モロッコ56日目 タタの町〜マラケシュから南に約250km アイト レアルの町
ネット環境無い方が夜更かしせず結果的に早起きに繋がり、健康的な生活を送れるのは間違いないと思う。なので物理的にWi-Fiのない宿が増える関係で、旅行者は途上国の方が元気に過ごせるかと思うのだけど。実際そんなことはない。
実際私はアフリカで訪問した6カ国中4カ国で体調悪くして動けなくなった実績がある。意外と元気にやれたケニアとウガンダは身体がアフリカに慣れてきた説を推したい。
地図で想像していたよりずっと田舎町だったタタの町を出発し、ひたすら西へ進む。これ以上南下するとモーリタニアとの国境になってしまうので、北東部からやって来た以上は西しかルートがないのである。
とはいえアフリカ大陸では有数の先進国であるモロッコ。こんな僻地でも綺麗なアスファルト道路の分かれ道が出てくるのスゴい。本気のへっぽこ途上国ってのは道路なんかに予算掛けられないので、一部の主要道路を除くとほとんど未舗装路になってしまうのだ。
その点でモロッコはかなりの路面舗装率を維持しており、この国2000kmくらい走っているけど未だに未舗装が続く道に遭遇していない。これはかなり驚異的なことだと感じる。
なので最近はこの国の道路状況を信頼して、狭い山岳路や辺鄙な場所だろうとも突撃するようになった。これが出来るとルート選択の楽しみが一気に増すので嬉しい。
サイクリストから人気の高い風光明美な道というのも良いけれど、こうした一般に知られざる道を自らの足で発掘していくというのも別種の喜びがあって良い。情報なんて皆無の道を「本当にここ走破できるのかな・・・」という気持ちで踏み込んでいくのは、普段の旅行とはまた違うワクワクなのだ。
この道路を大体25kmくらい走ったけれど途中ですれ違った車両は1台のみ。この程度の交通量でありながら、主要道路と離れてない迂回路造るなんてある意味日本みたいだな。
アイト レアルの町もモロッコ片田舎に位置する小さな町。ただ一応宿泊施設や食堂を抱える「外からの来訪者」を想定した構成となっており、この周辺には他に宿もないので有難い。
ちなみにモロッコの本当に小さな集落は集落内にて世界が完結しており、商店はおろか公共施設ですら看板など掲げていない。つまり「場所を知ってる地元民」以外を最初から相手にしてないのだ。
商店の営業日も時間も個人で全然違うため、一見の旅行者は「運よくお店が開いている」状態を見かけて買い物するより他にない。外部の者には厳しい地域だと思う。
なおこの町唯一の食堂は、作ってくれる料理が「パンに缶詰の具を挟むのみ!」だったので自炊した。というかそのメニュー、料理人必要ないよね?パンも缶詰も流通品で商店で買えるタイプだし。
確かに旅行者がこの町に滞在することは滅多にないと思うけど、地図で見た限りだとキャンプ場やコテージを抱えたツーリスティックなイメージがあったのも事実。どんな需要があるのか謎に満ちたアイト レアルの町である。
2022年11月29日(火) 走行距離67km 累計121023km