モロッコ66日目 タルファヤの町〜ダフラから北北東に約470km ラーユーンの町

 今回西サハラを走行するにおいてゲルミン以降に大きな町が4つあり、そこを勝手にチェックポイントと定めている。その最初の町がラーユーン、西サハラ地域における最大の町だ。

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 現地ではアイウンって呼ばれ方もしてるらしい

 タルファヤから南下する道は2つに分かれていて、片や先日廃船を見に行った海岸線に沿うルート。片や内陸部に入って進む国道1号線ルートだ。正直どちらを選んでも合流できるので、あんまり考えなくても大丈夫だと思われる。

 でもまぁ今日も西からの風が吹き付ける1日で、海からの湿った風を海岸線で受け続けたくはない。少しでも快適な気候を求めて1号線ルートを進む。

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 9kmほど走って1号線に合流

 片側2車線の大型道路が復活し路面状況も快適な道だ。海岸線ルートだとラーユーンに向かう場合は同じ道を往復する形を取らねばならず、そういう意味でもサイクリストはこちらのルートを選ぶ人が多そうな気がする。

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 こっちの道だと大量の風力発電を間近に見れます

 隣国のアルジェリアとかモーリタニアは石油が発掘されるエネルギー資源の豊富な国だが、モロッコには石油がない。必然的に代替エネルギーが必要になる訳だが、この風力発電もそうした一環なのかもしれない・・・とか思いつつ。

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 アフリカでこんな大量の風力発電見るとは思わなかった

 30kmほどでターという名の小さな町に。何の変哲もない砂漠の集落なのだが、町の中心にはオブジェが置かれ、恐らくここが西サハラ地域との境界線になっている模様。

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 如何にもな線が引かれてるので

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 そうするとある意味では国境の町なワケだ

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 その割に宿もあった

 数日前にゲルミンの町で「モロッコでここから南にゲルミンよりも大きな町はない」と表現したのはこの西サハラ地域をモロッコ領土として扱うか否かという点で解釈が分かれているからだ。

 私の独断と偏見ありありの見方をすれば、植民地だった土地をスペインが領有権放棄したものの、現地民ではなくモロッコが自国の土地だと主張し侵攻&占領。国連の働きかけもあり停戦後に「西サハラはどこの国か?」という住民投票で決めるべし!・・・となってもそのままズルズル30年以上が経過している感じ。

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 なので地図では空白で塗られてることが多い

 だったが2年ほど前にアメリカの当時大統領が「西サハラはモロッコの土地だ」などと宣言してしまい、モロッコ側はこれ幸いとばかりに西サハラ地域をモロッコ領としてない地図を見つけると「この地図は間違っている!没収だ」・・・とか揉めたのがモロッコ入国時の話。

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 こんな砂と地平線ばかりの土地なのに

 ともあれモロッコ側としては「ここはモロッコの土地」としているのであり、ラーユーンはそういう意味で西サハラ地域の最大の町でもあり、モロッコ南部における最大の町でもある。

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 そんなラーユーンにやっとこ到着

 私は一介の旅行者なので領土問題に対してどうこう意見をいうつもりは無いが、ラーユーンの町自体はモロッコ本土とはやや雰囲気が違うとは感じた。大都市だけどメディナとかもなくて全体的に新しいのだ。

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 住民増やして既成事実作ろうとしてるんだろうなー

 ああ、だからガソスタの料金とかもこの地域入って突然安くなったのか。西サハラ地域は税金が優遇されていると聞いたが、人口流入させるために町の建設をしたり色々やってるワケだ。

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 そうすると、このマックも誘致したのかもしれない

 まあ邪推しても仕方のないことだ。それより私は第1チェックポイント到達ということでゆっくり休みたい。西サハラ地域はまだ始まったばかりなのだから。

 2022年12月9日(金) 走行距離106km  累計121734km