労することは全く考えてなかったが、実際大都市の近郊でもなければ簡単に野宿ポイントが見つかる国である。あえて言うなれば車道沿いの道より自転車道単独で延びてる道の方が人のいない森林地帯とかを通過する傾向があるので野営地も見つかりやすい。全然日が落ちないからどうしたって明るいうちにテント設営することになるが、それでこれだけ安心感ある野宿が続いた国ってのも珍しい。
 んでWi-Fiだが、こちらも心配せずとも無数の場所でFreeWi-Fiが飛んでた印象。初日に利用した図書館が携帯番号送信しないとWi-Fi利用できないタイプで困ったが、これも対面のチェーン店スーパーがWi-Fi飛ばしてたのでそれを拾って対応できたくらい。
 どの名称か忘れたが、特に登録とか面倒な手続きしなくともそのままFreeWi-Fi飛ばしてるガソスタもあったくらいだし、どんなに悪くても1日以上ネットに触れれないということは普通にデンマーク走行してる限りないと断言しても良いと思う。そういや島を渡る間のフェリーとその待合所にすらWi-Fiあった。
 むしろアイスランド行きのフェリー船内がWi-Fi有料だったりとか、クソ高い料金支払ってるのにサービス悪いと思ったな。コンパートメントにコンセント無かったし。

◎動物
 問題なし。一応郊外を走ってると「鹿注意」の看板がたくさん出てくるけど、実際に野生の大型動物は見なかった。傾向としてはドイツより放牧した牛を多く見かけたかな、それより馬が多いのは変わらなかったが。
 面白かったのがデンマーク入ってから野営中に蚊に刺されることが激増した点。ドイツでは全然だったのにどうなってんだ?

◎自転車店
 かなり小規模な町でも複数ショップの姿を見かけたあたり、地域に自転車という存在が根付いてるんだろうと思われる。2〜3店ほど中に入ってチェックしてみたが、どの店でもマラソンプラス普通に出してきたしキャリアやサイドバッグも多種類の物が販売されていた。ただ値段はドイツと比較して3〜5割増しなので、わざわざデンマークで部品を購入する必要はないかと思う。
 日本ではまず見ないフロントに大型の箱やベビーカーを取り付けたタイプの自転車多く見かけたのが印象的で、実際ショップでもこうした自転車が多数陳列されてるのは壮観というか驚きだというべきか。そんな自転車にマラソンプラスとか履かせてるんだから本当すげーよデンマーク。

◎物価・食事
 とにかく物価が高いと思ってたデンマークだが、国土が狭いので1日走行すれば3〜4つ程度は大型スーパーのある町を通過できる。こうしたスーパーさえ使えれば割安の品やれ値引き品やれを選んで買い求めることができるため、食材に限ればそこまで驚くような価格にゃならない。物によっては日本より安い商品とかたくさんあるし。
 島国だからか肉の値段に比べ魚が比較的良心的な値段だったことが印象的。他だとソーセージみたいな加工食品は安かった。肉・野菜・玉子・米みたいな食材が高くなったのは厳しいが、まだ3食自炊して安い食品を選んでれば1日1000円を下回ることが可能なくらい。
 消費税が25%らしいし酒税も高いとのことだが、ビールが安かったのは嬉しい誤算。ロング缶で1本100円以下の格安ビールもあったりして、そんなのばっかり飲んでたからかもしれんけど。
 あと最初訪れた町に両替え屋が無かったこともあって滞在中の支払いを全てカード決済で済ましたのだが、それが全く問題にならないほどカードでの支払いが浸透している。唯一田舎の野菜とかを無人販売してる場所は現金のみの扱いだったけど、まぁ普通にデンマーク走っても端から端まで1週間必要としない程度なので完全にカード1本でも良いかとは思った。

◎総括
 とにかく自転車好きなら1度訪れてみるべき国。オランダと並んで自転車の最先進国とされているデンマークだが、この国を自転車で走ってみると如何に自転車で走るということが良いものかと実感できる。
 首都のコペンハーゲンも凄かったが、私としてはそれより田舎道でも完璧に整って走りやすい道とかに惹かれるところがあった。多くの地元民がゴテゴテ荷物を付けた自転車とアジア系の異邦人に対しても実に気持ちの良い対応をしてくれたことも好印象で、こんな短期間でデンマーク抜けてしまうのは(物価さえ高くないなら)勿体無いと思わずにはいられない。まぁシェンゲン協定あるからヨーロッパはどの国でも駆け足気味になってるけど。
 もう1回首都を走っても良いかもしれないと思わせた初めての国であり、自転車天国と言われたデンマークの名は伊達ではなかった。