インド15日目 カナッグの町〜レーから南に約260km カレリの町
流石に丸1日ずっとフルパッキン自転車で登り続けてたダメージ残っており身体が重い。とはいえ山頂までは残すところ約7kmの距離であり、ここがシムラー〜マナリ間における最後の峠でもある。ここさえ超えてしまえば後は楽な道だ。
昨日最後に強烈な坂を登ってこの宿に到着したのだが、それはつまり今日スタートからその続きが始まるということでもある。とはいえこのポイントだけ斜度が急になってるだけで、ちょっと進めば落ち着くでしょう・・・と思ってたんだ。
優に平均斜度10%を越える道がいつまでも続くではないか!最初こそ必死にペダル踏んで何とか登っていた私だが、途中で更に斜度増したタイミングで限界超えた。1kmちょっとしか進んでないのに早くも押して進むことになろうとは。
サイクルコンピューターは速度が遅すぎて0km/hとしか表示されないし、一旦立ち止まって山頂までの距離を確認しようとすると周囲を飛んでるアブが足に止まって差してくるため落ち着くこともままならない。
本当に最後の500mくらいは斜度が緩んだこともあり乗車して登りきることできたけど、ここまで実質7割くらいは自転車押して進んでいる。
恐ろしいのはこの峠がラダックにおいては前哨戦にすら値しない山であるという点だ。3100mを越える最高地点(道路)は日本ならば国内最高地点である乗鞍岳駐車場より400m近く高いのだけど、私が向かっているラダックの平均標高は約3500mとされる土地。
ヒンドゥー教の寺院でお参りして一息ついたところで下り坂に突入する。本当は奥にある湖を見にトレッキングとかしたい気持ちもあるが、思ってたのの10倍くらい人でごった返しているため長時間自転車から離れるワケにもいかず。
それより気になっていたのはダウンヒル。一昨日のパンクもその前もある程度下り坂が続いた状態で突然空気が抜ける問題が起きており、今回も同様のトラブルが発生しない保証はない。
もう後が無い状況においてパンクは何としても避けたいというのがある中で、坂道を下っていくのは相当に緊張感がある。まぁそんなの気にしてても仕方がないし、僅か2kmでパンクしたんだけど。
しかも次の町までは山の中を10km以上進まなくてはたどり着けない場所である。流石に自己対処ではどうしようもないので通り過ぎる車両にSOSで助けを求めるヒッチハイク開始。
3台目に通った車両が止まってくれて自転車一式併せて載せてもらえることに。どうなることかと思ったけれど本当に助かりました、ありがとう。
山中にある町はどこも規模が小さくて修理できるか怪しいため、このまま峠を降りた先の比較的大きな町にて降ろしてもらう事となった。私が進んでる方向とも一致するのでお願いします。
1番キツいであろう峠を越えた後でのワープだったので気持ちとしてはそれほど凹んでいない。これが峠の手前でワープすることになり「大変なポイント車で抜けることできてラッキー」みたいなこと言ってたら私は自分に対してガッカリするだろうが、ペダル漕がなくても勝手に進む下り坂を残しての離脱は「キツいことから逃げたわけではない」感があるので。
ただ脇を流れる川は透明で綺麗な色しててひと泳ぎして遊びたいと思えるほど。デリーみたいな暑さばかりが充満する環境じゃなくて、自然の中における気温の高さは何というか爽やかさを感じてよろしい。
西からの道路と合流したカラムーダという町にて1車線しかなかった道路は一気に片側2車線の幅広道路へ切り替わった。ようやくストレスのない走行ができる環境になったかと思うと私も嬉しい。
最終的にハットの町で見つけたタイヤ修理屋の前で降ろしてもらった。失敗したのは荷物降ろしたら挨拶して直ぐに出発してしまった事で、記念撮影の1枚でも撮っておくべきだった。
流石にこれでマナリまで自走することは問題ないと思う。もうこの先マナリの町まで下り坂は出てこないし。
なんだかんだ動き出した時には16時半過ぎており、直ぐ近くに宿が出てきたので今日はもう終了することに。まだ11kmしか走ってないのだがそういう日もある。
当然これだけじゃ足りないので2軒目に梯子している茶壺さん。そりゃなるべく美味しいものを食べたいけれど、自転車旅行者ならばとにかく量があってこそ。インドに来て半月になるけど暑さによる食欲不振、スパイスの効いた辛い料理、不衛生な環境による下痢・・・これは相当体重落ちてる気がするな。
2024年6月11日(火) 走行距離11km 累計151888km