2023年4月22日〜5月9日
 走行日数18日間
 累計走行距離1217km(129980km〜131197km)

◎道路
 全体的には非常によろしい。側道も広くて危険も少ないし、他国で散々邪魔されてきた凸凹のバンプもザンビア国内ではかなりマイルドな物が多くて走りやすい。
 ただ駄目な区間はとことんダメで、特にグレートイーストロードの後半戦は路面穴だらけだし広かった側道幅も1/3に縮まってしまう上にしょっちゅう崩れて走行不能となってたりする。そういう道でも車両は他の「速度出しても危険のない道路」と同じように爆速で走り抜けてこうとする傾向があるため、劣悪な道は走り辛さ以上に悪い面を強調させることとなる。なお日本と同じく車両は左側走行。
 国の中心にあるルサカを境として東西南北に主要道路が延びているが、私が走った東部と南部の道路は明らかに差があり東部のグレートイーストロードは激しいアップダウン、道中数少ない補給箇所と走行難易度がかなり高い。路面状態の悪い道が多いのもこっち。
 対して国の南へ延びる国道1号線は、一部路面が悪い地域もあったものの全体的にフラットだし1日走れば1回くらいは大型スーパーを抱える都市すら出てくる道。前半で苦労したため覚悟して後半戦臨んだのだが拍子ぬけするほどだった。
 500m以下の場所まで標高下げることもあった(東部地域)が、全体的には1000m前後で安定しており、実は自転車で走るにおいて非常に良いコンディションが続く。もうちょい景色に変化があればもっとサイクリストに人気が出そうなルートに思えるが、残念ながらザンビアは最初から最後までほぼ同じような風景が続く。嫌いな人はとことん嫌いな道だと思う。

◎治安
 あんまり良いとはいえない感じ。宿泊費が上がったこともあり野宿やテント泊の割合もっと上げても良いと思っていたのだが、割とザンビアの雰囲気がよろしくなくてテントではなく宿を選んだ場面が何度かある。
 首都のルサカは明らかに大都市となった関係で、他のアフリカ巨大都市がそうであるように治安の悪い場所は洒落にならないレベルで雰囲気悪い。宿泊したエリアは高級住宅地街だったけど、家々の防犯レベルが相当厳重になったと感じたし、ちょくちょく銃を持ったガードマンの姿も見かけた。
 あとザンビア人から「首都や大都市は治安が悪いから気をつけろ!」と複数回聞かされており、これがザンビアにおける治安のイメージをより悪く感じさせる原因になっている気がしないでもない。
 感覚的には東アフリカだとケニア・エチオピアよりは安全で、タンザニアとどっこい程度の印象かな。

◎ビザ・出入国
 割と最近の2022年11月にビザが必要なくなり日本人はノービザ入国が出来るようになった国である。それ以前は50米ドルを支払ってアライバルビザでの取得が一般的だった。
 ということで面倒な手続きも何も必要なく、イミグレーションでも入国審査済ませたらそのままパスポートにスタンプ押されて返してくれる。ただし滞在期間は最長30日っぽいため、タンザニアからの入国でザンビアまるっと横断してボツワナやナミビアへ抜けるルートの場合、のんびり進むと後半滞在期限に追われる可能性があるかもしれない。

◎交通事情
 アフリカという点を考慮に入れればだが、そこまで腹を立てるほど無茶苦茶な運転してくる輩は多くない。というか全体的に道路幅が広いので多少の荒い運転は相殺されてしまうだけかも。
 ヤバいのは大型バスで、基本的にアクセルを抜いて減速だとかブレーキを使うという行為をしない呪いでも掛けられてるのかと疑いたくなるほど常にエンジン全開でぶっ飛ばしており、対向車がいようがお構いなし。そんな運転なので自転車に対しては「どかなきゃ轢き殺す」レベルの運転するクソが多かったな。
 不思議なのがザンビアでは自転車が道路の反対車線を走る輩の割合が特に多い国で、体感4割くらいの自転車乗りが右側車線を走ってこちらの真正面から迫ってくる。流石に道路交通違反だと理解してはいるのか、向こうが勝手に道を譲るよう避けてくれるけどさ。それなら素直に最初からキープレフトで走りなさいよとは思う。
 大都市レベルの町には信号機が設置されてたりラウンドアバウトが置かれているが、あんまり交通ルールを守らない車両もいるためこのテのポイントでは十分な注意を払う必要がある。
 あと途上国のドライバーらしく、路肩に停まる際やそこから発進する時に後方確認はほぼしてないし、自転車が迫ってきてても無視して動き出す傾向がある。バンタイプのバスなんかは所構わずその辺の人を乗せたり下ろしたり繰り返すので、町から離れた場所でもコイツが近くにいる時は気が抜けない。

