2023年9月22日〜9月27日  10月23日
 走行日数7日間
 累計走行距離455km(1回目406Km・2回目49km)
         (140576km〜140981km・142324km〜142373km)

◎道路
 これはガクッとレベル落ちた。道路幅が狭まったのに加えて海岸線はキツめの斜度でアップダウンのオンパレード。崖を削って造ってるような道なので、ガードレールの外にエスケープできるような余裕のある場所も少ないし、そもそもガードレールが無くて落ちたら数十メートル真っ逆さまというエリアも多数存在する。アドリア海沿いを走る国道8号線の北部は大体そんな状況なので、走行には最新の注意を払う必要がある。なお車両は右側通行。
 だがこの道が悪いかと言われると「景色の良さ」という点において他所の海岸線道路の追付いを許さないほど素晴らしい景色が拝める絶景の連続であることは間違いない。むしろガードレールなんかあったらこの景色の邪魔になる!という感じだし、坂道の多さも美しい海と島々を様々な角度から眺められるスパイスとして機能する。日記本文でも書いたが「景色の良さ」という1点突破で魅力となっている道なので、そういうものだと思って走る方が良いと思う。
 ちなみに海岸線に沿う形で南北に山脈が連なっているため「ちょっとだけ海沿い走り、後は交通量少ない内陸部に行こう!」とかそういうルート組みもやや難しい。きっちり内陸まで入ってしまうと割と平坦貴重な道も多くて楽できたな。

◎治安
 田舎はともかく都会の治安は1枚落ちた印象を受けた。リオンの町外れなんかはゴミも多かったし落書きが明らかに増えたりと少々嫌な雰囲気を感じたし。よくあるけどツーリスティックな町だとダウンタウンの方がずっと治安的に安心できる雰囲気だったりするんだよね。
 内陸部に入ると相当な割合で廃墟が見受けられるのだが、そんな家の壁面には弾痕が見られたりとかする割に治安的な不安はむしろ少ないよう思う。というか内陸部は人が少なすぎて治安も何もあったもんじゃない系の国だわクロアチア。調べてみたら人口450万弱しかいないみたいだし。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定の加盟国なので北部スロベニアから入国する場合は審査なしでスルーとなる。一方でボスニア側との国境では普通に出入国審査が必要となり、オマケに人気観光地であるドゥブロブニグはクロアチアの飛び地となる形で国境線が引かれているため、本土側からそちらへ移動する場合はフェリー利用しないなら必ずボスニアとの出入国を繰り返すことになる。シェンゲン協定における日数カウントを間違える原因になりやすいため注意が必要かな。

◎交通事情
 あまり良いとは思わないかな。結構自転車に対してクラックション鳴らしてくるドライバーがいる一方で、もの凄い気を遣って追い越ししてくれるドライバーも多かったのだが、ナンバープレート見ると前者はクロアチアなのに対し、後者はドイツを中心とした他国の車両だったので、クロアチア人ドライバーの運転マナーは割と残念寄りなイメージがある。
 とはいえ町中の走行において無茶な運転してる印象はなく、あくまで郊外における走行でやんちゃ運転が増えるという感じか。そもそも海沿いの道路は国道8号線の他に車両用に高速道路が並行して延びており、長距離を移動する車両はほとんどそちらに入るため幹線道路の割に交通量が多くないのだ。ザグレブ近辺は不明瞭だがその他の内陸部は全体的に過疎っているため問題にならないし。
 なのでクロアチアは思い返してみると車両に対して腹を立てたり危険を感じたことが実はほとんどない国だったりする。全くないとは言ってない。

◎特徴
 今年(2023年)からシェンゲン協定の枠に組み込まれ、自転車旅行的には困る要因が増えた国。ちなみに通貨に関してもそれまで使用されていたクロアチアクーナは廃止され、ユーロに統一されている。聞くところではこの影響で国内半分以上の両替所が閉鎖になったらしい。
 私が訪問した時点でまだこの影響が随所に残っていると感じさせられたし、商品の値段にはユーロ表記と併せてクーナの表記がなされており、通過変更に伴う試行錯誤というか周知徹底が図れている最中なのだと感じさせられた。
 こうした関係で北部スロベニア等の国境ではフリーパスとなったものの、イミグレーションや免税店といった建物が残されており、そのどちらも閉鎖されて使い道を決めあぐねている様子が窺えた。
 とりあえず2022年以前の情報ではクロアチアでの通貨はクーナ表記とされているが、基本的に現在ではユーロしか使えないため古い情報の場合は勘違いしないよう。

◎気候
 雨続きのタイミングで入国したのは運が悪かっただけで、この時期そこまで雨ばかりの天気ということは無いと思う。だけど風に関しては季節か地形か両方か、アドリア海の海沿いでは結構な頻度で強風が吹き付けてくる。そんで多くの場合、クロアチアを走るサイクリストはアドリア海に沿ったルートを選択するため風の影響をモロに受けることとなる。
 2023年以前だったらあまりに強風の場合、無理せず日を跨いだ方が無難だと言えたワケだけど今年(2023年)からクロアチアはシェンゲン協定加盟国となってしまい、自転車旅行だと時間的な余裕が無い可能性が非常に高い。
 無理して走るのは良くないが、とりあえず私が言えることとして「下手に諸島巡りしようと船使って島に入ると強風で船が運休して島から脱出できなくなる」という可能性を考慮に入れておいた方が良いと思う。一応車両を積載するカーフェリーはよっぽど危険な風でもないと運休はしないらしい。