◎特徴
 北から南下してくるとザンビアからブラックアフリカの国というより、白人パワー(南アフリカ)の影響力が強くなった国に変わったと感じさせる。具体的には貧しくて汚くて煩くてパワフルだったのが、割と行儀良くなり外国資本による巨大な国際企業が増えた。
 歴史的にローデシアとして南アフリカ下にあったことは、今でも強く影響があるのだということが想像できる。まぁ旅行者としては先進的なスーパーだとか増えるので、恩恵を受ける点の方が多いのではないかと想像する。

◎気候
 4月の後半からの入国だったがちょうど雨季の終了と同時のタイミングだった模様。おかげでテント泊が増えたザンビアだけど1度も雨に降られることなくこの国を走ることができた。なお一般的に言われてるザンビアの雨季は2〜4月まで。
 標高が安定して高いこともあり、日中の気温も30度に届くことはほとんどなかったし、夜間の冷え込みにあっても10度を下回るほどではなく実に快適に過ごせた。その割に日記本文で「暑いアツイ」のたもうてるが標高の恩恵を受けての過ごしやすさなので、川を渡る等で標高下げると途端に厳しい暑さに襲われる。多くの宿が水シャワーのみだったけど、夜中になってから浴びると少々気合が必要かな?というイメージ。
 あと恒常的に南東からの風が吹き続けていたため、基本追い風で進路に寄っては横からの風に吹かれることもあったかな。アフリカを北上するルートだったらザンビアは少々風で苦労するかと思われる。

◎言語
 ニャンジャ語というのが現地で最も一般的に使われてる言語らしい。とはいえマラウイ並みかそれ以上に英語を解する人がいるため意思疎通は容易である。看板に表示されてる言語もまず英語が出てくるし、久々に見かけた本屋の使用文字も英語で統一されていた。なのでよっぽど奥まった村にでも行かない限りは英語が通じると思って間違いない。
 ただ発音に若干の癖があり、特に20と30の発音が聞き分けしづらいというのが私の感想。丁度この価格帯が1食の値段に相当するのだが、しっかり確認しておかないと料金支払いの段階になって「30クワチャだ」「いや20クワチャと言っただろ!」みたいな感じで揉めることになるので要注意。ちなみに私は複数回揉めたんだけど、2度目以降は指先で数字作って確認までしたのにこうなった。ザンビア人が外国人相手にする際における詐欺の常套手段だったり・・・というのは流石に穿ち過ぎな見方だと思うけど。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 それまでと比べて結構値上がりしたものの、田舎なら探せば1000円以内で宿泊できる宿が見つかることもあるレベル。私が泊まった宿は70〜130クワチャ(約520〜970円)くらいだったが、都会ではドミトリーの部屋でもこれでは宿泊出来ない。
 その代わりなのか、敷地内にテントを張らせてもらい建物の設備は利用できるという半キャンプ方式を採用している宿が割とあり、このスタイルならば多少は金額が抑えられる。
 なお値段は上がったが宿の質はマラウイと大差ない・・・というのが正直なところで、夜遅くまで爆音鳴らしてるのも同様。
 それまでのアフリカ諸国に比べてかなり人のいない区間も出てきたため、ある程度町から離れればテント張って野営出来そうなポイントもチラホラあったように思う。私の場合はやや怖かったので人様にお願いして敷地内にテント張らせてもらう方式で凌いだけども。
 Wi-Fi事情に関しては多少改善した印象で、チョベ・ルサカ・リビングストンの3都市ではいずれも宿泊施設でWi-Fiを利用できた。速度もかなり速くて驚いた反面、調子が悪いとすぐに繋がらなくなる不安定さが気になる。私は3箇所全てでWi-Fiがまともに繋がらずネット接続できない状況に陥った。数時間で復旧したこともあれば、チパタみたく出発日まで直らなかったこともある。

◎動物
 ザンビア紙幣にはバッファローとか色んな動物の絵が描かれてるけど、見たのはいつもの牛・ヤギを中心とした家畜ばかり。路上で蛇を見る回数が多かったのが1番大きな違いかもしれない。
 死んでるハリモグラとかもいたので、運さえ良ければサファリに行かずとも割と面白そうな動物に遭遇できる可能性はあるのだろう。なお全国的に蚊の数が多くて対処に苦労した国でもある。
 印象的だったのはルサカの宿でスタッフがキッチン脇にて鶏を絞めて羽をもいでる光景を見れたこと。実に手際よく鶏がチキンへと姿を変えていくのだが、ザンビアではこうしたフェレッシュなチキンを楽しめる機会があるかもしれない。
 なお犬は姿を見た記憶もないレベル。東部アフリカでは犬を飼うという行為自体が珍しいのかもしれない。