◎言語
 クロアチア語。旧ユーゴスラビア構成国にはキリル文字(スラブ文字)を使う国が多いのだが、クロアチア語はラテン文字(アルファベット)が使われているため読む分には多少楽。なお読めるとは言ってない。ちなみにボスニア語・セルビア語とはほぼ同一の言語らしい。
 英語の通用率が高いので人との意思疎通ではそれほど困窮することはなかったし、観光人気の国らしくある程度の規模がある町なら情報看板やれインフォメーションセンターやれが英語表記で記されていたりする。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 ガッツリ高い。私は西欧で宿を利用してないからハッキリした事言えないが、クロアチアの宿泊費用は東欧諸国より西欧に近いレベルだと思う。地域最安値のホステルで1泊4000円というのは円安&物価高の影響を考えても相当な値段でしょう。その代わりというべきか設備はしっかりしており、自炊するにも問題なく利用できる綺麗なキッチンとエアコンの効いた寝室は有難かった。
 まぁ長期自転車旅行者的には大雨でも無い限りはテント張るかな。人口少ない国なので比較的人が多くスペース見つけにくい海岸線ルートでも野宿が難しく無いのは助かる。ただし海沿いだと規模の小さな川は少ないし、主要河川もガチガチにコンクリ舗装されて町の中を通っているパターンが多いため川沿いにテントを張るのは難しい。かといって海で泳ぐと身体が塩でベトベトになってしまう事請け合いで、割とこの点クロアチアでは苦労した。
 なおWi-Fiに関してはスーパーよりガソスタのFreeWi-Fiメインに利用していたかな。大きな町のショッピングモールやデパートでも良いんだけど、適度に出てくるチェーン系のスーパーはWi-Fiサービス行っていないため、今までのヨーロッパ圏みたいな感じでネット探すと見つけにくいかもしれん。とはいえ1日複数回はFreeWi-Fi見つかっていたため、そんな困窮することはまず無いと言える。

◎動物
 何か海洋生物とか見れるかな?なんて思っていたけど特別面白い生物は目撃することもなく。海沿い&崖の多い地形であるためか家畜を見る機会も少なかったし、犬にもほとんど遭遇せず。一応内陸部を走った時にちょいちょい目にしたかな。なお猫の姿を割りとよく見かけた気がする。
 それとクロアチアはやたら猪注意の看板を見かけることが多く、実際に目撃したことはなかったものの、看板表記を信じるならば海沿い内陸部関係なく国内全域に猪が生息していることになるため、野営時の食料保存には注意をした方が良いと思う。

◎自転車店
 スロベニアから入って感じたのが、明らかに地元のサイクリストが減ったなということ。アドリア海に面するルートは自転車旅行的に人気が高く、荷物を大量に積載した自転車旅行者の姿は結構な比率で見かけるのだが、クロアチア自体の自転車人気は低いことが窺える。多分地元のサイクリストより自転車旅行者の方が多く見たぞ。
 そんな国なのでショップの数も一気に減って、大都市に行かねばマトモな自転車ショップが出てこなくなった。そういうレベルの都市にはデカトロンがあるため、細かな部品の購入とかだとそっちを利用してたので地味にクロアチアで自転車ショップはほとんど見ていない。偶然出てきたショップも悪天候での走行で中を見学する余裕がなかったので仕方ない。

◎物価・食事
 東欧の国として比較すると明らかに高い。観光で人気の国だから仕方ない面のかもしれないが、ツーリスティックなエリアにおける物価上昇率は凄まじく、特にドゥブロブニクに関してはここだけ別の国状態で鬼の物価高だ。そもそもレストラン使ってない私が言うな!と言われるかもしれないけどさ。
 3食自炊スタイルなら1日の食費が2000円を超えるようなことはまず無いが、それでもクロアチアではフェリー代とかの出費が嵩むことも多く、想定以上にお金を使ってしまった国といえる。ビールとか1本100円以下の商品も複数あったりと、1つ1つの商品比べるとそこまで大きな差が出てくるわけでは無いんだけどさ。
 総じて高いのは宿泊関係だったり移動(フェリーとか)や観光に関する点なので、実は自転車旅行で自炊&野宿のスタイルをしてる限りそこまで高くつくこともない。ただそれを徹底するのが難しめの国であるとは思うかな。

◎総括
 自転車旅行者としてはシェンゲン協定に加盟したことで間違いなく魅力を減らした国だといえる。アドリア海を沿って進む国道8号線のルートは、世界中様々な海岸線の道がある中でもトップクラスに素晴らしい景色を見せてくれたと思うのだが、強風や悪天候に相対する割合も多くじっくりと時間をかけて走行するのが望ましい環境であり、滞在期間に追われるヨーロピアン以外のサイクリストには非常に相性の悪い土地となってしまった。
 私もそうだが今後ヨーロッパを走行する自転車旅行者は、クロアチアを広く縦断するより幾つか面白そうなポイントのみを抑えて短期間で走り抜ける形で抜けていくスタイルが増えると予想する。それはあまり有名でない都市や観光地を通って楽しみを見つける自転車旅行とは相性が悪い。
 なまじ自転車旅行でも抜群の人気を誇る国だけに、実質的に滞在日数の短縮が行われたことは残念で仕方ない。なお自転車や徒歩での旅行でもなければこの点大した問題とならないため、多くの旅行者にとってこの点がクローズアップされることはないのだろう。無念である。