◎自転車店
 これはタンザニア・マラウイと比べて大分改善されたと思う。恐らくザンビア国内に展開しているバッファローバイシクルというショップの他にも店舗型である程度しっかりした部品を扱っていそうな雰囲気のショップをチラホラ見かけた。
 取り扱っている自転車の多くはシティサイクル主体の物が多かったけど、それなりにSIMANOのパーツを取り付けたスポーツ用の自転車使ってる人が増えたので、トラブル発生時にもザンビアなら何とか国内で対応できる可能性が出てきたといえる。
 あと首都のルサカでは本格的なロードに乗ってるサイクリストを複数回見かけたので、恐らくは市内の何処かにちゃんとしたプロショップの1軒くらいあると思われる。私はザンビア国内で特にトラブル起きなかったのでショップ自体全然見て回ることをせず、これ以上のことは言えないかな。

◎物価・食事
 マラウイと同様にメインの肉と葉物の野菜、そしてシマ。ひたすらこのパターンが続くのだが、ザンビアは国土が広いため、1〜2日走ればそれなりに規模の大きな町で、他の食事やれスーパーで何か買い物して凌ぐということが難しくなっているのが最大の問題。
 特にグレートイーストロードは食堂のある集落の間隔も長く、市場の野菜はトマトか芋しか売ってないというパターンが頻出するため、どう足掻いてもシマを食べていく必要に駆られる。なお料金は15〜40クワチャまであったが、大体牛肉なら20クワチャ(約150円)、鶏肉なら30クワチャ(約230円)くらいが相場。
 シマ自体は別に不味くないし、むしろなかなかイケる味だと思うのだが自炊しなければ毎日3食ずっとシマが続くことによる飽きが最大の敵。あとスプーンとかフォークは出てこないので毎回素手で食べることになり、熱々のシマは最初とても握れないほどで食べ方の相性悪いと思うのだけどな。
 ザンビアで褒められるのはビールの方で、750mlの大瓶が取り扱われるようになり地域によって値段差あるものの値段が18〜25クワチャ(約130〜180円)と非常にお買い得。私はモシというビールを好んで飲んでたけど、マラウイから続投してるカステルビールやブラックラベルという種類もあり、それぞれかなり味が違うので選ぶ楽しさもある。なお缶ビールも一部で販売してるが総じて料金割高となっているためザンビアでは1度も缶ビール買うことはなかった。ビンは1本2クワチャでキャッシュバックされる方式で、商店等で持ち帰る場合は空き瓶なければ店によって料金2クワチャ上乗せされる。
 ちなみにザンビアは都市部なら豚肉が販売されてて、アフリカではかなり珍しいと思ったのだけど。流石に料金は割高の傾向で牛肉よりも高いことが多かった。というか肉の中で牛が1番安い。
 野菜は都会のスーパーですらほとんど選べないレベル。謎にトマトだけは全国どこでも扱っているが、他にどこでも見かけたのはバナナくらい。期待しない方が正解。

◎総括
 国土が広くて単調な道が続く上に、道中の補給箇所少ない、食事がシマしかない、やや宿泊施設の値段が高いと自転車旅行する上でザンビアはやや難易度の高い国だと感じた。
 ただそれまでのブラックアフリカ諸国でほとんど無かった「人様からの親切を受ける」回数が爆増したのもこの国から。外国人見つける=金をくれ!・・・という思考がハッキリしすぎてるアフリカの人々に辟易することは多々あったが、異国の人間が旅行していることを喜び肯定してくれる地元民にたくさん会えたと感じたのはとても嬉しい。ウェルカムトゥザンビア(自国名)!って言われたの、東アフリカ圏で始めてなんじゃないかな?
 ビザも撤廃されて入国のハードルも下がったこともあるし、アフリカ随一の観光地であるヴィクトリアの滝も保有しており、なんだかんだアフリカにおいて旅行しやすい国だしな。英語がほぼ完璧に通じるのだし。
 東アフリカというとケニアやタンザニアといった国が有名で、ザンビアってどの辺に位置してる国なの?・・・という印象を持つ人も少ないかと想像するが、それらの国より先進的かつ独特の魅力を持ち合わせるこの国は、訪問するだけの魅力を持っていますよ。